IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―(OCCF)   作:黒川 優

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メリー妬ミマス
皆さん、こんにちは。今年も独りの作者です。

今回は持ち越した8月でございます。
ただの番外編ではなく、今後もストーリーに関係するキャラも登場します。
見逃してはいけませんよ?

それでは本編へどうぞ♪ヽ(´▽`)/




August―ただ貴方といる為に
Reminiscent for the dead her


◇

(唯side)

 

 

 

「外に出たい?」

 

フラシドが私を不思議そうに見ていた。

確かに今までそんなこと言ったことないけど、別にニートとかじゃないし。

アンタ達が私に仕事押し付けるせいだし。

 

「だって、フラシド達は優のスターダストの解析するから私暇じゃない」

 

オービタルが優の治療と一緒にスターダストのデータをコピーしていたみたい。

それを聞いたフラシドが血相を変えて私のスターダストを寄越せと言ってきた。

うん。フラシドが何したいのか分かんない。

そんなこんなでスターダストがない私に潜入任務などあるわけなく、ただただ暇なのである。

 

「そうだな」

「だから、その間気分転換にでも外にいこうかと」

「で、それを口実に黒川の様子を見ると」

「う…………」

 

やっぱり私の魂胆は見え見えなのか……。

 

「真月が何を企んでいるかは知らんがアイツは任務以外で外に出してくれないだろう」

「だからフラシドに頼んでるんじゃない。

フラシドがあの変身術教えてくれれば絶対バレないし」

「変装だ」

「どうやって銀髪の変な格好してるフラシドが茶髪のカッコいい執事みたいになるのよ」

 

ドイツ軍に潜入した時にはあまりの変貌ぶりに驚いた。

あと言葉使いが丁寧過ぎる。

あれを間近で見た時はあまりの猫被りに引いた。

 

「まぁいい。お前のことだからそう言うと思った」

 

フラシドは収納していたものを引き出しひょいと何かを投げてきた。

慌ててそれを受け取る。

 

「あっ、これって」

「お前の言葉で言えば変身セットだ」

「へぇ。前よりも小さくなったね」

 

前のやつは変にデカい端末だったから身に付けてる時は動きにくくて仕方なかった。

けど、今は普通のネックレスにまで小さくなった。

これなら絶対バレない。

 

「試運転も兼ねて1回使ってみろ」

「うん。わかった」

 

ネックレスに意識を集中すると機体を展開する時と同じように光の粒子が私を包み込んだ。

 

鏡で自分の姿を確認する。

 

長い紫髪の先をリボンでまとめられていた。

服装は紫と薄紫の縦じまが入った、ゆったりとしたやつに薄紫の服を羽織った感じ。

全体的にゆったりとしていて寝巻きみたいだ。

 

「……なんで髪の色が紫なの?」

 

色もだけど髪がとにかく長い。普通に腰辺りまである。

参考にする人を完全に間違ってる感が否めない。

 

「分かりやすいからな」

「バレやすいの間違いじゃないの?」

「……………」

「やだー。私、前の赤髪のがいいー」

「あれのデータはない」

「なんでー?」

「奴にバレたかもしれないからだ」

 

誰にか、と言うと優にである。

どうも変身しててすれ違っただけなのに振り向いたとかとか

別にいいよ。可能性の話は。

私的にはバレた方が好都合だし。

 

「外出許可取り下げるぞ」

「やめて下さい。死んでしまいます」

「そんなんで死ぬわけないだろ」

「精神的によ。そんなこと言っていると彼女できないよ?」

 

まぁここにはあまり女の人はいないから気にしないかもしれないけど。

 

「あとこれを持っていけ」

 

一見どこにでもある茶封筒を渡された。

 

「何これ?」

「AIF事務員の面接の為に必要な物諸々だ。なくすなよ」

 

茶封筒を開けると偽物だと思うけど長官からの推薦状が入ってる。

よくこれを作ったなぁと染々感じた。

フラシドがスゴいのか、AIFが緩いのか。

 

(まぁいっか……)

バレても困るのは真月だし。

これで私は優の所に行けるし。

 

「ありがとフラシド」

「早く行け。面接に遅れる」

「はーい」

 

私はまるでピクニックにでも行くかのように軽い足取りで委員会に向かった。

 

 

 

 

◇

(唯side)

 

 

「へぇー。これが国際IS委員会AIF本部か……」

 

大都会の中にあるガラス張りのビル……なんかではなく、都心からやや外れていて、

まるで大学のような感じだった。

 

あれかな?

襲撃者に備えて都心は避けたのかな。

チラッと見える防壁システムも都心には置けないだろうし。

 

受付で教えて貰った部屋に入る。

 

「失礼します………」

 

入った時に私は固まってしまった。その部屋にいたのが先月、優を血まみれにした『銀の福音』の操縦者、ナターシャ・ファイルス。

 

 

「こんにちは。座って頂戴」

「あ、はい……」

 

できるだけ平常心を装う。

 

(違う……。この人は自分の意志でやったわけじゃない)

分かってはいる。けど、この人が優を……。

手に力が入ってしまう。

 

「レナ・ローラレイさん、でいいのかしら?」

「はい。あとこれを渡すように言われました」

「ありがと。……………」

 

彼女は私が持ってきた書類をにらめっこしていた。

もしかして怪しまれた?

 

「凄いわね貴女。長官からの推薦状貰えるなんて。

なかなか貰えないのよ。あの人、完璧主義だから」

「いえ、私は特に何もしてないです」

 

どうやらバレてないみたい。フラシドGJ。

 

 

「まぁそれは置いといて。付いてきて」

 

ナターシャさんは席を立って案内を始めてくれた。

私、事務員になるだけだし、実践的な面接はいいのかな?

 

「素敵な髪ね」

「い、いえ。周りにいないので無駄に目立つだけです」

 

ここに来るまでスゴい不思議がられたし、いつかまた使う機会があったらフラシドに文句言おう。

 

「私もねー、妹がいるけど髪色全然違うのよ。

私は金髪だけど、アリスちゃんは金混じりだけど基本茶髪よー」

 

いつから日本人になったのかしらね、私の家族なんてナターシャさんはぼやいている。

 

「しかも、友達なんて言ったと思う?

親子だってよ。失礼しちゃうわね、私まだ21よ!アリスちゃんと1つしか年の差ないわ」

 

(あー……、これ話長くなるやつだ)

そのあともナターシャさんは移動中ずっと話してくれた。

 

出てくるのは妹さんの話がほとんど。

そのアリスって妹のことが本当に好きなんだなーって思った。

 

優もあんな嬉しそうな表情で私のこと話してくれるのかな。

私は亡国機業にいる身だし肩身が狭いかな……。

 

 

「さぁ入って」

 

ナターシャに促されてやや緊張しつつも中に入る。

やっぱり外観通り広い部屋ではないけど、部屋にはレクス・ゴドウィン長官と織斑 千冬、そして優が……

 

「zzz………」

 

(あれ…?)

部屋にいたのは堂々と机に寝ている金髪の人だけだった。

それが優なんだけど。

 

「寝てますね……」

「最近調子悪いとはきいてたけど、流石にこれはダメね……」

 

 

「起きなさい!」

「へぶっ!?」

 

ボードで叩かれた優は勢いそのままにイスからひっくり返った。

 

「おはようございます。お昼寝はどうだったかしら?」

「え?あー…ナターシャさん?」

 

優は寝惚け眼な様子で辺りを見ている。

これは貴重なシーン。できたら写真に収めたい。

 

「シャキッとしなさい。今日、新しい方が来てくれるって言ったでしょ。

ほら挨拶して」

 

アリスさんの面倒見てるせいか、後ろでせっせと世話をしている。

アリスさんと親子と見られておかしくないかも。

 

「あぁお手伝いさんね。初めまして、黒川 優です」

 

ニコッと笑うその姿は、昔と変わらない眩しいものだった。

 

 

 

 

◇

(唯side)

 

 

 

今日は委員会内の施設の紹介と私がする仕事内容の説明だけで、仕事に入ることはなかった。

 

 

「宿舎希望だったよね?」

「はい。独りなのでその方が仕事の都合がいいかなぁと」

「熱心だね。助かるよ」

 

ふわっと優が微笑む。

 

あぁ、幸せ……。

 

これだけでも長年の苦労が癒される。

 

そのまま宿舎のマンションを案内してもらう。

 

「はい。これがレナさんの部屋。

聞いてると思うけど一通り家具や電化製品は揃ってるから。

何かあったら一階の管理人に言ってね」

「はい。ここまでありがとうございました」

「いえいえ。明日からよろしくね」

「はい。こちらこそよろしくお願いします」

 

優はニコニコしながら手を振って帰っていった。

その姿を最後までしっかり見てから部屋に入る。

 

「~~~~~////」

 

ベッドに飛び込み、言葉にならない声をあげる。

 

久し振りに、本当に久し振りに優と会話ができた。

優は私を初対面の人って思ってるから口調はやや固かったけど

それでも、それでも声が聞けた。

 

「♪♪~~」

 

また優に会える。

そう思うと明日が楽しくて仕方なかった。

 

 

 

 





なぜ8月を飛ばしたか、と言ったらこれです。
8月が唯ちゃんの月だからです。

なんでって?
だって1ヶ月しか出れないなんて可哀想じゃないですか。

霊「殺したの誰だと思ってるの?」

……はい。では次回もお楽しみに。ばいばい(^^)/


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