IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―(OCCF)   作:黒川 優

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皆さんこんにちは。作者こと黒川 優です。

実は8月のUA(=読者の皆さん、と私は思っています)、必ず一人付いていたんです。
週1目標と言いながら3話しか投稿してないのに本当に皆様ありがとうございます。
頭が上がりません。

これから、より定期的な更新、(本当に余裕があれば)別の時系列の物語の投稿を行うことで皆様にお礼をしたいと思っています。

それでは本編へどうぞ♪ヽ(´▽`)/




Infinite Stratos Intercept System/ His secrets

□

-IS-(インフィニット・ストーム)

 

剣を振るうことで斬撃(近いイメージでは月牙天衝やサタンスラッシュ)を出す技

 

理論上、エネルギー系統の近接武装ならどの武器も可能だが、一太刀で複数の斬撃を繰り出すことは困難で大抵の操縦者は複数回剣を振り回すことで複数の斬撃を繰り出している。

 

(当然、千冬さんは一太刀でできます。

と言うより千冬さんが最初に使った)

 

 

◇

(一夏side)

 

 

『ミスティル』

 

風を纏ったアキュレスが投擲され、敵はその回避の為に俺から距離を取った。

 

「優サンキュー。助かった」

「お前ら下がれ」

 

優がピシャリと俺達に言い放った。

 

「な、何言ってるんだよ!俺達はまだ動ける。連携して戦った方が――」

「あれを見ろ」

 

優が指差す先、そこにはラウラが乗っていたIS。無人機は胸部からフォトンウィップを展開してISを吸収した。

 

「嘘だろ……」

 

しかも吸収した無人機のエネルギーが増大している。

 

「Infinite Stratos Intercept System……」

 

シャルロットが俺に答えを教えるかのように呟いた。

 

通称ISIS(アイスィス)

亡国機業が作った剥離材を応用した技術が搭載されている無人機、文字通りISを奪うための機体。

しかも厄介なのが吸収するとISISの能力が上がってしまうこと。

 

今のISにコイツの対策がない。

だからISでない優が対処するしかない。

 

「わかっただろ。お前達は避難第一にしろ。」

「……わかった」

 

こればっかりは下がるしかない。

俺は打鉄を、シャルロットはラウラと箒を抱えて飛び立つ。

それに反応したISISは再びフォトンウィップを展開、今度は俺達を捕えようとする。

が、それは優のミスティルによって機体ごと地面に落とされた。

 

「すげぇ…」

 

ISISが重力の影響を受けたかのように押しつぶされていた。

 

「一夏、行くぞ」

「あぁ」

 

俺達はISISが開けた穴から脱出した。

 

 

◇

(優side)

 

 

 

(一夏達は避難できたか…)

アリーナのシールドが再度覆われたところで少し安堵の息をもらす。

もし、もう一機ISを吸収されることになったら今の状態では勝算はなくなるからだ。

 

赤槍アキュレスを展開しISISに近づく。

ISISの胸部にあるコアはシステムの中枢であり弱点。そこを突けばISISは止まる。しかし……

 

(この機体はなんだ?)

ISISは基本単色で、白い機体のワイゼル、青い機体のスキエル、黄色い機体のグランエルの3種だけだ。二色のISISは存在しないはず。

 

(とにかく……破壊しないとな)

 

ザクッ――

 

手に持っていたアキュレスはただ地面に刺さっただけだった。

それはISISが10個のパーツに別れ、それぞれがビットとして独立起動し始めたからだ。

それぞれがビッドのように遠距離から俺を狙う。

 

「ちっ……ミスティル」

 

ビットと同じ10本の槍を展開し追尾させる。

が、無人機特有の正確無比の動きに一本の槍では対応しきれなかった。

それに槍の何本かは能力が行き届かず落下していた。

 

「……………」

 

(やっぱり今のままじゃ上手くいかないか…)

恐らく単一化してもこの結果は変わらないだろう。

このままいけば俺が不利になる。

他に機体で多角、かつ連続攻撃ができるのは、

 

(アイツぐらいか……)

 

「Access―シンクロスコープ」

 

 

 

 

◇

(千冬side―管制室)

 

 

「黒川君、大丈夫でしょうか?」

 

管制室にいる山田先生は悪戦苦闘する黒川を心配そうに見ていた。

 

「平気だろう。ただ今のままでは難しいだけだ」

「今のまま?」

「アインスの機体は一つではないだろう」

「あっ。そうでしたね」

 

アインスは黒川が使う複数のIFの総称。現に黒川は機体を変えている。

同調機体展開時に発生する独特の緑色の円が彼を覆う。

 

その光の中から現れた姿は白騎士を彷彿させた。

 

 

◇

(優side)

 

 

『―シンクロフライトコントロール、開始

リミッター解放

ブースター注入、開始1%、13%、35%……』

 

シンクロスコープによって同調率を引き上げたアインスは装甲が透明になり、周りに緑色の円を纏う。

 

『黒川』

「なんですか」

『その…すまない…』

「俺はもう子供じゃないです。気にしないで下さい 」

『……………』

「…はぁ」

 

千冬さんは子供をこの戦いに出すことを嫌う。

だから、俺は早く大人になれるように努力した。

大人達はそれを認められて副隊長にのし上げた。

それでもやはり千冬さんの中では俺は昔のままの幼く弱い俺らしい。

 

(何が足らないかね……)

とにかく、今はコイツを倒さないとな。

 

『ブースター注入、完了

リカバリーネットワーク、接続完了

レンジ修正、オールクリアー

―同調―スターダスト』

 

緑の円が消え辺りが光に満ちる。

その瞬間にピットを二つ切り落とした。

 

百式同様純白の装甲に純白に輝く羽織。

武装も白のレイピアのみ。

 

同調機体、スターダスト

 

 

同調機体は高い同調率が必要だがその能力は申し分ない。

スピードならレヴァを軽く上回る。

 

瞬間加速でビットまで一気に距離を詰め、逃げられる前に一太刀を入れ爆発させる。

 

(うん。悪くはない)

ISISはスターダストを警戒してかピットの一部を合体して接近してきた。

その姿はワイゼルだった。

 

(なるほど。ワイゼルに無理やりスキエルをビットして装備させたのか)

腕部のブレードとビットの多角攻撃を展開したレイピアで防御とカウンターを行う。これができるのは風を利用した連続攻撃を得意とするスターダストならではだ。

 

そのままカウンターでISISのコアに腕を突き刺す。

中枢を貫かれたことによりISISの起動が止まった。

 

「ふぅ」

 

引き抜くと鉄の塊になったISISはそのまま落下した。

 

(まったく。また面倒な時に襲撃しやがって)

しかし、以前と違って1機で良かったっと思うべきか。

 

 

ISISからレーゲンのコアをとりだそうとする――

 

『警告―ISIS再起動―警告―』

「な!?」

 

不意を突かれた俺は抵抗できないまま地面に叩き落とされた。

そのまま体を押さえ付けられる。

 

警告―高エネルギーを確認――警告―……

 

ISISのエネルギー砲にエネルギーが集中する。この距離でくらえばお陀仏になる。

 

(っとでも思ったか)

ブースターを全開にし装甲を収納する。装甲が無くなり隙間ができた隙に慣性でブースターの推進方向に体が飛ぶ。

離脱したところでレイピアを再展開する。

 

(そんなに壊れたければ壊してやるよ)

 

「-IS-」

 

レイピアから放たれたいくつもの風の斬撃。

それはISISを小間切れにした。

 

◇

(ラウラside―???)

 

 

 

 

私は宇宙のようなただ広い空間が広がっていた。

以前も私はここに来たことがある。その時は私一人しかいなかった。

しかし、今回は私の他にもう一人いるようだった。

飛んで誰なのかを確認する。その姿は織斑 一夏だった。

彼も私に気付いたのか振り向いて私に応える。

 

―織斑 一夏。なぜ、お前はそう強いのだ?

 

『別に、俺は強くも何ともない』

 

―なに?

そんなはずはない。じゃなかったら私は負けていなかったはずだ。

 

『もし、俺が強いと思うならそれは俺が誰かを守りたいと欲し続けるからかもしれないな』

 

―守りたい…か……。

軍での教えとしては存在した。

しかし、私にそのような考えは持てなかった。

なぜなら私は人としてではなく兵器として育てられたから。

 

『千冬姉は俺がISを使うことを嫌がっていた。

けど、ISが使えると分かった時、俺は嬉しかった。

この力があれば俺は千冬姉を守ることができる。

まぁ、今でも鈴とかにダメ出しばっかされるけどな』

 

―…………

私と同じように力を欲しているのに……。

どうしてコイツと私ではこうも違うのだろうか……。

 

『そうだ。もし、お前に困ったことがあったら守ってやるよラウラ・ボーデヴィッヒ』

 

織斑 一夏は私に優しく微笑む。

以前の私なら日和った、いかにも日本で育った危機意識のない顔だと思っただろう。

でも、違う。

 

この裏表のない表情は私を人と思ってくれた、私だけに向けられた暖かいものだった。

 

 

 

 

◇

(ラウラside―医務室)

 

 

(今のは……夢…?)

いや、それにしては今まで感じたことが無いほど暖かい。

 

「やれやれ。やっと目を覚ましたか」

 

その声に聞き覚えがある―聞き覚えがある、どころではない。

私が敬愛して止まない織斑教官の声だ。

 

「全身筋肉疲労と打撲だ。そのまま寝ていろ」

 

 

 

「私に、何が…起こったのですか……?」

 

「ボーデヴィッヒ、VTシステムは知っているな」

「はい」

 

知らないわけがない。

 

―ヴァルキリー・トレース・システム―

過去にモンド・クロッソの部門受賞者の動きをコピーするシステム。

2年前にドイツで起こったセカンドアメリカンの負の遺産と言っても過言ではない。

 

「そう、委員会が作ったIS条約によってどの国家・組織・機関においても研究、開発、使用が禁じられている。それがお前のレーゲンに積まれていた」

「……………」

「巧妙に隠されていたがな。

操縦者の精神状態、蓄積ダメージ、そして何より操縦者の意志というより願望か。

それが揃うと発動するようになっていた」

「……私が願ったからですね…」

 

―貴女になることを―

 

ISの技術云々の話以前に私自身が弱かった。

自分自身を信じられなかった自分が。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

「は、はい!」

「お前は何者だ?」

「……………………」

「なんだ自分の名前も言えないのか?」

「いえ……」

 

今の自分が何者か分からないわけではない。

私自身答えを出している。“空っぽの私”と。

 

 

「何を迷うことがある?お前は今も昔もラウラ・ボーデヴィッヒだろう」

「え……」

「これまで過ごした時間もそこにいたお前も全部否定することはない。

正しければ貫き、間違っていれば変えればいい。それだけだ。

何、時間なら腐るほどある。それに今のお前なら正してくれる奴もいるだろう」

「しかし………」

 

教官の弟と弟同然に育てていた黒川を目の敵にした私を許してくれるのだろうか…。

 

「なに、一夏も優もお前のことは嫌ってないさ。

嫌ってたら今頃お前はドイツに逆戻りだ。

アイツは使わないが副隊長もおいしい権力を持っているからな」

 

教官はニヤッと笑い席を立つ。

もう話すべきことは話したのだろう。

きっとこれからAIFとしての仕事に向かうようだった。

 

「最後に―」

 

教官はドアに手を当てながらも私に声を投げかけてくれた。

 

「お前は私にはなれんぞ。こう見えてあの馬鹿2人世話は苦労が絶えないからな」

 

 

「ふふっ…ははは」

 

教官がいなくなった後、私はおかしくて笑ってしまった。

2人共言うだけ言って結局最後は自分で何とかしろというのだ。ズルいことこの上ない。

 

 

私は今日、負けることが必ずしも悪いことではないことを知った。

 

 

 

◇

(優side―食堂)

 

 

「あーー……」

「お疲れ優」

「あー一夏、シャル」

 

シャルは月見うどん、一夏は海鮮塩ラーメンを持って俺のテーブルに来てくれた。

因みに俺はペペロンチーノを食いたかったが説教を受けたら食欲が無くなった。

 

「大丈夫?やっぱりISISとの戦闘はツライの?」

「いや。千冬さんに説教くらったのがツラくてな…」

 

今日は出席簿の角で頭を叩かれ続けその後は延々と説教タイム。

ちゃんと仕事はしたのに理不尽である。

 

まさかコアを二個持ってるとは思わなかった。

それに気付かなかったために最初からISISのコアに腕を入れた。

なんて言っても言い訳になるか。

 

でも、そんな怒らなくてもいいじゃん。

鬼、悪魔。

 

コツコツ―――

 

明らかに俺達とは違う足音が近づいてくる。

 

(……やっぱり来た!)

相手の気配とタイミングを合わせて膝を曲げる。

さらに腕で頭を覆う。完璧な防御。通称、カリスマガー……

 

「君は何をしてるのですか?」

「へ?」

 

後ろにいたのは千冬さんではなくゴドウィン長官だった。

 

「あ、いえ…。ちょっと落し物を……」

「あぁ、知ってますよ。カリスマガードって言うんですよね。

ちゃんと言わないとダメですよ“うー☆”と」

「長官……やめて、許して……」

「うー」

 

無言の圧力ならぬうーの圧力がかけられてしまった。

 

「………う、うー☆」

「「「…………………」」」

 

俺のカリスマガードを見た3人とも固まってしまった。

 

「もうやだ。死にたい」

「待て優。大丈夫だって!そんな気にすることじゃないって」

「シャルルですら口に手をあてるんだぞ。

もう終わりだ……お終いだぁ……」

「シャルル、何か言ってくれ」

「え、あ……その、可愛かったよ」

「ちょっ、シャルル何言ってんだよ」

 

………………………

………………

…………

 

 

「で、どうして長官がここに?」

「勿論ここでの騒動もありますが、それとは別に君に話があったんです」

 

長官がシャルロットに目配せる。

シャルロットも一夏も意外だった目を見開いていた。

 

「え?ぼ、私ですか?」

「えぇ。ここではあれですので場所を変えましょうか」

 

恐らく内容はデュノア社絡みの問題だろう。

他の生徒に聞かれないように長官はシャルを連れてどこかへ行った。

 

「はぁーー緊張した。

なんかオーラが違うよな」

「まぁ、経験の差ってやつだろう」

 

以前聞いた話では第二次世界大戦に参加したらしいし、激動の時代の舵をきってきたことに関してはあの人の右に出る人は多くはないだろう。

 

「そういえば、山田先生がお前に話があるらしい」

「そうなのか?」

「何でも大事な話らしい」

「普通の話だよな?」

 

時々聞こえる山田先生の妄想は教師としてはどうなのかと時々思う。

 

「さぁ?行けば分かるんじゃない?」

「無責任だな。まぁ行くしかないんだけど」

 

 

 

 

 

◇

(シャルロットside―IS学園)

 

 

 

「すみません。わざわざお呼びして」

「いえ。こちらこそすみません。私が委員会に行かないばかりに」

「いえ。お気になさらずに」

 

気さくに答えてくれる。

 

不思議な人だった。

白髪気味の銀髪なのに若い人のようにがっちりした体。

会社にもこの歳でありながらスポーツマンに近い体つきをした人なんていなかった。

 

「改めてご挨拶させて頂きます。私、国際IS委員会長官レクス・ゴドウィンといいます」

 

――長官。

あの人のこともあって一気に緊張の度合いが増す。

 

「私にどんなご用件できたのですか?」

「君の今後についてです。あぁ、連行などは一切ないのでご安心を」

 

レクス長官は手を挙げて他意がないことを示してくれた。

 

「近々、私はデュノア社の騒動について会見をしなければなりません。ただ、今の状況だと世間は被害者であるはずの君がまるで騒動の加担者のように映ってしまう。そう誤解されれば君の人生はまた大きく狂うでしょう」

「……………」

「今ある最善の手は黒川君の籍に移ることです」

「でも、そんなことできるのですか?」

 

前に優にそんな話をされた時も思ったが、僕とあの人は血の繋がりがあるのに対し、優と僕は他人なのだ。

 

「それについては黒川君が君のお父さんと話しあって、君が彼のところに移るなら親権を渡してもいいと仰っていたそうです」

 

(……………)

 

「他に手はないのですか?」

 

一抹の期待を持って長官に聞いてみるけど、こうして僕の所に来るあたり無理なんだろう。

 

「はい。15の君に籍の独立は難しいですし、私がこう言うのもあれですが『他人に強要された』という事実が作れませんしね」

「……………」

 

ざっとこの先のことを考える。

籍を移せば僕は『娘』という形に納まって、セシリアみたいに優を狙っている人と確実に差が開く。

けど、それ以上は行けない。

 

「どうでしょうか?」

「……………」

 

でも、このままいけば候補生を降ろされ、生きる手が無くなる。

そもそも優に会えることも無くなる……。

 

そうなれば前と変わらない灰色の世界が待っているのかもしれない。

そう思うと怖かった。

 

「まだ時間はあるので本部に電話してもらえれば―」

「…いえ。大丈夫です。優のところに籍を移します」

「そうですか。話が早くて助かります」

 

 

 

「そろそろ出てきたらどうですか?」

「え……?」

 

長官の目線の先の茂みから優が現れた。

 

「どうして優がここに?」

「用事から戻る時にたまたま見かけたからな」

 

そう言うけどここは食堂に対して寮とは反対側。

たぶん、優もこの話で長官が僕を呼んだのに気付いてたんだ。

 

「ちょうどよかった。君に確認したいことがあったのですよ」

「報告書に不備がありましたか?」

「いえ。報告書はほぼ完璧でしたよ。

もっと根本的な話を――先月、デュノア社を襲撃したのは君ですね」

「え?」

 

(優が…会社を……?)

突然のことに頭が追い付かなかった。

 

「『クラッド・ファランクス』を使うことで社内内部の犯行、もしくは襲撃されたのは無人のラボであることから亡国機業の犯行に思わせられる。見事です。その為にわざわざリブァイブとクラッド・ファランクスを一から作るとは恐れいります」

 

…意味が分からない。

そんなことをしてまでする必要があったのか…。

 

「証拠は?」

「今のところはないです。ただ、状況的に彼女の調査を私が打ち切ったあの時、彼女を助けデュノア社の悪事を暴くためには騒動を起こし調査と言って潜入するしかないです」

「……………」

「優!お願い何か言ってよ!」

 

違うって言ってよ。

このままじゃ肯定してるようなものだよ…。

 

「変わりましたね。昔の君ならただ仕事をこなすだけだった」

「今回のも仕事だろ」

「いえ。君は1人の子供としてこの事件を解決したのです」

「……俺はもう子供じゃない」

「いえ。君はまだ子供です。でもだからこそ今回の事件を解決できたのです」

 

 

長官は優の隣を通ってそっと耳打ちする。

 

 

「報告書、上手く書き直して下さいね」

「それが長官の台詞か?」

「でないと君も彼と同じ所に行きますよ。では」

 

脅しにも思える言葉を最後に長官は僕達を後にした。

 

「どうして?どうしてそんなことしたの!」

 

涙混じりに優の胸を叩く。

なんで、僕なんかのために……そんなことを……。

 

「言っただろ。俺も大人達に利用されたことがあるって」

 

優は僕を抱きしめしっかり目を見て答えてくれる。

 

「俺と同じ思いはさせたくなかったんだ」

「…ばか……ばかぁ………」

 

勿論、そう思ってくれたのはうれしい。

でも、それで捕まっちゃったら意味ないのに…

 

「そう、かもな」

「ばか、ばか……ばかぁ……」

 

色んな想いが込み上がりもう泣くことしかできなかった。

 

 

 

◇

(千冬side)

 

 

 

「おや。君も盗み聞きですか?」

 

長官がわざわざ私の所を通って校舎に戻ってきた。

(『も』ということは黒川もこうしていたのか)

 

「アイツが何をしたと思っている?」

「一時的ながらアインスの機能制限の解除し、現在禁止動作のコピーナイトを使用。

クラッド・ファランクスの無断製造、というより独力での再現と言った方がいいですか。それを使いデュノア社を襲撃といったところでしょうか。」

「………………」

 

アインスの機能制限の解除も現在禁止されているし、他社のものを無断で製造するのも良くない。

勿論、それだけデュノアを助けたいというアイツの意志が表れていることをなるが。

 

「アイツをどうするつもりだ?」

「今のところは証拠がないので逮捕状はでないでしょう」

「『今のところは』か……。探せば見つかると?」

「えぇ。コピーナイトで展開できるのはサイバーだけです。サイバーでは使った薬莢は全て回収できなかったでしょう。それを調べれば彼にたどり着きます」

 

 

「……無理だな」

「それは、なぜ?」

 

珍しく長官が疑問をもったようだった。

 

 

「デュノアがアイツ自身に、そして彼女に似ているからだ」

 

 

 




(個人的に)ISISとの戦闘が雑かなぁ…?
まぁISISは原作涙目なISキラーの能力をもっているので登場数は絶対多くなるから大丈夫なはず。

ISISの外見的説明なんですが……諦めました。
なんか、書けないんですよね。
特にワイゼルとスキエルが混ざった奴は即行で白旗挙げて「すいませんが5D's(遊星vsフラシド)見て下さい」としかいえない。

なので、すみませんが全知全能のGoogle先生かコンマイに聞いて下さい。
5D'sにはカッコいい合体シーンもあるのでもし良ければそれを見て下さるとビット状態もよく分かると思います。

千冬さんとラウラの会話で“セカンドアメリカン”という単語が出ましたが説明をしてないですね。(以下長文です)

セカンドアメリカンは約2年前(千冬が教官としてドイツにいて、後にラウラが隊長までのし上がった時)
ドイツ軍の上層部が『第三世代が(試作機ながら)他国より早く成功した今こそ、軍拡をし、アメリカのように“世界の警察”になろう』というものです。

その点に関しては、亡国機業の存在もあるので各国はある程度許容していたのですが、問題はその軍備強化の方法。

試験管ベイビーによる戦闘に特化した人物の形成、および(軍にとって都合のいい)教育。
そして、VTシステムによる強制戦闘(当時VTシステムは遠隔でも発動させることができたので操縦者が死にかけようが何であろうが使えた)

道徳的に問題しかありません。

結果的にセカンドアメリカンはゴドウィン長官の耳に入っていたのでAIFが介入しセカンドアメリカンはドイツ軍にとって夢のまた夢となりました。

しかし、提案した当事者達は現在も行方不明なので委員会は似たケースが起きるのではないかと推測しています。
(余談ながら、これを機に委員会の権力が強くなった)

……っという内容の過去編を考えてたんですけど、もう書かなくていいですよね?

この話はストーリー上、取り上げるべきなのです。
ですが、全く書けてなくて、正直、ますこの本編と去年編を書きたい……。



ここまで読んで頂きありがとうございました。

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