バッドエンド・ガールズ   作:青波 縁

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011 愚者の人生

 

 廃騎士を倒し、中庭へ一直線に向かった。

 そこにそびえたつのは天まで届くんじゃないかってぐらいの高い鉄塔。

 もう一日に何度訪れたことだろう。

 その鉄塔の前に立つと、思わず息を呑んでしまう。

 門は閉じていた。

 だが、この門が開くと確信していた。

 そうでもしなければこの現状は変わらない。

 僕を止めることは出来ない。

 

 「開いた」

 

 ゴゴゴと音を上げ、開かれた門。

 その門の先は相変わらずの暗闇だ。

 魔術破戒(タイム·ソード)を握る手が汗まみれになっている。

 この先にきっと、地獄が待ってる。

 そんな予感がした。

 でも、その先を進まなければきっと僕は前に進めない。

 そうだ。

 前へ進まなければ何も始まらない。

 この先の地獄へ足を進ませる理由なんてそれで充分だった。

 

 門を潜って、その扉の先に入る。

 暗闇に包まれて、下へと続く階段を下りていく。

 暗闇なのにそこに下へと続く階段があるのかは何故か頭で理解していた。

 今は考えても仕方ない。

 カツン。

 下りていく。

 カツン。

 下りていく度に頭にちらつく、記憶。

 失われた僕の生きた記憶が見えていく。

 霞が掛かったそれが紐解いていった。

 

 ◇

 

 物心ついた時には、僕の両親は仲が良くないことに気づいた。

 初めは些細な喧嘩が徐々に時間がたつにつれて規模が大きくなっていたのを覚えてる。

 小学生の頃には両親が同じテーブルでご飯を囲むことは無かったのが少し寂しいと感じていた。

 そう、寂しかった。

 学校でも特に仲の良い友人も持てなかったし、逆に弱い立場でよくいじめられていたのが寂しさの拍車をかけた。

 中学時代も変わり映えのしない毎日。

 独り寂しく、心を閉ざす毎日の拠り所なんて無かったとも言える。

 熱がないのだ。

 僕には生きたいと言える意欲もない、空っぽの人間。

 これが人形でないと誰が言えるのだろう。

 独り枕を涙で濡らす夜。

 誰も僕を見てくれない。

 命は粗末にするなとか自殺する人に声を掛ける人間が居る。

 そういう人間はその時の彼を見てるだけでそれまでの彼の苦労を何も知らない第三者に過ぎない。

 だから、命を絶つ行為の重さを不用意に扱うことが出来る。

 簡単に命の重さをペラペラと語る。

 それがいつしか気持ち悪いと思える人間に僕はなっていた。

 殴られる。

 罵声を浴びせられ、生きたいと願う権利さえも奪われていく。

 そんな無気力な人間の僕でも、流石に高校と言うものに通ってみたいと思った。

 普通に社会の歯車になるだけなのは味気ないと思えたから、少しでも青春というものを楽しみたいと微かに願った自分が居たんだ。

 だから、自分の足りない頭でも合格できる学校を受験した。

 誰にも相談せず、一人で勝手に進路を決めた。

 僕の両親はそれに何も言わなかったし、もう家族の関係は無くなっていたと言えた。

 

 つまらない人生で終わらせたくない。

 

 心の何処かでそう願って、必死で生きていたのはもしかしたらこの時だったかもしれない。

 親にお金とか最低限のことしか頼りたくなかったから、自分でバイトして学費は払っていける夜間の高校に通う毎日。

 でも、変わらなかった。

 そりゃあ、そうだ。

 少し頑張ったから、自分の性格や周りの環境は変わるはずがない。

 案の定、その学校でも僕はいじめの標的になった。

 

 散々だ。

 もう疲れた。

 

 だから、魔が差した。

 きっかけはいつもの理不尽な暴力だった。

 確か金をセビられたかどうかだった気がする。

 兎に角、そんなことがあって僕の心のメーターは吹っ切ってしまったんだ。

 

 うずくまる僕。

 それを楽しそうに見下す四人の男子生徒。

 一人の生徒が言った。

 

 「そーいや、お前の父さんって確かあの冴えないレストランのコックだったよなぁあ?」

 

 ゲラゲラ嗤う男たち。

 猿のように騒がしい嗤い声。

 ダニのようなそれは鳥肌を立たせてく。

 

 「な、なんでそれを?」

 

 這い蹲った僕は立ち上がろうとするも、誰かに腰を蹴飛ばされる。

 

 「ッグゥウ!?」

 

 痛い。

 

 「いやなぁ。オレの友達に  と同じ中学の奴が居てよぉ。そいつが教えてくれたんだぜ」

 

 柄の悪いスマホを取り出してはその画面に映る写真を僕に見せつける。

 酷い絵面だ。

 どうしようもない現実で嫌になる。

 

 「良いレストランじゃないか? オレたち、そこでランチ食って見てぇえよなぁ。でも小市民のオレらじゃ行けないような店だし、どっかの誰かが頼み込んでタダで飯食わせて貰えねぇえかな!?」

 

 耳元で気味の悪い声で叫ばれる。

 もう口も聞かない父親にそんなことを頼みに行けと言うのか?

 

 「オレら友達だよな! お前とオレらは親友だ。そうだろ、みんな!?」

 

 そうだ、そうだと宣う男たちは僕の腹を蹴り飛ばす。

 痛い。

 止めてくれ。

 

 「そーだ。今から飯でも食いに行こうぜ!」

 

 スイッチが押される。

 暴力の嵐に耐えかねた心がそれは嫌だと抵抗する。

 何としても止めないと。

 そう思えたら、居ても立っても居られなくなったのだ。

 

 目の前が真っ白になるとは本当のことだった。

 怒りで我を忘れるとはそういうことだった。

 どうしようもない感情に支配された獣と僕はなった。

 

 持っているのは硝子の瓶。

 砕けたそれを手にとって得物にしてはブン殴る。

 血だらけでとても痛かったけど、心の中には何一つ残らなかった。

 

 「ハア、ハア」

 

 死体が転がる。

 脳内にアドレナリンが回って、冷静な判断が出来ない。

 

 「ハア、ハア、ハア、ハア」

 

 目の前の出来事が嘘みたいだ。

 新聞のスクラップ記事を眺めてる気分だ。

 パトカーのサイレンと救急車のサイレンが平行して聞こえ出す。

 

 「やってられないよ」

 

 そうして、僕の初めての殺人は終わりを告げた。

 死にたくなる毎日が訪れたのだった。

 

 何処で道を踏み外しても。

 何処かで道を踏みとどまってもその結果は変わらなかっただろう。

 

 僕の手は血で汚れてる。

 僕の手には糞野郎の返り血で染まってた。

 

 警察に取り押さえられて、刑務所に出迎えられて最終的には絞首台に立たされた人生。

 そんな糞な人生に一体、何の価値があるというのか分からない。

 もし、人生をやり直せるというのなら僕は一体何処からやり直せば良かったのだろう?

 誰も答えない。

 誰も知らない。

 そんな都合の良い結果など誰も解りはしない。

 

 膝を抱えてうずくまる僕がいる。

 僕が忘れてしまった人生を覚えてる僕がそこに居た。

 

 欲しかった記憶。

 取り戻さなければいけない記憶はこんなにも最悪な物語でしかない。

 それを戻して、僕はどうやって生きれば良い?

 

 答えない。

 大切な問いなのにいつだって誰も見てくれない。

 必死に生きて、悩んでるのに誰も見向きもしてくれない。

 救いの手を伸ばしても誰も手を取ってくれない。

 

 深い沼に堕ちていく。

 奇跡なんてものはやって来ない。

 リアルな現実なんてそれだけで構成された地獄のようなものだ。

 それなのに。

 それが欠けては前に進めないという自分がいる。

 どうして、それに拘るのか理解出来ない自分もいる。

 

 ――――拘るさ。だって自分のことだから。自分がやりたいって思って進みたいのに、他人の身勝手でそれを阻まれてる。誰かのワガママでどうしてボクたちが不幸にならなくちゃならない!

 

 きっと誰かの言葉がそれを後押ししてる。

 誰でもない僕がそれを大切だって知っている。

 

 見たくない現実も、知りたくもない真実も、聞きたくもない嘲りも。

 全部、全部、僕が生きる上で大切なピースなのだと気づいてるから前へ進めるんだ。

 

 螺旋の階段を駆け下りる。

 

 ――――ピシ。

 ひび割れていく視界。

 今手の中にはフザケた幻でしかないけれどきっとこの先、この手にはもっと大切な誰かの手を取っている。

 そんな時に逃げてたら、きっとその誰かを守ることなんて出来ない。

 

 ――――パリン!

 砕ける記憶たち。

 もう迷うことは決してない。

 その手に取る一筋の光を振り被り、暗闇をかき消した。

 

 死ねば良いのに。お前なんて誰も見ちゃいない。

 暗闇が晴れて地下聖堂へとやってくる。

 そうすると耳に聞こえる戯れ言が僕を責め立ててくる。

 そいつは幻聴。

 僕の心を必死になって壊そうとする精神攻撃。

 目の前には鉄の扉。

 ドア越しに来るなと言わんばかりのオーラが見て取れた。

 

 とんだ引きこもりがいるものだ。

 

 ガチャ、ガチャ。

 鍵が閉められてるのか、ドアノブを捻ってもそれは開かない。

 

 「ええーい、面倒だ」

 

 魔術破戒(タイプ·ソード)を構える。

 この魔剣はありとあらゆる幻想を葬ったチートである。

 こんな薄い鉄板なんて簡単に斬れるのだ。

 

 思い切りその刃を緑色のドアへと突き立てて、こじ開ける。

 力技のなんのそのだ。

 

 そうして僕らは邂逅する。

 

 錆びた鉄の臭いが充満し、部屋一面に満たされたモニターの所々がひび割れて使いモノにならなくなっている。

 備え付けられたデスクもチェアもその形状が維持できない程に破壊されており、そこにもたれ掛かる一人の血塗れの男の姿がその惨状の原因なのだと知れた。

 

 酷い顔だ。

 まるで豚のように肥えた腹周りをした、醜いデブの僕。

 艶もない黒髪は不衛生さを如実に晒しており、濁ったような黒目はまるでヘドロか何かを見つめてるような淀みを見せている。

 自分の顔をRPGに出てくるオークか何かを融合させたような面。

 それが目の前の男だと言えよう。

 

 「君が僕か?」

 

 静かに、けれどはっきりと男にそう僕は問う。

 まあ、聞くまでもなくその男が始まりの僕なのは感覚で理解出来るのだけどそれでも通過儀礼で聞いておく。

 

 「ち、違う!」

 

 だが、目の前の死に体の男は否定する。

 

 え?

 

 「お前なんか。お前なんか僕なんかじゃない!」

 

 地団太踏む。

 満身創痍であるというのに、目の前の大きな子供は僕を認めない。

 

 「お前は弱い! お前は酷い男だ! こんなのが僕だなんて認めない! 僕はもっと優れてる! 僕はお前なんかと違って最強の能力も持ってる! お前とは違う! お前とはお前とは、」

 

 息継ぎをする暇もなくそれは喚き散らす。

 子供の癇癪に付き合わされる大人の気分だ。

 

 「お前は僕と全然、違うじゃないか!!!」

 

 不細工な自分が絶叫する。

 その絶叫と共に身体の中の何かが悲鳴を上げる。

 神経が麻痺するぐらいにその身体の活動を停止させる。

 

 「――――っぐぅ!」

 

 息が出来ない。

 喉元に何かが吐き出せずつっかえる。

 心臓が鼓動を叩くのを拒絶して、肺が息を取り戻すことを止めた。

 

 「そうだ! お前はこの僕の命令一つで動けなくなるんだ!」

 

 膝を子鹿のように振るわせて立ち上がる男はまさに醜悪なゾンビそのもの。

 B級映画のゾンビよりも遙かに生きる屍としては役作りが巧い。

 

 「僕は。僕は、いや、オレは神なんだ! この夢の世界では神様やれてるんだ!」

 

 息を荒げて喚き散らす愚鈍な神様。

 もうその醜態を晒すのは止めて欲しい。

 

 「お前が。お前なんかが。お前なんかが神であるオレに逆らおうだなんて百億年早いんだよぉお!!!」

 

 地団太を踏む度に地が揺れる。

 それに脳が揺さぶられて気持ち悪い。

 何より、最も醜い存在が目の前にいるのだからその吐き気は酷いものだ。

 

 でも。

 それも僕だ。

 僕でしかない。

 

 「ち、が、わ、な、い、よ」

 

 身体が動くことを止めろと訴える。

 イメージする。

 いつだって、理不尽に困難を乗り越えてきた自分の姿を想像する。

 そうしてイメージしたいつもの僕を身体に宿して立ち上がる。

 弱い自分。

 醜い自分。

 全部が自分に足りないものだから拾わなくてはならない。

 僕は無敵じゃない。

 僕は最強じゃない。

 僕は生きた一人の人間だ。

 ちっぽけな人生を生きるしか出来ない人間でしかない。

 

 喉が裂けそうで辛い。

 それ以上、何も言うことを止めろと目の前の男は命令している。

 関係ない。

 そいつに有って僕にないものが目の前にある。

 それを手にしなければ、僕は前に進むだなんて出来ないのだ。

 

 「違う! 違う違う違う! お前には解らない! オレのことなんかちっとも理解出来ない! そうだ。絶対そうだ! 誰にも、誰にも解ってたまるもんか!」

 

 身体がコントロールルームから弾き出される。

 見えない力が僕を吹き飛ばしたのだ。

 

 地に伏せる僕。

 それを叫びながら、地団太を踏み続けるのは醜悪な僕。

 

 「これで良い。これで良いんだ! この物語はこれでお終い! 永遠に完結しない物語でオレは幸せを手に入れる!」

 

 嗤う何か。

 醜悪な僕は見えない力で僕を押しつぶそうと躍起になる。

 

 記憶が流れてく。

 いじめられる僕の過去が頭に押し寄せる。

 

 不幸だ。惨めだ。あんな人生は懲り懲りだ。

 この世界では神様みたいな能力を授かったんだ。

 だったら、僕が思い描く最高のストーリーの主人公になったって良いじゃないか!

 

 そんな思いに僕の心は満たされていく。

 感情が壊される。

 魂が改竄されるというのは、こういうことなのかもしれない。

 

 でも、駄目だ。

 これでは駄目だ。

 それでは良くない。

 あまりにも救われない。

 だって、僕はまだ見てない。

 

 ジジジ。

 頭に過ぎる幾つモノ奇跡。

 魂を改竄され、多くのモノを取りこぼした僕たちの記憶。

 それらは無駄に出来ないし、目の前の男のあり方も否定してはならない。

 

 「よ、く、な、ん、か、な、い」

 

 掠れる声を引きずり出して、現実化(リアルブート)した最強チートを杖にする。

 立ち上がれ。

 立ち上がれ。

 此処で立ち上がらなければ、僕たちは一生、このままだ。

 

 ズリズリと身体を引きずっては這うように前へ進む。

 随分と吹き飛ばされて男との距離は遠い。

 

 「な、なんだよ?」

 

 そんな僕の姿に男は酷く怯える。

 どうして立ち上がれるのだと叫んでる。

 当たり前だ。

 魔術破戒(タイプ·ソード)に目覚める前の僕だったらこんなことは出来なかっただろう。

 臆病で、傲慢で、意志が弱くてちっぽけな人間。

 それが僕だ。

 何の問題もない。

 やっぱり目の前の男と僕は同じだ。

 何処も違わない。

 

 「なんで、立ち上がれるんだよ! 弱くて脆くて、諦めの早いのがお前の筈だろう!?」

 

 男の絶叫は耳にウルサく、心の中が張り裂けそうで痛かった。

 だって、そうだ。

 目の前の男も見たくない現実に目を逸らし続けてるのだ。

 そりゃあ、見たくもない現実を相手したくないよね。

 

 でも、駄目だ。

 それでは僕を支えてくれた多くの犠牲が無駄になる。

 何より目の前の男を救ってやれなくなるのが酷く我慢ならない。

 そうだろ、真弓さん。

 ヒーローってのは救いの手を差し伸べるのがセオリーだろ?

 

 立ち上がる。

 吹き飛ばされる。

 それでも、何度でも血を吐きながら立ち上がる。

 怯える僕を前にそれを何度も繰り返す。

 

 「バカじゃないのか!? オレとお前じゃ次元が違うんだよ! 僕は上位者。お前は下位者。つまりセレブと底辺の差だ! そこに明確な壁がある! それをいつだって見せつけられて来たんだろ? だったら、大人しく諦めてくたばれ、死に損ない!」

 

 目が眩む。

 脳が揺さぶれて、視界が閉ざされて真っ暗になる。

 息をするのも億劫なのに、どうしても前へ進むことだけは止められなかった。

 

 「そうだ。弱くて脆くてちっぽけでどうしようもない駄目な人間だ」

 

 何度でも立ち上がり、前へ進む。

 言葉は自然と出た。

 きっと神様がくれた権能(チート)とやらの特権なのだろう。

 

 「だから、同じだ。僕と君は同じだ。そこに上も下も関係ない」

 

 永遠の停滞を望む男。

 見たくもない現実から逃げることを止めた僕。

 そのどちらが欠けても僕は僕じゃいられない。

 弱い自分を肯定して強くなる。

 それは現実に生きようとする人間なら誰でもしなくてはならない通過儀礼だ。

 

 「僕たちは止まれない。神様でなんかいられない。僕は僕だ。七瀬勇貴だ。僕は、記憶なしだった七瀬勇貴だ!」

 

 踏ん張る足。

 息を呑む男。

 グラグラと地下聖堂が揺れる。

 半壊したドアを潜る。

 

 狼狽える男の姿は救いを求める子供でしかない。

 その手を差し伸べるのはいつだってヒーローと相場が決まってる。

 

 「一緒に行こう。こんなところで一人で神様やったって寂しいだけだよ」

 

 ボロボロの身体を無理に立ち上がらせて、手を差し出す。

 

 でも。

 

 「ふ、ふざけるな!」

 

 それが彼の逆鱗に触れたのか。

 

 「オレは。オレは! お前らとは違う! お前らみたいに造りモノじゃない!」

 

 僕を何処か遠い場所へと吹き飛ばす。

 意識が飛ぶ。

 記憶が何処かグチャグチャになって散っていく。

 見なければならない現実が遠くなる。

 

 「――――ッガ!」

 

 グラグラと崩れる世界。

 チクタク、チクタク。

 不可逆な時間の巻き戻りが発生する。

 

 「嘘だろ!?」

 

 交信の杖から弾き出される僕。

 あの男、何処まで聞かん坊なんだ!

 

 「絶対に変わってなるものか! この物語は永遠の停滞を迎えるんだよ! こっちに来るんじゃない!」

 

 交信の杖が崩れる。

 コントロールルームへの道は完全に閉ざされた。

 外なる神を自称する僕とやらには接触することが出来なくなった瞬間だった。

 

 





 次回の投稿は9月17日を予定しております。
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