続きが書けたので投稿します。
お母さんが死にました。
お父さんが死にました。
ジジジ。
何で? どうして?
────「ワタシは諦めない。彼女を救うためならば何度だって繰り返そう」
理由を聞いても、誰も答えてくれません。
黒い本を何度読んでも、何日の何時に誰々に殺されたと記述されるだけでした。
────「キミとて憎いだろう? これほど救いを求め、世界の破滅を回避しようと奔走したと言うのに、一番欲しい願いを叶えられてないじゃないか。今さら何を躊躇う必要がある。世界なんぞにキミ自身が消費されるなどあって良い話ではない」
ザー、ザー。
ザー、ザー。
雨が降るだけでした。
誰も答えてくれないから、幼い私は探しました。
自分の未来が分かる本。
幾多の可能性が記述された本。
大抵の出来事は教えてくれるのに、一番知りたいことは何一つ書かれない出来損ない。
だけど、そんな
────「手と手を取り合うべきなのだ。我々が争ったところで、ワタシたちの願いは何一つ叶わないのだぞ」
多くの嫉妬に晒されました。
幾つもの悪意に襲われ、虫のように集られました。
知識が欲しい。
未来が知りたい。
あらゆる魔法の原点へ至れるのなら、その構造を調べたい。
それらは全て、『絵のない絵本』が欲しいだけの、『古本ナコト』という個人には何の興味もない人たち。
────「一番に懸念される『外なる神』の信徒はこちらの手に落ちたといっても過言でない──だというのにキミは対立の選択を取る。ワタシには理解出来ない思考だ」
かつて、世界を震撼させた魔導魔術師がいました。
彼もまた、己の愛する人との再会がしたい為にあらゆる悪逆を強いただけの人でした。
私は両親の死を許しましたが、彼、ダーレス・クラフトは愛する人の死を認めることができない。
──これは、それだけの話なんです。
◇
プロペラが回る音と共に浮遊する鉄の塊。
あれから、一日かけて古本から渡された書類というものを読み、ゴルバチョフ総監より出された作戦の内容を頭に詰め込み、僕は青森にある『ンカイの森』へ戦闘機という乗り物に乗って向かってる。
自分で決めたこととはいえ、こんな重要な作戦にいきなり参加して良いものかと思いもした。
けど古本は大丈夫の一言で戦闘機に乗り込む僕を見送ったんだから、きっと大丈夫なんだろう。
……いや、やっぱりちょっと、というか大分不安だ。
「ぶっ通しで飛ばして、六時間。そろそろ着く頃だと思われますが、体調は大丈夫でありますか?」
はじめての経験になんともいえない疲労感を感じてるこちらに迷彩服の軍人が声をかけてきた。
「は、はい。大丈夫だと思います」
「そうですか──ああ、しかし、七瀬さんもついてますね」
「……?」
声をかけてきたタイミングで、唐突にブザーが戦闘機中に鳴り響き始めた。
「朗報です。二時の方向に未確認飛行物体が確認されました」
「──ん?」
「距離五百。駄目ですね、このまま後一分もせず貴機と接触します。衝撃に備えて下さいね」
迷彩服の軍人はそれを伝えると、せっせと前を向いた。
「え? ──え、え、ぇぇぇえええ!?」
数秒後、僕を乗せた戦闘機は強い衝撃と共に山の中へ墜落するのだった。
「落ちたか」
狼煙のように鉄の塊は山の木々たちを押し退け、墜落する。
それを観測する第三者──学生服の青年はそう呟くと、背を向けて歩き出す。
まるで、もう用はないと言外に告げるように。
「おや? おやおやおや!? 帰るの、帰るの、帰っちゃうの!? お楽しみはこれからだってのに帰っちゃうんだ!」
引き留めるのは、彼の傍にいた白黒のピエロ。
「帰るさ。生憎、徒労に時間を費やすのは趣味じゃない」
「でもでもでもぉ、ちょっとぐらいは良いじゃない? ジョンもジェーンも皆様だって期待してるんだぜぇ、キミの活躍!」
「興味ない」
「つれない、つれない、つれないなぁ、つれないぜ! けど、良いさ! だって、ドゥにはジョンもジェーンも皆様にだって愛し、愛されたんだから、そんな些細なこと気にとめる必要はないのさ!」
白黒ピエロは嘲笑い、くねくねと身体を動かし青年を挑発する。
「……確かに貴様は愛されてるだろうな。盲目に
「そうだろ、そうだろ! ドゥは、いや、ドゥたちは
舌を出し、目を見開くのは道化役者。
悪として大成することに意義があると宣うのは哀れな殺戮者。
「もう一度言う──興味ない」
鋭い目付きで、白黒ピエロを睨み付ける青年。
「アッハ! ここまで言ってまだ理解しないんだ! ここまで優しく説いても、まだ反抗するんだ! 良いね、良いねぇ、その姿勢は実に良いってもんだ。敢えてを動かし、ボクたちワタシたちの邪魔をする
「──くどい」
青年は腕を突き出す。
それだけで白黒ピエロの胴体が真っ二つに分かれた。
「アッヒャッ──アヒャヒャヒャッ!」
吹き出す血飛沫。
だが、道化は嗤うことを止めず──否、二つに分かれた身体が瞬時に再生していく。
「まあ、良いんじゃない? キミの舞台は此処じゃなく──
「────」
青年はそんなピエロに背を向け、今度こそ去っていく。
「じゃあ、今回はドゥの好きにやらせて貰うぜぇ──皆様!」
青年による傷を再生した白黒ピエロのドゥはそう言って、戦闘機が墜落した場所へ歩くのだった。
◇
「う、ううう」
「──つぅ。た、体勢を立て直します。七瀬さん、立てますか?」
「ええ、何とか」
「では、立てたら急いで此処を脱出します。恐らく、敵は直ぐ来るでしょうから警戒をしつつ、繭の方角へと進みます」
軍人さんはそう言って、テキパキと小銃を手に大きな鞄を背負った。
「わ、分かりました」
そうして、何とか戦闘機から脱出し森の中を早足で進んでいく。
しかし、無事に『ンカイの森』へ着けるとは思わなかったが、まさか道中で乗ってる戦闘機が落とされるとは想像もしなかった。
「七瀬さん」
「だ、大丈夫です。まだ歩けます。これでも、覚悟はしてましたから」
「いえ、そう言うことではなくてですね」
「──ん?」
「どうやら敵の方が一枚上手だったみたいです」
軍人さんの構えていた小銃が火を吹く。
「キィーッヒッヒッヒッ!!!」
火を吹いた先に現れたのは、蝙蝠のような大きな翼を広げる黒い怪物。
舌舐りをし、悪辣な獣でいることを誇りとする外なる神の信徒。
「──
「グッド、グッド、グッド! やはり、クールなバッドは、グッドなバッドは、パーフェクトなバッドのラックは最高潮である! 何せ、こうしてユーと相まみえるのだから、な!」
「──っつぅ!」
急いで
「さあさあ、楽しい楽しい
禍々しき強襲者はそう叫び、下卑た笑みを浮かべた。
次話の投稿は未定となっております。そんな作品が面白い、続きが気になる、応援してると少しでも思ってくださったら画面下の☆からポイント入れて頂けると嬉しいです!
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