IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―(OCCF) 作:黒川 優
こんにちは、作者こと黒川 優です。
以前お伝えしましたがバイトにより更新が遅くなりました。
私にバイトと小説作成はできませんでした。
気疲れだけで体がダメになりそうってのもあるのですが(笑)
まぁそんな私の下らない話はともかく、本編をどうぞ ♪ヽ(´▽`)/
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平行切替(パラレル・スイッチ)
操縦者が武器の収納空間を干渉することで異なる武器に対しても平行処理を行うことができる技術
(銃を撃つことに関しては意識が第3、第4の手になると考えると分かりやすい?)
(因みに、刀で平行切替を行うと手を使わずに刀を動かせる)
しかし、同時作業の連続である実戦で武器の使用にまで同時作業を強いられることもあり、使用者には高い処理能力が問われる。また、そのため長時間の使用は難しい。
理論としてはこの技術は高速切替の延長上に存在すると言われていたが、実際に使えるのはシャルロットだけである。
◇
(優side―管制室)
「どういうことでしょうか?ボーデヴィッヒさんのISが突然爆発を繰り返すなんて…」
山田先生はこの変わった事態に驚く。
爆発と言っても小規模なもので単体では装甲を破壊することはない。
が、これがラウラとの戦いでの攻略ポイントになる。
「ISは全て正常。となるとデュノア達の仕業か。……なるほどそういうことか」
「え?どういうことなのですか?」
千冬さんに対して山田先生は未だにわかっていなかった。
「差し金はどうせお前だろう。お前が答えろ」
「えーめんど「ギロッ」了解です。実は今回シャルルの射撃武器を全て徹甲弾にしました」
「なぜ弾数の少ない徹甲弾なのですか?」
「確かに通常弾で多角攻撃を行えばAICをくぐり抜けることはできますが無駄が多く、長期戦には向きません。ですが、あの徹甲弾はシャルルの意志で爆発させることができます。これによりAICの発動時に爆発させることで確実に隙を作ることができます」
勿論、毎回AIC発動時に使えばラウラにバレるから、適当に爆発させるように指示はしてある。
「でもデュノア君、射撃しながら爆発させてますよね。
いくら高速切替でもタイムラグが生じますよね?」
そう。山田先生に言う通り高速切替は武器の切り替えが速いだけで同時に別の動作ができるわけではない。
「なので、シャルロットには一段階上の技術を身に着けてもらいました」
「それって……」
高速切替を上回る、意識による収納空間の干渉
「―平行切替―」
◇
(ラウラside)
『はぁぁぁぁ!』
織斑 一夏が雪片を構え接近してくる。
零落白夜、くらえばシールドエネルギーを大きく削られる。
それをAICで止めにかかるが……
バン!
「くっ」
爆発に邪魔されてAICが途切れる。
AICの拘束が解け再び自由になった刃を触れないように距離を取る。
さっきからこの調子だ。AICを使うと爆発が起こる。
(故障か?)
いや、チェックをしているがAICを含む全ての機能は正常だ。なら何故?
「よそ見していていいのかな」
「なんだ…それは……」
「ふふっ」
デュノアの銃はトリガーから先が光の粒子のままだが、その先は10種類ものの銃が展開されていた。
―ダダダダダッ!!
弾幕と爆発の嵐でAICでは対処しきれない状況。
私はワイヤーブレードを盾の形にして防ぐしかなかった。
「これで終わりだ!」
再び零落白夜を発動した織斑一夏が爆発をものともせず接近してきた。
退路はない。しかし、一人なら――
AICを二面展開。ワイヤーの盾とAICでデュノアの攻撃を防ぎ、残った方のAICで雪片を止めた。
「万事休すだな」
「くっ……」
AICを封じての零落白夜による奇襲だったのだろう。
が、こいつの直線的な攻撃は奇襲には向かなかった。
『それはどうかな?』
爆発の中、現れたのは射撃を続けているはずのデュノアだった。
「バカな!?お前は……」
「僕は上にも撃っていたんだよ」
「Sky Shineか」
実弾装備の武装のみができる技術Sky Shine。
打ち上げた弾にかかる重力を利用して上空からも弾を放つように見せる技。
視界不良でどこから弾が来ているのか分からないこの状況とデュノアの機体には最も有効な行動だった。
「今なら当てられる」
盾の一部がパージし中から新たな武器が見える。
(あれは……!?)
第二世代最強兵器―灰色の鱗殻。通称『盾殺し』
あれを受けるのはマズい。
AICを起動し止めにかかる。
――が、止められなかった。
ズガン――‼
パイルバンカーの一撃が腹部に入り私はアリーナの壁に激突した。
「げほっ……」
さっきの一撃でエネルギーを大きく失った。
それに盾殺しを止めようと起動させたAICもやられてしまった。
対して、織斑 一夏もシャルル・デュノアもエネルギーはまだある。
この状況をひっくり返すのは絶望的だった。
(私は負けるのか…。また、負けるのか……)
昔も、そしてこの前も私は黒川に負けた。
けど、私はもう負けるわけにはいかない。あんな奴の力を認めるわけにはいかない。
あれを認めてしまったら私の力は……私の生きる意味は………。
『――願うか……? 汝、自らの変革を望むか……? より強い力を欲するか……?』
言うまでもない。力があるのなら、それを得られるのなら、私など――空っぽの私など、何から何までくれてやる!
だから、力を……比類無き最強を、唯一無二の絶対を――私によこせ!
Damage level ………D.
Maindcondition ……… Uplift .
Certification ……… Clear .
《Valkyrie Trace System 》 ………boot.
◇
(一夏side)
「なんだあれは…」
紫電を放つシュバルツア・レーゲンはラウラを取り込んだまま一度球状になったあと、一気にその姿を変えた。
それは黒い全身装甲のISのような何か。
先月の無人機とは形状は異なるが禍々しい雰囲気を纏っている。
ただ一つだけ確かなものがある。奴の持つブレード。
「≪雪片≫……」
間違いない。千冬姉の暮桜で振るっていた刀。
かなり構精にできている。ここまでいくと複写のレベルだ。
俺は無意識に雪片弐型を構え黒いISに接近した。
あれを許してはいけない。心のどこかでそう感じていた。
『――!』
「げふっ!?」
横一閃で雪片が弾き飛ばされもう一閃で両断させる。
ファントムが緊急回避で一瞬バックするも具現化限界を超える。その勢いで生身のままアリーナの端に吹き飛ばされた。
(これは……)
形としては紛れもない。千冬姉が得意としている「一閃二断の構え」
しかもその流れるような一連の動きは千冬姉そのものだった。
瞬間加速で接近していたらしく、眼前に刀が突きの状態で向けられていた。
――ザクッ
「……ったく、コイツもコイツで面倒なもの載せてるな」
「優……」
ミスティルで黒い雪片の軌道をずらしてくれたおかげで、間一髪で俺の頭の壁に突きささった。
優は更にラウラを包んだ黒い機体を覆うように赤槍―アキュレスの部分展開を利用して地面からも赤い槍を十字架の形になるように展開した。
「また喰らっとけ。――Unsleep scarlet moonlight(眠らぬ紅い月夜)」
紅い槍が一斉に黒い機体を襲う。
黒い機体は自身が形成した黒い雪片を使って迫り来る槍を全て叩き落とした。
『あんだけのものに狙われたら刀を振らざる負えないよな』
優は俺のもとを離れて既に雪片の内側、黒い機体の懐に入っていた。
最初からそのために陽動をかけていたのだ。
さっき『Unsleep scarlet moonlight』と言って展開された赤い槍がミスティルによって優の腕で束ねられ竜の尾のようになりそのまま黒い機体を壁に叩きつけた。
「抑えました。増援と観客の避難をお願いします」
『わかった。鎮圧のために教師部隊を送る。しばらく抑えておけ』
「了解」
「黒川、一体何が」
「箒。バカ、お前の打鉄はエネルギーが無いんだから無暗に出るなって」
「優、一体何が起こってるの?」
ここでシャルルも合流。これで箒の安全も確保された。
「ラウラが委員会で禁止しているものを使った。それで千冬さんをコピーしたらしい」
「……ホントか?」
「まぁそうだろ。ドイツなら第2回モンドクロッソのデータもあるし。
間違いないだろう。こっからは俺の仕事だ」
優は早く下がれと言わんばかりに手をしっしっと振ってきた。
「…嫌だ」
「一夏?何を言っている?お前の機体はエネルギーがないのだぞ?
それに教師部隊も来る。お前が参加することはないし、することはできない」
箒の言うことは合っている。理論整然としている。でも……
「それでも、これは、これだけは『俺がやらなきゃいけない』んだ」
千冬姉の強さと優しさをこんな形で汚すアレを俺は許してはいけない。
織斑 千冬の弟があんなものを見せられて退いちゃいけない。
「さっき一撃で沈んだ奴が何を言う?
これは大会や模擬戦のお遊戯とは違う。次は死ぬぞ」
優は今まで見たことないほど鋭く睨んできた。
「いいや。俺は倒されることはあっても俺は負けない。
あんな力に屈したりもしない」
「…………………………」
「…………………………」
俺と優は無言で睨み合っていたが、優は溜め息を付いてこの重い均衡を切った。
「……ったく。仕方ねぇな。ファントムを出せ」
「えっ、でもファントムはエネルギー切れで……」
「だからエネルギーをやるよ」
「ただ、俺はアレを抑えるのに手一杯だ。シャルできるか?」
「大丈夫だよ。何ならリヴァイブのでもいいけど」
「もしもの時にそれは避けたい。それに百式にしても機体全てを展開できないだろうしな」
銀色の打鉄に似た機体が1機、俺達の前に展開された。
「じゃあ一夏ここに来て。エネルギーの転換を始めるから」
シャルルがディスプレイで操作すると、銀色の機体が収納されたかのように光の粒子になり俺を包み込んだ。
「すげーな。エネルギーが全回復した」
「当たり前だ。その機体は俺の知る中で一番優秀な機体だ」
「……なんでそんな大層な機体を俺に?」
「俺には必要ないし、これ以上持つべきじゃないからな」
持ち過ぎた力は暴力になるって言いたいのだろうか。
けど、アインスを制御できる優なら大丈夫な気も……。
「ほら、早く行け」
「優……」
何でもことのように蹴って俺を前に出す。
「一夏!」
「どうした箒?」
「その…死ぬな、絶対に。そうでなければ私は……」
「…すまん。よく聞こえなかった」
打鉄のエネルギーはないから箒の声はファントムが拾ってくれないんだよな……。
「骨は拾ってやるだとよ」
「く、黒川!?」
優がわざわざ介してくれたのに箒は驚いた表情をしていた。
なんだ?自分から言い出したことなのに聞かれたら困るのか?
「箒までそうゆうこと言うのか……」
「いや違う!私は……」
「私は?」
何か言いたそうだが顔を赤らめたりあたふたしたりして全然聞こえないし分からない。
「ええぃ!後で骨拾いでも何でもしてやる!もう行ってこい!」
えぇー。何か逆ギレされた。
……やっぱり俺って嫌われてるのか?
「じゃあいいか二人とも」
「…………」
「頼む」
「いくぞ」
「あぁ」
優がミスティルを解き、赤い槍は箒を守るために再展開された。
槍の尾から解放された黒い機体は真っ直ぐ優達のもとへ接近していった。
――ガキィン!
「悪いが、相手は俺だぜ」
「―――――――――」
刀を弾き距離を置き対峙する。
コイツがどんな思考で動いているのかは知らないが、標的を俺に変えたようだ。
「零落白夜―発動」
エネルギーを得た雪片は力強く、いつもの2倍近い長さになって展開された。
(今はそんなにでかくなくていいぜ。今必要なのは素早く振りぬける、洗礼された刀だ)
そう。元々一振りでシールドエネルギーを無効にできる零落白夜。一太刀入れられればいい。
雪片は俺の意志に呼応するように細く鋭くなりまるで日本刀のようになった。
「いくぜ。偽者野郎」
黒い機体は俺に剣を振るう。
幼い頃、何度も見た太刀筋だ。
けど、そこに何の意志も乗ってはいない。
なら、それを打ち砕くことは難しいことじゃない。
押し返し、今度はこっちから畳み掛ける。
――これが本当の
横の払いで相手の刀を弾き飛ばす。そして、
「はあぁぁぁあ!」
――一閃二断の構えだ
上段から一文字に振るい落とした一閃は黒い機体を深々と引き裂いた。
機体から紫電が走り切り口からラウラが姿を現した。
(……ったくなんだよ。そんな捨てられた子犬のような顔しやがって)
仕方ない。殴るのは勘弁して―――
「一夏!避けろ!」
「え?」」
箒の声で上を見た時には白と青のツートンカラーの機体が俺にブレードを振り下ろしていた。
VTシステムはあっさり終わらせて頂きました。
あとが閊えていますもので……。
それが次回になります。
まぁ言葉だけならもう出てるんですけどね。
だから見直すと分かったり?
それではまた次回。
ここまで読んで頂きありがとうございました。