IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―(OCCF)   作:黒川 優

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皆さんこんにちは。
今日になって過去編(IS狩り)を描こうと思い始めた作者です。

さて9月も終わり涼しく、朝は少し寒くなりましたが、こっちはこれからが夏入りです。
遅い夏ですが楽しんでくれたら嬉しいです。

それでは本編をどうぞ♪ヽ(´▽`)/


July―燃えよ乙女!
GiRL's Day -Shopping


(一夏side―寮、自室)

 

 

 

7月に入ったばかりの今日、まだ朝は涼しい。

このまどろみタイムがこの上無く心地好い。

 

――むに、むにむに

 

(……………)

以前もこの独特の感触を体験したことがある。

 

「……またお前か」

 

布団を少しだけめくると俺にくっついて眠るラウラがいた。

しかも、問題なのは服装だ。というより何を着ているかではなく全裸なのだ。

身に着けているのは左目の眼帯と右ももにISの待機状態のみ。

前回は箒が朝練からこともあってかなり荒れた。もうあれは生きた心地がしなかった。

 

しかし、俺はあれから学んだ。

そーとベッドから離れてぐるぐると体を押してかけ布団を巻きつける。これで人間海老フライの完成だ。

これなら相手が全裸でも何の問題もなく部屋に返すことができる。

 

手の塞がっている俺の代わりに誰かがドアを開けてくれた。

 

「む……」

 

ここで箒が朝練から帰宅。

相変わらずラウラを見ると機嫌が悪くなるんだな。

仮にも先月ペア組んだのに…。

 

「(大丈夫だって。まだ寝てるから)」

「(そうか……)」

 

剣道道具を置いて俺についてくる。

 

「(なんで付いてくるんだ?)」

「(お前のことだから何かやらかすと思ってな)」

 

そんなに信頼ないのか俺。

しかしこう見てると……

 

「(子供が生まれた夫婦みたいだよな)」

「(ぶっ!?)」

 

何気なく言った言葉だったが箒にはどこかツボったようで吹き出した。

 

「(な、な、何を言っている!)」

「(いや、生まれた子ってこうやって包まれてるじゃん)」

 

流石に海老フライのようにはされてないけどさ。

 

「(はい。お母さん、貴女の赤ちゃんですよ~)」

「(ば、馬鹿者!)」

 

ベシッと両手の塞がっている俺の顔に思いっきり右ストレートをかましてきた。

ホント冗談通じないなぁ。

 

朝も早いのでラウラの部屋の前に置いといた。

 

「……………」

「どうした箒?」

 

ずっとラウラと俺を交互に見て何かに悩んでいるようだった。

 

「前、付き合ってくれると言ってたな一夏」

「まぁ。そういえばなんであの時蹴ったんだよ」

 

あの時とは山田先生から大浴場の許可を貰った時だ。

あの時、約束関係なく付き合うと言ったのに思いっきり蹴られたのである。

昨日見た時はまだ痣が残ってた。

 

「あれはお前が悪いのだ」

「なんで?」

「なんでもだ」

 

(おい………)

小学生じゃないんだから具体的に言ってくれよ。

じゃないと俺も改善できないだろ。

 

「で、その話がどう―」

「今日出かけるぞ」

「は?」

「だから、出かけるぞ」

 

(シャルロットside)

 

 

 

来週は臨海学校。自由時間に海で遊べるらしいから

水着を選びにお出掛けしたんだけど……。

 

「――――――」

「――――!―――!」

 

優の声と誰かが大声をあげている。

 

「優?」

「あぁ。シャルロット」

「あら、貴女の男なの?」

 

如何にも高飛車そうな女の人が会話の矛先を僕へ向ける。

 

「ええ。そうですが何か?」

「別に。自分の犬の躾くらいしっかりしなさいって言いたいだけよ」

 

優と揉めていた人は僕を見ると一瞥してどこかへいってしまった。

 

「優大丈夫?」

「あぁ大丈夫…」

「優、どうしたの?」

「いや、いつもは女と勘違いされるのになんでだろうなぁって」

「優、自分の服装見て」

 

今日の優の服装は誰からみても男性と分かるものを着ている(というか着させた)

 

(というか、特定の人以外には女とみられているという考えはどうなのかな…)

そんなに去年、女装に凝っていたのだろうか?

去年のことは知らないから楯無先輩に相談する必要がありそうだ。

 

 

「もう水着決められたのか?」

「んーあともうちょっと。どっちかにするか悩んでるんだ」

「ごめんな」

「いいよ。代わりに優が選んでくれないかな?」

「いいぞ。俺なんかでよければ」

「じゃあ、中入って」

「………はい?」

 

優は僕の言葉に目をパチクリさせていた。

 

「だって、また絡まれちゃうし…」

 

そ、そう!

べ、別に、更衣室なら密着できるとかじゃなくて、絡まれたらまた僕が対応しなくちゃいけなくなって選ぶ時間がなくなっちゃうからだよ。

 

それに――

 

「とにかく入って」

 

無理やり優を押して更衣室にいれる。

なんか、優を他人の目から隠さないといけない気がするの。

 

けど……。

 

「「……………」」

 

(着替えられない……)

洋服と違って下着も脱がないといけないことをすっかり忘れてた。

いくら優が子供として僕を見ててもそれは恥ずかしい……。

 

「……シャル、やっぱり外で待ってていいか?」

「うん……。あ!でも待って!」

 

僕の静止より先に優はシャーっと更衣室のカーテンを開ける。

 

「……お前達、何している?」

「え?」

目の前には顔を引きつらせた織斑先生と慌てふためく山田先生の姿がいた。

さっきからしてた嫌な予感が当たってしまった……。

 

「デュノア、何か言い残すことはあるか?」

 

あぁ………これは…、僕、終わった……。

 

「す、す…すいませんでした!」

 

バコッ――‼

 

 

……………………………

…………………

…………

 

 

「黒川、お前は常識の範囲内のことをしろ。でないとデュノアの立場も悪くなる」

「はい……」

「デュノアもだ。コイツはまだ半人前なんだから変に刺激をするな」

「はい……」

 

只今、お店の真ん中で正座でお説教中を受けています。

なんでだろう。素手でくらったのに出席簿よりずっと痛い。

 

「まぁ、ここではこれでいいだろう。

後で“保護者”として話がある。部屋に来い」

「…はい」

 

優は重く答える。

こういう時、近くに身内がいるって大変だなぁ。

 

「お前もだデュノア」

「え?」

「今はお前は私の孫みたいなものだからな」

「あっ。そうですね」

「……お前は説教されるのが嬉しいのか?」

「いえ。そういうわけではなく」

 

怒ってくれるほど僕に気を遣ってくれることがいなかったから。

 

 

「以上だ。くれぐれも変なことはするなよ」

「「はい」」

 

 

こうして僕達はやっと買い物を再開できた。

 

(優side―レゾナンス)

 

 

千冬さんに追い出される形で水着売り場を後にした俺達は昼食にすべきかすぐに片ずく日用品の買い物どっちかにするのか悩みながら通りを歩いていた。

 

 

「そういえば、なんで女の人と言い争ってたの?」

「よくあるやつだよ。“女の私の方が偉い”ってやつ」

 

時々あういう人って俺が目の前でアインス使ったらどうするんだろうって思う。

ある意味、アイデンティティの喪失に繋がるよな。

 

「優、ここでアインス使ったら学園に隠れている意味ないでしょ」

「あ、気付いた?」

「優が教えてくれないから全部自分で調べました」

 

シャルは若干怒り気味に答える。

こうして自分のこと調べてくれるって結構幸せなことだよな。

あんま良いこと載ってないけど。

 

「ん?あれセシリア達じゃないか?」

「そうだね。どうしたんだろう?」

 

こそこそ移動している鈴とラウラ。セシリアはあまり乗り気ではないらしい。

 

「行ってみるか」

 

そっと後ろから近寄り袖を引っ張る。

 

「セシリア」

「優さんにシャルロットさん!どうして!?」

「いや金髪と銀髪は目立つからな。それより何しているんだ?」

「それが、鈴さんが一夏さんと箒さんが手を握っているのを見て尾行を始めたのです。そしたらラウラさんも入って……」

 

セシリアは何かを見てピシっと固まった。

 

「…お二人も手を握っていらっしゃったのですね」

 

(セシリアの雰囲気が変わった?)

手を握っていたことに対してなら普通、一夏と箒の時じゃないか?二人は他人なんだし…。

 

「セシリア、二人共いなくなっちゃったよ」

「え?あぁ……」

 

(シャルもどうしたんだ?)

俺の後ろに隠れるように立って。二人は仲良いと思ってたんだけどな。

前セシリア、シャル押し倒してたし。

 

「あの黒川さん。実は私先日のお礼をしたくて。…できれば少しお付き合いしても構いませんか?」

 

さっきとは裏腹に、もじもじと言いにくそうに尋ねてきた。

 

「別にそんな大したことしてないぞ」

「いえ。私にとってはとても大きいです」

 

セシリアはグッと近づいて俺の手を握る。

 

「いいぞ」

 

俺が答えると花が咲いたように晴れ晴れしたものになった。

 

「では行きましょう。あそこのお店です」

 

するっと腕を組んで来るセシリア。別に俺は逃げないから大丈夫だって。

 

 

 

(シャルロットside―寮)

 

 

 

「何か怒ってないか?」

「別に」

 

優の歩くペースなんて考えずに歩く。

信じられない。いくらセシリアといたからって僕置いてってどこか行っちゃうし。

しかも帰ってきたら二人お揃いのブレスレッドしてるし。

まぁ僕もセシリアや優と同じだったけど、だったら先に僕探してくれもいいじゃんって思う。

 

「そういえばシャルはこの部屋だったな」

「そうだね」

 

つんって答える。

いくら親子と言っても義理だし年の差はないって理由で優と別の部屋になったのだ。

因みにもう一人はラウラ。時々、クラリッサさんって人から聞いた変な日本文化(?)を教えてくれる。

 

「シャル」

「なに」

 

―ちゅ

 

「また明日な。おやすみ」

「…………………」

 

優はそのまま自分の部屋に戻って行ってしまった。

 

(ズルい………)

人の気も知らないでこんなことするなんて……。

 

優の唇が触れた頬は熱を持ってままだった。

 

 




魔理沙「久しぶりだぜ。私は霧雨 魔理沙。作者の代理人だぜ」
霊夢「私は話し相手といったところね。次は何になるのかしら?」
魔理沙「臨海学校。舞台は海だぜ。
先に言うと内容には期待しないでくれ。私は海に行かないからな」
霊夢「幻想郷と同じで近くに海がないだけでしょ」
魔理沙「そうとも言う。閑話になるが楽しんで欲しいぜ。じゃあ――」

魔理沙、霊夢「ここまで読んで頂きありがとうございました」

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