いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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もうすぐUA20万越えだと…!
これがハジケリスト効果というやつか…!


戦闘訓練(本番)

俺は現在日本に伝わる由緒正しき謝罪の礼法、DOGEZAを実践しているところだ。いや、土下座をより進化させた謝罪の究極五点倒地態勢、「土下寝」に昇格したところだ。何故かって?

 

目の前に修羅がいるからさ。

 

「言い残すことはあるか?石楠花」

「おっ…御慈悲を…!」

「言い訳無用!」

 

クソっ!魔女裁判ぐらい話を聞いてもらえねぇ!

周りの男共は修羅の覇気にやられて使い物にならねぇ。それ以前に話の顛末を聞いた瞬間に全員去って行きやがった!

 

特に峰田は血涙流しながら呪詛吐いて去りやがった。俺呪われてないよな?完成度凄かったぞ。

 

「石楠花ちゃん、裸が見えたのは個性の性質上、それと裸のままだった透ちゃんに非があるかもしれないけれど、その後のデリカシーのない発言は見直すべきだわ」

「蛙吹大明神…!」

「梅雨ちゃんと呼んで」

 

デリカシーか。俺は今までデリカシーに欠けた発言をしていただろうか?心の底からの賛辞だったはずなんだが。

 

「で、どうだった?うら若き乙女の裸を見た感想は?」

「耳郎ちゃん!?」

「最高でした!」

「石楠花君!?」

「天誅!!」

「あああああああ!?」

 

容赦なくプラグ攻撃してきおって!俺は質問に答えただけなのに!はっ、これが誘導尋問ってやつか!

 

だがここで石楠花にとっての天使が動いた。

 

「もっ…もう気にしてないよ!実際個性を考慮せず裸のままだった私が悪いんだし…!」

「えっ…天使か?エンジェル透か?」

 

なんていい子なんだ…!まさか被害者自身が解決に動くなんて…!じっくりと裸を貪るように眺めて堪能したやつを許してくれるのか…!

 

なら、俺が出来る限りの援助をするか。今回の問題はお互いの個性の性質上起こってしまった問題だ。もしヒーローになった時に知らない人とこんな問題になったら嫌すぎる。

 

「なぁ、葉隠よ?」

「はっ…はい!」

「本当にすまなかったと思っている。だからこの問題を解決しよう。だからさ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前の遺伝子を俺にくれないか?」

 

「…ふえぇぇぇぇぇ!?」

 

時が止まった。誰もが言葉を発することを忘れた。

目の前で変態行為を行なった者がより高度な変態発言をしたからだ。

 

真剣な石楠花!

赤面する葉隠!

血涙を流す峰田!

 

これにてカオスフィールドが完成した!

このカオスすぎる事態にいち早く復活したのが…

 

「石楠花くん、ちょっと向こうでO☆HA☆NA☆SHIしようか」

 

女性陣だ。

 

「えっ、お前ら何か勘違いしてない?」

「いやいやしてへんよ?ちょっと向こうでO☆HA☆NA☆SHIするだけやから」

「いや、お話って何!?ここですぐ終わる話だか……なっ…何いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?縛られているだと!?いつの間に!?」

 

馬鹿な!?いつの間に!?

ロープ何てなかっ…いや違う!これは形状記憶合金だと!?

一体誰が……はっ!?まさか!?

 

「私ですわ!」

 

貴様か痴女おォォォォォォォォォォォォ!!

捕縛道具に加えて瞬時に縛る技術だと!?お前はヒーローと兼任でSM嬢にでもなるつもりか!!

 

だが甘い!

俺はシャコぞよ、我が筋肉の前では拘束物など無力!

ハハハハハッ!この勝負もらっ「はい、無重力」た……

 

 

貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

クソっ!踏ん張れないから力を籠められねぇ……!!

 

 

「じゃあ、あっちの人がいないところに行こっか」

「まて落ち着け!」

「大丈夫大丈夫、ちょっとO☆HA☆NA☆SHIするだけだから」

「やめロォォォォォォォォォォォォォォォォ!」

「「「まぁまぁ」」」

 

 

オ…オレは何をされるんだ!?

あっちに連れていかれたら俺はやられる!?

いっ…いつ『襲って』くるんだ!?

オレは!!

オレはッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレの側に近寄るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひと悶着終わり、ついにグラウンドβに全員到着した生徒たち。

約一名後ろで伸びている男がいるが誰も触れない。オールマイトでさえ触れない。触らぬ神に祟りなし、いや触らぬハジケリストに祟りなしだ。

 

「始めようか!!有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!」

 

緑谷を見つけたオールマイトが自分をリスペクトして作られた耳のような部分を見つけて笑いをこらえるが幸いにも不審には思われなかった。

 

そこで飯田が動く。

 

「先生!ここは入試演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?」

「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での()()()()()()さ!!」

 

戦闘訓練、その言葉に色めきだす生徒もいる。

 

「敵退治は主に屋外で見られるが統計で言えば屋内のほうが凶悪敵出現率は高いんだ。監禁・軟禁・裏商売…このヒーロー飽和社会…ゲフン…真に賢しい敵は屋内(やみ)にひそむ!!君らにはこれから「敵組」と「ヒーロー組」に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!!

 

ナンバーワンヒーローからの言葉だ、説得力が違う。敵の情報を聞き、少し不安になるがこれから戦うかもしれない敵たちへの対策授業なため、より一層力が入る。

 

「基礎訓練もなしに?」

「その基礎を知るための実践さ!ただし今度はぶっ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ!」

 

そして早く内容を知りたいのか生徒たちが口々に質問をする。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブッ飛ばしていいんスか」

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか…?」

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」

「このマントヤバくない?」

 

「んんん~~聖徳太子ィィ!!!」

 

それもそうだ。オールマイトは一人しかいない。いくらオールマイトでも聖徳太子のように10人一気に話は聞けないのだ。

そしてそんなプロヒーローがカンペを読みながら説明し始めた。

 

「いいかい!?状況設定は「敵」がアジトに「核兵器」を隠していて「ヒーロー」はそれを処理しようとしている!」

「「「(設定アメリカンだな!!)」」」

「ヒーローは制限時間内に「敵」を捕まえるか「核兵器」を回収すること、「敵」は制限時間まで「核兵器」を守るか「ヒーロー」を捕まえること、コンビ及び対戦相手はくじだ!」

「適当なのですか!?」

 

飯田の質問は緑谷の即席説明によって解決され、いよいよくじ引きの時となった。

 

「そういえば私たちのクラスは21人ですが、そこはどうなるんですか?」

「それも心配ない!1チーム3人となるだけさ!しかし!メリットもあるがデメリットもある。3人チームは2人捕まった時点でアウトだ!さらに知らない個性の力と即席で協力するため、人数が多いと把握できなくなってしまうから、そこには注意が必要だよ!」

 

 

 

 

 

 

Aチーム:緑谷・麗日

Bチーム:轟・障子

Cチーム:八百万・峰田・石楠花

Dチーム:飯田・爆豪

Eチーム:芦戸・青山

Fチーム:砂藤・口田

Gチーム:耳郎・上鳴

Hチーム:蛙吹・常闇

Iチーム:葉隠・尾白

Jチーム:切島・瀬呂

 

「あの……先生」

「どうした葉隠少女!」

「服…着てもいいですか?」

「アッ…そうだね。着てくるといいよ…」

 

誰も何も言えなかった。個性の都合上服を着ないほうがいい。しかしこのクラスにはあらゆるものを看破する目を持った変人がいる。

 

「あの……先生」

「なっ…何かな八百万少女!」

「石楠花さんが目覚めないのです「俺がどうしたんだい?マイフェアレディ」きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

石楠花復活。

しれっと復活し、しれっと話に加わり、驚かすという打算ありきでそっと八百万の肩に手を置く。すると当然ビックリする。

 

「お前いつの間に復活してたんだよ!?」

「それは『始めようか!!有精卵共!!』の下りらへんからだな」

「ほぼ最初!」

 

この男、再生能力がハンパない。

だがこの再生能力の高さからある程度の傷では気絶すらしない男の一瞬でも意識を刈り取った女性陣の怒りというのは恐ろしいものである。

 

「よし!じゃあ戦闘訓練やろうぜ!それと葉隠!」

「えっ!?はい!」

 

鱗が葉隠を呼んだことで、視線をシャットアウトする様に女子が割って入る。

 

「石楠花、まさか学習しなかったのか?」

「いや違うって。葉隠専用のコスチュームを作らないかって言う提案をしたいだけだよ」

「コスチュームを!?」

 

衝撃的な発案である。まさかこんな真面目な、それも専門家のような話が出て来たからオールマイト含め全員が仰天した。

 

「いや、何で石楠花君がそんなことできるん!?」

「ん?俺じゃないよ?俺の親父がコスチュームを作る会社の()()()()()やってるから」

「「「はあっ!?」」」

 

衝撃のカミングアウト。

石楠花パパは実は凄い人だった。

 

「お前の親父さんそんな凄い人なのかよ!?」

「実はヒーローを裏から支える凄い人なのよ」

「そんな凄い人から何でこんな変人が誕生するんだよ!?」

「覚えておけ。『一寸先は変態』。有名なことわざだ」

「そんな言葉あってたまるか!?」

 

一体どんな生後を送れば偉い人の息子が変人になるのか、そこが気になる一同だった。

 

「だからさ、葉隠。お前の髪の毛やら細胞やらから個性に合ったコスチュームを作れるかもしれないんだ。個性使うたびに服を透過して全裸になる人が全裸にならないコスチュームにしてほしいとか、バラバラになる個性でコスチュームごと再生できるようにしてくれって言う要望が来てたりするから多分作れるよ」

「そんなこと出来るの!?」

「大丈夫だろ?俺も俺自身の細胞を元に作られた()()()()()()()()()()()()()()を個性発動のたびに付けてるし」

「本当に!?それならお願いしたいよ!」

「よし、なら任せろ。家帰って親父に頼んでみるわ」

「ありがとう!」

 

まさかの鱗の意外な縁によって、無事に?当人同士の和解は成立した。だがしかし解せない点もある。その点を上鳴が指摘した。

 

 

「その提案をもっと早くに言ってれば折檻されなくて済んだんじゃね?」

「ん?いや提案したら容赦なく天誅だったじゃねーか」

「えっ、お前いつ提案したんだ?」

「えっ、思いっきり言ったぞ?

 

 

 

 

 

お前の遺伝子(髪の毛)をくれないか?って」

 

 

「「「いや紛らわしすぎるわ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか無事?に石楠花全裸視姦事件が解決し、いよいよ授業が始まる時が来た。

 

「さぁ、色々あったが一段落ついたところで授業を始めるぞ!最初の対戦相手はこいつらだ!!」

 

そこで引かれた文字はAとD。

運命の悪戯か、入学早々因縁の戦いのカードが切られる。

 

「Aコンビがヒーロー!Dコンビがヴィランだ!!」

 

非常に面白い男の戦いの幕が上がる。

その時石楠花はというと……

 

 

 

 

 

 

「(パッパに頼んで絶妙な可視域に設定して作ってもらい、俺の目には全裸に見えるように頼んでみるか)」

 

この後、秒で却下された。

 




ホネ吉「石楠花君のお父様が働いているコスチューム会社って何処だい?」
バカ「ここですよ」
ホネ吉「(ここ私がよくお世話になってる会社じゃないか!?)」

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