捨てられた3期生の不思議な復讐の教室へ   作:仁611

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人は努力をする事に、皆がいくらかの負担を感じながら目標へと邁進して行く。それらのプロセスには、凡人と天才では大きく異なった道のりを行くことで、到達点の違いが顕著に現れる。

 

凡人が10努力して7を得るなら、凡人で才能がある者は10を得るだろうが、天才は12を得てしまい既に次のステップを踏み始めている。言葉にするなら基礎・応用・発展・改革の四つを、凡人は応用まで行くが才能を持った者は発展まで行く、天才はそれらを改革する事で精度を上げて来る。

 

そんな天才が改革図案を持って再度生誕したならば、人類史を塗り替える本当の天才が生まれるだろう。ファンタジーの世界では、急にスキルを得て強くなるなどあるが、ここは現実で肉体や脳の成長は地道な積み重ねだ。

 

そんな積み重ねが、改革後の修正案を取り入れて行われたならば誰も超えることなど出来ないだろう。それが四法院美嘉と言う最高の図案を持った天才なのだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「四法院さんは、今まで出会わなかったタイプの女の子だからかな〜凄く興味が湧いたからかな」

 

「そうですか?私も松下さんの様な方は初めてです」

 

「そう言う事で、これから宜しくね」

 

「ええ、こちらこそ宜しくお願いします」

 

 

会話のキリが良いところで、担任なのだろうかキャリアウーマンの雰囲気を醸した女性が前方の扉から入ってきた。教壇の前まで進む女性は、綺麗な黒髪をポニーテールにしているレディースーツを纏った美人女性だった。

 

 

「先ずは、入学おめでとうと言わせてもらおう。私は君達の担任になった茶柱佐江だ……担当教科は日本史を受け持つ事になる。そしてこの学校では、進級の際にクラス“変更”は無いため君達とは3年間共に頑張る事になるだろう」

 

 

担任を名乗る茶柱先生は、不自然な言い回しをしながらポーカーフェイスを一切崩さずに説明を続けた。彼女が説明する文面には、入学案内に記載されている内容とより詳細な情報が含まれていた。

 

入学案内と携帯端末を各々に手渡され、その端末は学生証としても使用する電話機能とネットワークへのアクセスが可能だとか…。この携帯端末は、外部情報にアクセスが可能だが情報を発信する類のモノはプロテクトされる使用なのだとか。

 

この後に茶柱先生が言った言葉が、現時点で最重要と言える内容が多く述べられた。プライベートポイント(pr)と呼ばれる電子マネーを毎月1日に支給する事と、そして既に1pr=1円の価値があるポイントを10万prが振り込まれており、それらは入学した私達にはそれだけの資格があると判断された。

 

更には、この学校は“実力で評価”すると言う事や“敷地内のモノは全てprで購入出来る”などと、かなりイカれた決まりがある。そんな中で後から文句を言われたくない私は、茶柱先生の「質問が無いか?」と言う言葉に即座に反応して投げかけた。

 

 

「質問は無いか?」

 

「茶柱先生…質問よろしいですか?」

 

「ああ、構わんよ四法院」

 

「では、先ず来月は何ポイント支給でしょうか?」

 

「……それには答えられない」

 

「では、評価をする際に多くの監視カメラが影響しますか?」

 

「それは『する』と断言しよう」

 

「次ですが、評価は連帯責任ですか?」

 

「……人事考課の規約上、その内容は伝えられない」

 

「では最後に、Aクラスへの移動には何pr必要ですか?」

 

「「「「!?」」」」

 

 

教室全体が凍りついたのだが、最も全員が意味を理解している訳では無いが、茶柱先生はポーカーフェイスが若干崩れ落ち、驚愕で目を見開き瞳孔が大きく開いた。

 

 

「……2000万prで可能だ」

 

 

賢い者なら非常識な権利が買える事と、こんな高額なプライベートポイントが必要な権利が意味する訳を理解するだろう。理解している者は少ないが、7割以上がこの学校のシステムに不安を感じている。

 

茶柱先生は、言いたい事を言い終えた事で教室を後にしたが、とある生徒が私の側まで近寄って来た。その女子生徒は、綺麗な黒髪のロングストレートが印象的な美少女で、姿勢が良くて態度がかなり横柄な女の子だ。

 

 

「ねえ、貴女……四法院さんで良かったかしら?」

 

「ええ、そうですよ堀北鈴音さん」

 

「!?何故私の名前を?」

 

「教室前に張り出されてる座席表で知りました。それで、堀北さんは私に何を聞きたいのですか?」

 

「……プライベートポイント・評価・クラスについて聞きたいのだけど、教えてくれないかしら?」

 

「教えるのは構いませんが、堀北さんの中ではどの様に考えられているのですか?」

 

「プライベートポイントのポイント数が来月はまだ未定、そしてAクラスに上がるメリットがある事と、この学校は生徒の授業態度や日常を評価している事かしら?」

 

 

私達の会話はクラスメイト全員が黙って聞いている様で、何度も質問されるのも面倒なので提案する事にした。堀北さんに投げかける様にクラスメイトにも問うてみた。

 

 

「そうですね。では皆さんが、学校運営側だと仮定してお話をしましょうか…。この学校は『社会人として優秀な者を輩出する』事を大きな柱として、そんな生徒を輩出する為には子供達に成長してもらわないといけないですね。でも子供に『頑張れ』と言っても聞く訳ないですよね?それならば、頑張るメリットと頑張らないデメリットを与えたら良い……では答え合わせをしましょうか堀北さん?」

 

「……!?この学校は進学率・就職率100%——Aクラスのみにその権利を与える事や努力がお金に関わる」

 

「そうですね…今現時点では非常に可能性が高く、プライベートポイントと連動した数値が存在するかも知れません。その数値を基にクラス順位があるのかも知れませんが、まだ断言は出来ないですが私自身は確信してます」

 

「……」

 

「仮に私が毎日授業を寝て過ごして、クラスメイトが全員真面目に過ごしていたなら、私のせいでプライベートポイントが全員貰えなくなるでしょうね」

 

「……先生は、連帯責任の件は肯定してないわよ?」

 

「先生の反応で分かりましたが、それが無くとも社会人は会社の同僚達と一緒に仕事をして、給与は大まかに規定が存在するけれど、会社の誰かが仕事を放棄して業績悪化した場合、全体の収益が下がって給与が減るなど良くある話ですよ?」

 

「評価について聞きたいのだけど…」

 

「……今回はお答えしますが、問いを投げかけて帰ってくるのは子供まで、社会人になれば聞けない事も当然増えて行きます。それらを自身である程度考えたり情報を収集したり習慣付けるべきですね…。では問いですが、堀北さん以外に聞きましょうか、二つ前の席の幸村くん…どんな大人が評価されますか?」

 

「おっ俺か?………真面目な者か?」

 

「…真面目と言うのは抽象的ですが、皆さんもこんな言葉をご存知ですよね?『真面目な者ほど損をする』……当然ですが、欠勤しない事や仕事に真剣に取り組むなどは当たり前ですが、世の中には口が上手くて騙す者や、上手に手を抜ける器用な人も居ます。ではそれを踏まえた状態で櫛田さんはどうですか?」

 

「えっと……誠実で器用にこなせて社交的な頭の良い人かな?」

 

「かなり近付いて来てますが、どうしても残業を何日もしなければいけなかったり、人脈を駆使しないといけない状況があったりもしますから、それだけでは足りないですね」

 

「……完璧な人」

 

「正解ですよ堀北さん。学力・運動神経・体力・精神力・社交性・協調性・人脈・カリスマ性・努力家・誠実さ・狡猾さ・交渉力・思考力・行動力・問題解決力……それ以外にも多く存在するでしょうけれども、それら全てを持った者が『社会人として優秀』と定義できますね」

 

「そっそんなの出来る訳ねえよ!」

 

「そっそうだし!大体俺が、じっ自力で進学すれば関係ないだろ」

 

「池くんと山内くんでしたよね?出来ないと言って、駄々を捏ねる事をこの学校が許してくれるでしょうか?それにこの教室内に『進学率と就職率100%』を受ける気でいる人に、自分はどうでも良いから足引っ張るけど文句言うなと言っているのですよ?」

 

「「はぁ!?」」

 

「そっそんなん言ってねえだろ?」

 

「……」

 

「山内くん……この学校は『実力至上主義』と言っても過言では無いでしょうから、努力をしない者に待つのは恐らく退学ですよ?それに連帯責任の質問から、足を引っ張る者が居ればクラスメイトに必ず迷惑を掛ける事になるでしょうね」

 

「そうね……四法院さんが言う内容は、正直否定しようが無いわ」

 

「それとクラス順位があるのなら、これらの情報は武器であり盾でもあると思います。そんな情報を他クラスへと提供したら、自分も含めクラスメイトを裏切る事になるでしょうね」

 

「「「「……」」」」

 

「そうね。そうならない様に願っているわ」

 

 

教室は静寂に包まれているが、茶柱先生が来る前まで話していた者と討論を始めている。不良っぽい須藤くんですら複雑な思いを顔に出している様で、体格や体幹から見てスポーツマンだろう彼にはとって、運動以外も重要だと言われたら不良っぽい彼には苦痛でしか無いだろうな…。

 

山内くんは思考を放棄している様な発言を、仲良くなった池くんに言っているが、池くんは相槌のみで何やら考えている。そんな中でも無表情な綾小路くんと、鼻歌を歌いながら爪を磨く高円寺くんは異彩を放っているが、綾小路くんに関しては誰も気に留めて居ないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入学式が終わり、私はより多くの情報が欲しくて校内の監視カメラをチェックしていたら、部活棟の扉の向こうから「クッソ〜また負けたじゃねえか!15万ポイント持ってけ泥棒!?」と聴こえて来た為、チェス部と書かれた部室をノックした。

 

そこでは多くの生徒がチェス盤を挟み、顧問の先生がいる前で堂々と賭博チェスをしている様だった。そこで直ぐに思ったことは、顧問の眼前でやっていると言うことは、ポイントで部室内の賭博を黙認する権利でも買っているのではと思った。

 

そんな思考を一瞬で終わらせた私は「私も混ぜて下さい」と告げて顧問の先生にも視線を向けたが、頷いて自身も生徒と賭博チェスをしていた。

 

先輩方は私の容姿に驚いたのか、こんなに早く賭けをしに来る1年生に驚いたのかが分からないが、部長を名乗る3Aの女生徒が許可を出して多くの勝負を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の収穫は、先輩達の総額ポイントが3年生は400〜800pr程あり、2年生は150〜500程持っている事と、500万pr以上のポイントを賭博で得られた事だが、何よりも顧問の先生や先輩から得られたシステム以外の質問だった。

 

 

Q.自販機以外の無料はあるか?

A.食堂・コンビニ・スーパー・ドラッグストアetc

 

Q.お店に無い商品の取り寄せ出来る?

A.基本的には、そのジャンルのお店で取り寄せ

 

Q.部活は個人のみの評価か?

A.基準は各部で違うが、個人以外もある

 

Q.情報収集の簡単な方法は?

A.学校のネット掲示板

 

Q.この学校の有力者は?

A.3-A堀北学・2-A南雲雅・2-B鬼龍院楓花

※ここで分かったチェス部の驚いた理由は、鬼龍院先輩の妹かと思ったらしく、白髪の絶世美女と言う点が同じだと言われたが、私の方がかなり柔らかく常識的な性格と見た目らしい。

 

 

これら以外にも豆知識的な内容を聞いたりしたが、先輩方で男子陣の連絡先をくれはうざかったが、チェス部は割と女性達も多い為に多くの同性(?)連絡先を手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どう言う方向で向かうか?

  • ボーイズラブ?
  • ガールズラブ?
  • どっちも?
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