IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―(OCCF) 作:黒川 優
皆さんこんにちは。
最近「終末編(仮)」(続編)の作成が楽しくて楽しくてこの現代編を全く書いていないダメな作者です。
投稿している部分とは異なるところを書きたくなる気持ち、きっと作者さんなら分かるはず!
(。-∀-)ネ ワカルダロウ? (^_^; イヤ ワカラン
………それでは本編へどうぞ。
◆
(唯side)
「ここは……?」
本部とは似たような造り。だけど、あそこのような暖かみが感じられない。
それにここにいる人達が少なすぎる気がする。
「フラシド?ここは?」
「亡国機業の支部だ。本部は崩れた」
辺りを見回して
「ねぇ優は?優はどこなの?」
「アイツはここにはいない」
「なんで?」
「アイツはお前を蘇らせる為に世界を敵に回した。
今は俺達の対策組織に捕えられている」
それじゃ優殺されちゃうじゃない!
すぐに待機状態の
を持って外に向かう。
「どこに行く?」
「決まってるじゃない!優を助けに行くの!
来て、スターダスト!」
『――――――――』
私の機体は何も反応してくれなかった。
「なんで……」
「言ったはずだ。“アイツはお前を蘇らせる為に世界を敵に回した‴と」
「死人にその機体は扱えない」
「そんな………」
◇
ピピッピピッピピッ――
(あれは…昔の……)
もう6年も前。IS狩りが収束して、敵対していた組織が攻撃してきて……。
信号を受け取っているスターダストを確認する。
(アインスがコアネットワークに介入か…)
ダミーの信号もない。
優は私を誘き出そうとしている。
つまり、優は優なりに私との戦いを終わらせようとしている。
なら行こう。私は私なりの解決方法で優といるために。
信号の発信場所は湾岸アリーナ。
注意しなければならないのは7月の時に会った水を操る機体。
あれは私の機体でも厳しいものがある。
けど、優のことだから――
私がアリーナに入るとシールドが展開されていった。
そして、目の前には優が一人で立っていた。
愛して止まないと言っても過言ではない貴方。
遠くから見て感じてはいたけど、もう銀の銃弾の傷は癒えたみたい。
そして、これから愛していきたい私の妹。
このアリーナの中で一人だけ私に対して不安を感じているみたい。
(…………………)
優を連れていけばシャルロットちゃんが一人になってしまう。
私はどうしたらいいだろうか?
織斑 千冬の存在がない今なら力づくでできるかもしれない。
けど、シャルロットちゃんはそれを望むのだろうか?
「久しぶりだね、優」
『そうだな』
静かなんだけどどこかピリピリしている。
私達は喧嘩しなかったけど親子喧嘩の前ってこんな感じなのかな?
『部隊の破壊はお前がしたのか?』
「うん。ベクターの命令だからね」
あんな奴の話に乗らないといけないのは癪だけど。
『俺を狙ったのもか?』
「それも命令だけど、私の意志でもあるよ」
『……俺のことを恨んでいるからか?』
「ううん。優のことは好きだよ。だから、私が優と一緒にいるために、私は優を殺すの」
『…………………』
優は怪訝そうな表情で私を見る。
けど、狼狽することはなく隙がない。
やっぱり優は芯が強い。今も、昔も。
「悪いけど、俺は死ぬわけにはいかない。
アインスとして、親として、やるべきことを果たす」
『優ならそう言うと思った。
でも、私も私の思うことがある。優―勝負だよ』
「……あぁ」
そうだ。私が私として生き続ける為にはここで優を亡国機業に連れていくしかない。
じゃなければシャルロットちゃんとの約束も果たせない。
視界がぼやけながらもトリガーを引き続ける。
――優
私は、貴方が引き取ってくれた、私に暖かい居場所をくれたあの日から迷惑をかけたくなくて、私なりに頑張ってきた。
けど、やっぱり私は優の足引っ張っちゃってIS狩りなんて辛いことをさせてしまった。
今、私は同じ過ちを繰り返そうとしている。
止めることができるというのに。
だから、本当は……こんなことしちゃいけない。
とっとと自分で命を断つべきなのかもしれない。
でも、ごめんなさい。
私は貴方ともっと一緒にいたいの。
例え、貴方が親子だと言っても貴方と笑いあって、一緒に寄り添って生きていきたい。
そう思って止まないの。
――パキン!
スターダストのレイピアが折れ、防げなくなった優は弾幕の滝に撃たれてしまった。
(優…!?)
とりあえず…大丈夫。機体は半壊で済んでる。
『Crimson Hell Flare 』
いくつもの巨大な炎の花がアリーナの床を全て覆った。
「……やっと殺す気になった?」
この技は使用エネルギーが多いほど威力、数が多くなるもの。
以前見たことがあったがこの数を見るのは初めてだ。
優は短期決戦で私を倒そうと思っている。
『バカ言うなよ。助けるぞ。何があっても』
――バチバチバチッ
オーディンの瞳を発動し力強く私を見ていた。
(…そうだよね)
だから光闇を作ったんだもんね。
だから、そのCrimson Hell Flareは私との約束を守って本来とは違う形をしているだもんね。
『行け』
優の声に紅の花は私を囲むように比較的ゆっくり移動する。
本来ほどじゃないけど紅の花が槍の状態じゃないと攻撃が有効にならないのは辛い。
それを抜きにしてもCrimson Hell Flareはレッドデーモンズの単一能力。
やっぱり強い……。
Sky Shineのために実装した実弾の砲口はダメにされた。
このままいけば他の砲口もダメにされる。
「やっぱりオリジナルは強いね」
けど、今なら最大砲口数で戦える。
新しく12門の砲口を展開し1つ16門の大型ものにする。
(ごめんね……)
私は勝ちに拘るよ。
「Shooting Sonic」
高速振動の実弾とそれを纏うエネルギー弾を放つ。
私のスターダストの単一能力。
そして、皮肉にもCrimson Hell Flareに対する有効打である。
高速振動によって起こる空気の振動はCrimson Hell Flareを行う繊細なコントロールを確実に妨害する。
レッドデーモンズのエネルギーが切れ、紅の花が暴発し、その勢いで私はアリーナの端へ吹き飛ばされた。
けど、私のことなんて今はいい。優は生身のまま壁に激突してしまったのだ。
視線を戻してすぐに確認する。優は吐血しただけでなく痙攣を起こしていた。
「……限界だね。優も、アインスも」
優のオーディンの瞳は適量とされているナノマシンの2倍入れられている。
元々成功するかも分からないものを脳に近い目に入れているのだ。
その副作用は計りしれない。
そっと優に近寄る。
優には悪いけど、私はこの時を待っていた。
神経バランスが崩れた今、優はほぼ動けない状態にあり、確実にキズを付けずに殺せるから。
(ごめんね……)
大型の砲口から1門切り離し背中に当てる。
心臓に一発だけなら真月が蘇らせることができるはず。
「優、大丈夫だよ。死は怖くないよ」
「………唯」
あやすように言いかける。
もう無理はしなくていい。私を助けたいだけなら無理する必要なんてないから。
そう言いたい。だけど私達は敵同士だから戦うしかない。
傷付け合うしかない。
「……そうだな」
「え?」
「この戦い…、負ければお前といられるらしいからな。
戦わずに負けを認めたらどんなに楽か…」
「優…?」
「でも、それじゃダメなんだ」
白と黒のツートンカラーの機体を展開して砲口を無効化する。
「なっ!?」
(ここで…光闇…!?)
もう体を動かすことも辛いはずなのに……。
とにかく光闇の能力が連発されるのは困るので距離を取る。
「でも、それよりお前がこれ以上誰かを傷つける姿はもう見たくない。
昔の俺みたいに心をすり減らすことはさせたくない。
お前をそんな所じゃなくて『光指す世界』を歩かせたい」
「だから――」
優は真っすぐ私を見る。
「唯、お前を助ける」
「……………………」
何も言えなかった。
涙が止まらなくて。気持ちが溢れてしまって。
こんなに優を傷つけてるのに。
こんなに迷惑かけてるのに。
それでも私を助けようとしてくれる。
警告―………警告―………
機体のアラームによって目の前に意識が戻される。
レヴァを先頭にして白雷で接近していた。
「-IS-」
『ミスティル』
私が条件反射で展開した-IS-はアリーナの床だった特殊合金やレヴァの武装の欠片によって防がれた。
優は
『Circle Out』
優の手が私に触れた。
◇
(唯side)
Circle Out……。
意味合いはきっと円環の理を立ち切る。
だから事情を無効にするということ。
やっと私は解放される。そして……
『ったく、そんだけの機体を持ちながら下らない落ちを作りやがって』
ベクター!?なんで……
『あ?忘れたわけねーだろ?
俺様は命令の最初に“アインスを殺せ"って言ったんだぜ。
お前がしないなら俺がやってやるよ』
私を殺した機体オシリスが私の体に纏わりついた。
なんで…この機体が私の中に……!?
『アイツはどんなことがあってもお前を助けようとするだろが、
レッドデーモンズは具現化限界。オーディンの瞳も満足に使えない。
頼みの綱の光闇はオシリスには遠く及ばねぇ。
そんなアイツがこのオシリスをどうするのか楽しみだぜ。
これからアイツが苦渋の選択としてお前を殺すのか、それとも無様にお前に殺されるのか』
はははははっ!とベクターは高笑いした。
―パキン!
私のいた世界はまるで一瞬にしてガラスが砕かれたかのように崩れ、現実世界に引き戻された。
そこで見えたのはコピーナイトで展開されたスターダストと光闇。
地上でボロボロになりながらもオシリスを纏う優。
一体どうやって私を助けたのか容易に理解できた。
優はまたしても自分だけ傷ついて私を助けてくれた……。
でも、力が入らない……。
私を殺すってこういうことか……。
「優………」
残った力で優に近寄りキスをする。
私達の意識は現実から遠ざかっていった。私のスターダストの世界へ行くために。
(ここは相変わらず汚いなぁ……)
昔は青空の見えるキレイな砂浜だったのに、
今は小さな地下牢のような部屋。
解れて綿が出ている縫いぐるみが床に転がり幾つもの紅いカーペットが壁にまでかかっている。
これは剥がしてたくても剥がせない。
これは私の罪の象徴だから。
本当はこんな所を優に見せたくない。
でも、現実ではもう体は動かない以上、精神世界でもある機体の世界に入るしかない。
手当たり次第周りにあるドアを開ける。
どの部屋も赤いか黒いかで以前の面影は欠片もない。
こんな所で話したくはない。
最後に一番新しい奥にある部屋のドアを開ける。
委員会の優の部屋みたいにきれいな、でも書類だらけの部屋が広がっていた。
「唯」
後ろから優の声が聞こえた。
『ありがとう、優。ごめんね。こんなことして』
「いいんだ。もう終わったことだから」
あんなに傷だらけになったのに何でもなかったかのように応えてくれる。
やっぱり優はやさしい。
『私を助けてやるって言った時も、私を生き返ったのは優のおかげだって聞いたときも、嬉しかった。
ずっと前から優と一緒に学校に行きたかった。
二人で外の世界に出て色んな所に行きたかった。そう思っていたから』
「大丈夫だって。Slave Modeも解いた。
すぐにとはいかないかもしれないけど、これからは自由に生きていける」
『無理なの。私はDoll。兵器として生き返らせられた私は優を殺さなければいけない。
けど、私には…できなかった。例え優が生き返るとしてもそんなことできなかった』
「おい。何言ってるんだよ……」
倒れるように優に抱き着く。
『ゴメンね優。さようなら』
さようなら、私の愛しき貴方。
もう2度と会えないなら、せめてこの時だけ永久に……。
私はもう一度、そっと唇を重ねた。
上げて、上げて上げて、上げてあげーて、
……落としました。
まぁオチはもう分ってましたからね。
しかし、唯の為だけに光闇を作ったのにあの結末である。
ひどい。
魔理沙「誰か書いたと思ってるんだよ」
霊夢「しかも最初からこの結末にしてたんだと」
唯「鬼!悪魔!このピーー!」
……えー
唯ちゃんがどんな人か分かったところでもう一度9月(『ただ君といる為に』の方)を読んで頂けたらと思います。
次回はちょっと変なものを入れます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。