バッドエンド・ガールズ   作:青波 縁

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 投稿出来そうなので、投稿しようと思います。
 明日も出来たらしようと思います。


008 苦悩することは悪いことじゃない

 

 リテイクさんと会話した僕は、とぼとぼと屋上を後にする。

 

 「────」

 

 言葉はない。

 彼女の言う何をするか、何をしなければいけないのか直ぐに決めれなかった。

 無理もない。

 だっていきなり、自分が世界の命運を握るんだって言われて直ぐ行動に移せる人間なんて現実にいる訳ないだろう。

 きっと同じ立場なら多くの人間が選択に悩むに違いない。

 

 そうだ。それを況しては偽物の人間──否、人間モドキが簡単に決めて良い筈がないんだ。

 

 「どうしろって言うのさ」

 

 結論は出ない。

 出すことから逃げるしか今の僕には出来ない。

 

 「……どうも出来ないだろ、こんなの」

 

 何で僕なのか。

 こんな弱いだけの人間モドキにどうしてそんな役割が与えられてるのか。

 

 「本当、誰でも良いから僕と代わってよ」

 

 震える声で悪態を吐いても現状は何も変わらない。

 今もこうしてる間に多くの人間が──世界があのナイ神父によって苦しめられてると思うと気が狂いそうになる。

 

 「ハア、ハア」

 

 階段を下り、自分の部屋のある方へ歩いていく。

 そこまで行くまでに多くの職員に声をかけられた気もするけど、僕は心情はそれどころではなかった。

 

 ガラガラガラ。

 部屋のドアを開けるとそこには──。

 

 「おや、お帰りなさい。随分と遅かったではありませんか?」

 

 白々しい顔で待ち伏せてた古本が居た。

 

 「────」

 

 「フフフ。何やら顔つきが恐いですねぇ──まあ、説明を他人に任せた訳ですし当たり前と言えばそうなのですが」

 

 お腹が空いてるでしょと言わんばかりにベッドのデスクへ並べられた食事を古本はどうぞと指差す。

 

 「お話は食事でも取られてからにしましょうか」

 

 彼女はそう言うと藤岡友喜が寝ているだろうベッドのデスクに僕のと同じように並べられた食事へと席に着く。

 

 くぅ、と腹の虫が鳴った。

 けど、それは僕のものではない。

 

 「実はこの通り、私もまだ夕飯を食べていないんです」

 

 少女は申し訳なさそうに苦笑する。

 

 「……そう、なんだ」

 

 それが何故かお前も早く食べろと言われてるようで、彼女から圧を感じる。

 

 「ええ。なので、早く食べちゃいましょう」

 

 有無を言わさず、古本は目の前に並べられた食事の『唐揚げ定食』へ箸を伸ばした。

 

 「うん、そうしようか、な」

 

 それに連れられ、僕も用意された晩飯に手を着ける。

 

 「「いただきます」」

 

 僕たち二人は同時にいただきますを言う。

 

 「フフフ、被ってしまいましたね」

 

 「…………」

 

 古本が頬を赤らめ恥ずかしそうにこちらをからかう。

 それを無視して、目の前の唐揚げを口に放り込む。

 

 「あら、今回の唐揚げは醤油が良い感じに香ばしくて美味しいですね」

 

 「んぐ、はぐ」

 

 「でも、ご飯の方は気持ちべちゃべちゃしてますね。残念、これは食堂の方には申し訳ないですが、減点ですね」

 

 「ずぅ、ずずずぅー」

 

 「おや、このお味噌汁は普段のモノと少し違いますね。確かこういうのを──ああ、そうそう。けんちん汁と言うのでしたっけ? うん、うん。これは、これで美味しいですね。貴方はどうです? けんちん汁、好きですか?」

 

 「……あの、さ。食事ぐらい静かにさせてよ。別に僕は君と仲良いわけじゃないんだし、話すことなんかないよ」

 

 手に取っていたけんちん汁を掲げて見せる古本を睨む。

 

 「そうですか。私としては仲良くしたいのですが、どうやら嫌われてしまっているみたいですね。……ふむ、これは困りました。何故嫌われているのか存じ上げませんが、さてどうしましょう?」

 

 「知らないよ。……というか、そんなに喋りたいなら芽亜莉さんと仲直りして一緒に食べれば良いじゃないか」

 

 呆気に取られたようにこちらを見つめる少女にそう言って突き放す。

 

 「……え、ええ。それに関してはお気になさらずとも大丈夫ですよ。どうせ明日には忘れてることでしょうから」

 

 「酷いなぁ、それ、彼女に言ったら駄目だよ」

 

 傲慢に切って捨てる古本を僕は嗜める。

 

 「そうですね。普通の人間だったら、そうなんでしょうね」

 

 「──ん?」

 

 途端に古本は、不機嫌になる。

 

 「何でも有りません。……おや? はい、そうですか。やはり仕事が早いですね。もうあれが再構築しましたか。──確かに無駄話が過ぎました。時間もないことですし、早々に食事を切り上げるとしましょうか」

 

 彼女はそう言って、今度は黙々と食事をするのだった。

 

 「……まあ、最初からそのつもりだったし別に良いか」

 

 急な切り替えに戸惑いながらも僕も黙々と食事を片すのだった。

 

 ◇

 

 「う、うわー!」

 

 暗い山の中、毬のように弾む無数の人間。

 

 「グルゥ、ガァルルゥ」

 

 月明かりが差す中、下卑た獣の唸りと共に振るわれる圧倒的な暴力。

 

 「こ、此処は通してなるものか!」

 「A班、B班の後に続け! あの怪物を少しでも食い止めるんだ!」

 

 止まない銃撃音。

 それに怯むことなく、一人ずつ処理していく巨体の人外。

 

 「ウルルルゥ!」

 

 嵐の如く、それは無慈悲に暴れる。

 

 「ぐぅ──がっ!」

 「あ、ぐぅ!」

 「ひっ──あ、っひゃ!」

 

 一瞬で挽肉となる明細服の男たち。

 

 「こちらC班、防衛ライン突破されます。至急、応え──」

 

 グチャ、バキ!

 一夜にして開催された低俗な謝肉祭。

 それも圧倒的な物量で押し切られる形で山奥に配置された防衛ラインは壊滅を果たす。

 

 「キィーッヒッヒッヒ! やはりバッツは天才、そうバッツは偉大なる外なる神の端末にして慈悲深き信徒である!」

 

 ポタポタと地へ落ちる肉片を舐めとる黒い怪物。

 

 「あれしきのことでバッツは死なない! バッツはデータ在る限り何度も復元可能──つまり不死身の信徒に他ならない!」

 

 怪物は嗤う。

 その足元に多くの死体の山を積み上げながら、欠けた月へ手を伸ばすように。

 

 「グッド! グッド! グッド! 前回は失敗したが、今回のプランは非常にパーフェクト! グッドなバッツは、クールなバッツは、パーフェクトなバッツは同じ失敗を繰り返さない!」

 

 「グゥウウウ、──ガァアアアアアア!!!」

 

 自慢の翼を広げた負荷蝙蝠(ビヤーキー)

 その後ろに控える三メートルを超える巨体の継ぎ接ぎ人間たち。

 

 「邪魔物はデリーション、不届き者はエリミネーション、語呂合わせはノープロブレム! バッド、バッド、バッド! イレギュラーは常にパプン──ノー、ソーリー! 訂正、オカーだ!」

 

 ワラワラと集まる人外たち。

 彼らはその先に見える研究所──第三共環魔術研究所を目指す。

 

 「故にそれを踏まえ思考する、思考する、思考した上で偉大なる外なる神は遂に彼の存在の現実化(リアルブート)を赦された!」

 

 「「「「グゥルルラァアアア!!!」」」」

 

 怪物たちは歓喜する。

 その雄叫びは数十──否百にも到達するほどの咆哮であった。

 

 「待っていろよ、忌まわしきユー共! 前回の屈辱をバッツは晴らしコングラッチュレーションズして見せる! キキキ、キィーッヒッヒッヒ!!!」

 

 闇夜に狂喜する負荷蝙蝠(ビヤーキー)は空へ羽ばたく。

 

 「「「「グゥルルル!!!?」」」」

 

 見上げる百を超える巨体の継ぎ接ぎ人間。

 

 「さあ、バッツに続け! 究極にして完全な超大型腐乱死体(フランケンシュタイン)たちよ! 今行くぞ──バッツと共に真の栄光を掴みに!」

 

 「「「「グゥ、ゥウウウルゥアアア!!!」」」」

 

 だが、その先導を聞いた瞬間に一斉に彼らは研究所へ前進するのだった。

 




 次話の投稿は未定となっております。そんな作品が面白い、続きが気になる、応援してると少しでも思ってくださったら画面下の☆からポイント入れて頂けると嬉しいです!
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