IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―(OCCF)   作:黒川 優

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皆さんこんにちは。作者こと黒川 優です。

実は先週、通算UAが7000を突破しました!(ノ゜ο゜)ノヤッター←見たときの私
これも目を通して下さる皆様のおかげです。
これからもよろしくお願いいたしますm(__)m

またTwitterを開設しました「@if_author 」で出ると思います。
ぜひフォローお願いします。

それでは本編へどうぞ♪ヽ(´▽`)/



Your name is

◇

(千冬side)

 

 

「赤椿の稼働率は絢爛舞踏含めて42%かぁ……。まぁ、こんなところかな」

「初めて使って単一能力を引き出したんだ。十分だろう」

 

私は手すりの上に腰掛ける束に声をかける。

 

「やぁ、ちーちゃん」

 

器用に狭い手すりの上で私に体を向ける。

 

「お前のことだからもうここにはいないと思った」

「まさか。箒ちゃんが活躍する機会があるのに離れることなんてあり得ないよ」

「そうか。ならその妹の活躍に対する例え話をひとつしてやろう」

「へぇー、ちーちゃんが嬉しいね」

 

束は手摺のパイプの上をくるっと回り私の方を向く。

 

「とある天才が、大事な妹を晴れ舞台でデビューさせたいと思う。

そこで用意するのは専用機とISの暴走事件だ」

「うんうん。それで?」

「あの福音相手に互角以上に渡り合える、いや篠ノ之が使い慣れていれば単機で捕縛を行える機体だ。頭のキレる者にはスポットライトを浴びる。妹は華々しく専用機持ちとデビューする」

「ピンポーン!その通り!このラブリー束さんが作ったISなんだから箒ちゃんにも花がないとねー♪」

 

「もうひとつ、お前が妹にISを渡したのは黒川の存在を危惧しているから。

最悪、黒川が裏切った時に対抗、避難できるようにその手段を持たせておきたかった」

「ピンポンピンポン!そのとーり!

だから最悪このタイミングで赤椿を渡さなければならなかったの。流石だねちーちゃん」

 

束は私が自分の考えを当ててくれたことが嬉しかったらしく

パイプを鉄棒代わりにグルグル回っていた。

 

「だが、ISを持てばISISを始め、亡国機業に狙らわれる」

 

ただでさえ同級生は贔屓呼ばわりされてしまった。

それに亡国機業はそれに乗じて面倒事を起こしてきた。

そこまでして渡すほどここでISは重要なのか?

 

「ちーちゃんの言いたいことは分かるよ。

けど、ISを使って強くなることが大事なんだよ。

それは私にとっても、そしてきっと箒ちゃんにととっても」

 

束はいつものように笑いかける。

ただ、その表情にいつもの余裕があまりないことをどこか感じていた。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

(束………)

束とは長年共に過ごしてきた親友だ。

周りからすれば奇想天外なことばかり行うが、私はアイツが何を思っているのか分からないわけではない。

しかし、ISのことに関しては何かを隠している。

私を驚かせたいからなのか、それとも亡国機業を意識してなのか……。

 

 

「ギャーギャーギャーギャーギャー!」

 

(あぁもううるさい……)

面倒事が立て続けに起こっているというのに考える時間もくれないのか。

 

バスから誰かが降りてくる。

余計な火種を残した張本人、『銀の福音』操縦者、ナターシャ・ファルタスが子供のような笑顔でこっちにきた。

 

どうやら体の方は問題ないらしい。

ガキ共もバス内でだが暴れるほどだし本人達には大きい影響はなかったのだろう。

 

「まったく。面倒事を増やすな。

ただでさえ、毎回毎回面倒なんだから」

「いいじゃない。私は彼のおかげでここにいるのだから。

一夏くんは優くんと違ってかっこいいのね」

 

ナターシャはちらっとバスの中にいる一夏を興味深そうに見る。

コイツは妹の見合い相手でも探しているのだろうか……。

 

「…やはり、夏は嫌いだ」

「別に亡国機業は夏だけ活動するわけじゃないわよ?」

「それでも嫌いだ」

 

奴らはアイツを嫌というほど苦しめる。

 

「ねぇ千冬ちゃん、今回のどう思う?」

「さぁな」

「つれないねぇ…」

「今の私には何もできないさ。だからアイツが決めるだけだ」

 

そう。今の私はただの教員。それ以上でもそれ以下でもない。

 

「もし、優くんが――」

「それはない。アイツはここには残るさ。何があっても」

「まぁ。よく理解してあげてるのね」

「じゃなきゃアイツの保護者など務まらないさ」

「そうね」

 

ナターシャはくすっと笑っていた。

今回のようなことがなければ私を弄りにきただろう。

 

「逆に聞こう。今回のどう思っている?」

「……………」

 

さっきと違い、顔が強張っている。

ナターシャは私が何を指しているのか分っているようだ。

 

「一夏達のISから活動記録を見させてもらった。

軍用機とはいえ、既存のISとは違うのは分かる。

だが、あれは本当の福音の第二形態ではないだろう」

「……そうね。私もあの子に守られて見たけど違和感があったわ」

 

おそらく、違和感を覚えた理由は黒川との戦いがあったから。

一夏達と戦った時には無かったものが黒川との戦いで起こったのだろう。

 

「ねぇ、千冬ちゃん。もし、困ったことがあったら頼んでもいいかしら?」

「私は会いたくないがな。

お前と会うということは碌でもないことが起こっているときだからな」

 

コイツといた時にIS狩りにあったし、今回も面倒なことが起こった。

 

「えー。お願い。千冬ちゃんじゃないと無理なの!」

「あー分かった。好きにしろ」

「ありがとう。千冬ちゃん大好きー!」

 

ナターシャは束と似たような感じで私に抱き付こうとする。

それをひょいとかわして話を続ける。

 

「ただし日本に来い。じゃないと私が自由に使えないからな」

「それは分かってる。まっ、査問委員会のせいでしばらく動けないと思うけど」

 

 

「おねぇちゃ~~ん!」

 

車から降りたアリスが一目散にナターシャの所にむかった。

 

「あら、アリスちゃんがお出迎え?お姉ちゃん嬉しいわ」

 

何か言いたそうな彼女を抱き締め頭をくしゃくしゃ撫でる。

 

「お姉ちゃん、…んん、ケガは?」

「アリスちゃんがいたら怪我なんてへっちゃらよ」

「もう。いつもそうやって無茶する。検査に行くよお姉ちゃん」

 

いつもの姉妹関係が嘘のようにナターシャがアリスにズルズルと引きづられてアメリカ支部御用達の車に連れ込まれる。

 

「頑張ってね」

「言われるまでもない」

 

交わしたその姿には“また"と言っているようだった。

……妹に引きづられてる間抜けな姿だが。

 

 

 

◇

(シャルロットside―国際空港)

 

 

臨海学校から数日後、僕はずっと空港のゲートの前のベンチで降りてくる人を見ていた。

 

織斑先生の話では今日、優がアメリカから帰国する予定らしい。

骨折はしていないものの右腕にギプスを巻いているからきっとすぐ分かるはず。

 

 

一斉にゲートは航空機から降りてきた乗客でいっぱいになった。

 

老若男女。国籍を問わずたくさんの人が乗り降りをしている。

けど、いない……。

 

ギプスをしている人などどれだけ見渡してもいなかった。

そして、優が乗っていた飛行機のゲートから誰も通らなくなった。

 

「あの、私より少し背の高い金髪の日本人通りませんでしたか?」

「金髪の日本人ね…。貴女のような欧米の人はいたけど日本人ではいなかったわ」

「そうですか。ありがとうございます」

 

(やっぱり、怪我が良くないんだ…)

織斑先生の話だと相手したIFの攻撃を受けて重傷って言ってたし……。

 

死んでしまったわけではない。

けど、帰れないほどなら何か後遺症でも残ってしまったのかもしれない。

そう思うと気持ちが暗くなって俯いてしまう。

 

――ほふっ

 

不意に後ろから目を押さえられ、抱き寄せられた。

 

「だーれだ?」

「……………………」

 

僕は知ってるこの声を。この手を。

優しく抱き締めてくれるこの人を。

 

「……優」

「正解」

 

はっと手を放され視界が晴れる。

 

「ただいま」

 

目を開くといつものように優しく微笑む優がいた。

 

「ばか、ばかばかばかばか!」

 

人がどれだけ心配したと思って……。

くしゃくしゃと撫でてくれる。

 

「悪いな。心配かけて。帰るか」

「………うん」

 

 

◇

(国際IS委員会―会議室)

 

 

 

「君が失敗するとは珍しいな」

「すみません」

 

今回の失態は俺の抱え落ちが原因だ。

何も言わずただ頭を下げる。

 

「まぁいい。福音の機密データの流出は防げた。

どんな形であれ我々アメリカに応援に来てくれたことに感謝する」

 

アメリカ支部のトップが米軍を代弁して感謝を述べる。

まぁ、委員会を通さず直接俺に声をかけてきたくらいだ。

福音もだが他の機密を持っているようだし、その言葉には隠れた本音もあるだろう。

 

「それで襲撃したIFの操縦者わかりましたか?」

「はい。黒川 唯という日本人女性です」

「…………」

 

ここにいる人が一斉に俺を凝視し始めた。

名字が一緒。その予想は誰でもあることに結び付ける。

 

「そのものの経歴は?」

「6年前に死亡が確認されています」

 

 

 

 

 

 

□

 

 

皆さん、改めましてこんにちは。作者こと黒川 優です。

 

7月いかがだったでしょうか?

 

私の視点的には次に持越しって感じですね。

そのため、しっくり来ないというのはあるかもしれません。申し訳ない。

 

 

今回は個人的に辛かった。

閑話もISもしっかりある3巻。非常に良いのですが、アレンジするこっちは手を付けると無駄に字数が増えるし、付けないと原作との差がない。でも内容(買い物→海→ISの流れ)は変えられない…そんなジレンマがありました。

あとね、福音との戦闘シーンが書きにくく感じてました。

正直、手が進まなくて今の6割ぐらいの飛び飛びの文章で投稿してしまおうか本気で悩みました。

 

それでも何とかできたのは読んで下さる皆様のおかげです。

(優とセシリアの食後ジーンぐらいしか個人的なモチベーションが上がらなかった(笑))

 

 

さて、次の8月ですが……飛ばします。

申し訳ありません。

 

というのも最初8月は完全に飛ばす予定で書いていました。

が、最近になって「どうせなら違う視点で書いてみよう」と思い書き始めました。

(本当は別の理由もあるのですが、それは投稿後に)

 

その結果、順番という諸事情ができてしまい、先に9月分を投稿しないと8月が意味不明の話の連続になってしまうのです。

勿論、後で投稿します。それまでは8月の内容は原作、他の投稿者様の小説をお楽しみください。

(勿論、私のもよろしくお願いします)

 

ですので、次回は9月。原作崩壊(ポジティブに言えばオリジナル)です。もしかすると5+6月より長いかも?

エピローグのあれからどうなるのかお楽しみ下さい。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

また次回会いましょう。

黒川 優

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