IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―(OCCF) 作:黒川 優
実は最近、この話よりも後ろの話ばかり作成していて投稿できないという事態がおきかけていました。やっぱり原作沿いよりもオリジナルの方が手が進むんですよね。
その分、構成とネタ不足に苦労しますが(笑)
細々とですがTwitter(@if_author)をしています。
もし良ければフォローしてください。
それでは本編をどうぞ♪ヽ(´▽`)/
◇
(シャルロットside)
ラウラ、鈴は福音のゼロ距離攻撃を受けて重傷。
セシリアはゼロ距離攻撃こそは避けたものの集中攻撃を受けて機体が大破した。
「箒!」
箒にもエネルギー質になった銀の鐘による集中攻撃が行われる。
手動に設定し直した展開装甲のシールドを使うことでなんとか防いでいた。
(これ以上、僕の大切な人達を傷つけるな!)
平行切替を発動し福音に放つ。が、放たれたのは一門の銃弾だけだった。
「なんで!?」
元々、不安定気味な状態ではないにも関わらず長時間の戦闘による精神疲労のせいで残弾の確認、つまり平行切替を頭の中で処理しきれなくなったのだ。
ガシッと頭を掴まれエネルギー質になった銀の鐘が広げられる。
「くっ……この…」
盾殺しを放つ。
が、それは容易く抑えられてしまった。
警告―高エネルギー反応あり 警告―高エネルギー反応あり
ふと脳裏に優の顔が過る。
僕は負けるわけにはいかないのに……届かない…。
お願い。誰か助けて…優……。
キィィィィィン――
何か強い衝撃が福音を襲い、僕は拘束から解放された。
そのまま落下していた僕を誰かが腰に手を回され僕は海面に落下することはなかった。
(だれ………?)
「俺の仲間には誰一人やらせはしねぇ!」
そこには箒を抱え、新しい白の機体に身を包んだ一夏の姿があった。
◇
(一夏side)
「一夏、その姿……」
「あぁ。第二形態の百式、雪羅だ」
以前よりも輝かしい光を放つ百式。
ウイングスラスターが4機に増設され、なにより新しく多機能武装腕、雪羅が左腕に作られた。
これで俺も遠距離攻撃を駆使して戦うことができる。
「シャルロット、大丈夫か?」
「うん。僕も戦うよ。まだ機体の損傷も少ないしまだ武装も残ってる」
「ダメだ。平行切替ができないほど疲弊してるんだ。だから箒を頼む」
「でも……」
「大丈夫だって。無理はしないから」
「うん……」
俺は二人が福音の攻撃範囲に入らないように飛翔する。
「さて、第二ラウンドといこうか」
『―――――』
◇
(箒side)
「シャルロット…私は」
「一夏が助けてくれたんだよ」
「一夏が?」
空を見上げる。
新たな装甲を身に纏い両手の武器から零落白夜の光刃を作り福音に飛び込む一夏の姿があった。
(……私も戦いたい。あの背中を守りたい)
今度こそ、自分を失わずに、あの人を守りたい。
すると私の機体は金色に輝き、エネルギーが回復していった。
「絢爛舞踏……。これが赤椿の単一能力」
これなら私はまだ戦える。
「シャルロット行ってくる」
「うん。行ってらっしゃい」
◇
(一夏side)
『―――――』
「はっ!」
雪羅をシールドモードに変更することで福音の光弾を無力化する。
雪羅のシールドは雪片と同じ零落白夜仕様。エネルギーの消費が半端じゃない。
早期決着の為にも何としてでも近づきたいが、福音が普通の武器として銀の弾丸を使い始めたせいもあってなかなか近づくこともできない。
(どうする…雪羅もあるし瞬間加速で強引にいくか?)
いや、福音はmm単位でも正確に避けてくる。
例え近づけてもすぐに離される。
もっと根本的に、奴の動きを見極める必要がある。
だけど、そのためにエネルギーが足りるか………。
「一夏!」
「箒、お前――」
「大丈夫だ。これを受け取れ」
箒の、赤椿の手が、俺の百式に触れる。
その瞬間、全身に電流のような衝撃と炎のような熱が走った。
(エネルギーが回復していく……)
これならまだ俺は戦える。
「一夏、やつを倒すぞ」
「あぁ!」
◇
(???side―アメリカ、見えざる基地)
「優……」
地面に倒れてる優を起こして意識を確認する。
抱き上げた時に触れた私の手はベッタリと血が付いていた。
(なんで……)
アインスはIS以上に操縦者保護がしっかりしてるし、Slave Modeでオシリスが現れて相殺するはずなのに……
ミリータから小型の犬にも見えるロボット、オービタルを展開する。
『どうかなされましたか?』
「オービタル、優の外傷の確認と必要なナノマシン治療薬の使用。
Emergency Callの発信を行って」
『カシコマリ!』
オービタルが治療を行って間にボロボロのスターダストからケーブルを伸ばしてコンソールをいじる。
すると1時間前にほんの数分だけど戦闘記録があった。
――銀の福音。
本当ならここで私と対峙しなければならないはずの機体だった。
なんで?ISがそう簡単に暴走なんてしないはずなのに……。
『敵ISの存在を確認。臨戦態勢に入っております!』
『優くん!!』
何の前触れもなく発生した津波に飲み込まれた。
その時に私は優の手を放してしてしまった。
襲ってくれ来る水の量は増えるばかり。
スターダストを展開してても流れに逆らえずそのまま近くの建物に叩きつけられた。
その後も水は引くことなく私に押し寄せる。
水が意志を持っている?
これは自然に起こったものじゃない。
「-IS-」
光弾で水を弾く。
優を抱き抱える一機のISが見えた。
『いきなさい』
私を襲った水は竜の姿に変貌し口からブレスを放ってくる。
それは私に触れる前に爆発した。
(これは、アレと同じ………)
なら、操縦者を狙わなければ意味がない。
「-IS-」
偏向射撃による全方位攻撃を彼女だけに定める。
竜を操るISの操縦者と優は竜のお腹の中に入り私の光弾を受け流した。
『ミストレイガンの槍』
反撃と言わんばかりに水を纏った槍を投げられ、光弾に触れた途端大爆発した。
「ぐっ………」
根本的に彼女のISと相性がよくない。
『どうなされますか?』
ここには目的の福音初号機はない。
それに私が長居することで優の治療が遅れることは避けなければならない。
「オービタル下がって。退くわ」
『カシコマリ!スラスターモードへ移行します』
オービタルが変形してスラスターとなりスターダストと合体する。
白雷で一気にトップスピードまで上がり、見えざる基地を後にした。
『これからどうなされますか?亡国機業に帰還しますか?』
「先に日本に行くわ。そこに福音がいるはず。悪いけど移動はお願い」
『カシコマリ!白雷を解除。ブースターモードへ切り替えます』
◇
(一夏side)
(マズイな……)
箒の絢爛舞踏と雪羅のシールド、この2つがあればダメージを受けることはないが
こっちも向こうに有効打を与えることができないでいる。
それに俺達は人間だ。
長時間神経質になることは集中力が落ちる。
ハイパーセンサーがあっても光弾に目が霞む。
でももう少し、もう少しで何かを掴めそうなんだ。
――警告ーエネルギー反応あり 警告―エネルギー反応あり
反射的に福音の光弾を避ける。
しかし、俺の後ろには箒が立っており光弾はそのまま箒を狙い始めた。
箒もエネルギー弾こそは防げたもののシールドを展開していた展開装甲が壊れた。
長時間の使用に装甲の方が耐えられなくなっていたのだ。
「箒!」
『大丈夫だ。展開装甲をやられただけだ』
が、さっきのような機動ができないのは確かだ。
高度を落としたことで何とかバランスをとっている。
元々、バランスを取るのに難しいだけに戦前にで続けるのは無理になってしまった。
「くそ……」
福音が箒を追撃しにかかっている。
今から俺が行っても間に合いそうにない。
青い光弾が福音の動きを止めた。
「助かったセシリ……」
振り向いた先にいたのはセシリアではなかった。
スターダスト。だが優のではない。
福音同様いくつもの砲口があるところ射撃型というべきか。
顔はバイザーをしていて男か女かも分からないが何にしても優でないのならそれは亡国機業。
(最悪だ。福音だけで手一杯なのに)
あのIFがどこについても漁夫の利を取れる状態だ。
最悪の結果を避ける為に福音を見捨てていかなければならいかもしれない。
ただ、その判断を何を基準に?どのタイミングで?
「ラウラ、応えてくれラウラ」
『―――――――』
ダメだ。やっぱり福音から受けたダメージが大きくて気を失ったままだ。
「シャルロット、どうしたらいい?」
『分からない……。でも、まだ動かないで。向こうの出方を伺って』
緊張気味に声が返ってくる。
同調機体を使うということはかなりのやり手。
『あなたが福音?』
IFの操縦者は俺達など全く見ていない。ただ福音だけを凝視していた。
『IFを確認――「銀の弾丸」使用開始』
『そう。なら私はあなたを許さない』
IFは敵意を持って福音に向かって接近する。
Conflict、円形制御飛翔、Sky Shine……
遠距離射撃型の機体であるにも関わらず全距離、どの方向からでも攻撃を行っていた。
俺達が手を出せる域じゃない……。
『―――――――――』
上空へ飛び上がった福音はぐるっと回り、翼からエネルギー弾の弾雨を降らせる。
更に連射を続けIFの下側からも追尾弾でIFを全方面から攻め立てる。
後ろからエネルギーの翼でIFを包み込む。
福音の第二形態になったとき、俺が最初に受けたゼロ距離射撃。
あの弾幕の嵐すら陽動に取る福音の戦術の高さに流石のIFも人溜まりもない。
そう思った。
そう思いたかった。最悪の場合を考えたくなかったから。
(嘘だろ……)
あのIF、福音の零距離攻撃を相殺している。
とても射撃武器のすることじゃない。
福音の羽はどんどん大きく膨らみ、歪んでいった。
そして、それが制御しきれないほどの大きさになった時ついに爆発した。
『-IS- 』
今度はIFの弾幕が福音を覆い始めている。
福音も応戦するもIFの弾は個々が意志を持っているかのように福音の光弾を避ける。
以前、セシリアが言っていた偏向射撃だ。
『散りなさい』
24門全ての砲口から放たれた追加の砲弾に福音が粉々に崩れ散っていき、砕けた装甲から操縦者が姿を現した。
『貴女ね……』
IF の操縦者は機体だけでは飽きたらず操縦者も狙い始めた。
(まずい!)
瞬間加速で操縦者を捕まえ、雪羅のシールドで弾を無効化した。
「なぜ操縦者を狙った!」
亡国機業の狙いはISだったはず。
ISと完全に離れた操縦者に興味はないはずだ。
『この人が優を殺そうとしたから』
「え…?」
その言葉を最後にIFは夜明けの空に消えて行った。
◇
(一夏side)
「作戦完了―っというには微妙だが、イレギュラーなことが多々あったのによく生きて帰って来てくれた」
帰ってきた俺らに対する千冬姉の言葉は可もなく不可もなくっと言った感じ。
実際、あの後IFが去るのを傍観していたようなものだったし、福音の回収も本来とは違う形になってしまった。
「IFが絡み、これから面倒事が続くが今はいい。各々すぐに治療をうけろ」
「あっ、皆さん動かなくていいですよ。救護班をここに呼びましたので」
山田先生が呼んだ救護班によって皆が治療に入る。
俺はラウラと同じようにゼロ距離射撃を受けたはずだがケガが少ないので1回部屋を出た。
「箒」
「一夏…」
俺と同じように1度部屋を後にしていたのか近いところでまた会った。
「もういいのか治療?」
「あぁ。私はラウラやセシリアみたいに直撃を受けてないからな」
そうだったのか。あの時、海の中だったからさっぱりだった。
まぁ赤椿なら展開装甲が自動で防御に入るのだろう。
つくづく便利な機体だ。
「ここじゃ人の通りも激しいしどこか行かないか?」
動けるにしても重傷気味のセシリアとラウラ。
2人には及ばないがケガの多い鈴の為に多くの人が出入りしているここは休むにはせわしない。
「そうだな。…うむ、そうしよう」
俺達は自由時間の時に過ごした砂浜にたどり着く。
海面には月が浮かび俺達を照らしている。
夜の砂浜は昼と違って熱を持ってなくサラサラしている感じが大きい。
「そういえばなんで自由時間の時、お前いなかったんだ?
水着でも忘れたのか?」
「い、いや、水着は買ったのだが、本当に勢いで買ってしまったものでな……。
見直したら露出が多い気がしてやめたのだ」
「じゃあ今度、皆でまた行こうぜ。
ちゃんと水着選び直してさ。今は足くらい浸かろうぜ」
俺はズボンの裾を捲り、箒はソックスを脱いで砂浜に座って波を見ていた。
………ざざぁ………ざざぁ………
(そうか……自由時間のことは一昨日になるのか…)
自分から話を振ってあれだが随分昔のことに感じる。それだけ、今回のことは目まぐるしかった。
正直、以前優に教わったISの技術をマスターすれば俺は強くなれると思っていたところがある。
それは間違ってはいないだろう。
しかし、戦状に応じた正しい判断、ラウラのように軍のリーダーになればより必要になる指揮官力。そういうものがこれから必要になっていく。そんな気がした。
「あ、…あのだな……一夏…」
「ん?なんだ?」
「そ…その……。すこ、し…手…握っても…いいか?」
「あぁ。構わないぜ」
箒は俺が手を出すと女の子らしい華奢な手を重ねてきた。
その手は少しこわばっていた。
「箒…?」
「私は今日…怖かった。
もしかしたら死んでしまうのではないかと思って……」
「そうだよな……」
今回の相手、福音の銀の弾丸はIFのシールドエネルギーを貫通する代物。
きっとISにも通用してしまうだろう。
そんな今まで見たこともない、戦うとも思っていなかったものを相手したのだ。
戦ってた今より怖かったに違いない。
俺はそっと箒の手を握り返す。
「大丈夫だ。もし福音のような化け物と戦うことになっても俺が守ってやるよ」
「一夏……」
「だからそんな暗い顔するなよ。楽観的に、とは言わないけど雪羅ならエネルギー系は完全にガードできるからな」
そう。俺は騎士の女性にも言ったが仲間を守りたくて百式を使うんだ。
なら、手が届くのであれば全力で守ろう。誰も傷つかないように。
「だが、それも零落白夜仕様でエネルギーコストがかかるんだろう?」
「ま、まぁそれはだな…。強くなって何とかするさ」
零落白夜と雪羅がエネルギーを喰うし、ウイングスラスターもデカくなった分エネルギーを使う。
正直、強くなる他にも色々しなきゃいけないことがあって考えたくない…。
「ふふふっ、あははは」
俺の言ったことが可笑しかったのか箒は笑いだした。
なんかいたたまれない気持ちになって俺は顔をそらす。
「私が言えたことではないがお前もまだダメダメだな」
「う……」
同じことをラウラにも言われた。しかもIS展開してなかったのに。
こてんっと箒が俺の肩に寄りかかられる。
「仕方ない。私がお前の背中に立ち、お前を守ろう。
絢爛舞踏があればエネルギーを回復できるらしいからな。
その代わり、しっかり守ってくれ。その百式で」
「あぁ」
「こんなところで何してるのかしら?」
「「おおっ!?」」
突然、俺達の後ろから声をかけられた。
「鈴!?なななな、なんで!」
「何って、夕食の準備ができたから呼んだだけよ。
それともなに?夕食をすっぽかしてでも何かしたいことがあったわけ?ほ・う・き・さ・ん?」
鈴は箒にずずっと近寄り何かを言っている。
「そ、そんなことは決して……」
「へーー。手繋いでたのに?」
「そ、それは……」
「顔預けてたのに?」
「う、うるさい……」
よく聞こえないが二人は言い合っているみたいだ。
どうも鈴が優勢らしい。
というか鈴は口なら誰にでも勝てる気がする。
「もう大丈夫か?」
ひとまず2人の話が落ち着いたので声をかける。
「なんでアンタは隣にいないのよ」
「だってさ…お前達うるさいじゃん」
いつもは女同士の会話だって言って追い出すくせに。
「はぁ~。もういいわ。早く戻りましょう。
千冬さんに怒られるのは勘弁だわ」
遠くにいる千冬姉と目が合ってしまった気がした。
「やべっ。早く旅館に戻るぞ」
俺達は走って旅館に戻った。
◇
おまけ
―夕食にて―
鈴「そういえばさ、さっき二人でいるところ写真撮ったんだけど」
箒「ぶっ‼」
鈴「汚いわねー。せっかくの料理なのに」
箒「すまない。…でその写真をどうするつもりだ」
鈴「そうね……いる?」
箒「へ?」
鈴「いや、ばら撒いてもつまらないから普通にあげようって」
箒「………」
鈴「なによその目。私をなんだと思ってるのよ」
箒「人の弱みをだしにする魔女」
鈴「画像消すわよ」
箒「すいませんでした」
鈴「で、いるの?いらないの?」
箒「いる」
――テテテテッテッテッテテーン――
箒は一夏との写真を手に入れた。
鈴はゆすりのネタを手にいれた。
霊「おまけは、本当におまけね。雑さが滲みでているわ」
魔「下書きと同等レベルだからな。でもここにも時間をかけると投稿できなくなるんだとか。 あと、鈴はセシリアの時もそうだったがズル賢こくなってるぜ」
霊「まるでアイツね」
文「呼ばれて飛び出てあやややや!清く正しい射命ま……」
作者「まだ出ちゃダメ!」
文「え?嘘、なんで?」
作者「なんでも」
文「子供ですか!あやややや、羽根を掴まないで下さい!
文々。速報をよろしくお願いしま」
――バタン
魔「ちゃっかり宣伝してったな」
霊「というかいたのね作者」
魔「次回、これで7月は終わるぜ。
福音戦が終わったし、次回は短めかもしれないけど大事な回になるからちゃんと見て欲しいぜ」
霊「フラグ建築回だから?」
魔「止めなさい。ここまで読んで頂きありがとうございました」
霊「また次回、会いましょ」