タイトル通り。
魔法少女が最終的に爆発する話です。

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爆発オチする魔法少女

――魔法少女。

 

 それは数年間突如現れた“魔獣”と呼ばれる存在と対抗するように誕生した魔法を駆使して戦う少女達のことである。

 

「対魔獣用レーダーに反応あり!この近くだよ!」

 

 魔法少女達を語るにおいて、“妖精”と呼ばれる存在のことも忘れられないだろう。彼なのか彼女なのか定かではない妖精達は皆小さな人形のような見た目をしていて、ある魔法少女の話では、魔法の才能がある少女のもとへ訪れ、少女を戦乙女へと変えるという。

 

「わかった!すぐに行こう!」

 

 そして、彼女達が少女から戦乙女へと変わる瞬間、彼女達は己の信念をある種の呪文として唱える。俗に言う“変身”である。

 

 彼女達についてわかっていることはそう多くない。その少ない中でも確かにわかっていることがある。それは、彼女達は人類存続を賭けた戦いの最前線で戦っているということだ。

 

「フォーム・チェンジ!魔法少女アマリリス!私の誇りにかけて、私がみんなを守る!」

 

 口上を叫んだ少女の体が光に包まれる。

彼女が身にまとうのは白いワンピースだ。ワンピースには黄色のラインが引かれ法衣のような清廉さを生み出し、襟の花のような赤いリボンが白を引き立て少女のかわいらしさを引き出している。靴はスニーカーからブラウンのブーツになり、肩口で切りそろえられた日本人的な黒髪は輝くような黄金の髪へと変わる。

 

 そして、その少女が最後に手にするのは杖だ。

服と同じく白を基調とした杖でその先端には彼女の瞳の色と同じ空のように青い宝石がついている。

 

「さぁ!いくよデト!」

 

 少女の呼びかけに緑の小鳥のような妖精、デトが「うん!」と答える。

 

 一人の少女と一匹の妖精。それが“魔法少女”である。

 

 

 

 

 ビルの立ち並ぶ街中、本来であれば多くの人々が行き来しているだろうこの場所は悲鳴の響く地獄となっている。

 

 その光景を作り出しているのはオオカミのような見た目をした4mほどの大きさの魔獣だ。その四肢は重厚な筋肉に覆われ、漆黒の毛並みをすでに犠牲になった誰かの返り血で赤黒く染め上げている。

 

 そして、今もまた一人犠牲になろうとしている男が一人。今までテレビの向こう側でしかなかった死の恐怖に一般人が耐えられるはずもなく、もはや男は一歩も動くことができないでいた。その男を見て魔獣は腹をまた満たすことができると、その鋭い牙から涎を滴らせる。

 

「来るなぁ!こっちに来るなぁ!」

 

 男が叫ぶもそれで魔獣が止まる気配はなく、ただ低い唸り声を上げるのみである。

 

「誰か!助けてくれ!まだ死にたくないっ!」

 

 心の底からの叫び声、本来ならその声に答えるのは魔獣だけで、男は魔獣に食われ、その命を儚く散らしていただろう。しかし、その声に答える者がいた。

 

 次の瞬間、魔獣に白い光線が直撃し、突然の攻撃に魔獣は思わず後ずさる。

一体誰が攻撃したのか。それは男の目の前に現れた少女に違いないだろう。男をかばうように立つのは一人の魔法少女だ。白い法衣のようなワンピースに黄金の髪、そして、杖を使った砲撃魔法を得意とする魔法少女。そう、魔法少女アマリリスだ。

 

「魔法少女アマリリス!誇りにかけて、私があなたを守ります!」

 

 

 

 魔獣にとって女をいう存在は良質な餌だ。しかし、目の前にいる存在はただの餌ではない。魔獣の体に傷を付けることができる敵なのだ。敵を認識した魔獣は食事を中断し、戦闘をはじめる。

 

 まず最初に動いたのはアマリリスだ。彼女は後ろの男が逃げる時間を稼がなければならず、魔獣を引き付け男から遠ざけなければならなかった。

 

 彼女は横に跳ぶのと同時に魔法による砲撃を魔獣の顔に叩き込み、意識を彼女に集中させる。

 

 二度も魔法を受けた魔獣も黙って受けるだけではない。魔獣はその人間の常識の外にある強力な脚力で弾丸のように飛び出す。その狙いは……アマリリスだ。何人も引きちぎってきた鋭い牙で彼女を嚙み千切ろうとする。

 

 しかし、その攻撃が当たることはなかった。アマリリスもまた理外の能力を持つ魔法少女だからだ。彼女は素早くその攻撃を躱すと攻撃後の隙を狙って攻撃をしようとする。

 

 だが、魔獣は躱される想定だったのか、素早く方向を変えると前足の爪がアマリリスをとらえる。

 

――次の瞬間、アマリリスが引き裂かれる、ことはなかった。

彼女の前に大きな黄色い魔方陣が浮かび、真珠の攻撃を受け止めている。

 

「焦ってる?リリス。」

 

 デトが呆れたような声で問いかける。

 

「ごめん。ちょっと焦ってたかも。」

 

 少し自覚があったのか、少しばつが悪そうな顔で答える。

 

「君が傷ついたら悲しむのは君だけじゃないんだから、気を付けてよね。」

 

 デトの言葉にアマリリスは頷くと、その場から飛び退る

彼女がいなくなると魔方陣は消え、魔獣の爪は空を切る。

 

 魔獣は再びアマリリスへ飛び掛かるが、それは一度見た攻撃。経験が豊富な魔法少女であるアマリリスにあたるはずもなく、危なげなく躱していく

 そして、次は自分のターンだとばかりに光線で魔獣を狙っていく。しかし、魔獣も軽いフットワークでそれを躱していく。だが、それはアマリリスの予想の範囲内であった。光線は魔獣のに次々殺到し、やがて躱す先が一か所に絞られる。

 

「そこっ!」

 

 唯一の弾幕の隙間。そこに魔獣が回避するとわかっていればそのタイミングで魔法を放ち当てることはたやすい。

 ついに魔法の一撃が魔獣に直撃する。アマリリスの得意とする威力の高い魔法は魔獣の強靭な肉体を抉り、その命の灯を消し去る。

 

「ふぅ、やったね。デト。」

 

 魔獣の死体の存在を留める核となっている魔石がなくなったことで、光の粒子となって空に溶けていく。その光景を確認しながらアマリリスは息を吐いて呟く。

 

「よかったねじゃないよリリス。ボクが結界で防いでいなかったら今頃リリスは真っ二つになっていたよ。」

 

「あはは、ごめんって。」

 

「まったく、周りに人がいるからってそっちに気を取られすぎだよ。助けたいって気持ちはわかるけどね?……まぁそこがいいところでもあるからあんまり強く言わないけどさぁ。」

 

 説教臭い人形である。しかし、この言葉は純粋にアマリリスが心配だからこそ出る言葉だろう。それを彼女も感じ取っていて、デトに反論することなく素直に言葉を受け止めているのだ。

 

「次は気を付けるよ。ひとまず、魔獣はやっつけたって報告しに行こう?」

 

 人間を殺す者、魔獣。それと戦う魔法少女は常に危険と隣り合わせなのである。

そう、魔獣はただ身体能力が高いというだけで恐怖されているわけではない。彼らの最大の特徴は人間への殺意。現在のように魔法少女に撃退され続ける現状をよしとする者ではなかった。

 

 故に、強い魔法少女にはより強い魔獣を当てる。

 

「まって、リリス!すぐ近くに魔獣の反応が!」

 

 レーダーの異変にいち早く気づいたデトが叫ぶ。それと同時に目の前の空間、魔獣の死体があった場所の空間が歪む。空間が裂け、見る者の正気を奪うほどの瘴気があふれてくる。まるで地獄の底へ生者を引き込もうとするかのように影よりもなお黒い腕が這い出てくる。やがて腕だけではなく、全身が露わになる。

 

 形は人間に似ている。しかし、それは形だけである。体の長さに比べて手足が非常に長く、手にはおおよそ人間にはあるわけのない鋭い爪のようなものが付いている。

 そして、その体は影のように真っ黒に染まり、起伏さえ定かではない。その漆黒の躯体は頭部の紅い双眸の光だけが爛々と輝いている。

 

「なに……これ……。」

 

 アマリリスは思わず立ち竦む。

 この魔獣らしきナニカの瞳が語っているのだ。この世すべてへの憎しみを。ただ瞳を見ただけで歴戦魔法少女ですら怖気づいてしまうほどの溢れんばかりの憎しみを。

 

「アマリリス!しっかりして!敵だよ!今までの魔獣と姿は違うけど、あれは魔獣だ!それに、あんな奴逃がしたらきっとたくさんの人を襲っちゃうよ!」

 

「そっか。そうだよね!ここで私が何とかしなきゃ!」

 

 アマリリスの脳裏に浮かぶのは数年前のこと。彼女の姉と最期にした約束

 

『最後に……お願い……してもいい?みんなを……守って。

あなたなら……きっとできるわ。私の……自慢の妹だから。』

 

「私は魔法少女アマリリス!私の誇りにかけて!私がみんなを守る!誰一人襲わせたりしない。お姉ちゃんと……約束したから!」

 

 目の前の魔獣がかつて戦ったことのないほどの力を持っているのはアマリリスも気づいている。しかし、そのまだ成長しきってすらいない小さな体に宿る大きな勇気が彼女に杖を握らせた。

 

 まずはアマリリスが小手調べとして小弾を放つ。しかし、それは小手調べにすらならず魔獣はひらりひらりと木の葉が舞うようにかすりもしない。そしてその弾幕の中からぬるりと滑るようにアマリリスに肉薄する。

 アマリリスはその突然の挙動に驚愕するも、すぐに冷静さを取り戻しこれ以上近づかれないために光線で薙ぎ払おうとした。しかし、その時の距離はすでに魔獣の攻撃範囲であり、魔獣の右手は鋭い爪にさらに闇を纏うと横薙ぎに切りつける。

 

「リリス!危ない!」

 

 デトが咄嗟に結界を張り、魔獣の攻撃を防ぐ。普通の魔獣であれば問題なく防ぐことができる強度を持った結界だが、アマリリスが飛びのいた瞬間割れてしまう。

 

「すごい威力だね。リリス、結界も耐えられないから直接食らったら無事じゃすまないよ。」

 

「そうだね。なら……近づかせない!」

 

 そうアマリリスが言うと、その言葉の通り大きく後ろに飛び退き魔法で砲撃を開始する。彼女の杖から放たれた白い光線が魔獣に殺到し、その行動を封じようとする。

 しかし、魔獣もただ受けるだけではない。迫りくる光線を数発体に掠らせながらも弾幕を搔い潜り再び肉薄する。漆黒の爪がアマリリスに迫るが、彼女もまたただ受けるだけではなかった。

 

「同じ手は食らわないよ!」

 

 彼女はあえて前に踏み出す。相手が爪を振りかぶった瞬間その懐に入り相手の後ろに抜けていく形で斬撃を躱す。

 

「食らえっ!」

 

 背後に抜けたことでがら空きとなった背中に容赦なく魔法で攻撃していく。

光線の向こうには魔法が直撃して大きなダメージを受けた魔獣ではなく、何もいない空間があるだけだ。デトが「しゃがんで!」と言った瞬間、反射的にしゃがんだアマリリスの頭上を魔獣の爪が掠める。魔獣はアマリリスが魔獣を見失ったわずかな一瞬で距離を詰め攻撃してきたのだ。攻撃を躱し再び距離を取る。そうしたことで仕切り直しという形になった。

 

「こいつ……強いっ!」

 

「うん。もしかしたら今まで戦ってきた中で一番強いかも知れないね。」

 

 かつてない強敵の出現に思わず表情が硬くなる二人。しかし――

 

「でも、負けるわけにはいかない。そうでしょ。」

 

 その闘志は消えず、むしろ強敵の存在は燃料にしかならない。

なぜならここで彼女が負けてしまえば背後にいる一般人、それもその中には友人、家族。愛する者の命が懸かっているのだ。

 

「とにかく!あいつを近づけない!手伝って。デト!」

 

「もちろんさ!」

 

 一人と一匹は頷き合い、動き出す。

 アマリリスは魔獣の動きに合わせて適格に魔法を放っていく。彼女の得意の戦法のひとつである、一つずつ逃げ場を潰していき確実に当たる場面で必殺の攻撃を放つ作戦だ。

 そしてデトもただ見ているだけではない。魔獣の動きを妨害するように、また魔獣を近づけないように絶妙な位置で結界の魔方陣を配置している。

 

 だが、魔獣もここからが本番だと言わんばかりに一層と攻撃を激しくする。

 アマリリスは正面から突っ込んで来た魔獣を横に跳び躱す。しかし、魔獣はそれに追従し両方の爪を使って激しい連撃を仕掛ける。

 右手の攻撃は身を屈めることで躱し、続いて来る左手の攻撃は杖で受け流す。

アマリリスはそして飛び退くと同時に魔法を放つ。

 

 中距離型の魔法少女と近距離型の魔獣。距離があれば一方的に攻撃できるが、魔獣の持つ高い俊敏性がそれをさせない。逆にアマリリスは距離を取ることができず近距離という相手の得意な土俵で戦うことになっている。

 

「っ!」

 

 ついに魔獣の攻撃がアマリリス頬を掠る。

 

「リリス!」

 

 さらに、その一瞬の隙をつき、魔獣の攻撃がついにアマリリスをとらえ、体をくの字に曲げながら吹き飛んでいく。

 

「リリス!大丈夫かい!?」

 

「大……丈夫。デトが守ってくれたから。」

 

 アマリリスは体をふらつかせながらもゆっくり立ち上がる。

 

 だが、それを待ってくれる魔獣ではない。アマリリスの体勢が整っていないのを狙いすぐさま距離を詰めようとする。

 

「そうはさせないよ!」

 

 デトの結界が突っ込んでくる魔獣の進路をふさぐ。

 

「ありがとうデト!」

 

 しかしそれもいつまでも魔獣を留めておくことはできない。

結界による妨害を潜り抜けてくる。アマリリスも魔法で攻撃するが魔獣もまた一度見た攻撃は当たらない。

 

 再び攻防は爪で切りかかる魔獣とそれをギリギリのところで躱すアマリリスという形にもどる。右、左、と次々と襲い来る斬撃を屈み、受け流すことで何とか凌いでいく。

 それでも、すべてを防ぐことができるわけではない。攻撃を受けるたびに少しずつ、生傷が増えていく。だが、そんな風に攻撃を避けるために跳び回っていれば疲労も溜まる。それはやがて大きな破綻へと繋がっていく。

 

「きゃっ!」

 

 攻撃を躱すために大きく飛び退いた時、生傷の増えた足ではうまく踏ん張れず足をもつれさせてしまう。

 

「リリスっ!」

 

 それを見た魔獣の瞳に嗜虐の色が浮かぶ。

 

 そして、ゆっくりと歩み寄り、爪を――

 

「引っかかったね。」

 

 魔獣が足を踏み出した瞬間、凄まじい閃光を放ち、爆発する。

 

 地雷系魔法。事前に設置しておき、そこに魔獣が通った時に初めて姿を見せ、効果を発揮する魔法だ。

 

「マジックマイン。あなたから逃げ回っているうちに仕掛けておいたの。」

 

「リリス、まだ生きてるよ。」

 

 爆発で舞い上がった砂埃の中、黒い影がよろよろと立ち上がるのが見える。

 

「わかってるって。」

 

 そう言ってアマリリス杖の先端をその影に向ける。そして、その杖の先に大きな魔方陣が広がる。それは彼女の得意とする砲撃魔法で、彼女の使える中でも特に強力な、まさしく必殺技とも言えるものだ。

 

「吹き飛べ!魔砲、フルリール!」

 

 魔方陣から光が迸る。そして、花が咲くように溢れ出た光が一条の光線となり魔獣へと進む。

 

 その光線が魔獣の体を貫く。魔獣は体を貫かれた痛みに震え、この世すべてへの憎悪の籠った悲鳴が響く。

 やがて、悲鳴がなくなったころ、そこに魔獣の姿はなく、魔獣ものであった瑠璃色のガラス質の石、魔石が落ちている。

 

「な、なんとかなった……かな?」

 

 魔石を見たアマリリスはそう言いゆっくり息を吐く。先ほどまで息をつかせぬ攻防をしていたために、体力の消耗はかなり激しかった。

 

「そうみたいだね。ほんと、手ごわい敵だったよ。」

 

 いつ不意打ちを受けてもいいように常に周囲を警戒していたデトもようやく少し警戒を解く。彼も魔獣の攻撃を何度も結界を張って防いでいたために魔力を消耗していた。

 

「こんな強い魔獣が出てくるなんて……。今まではこんなの出てこなかったよね。」

 

アマリリスは疲れた様子でデトに問いかける。

 

「そうだね。しかもあいつは魔獣を一体倒したすぐ後に前触れもなしに現れた。」

 

 デトはアマリリスの言葉に肯定し、さらに続けて話す。

 

「今まで魔獣の人間に対する憎悪は見てきたけど、あんなに強いのはいなかった。

それに、人型の魔獣だって初めてだよ。鋭い爪、結界を簡単に切り裂く闇、あと、単純に身体能力がとっても高かった。こんなに強い魔獣が出てくるなんてね。」

 

「そうだね。本当に強かったよぉ。しかも連戦!疲れたよーデト。」

 

 戦いの緊張感が解れ、緩んだ空気が流れる。

 

「まって!リリア!高い魔力反応を感知!」

 

 デトの叫びで緩んだ空気が一気に引き締まる。

 

「魔力反応?また魔獣なの!?」

 

「いや、魔獣の出現の反応とは違うと思う。単純に魔力が溜まっているような……。

でも、まずいよリリア。このまま放置してたら危ない。」

 

「ねぇ、デト。それってもしかして……あれのこと?」

 

 アマリリスは引きつった顔で指を差す。そのさきには、いたるところにある罅から凄まじい光が漏れている今にも爆発しそうな魔石がある。

 

 次の瞬間、爆発した。

 

 それはもう、これ以上ないくらい爆発した。

 

 その爆発のあまりのエネルギーの高さによって世界は一つの火の玉になった。そして、その中でまず陽子や中性子が生まれた。やがて爆発から時間が経ち温度が下がっていくと、次は大量の素粒子が生まれた。生まれた物は爆発の勢いに乗って遠く、どこまでも遠くへ飛んで行った。

 

 さらに長い時間が経つと、やがて飛んで行った物はそれぞれが引き付け合い、星となった。

初めは少なかった星々は少しずつ増えていき、その星々が集まり銀河となった。

 さらに時間が経つと、銀河が集まり、銀河群、銀河団となった。

 今まで何もなかった空間に爆発によってあらゆるエネルギーが届けられ、宇宙となった。

 

 さらに、長い長い時間が経つと、ある星の中で微生物が生まれる。微生物はやがてより複雑な構造を持つ生物に進化し、植物が生まれる。岩石と水だけだった星は緑色に染まり。両生類、爬虫類そして哺乳類が生まれる。

 

 そして、人間が生まれ、いくつもの文明が生まれては滅んでいった。

やがて文明は進み、人間は様々なことを調べ始めた。それは宇宙のことも例外ではない。

 夜に空を見上げることから始まり、望遠鏡を覗くようになり、観測、計算によってさまざまなことが世に知れ渡った。

 もちろん、そのなかには宇宙の誕生、すなわち始まるきっかけとなった大爆発のこともあった。

 

 

 

 

 始まりの大爆発。それは――

 

 

 ビックバンと呼ばれている。

 


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