いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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ついに登場我らの石楠花君!

覚醒の石楠花&微エロ要素ありでお送り致します!
後悔はしていない!!


ハジケの申し子

いよいよ始まる戦闘訓練!

そのために現在鱗たちはミーティングの途中だった。

 

「よっし!なら情報共有しようぜ!」

「そうですわね。共有しておかないと作戦も立てられませんし、連携もとれなくなってしまいますわ」

「オイラの個性は『もぎもぎ』。超くっつく。体調によっちゃ一日経ってもくっついたまま。もぎったそばから生えてくるけどもぎりすぎると血が出る。オイラ自身にはくっつかずにブニブニ跳ねる」

 

「そんなに引っ付くんですの?これ『ブニ』…あ」

「マジかよ、アレか?タンスとかの滑り止めに間に入れる『ブニ』…あ」

「今説明したばかりじゃねえかよお前らぁぁぁぁぁぁ!?」

 

八百万と石楠花の共通点として非常に賢いが、片や天然、片やハジケリストという似通った要素がある。

 

だからこそ二人とも興味本位でもぎもぎに触り、手に引っ付くという奇跡が発生した。

 

「マジかよ手にくっついた。興味本位で触るもんじゃないな」

「まぁ!どうしましょうこれ!?」

「ほんと何なんだよお前らぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

強個性の二人が揃って片腕が使えなくなった事件が発生。会話を聞いていたオールマイトは頭を抱えた。

 

「とりあえず俺の個性は『シャコ』。シャコっぽいことは全部できるぜ!」

「今じゃねえだろぉぉ!?」

「私は『創造』ですわ。生物以外なら創り出すことができるのですが、構造を知っていないと作ることができません。それと使うたびに脂質を使用しますので、作ることができるものには限りがあるかと…」

「なんでどっちも強個性なのに使用者がコレなんだよぉぉぉぉ!!」

「落ち着けよ、落雁食うか?」

「うるせえよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「まぁ、何ですのこれ?」

「マイペースかよぉぉぉぉぉぉ!!」

 

八百万自体は優秀であるが、育ちが優秀であるため常識が何処か欠如している点がある。だからこそ、彼女は鱗をどうこう言える立場ではないのだ。

そのため、天然×ハジケリスト=カオスという方程式が完成し、変態であるはずの峰田が常識人枠となりストレス値が格段に上がる結果となってしまった。

 

 

 

 

 

 

そして追い打ちをかけるようにさらなるアクシデントが峰田を襲う。

 

 

 

 

 

「キャッ!」

「え?」

「危ない!」

 

座っていた八百万が立ち上がったと同時に足元がふらつき、鱗に向かって倒れるという事態が発生。鱗も変人ではあるが根は紳士なため、受け止めるべく動く。しかし一つ失念している点があるとすれば両者とも手に『もぎもぎ』がついていたということだ。

 

結果…

 

 

 

「「あっ」」

 

 

 

両者抱き合った状態で『もぎもぎ』によって固定され、離れることができなくなった男女(足手まとい)が完成した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チクショぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?お前ら何オイラの前でイチャイチャしてんだぁぁァァァァァァァァァァァァ!?」

 

 

 

 

 

「動けないですわ!?ちょ…八百万家の淑女がこんな…恥ずかしいですわ!?」

「落ち着け動くな」

「でも石楠花さんこのままでは何もせず負けてしまい、この醜態を皆さんに見られてしまいますわ!?」

「そうだな動くな」

「石楠花さんどうしましょう!?」

「そうだな動くな」

 

表面上は冷静に取り繕っているが内心はこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ぐあァァァァァァァァァァァ!?ヤオヨロッパイがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!横向きゃいい面、下向きゃおっぱい、手はくびれにフィットだとぉぉぉ!?静まれ我が煩悩ぉぉぉぉぉ!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大変だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バカな!?本日二回目のラッキーすぎるスケベだと!?死ぬのか!?今日俺死ぬのか!?

 

モチ搗け!いや、落ち着け!落ち着いてタイムマシンを探せ!過去の俺に心の準備をさせろ!

 

 

いや、いったん落ち着け石楠花 鱗よ。俺は生粋の日本男児であり理性最強の漢だ、そうだろう?これも煩悩を抑える鍛錬だと思うんだ。戦闘訓練もできて理性も鍛えられる、最高だろう?そうだいいぞマイサンよ。そうだ、これは訓練だ、だから荒ぶる怒りよ鎮まりたま「ん……っ!」ヤメロぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?耳元で色めかしい声を出すなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

「チクショォォォォォォォォォォォ!石楠花そこ代われェェェェェェェ!」

「いいぞ峰田!そのまま話し続けてくれ!お前の声は性欲減退効果がある気がする!」

「黙れよォォォォォォォォ!?そんな効果嬉しくねぇよォォォォォォ!!」

「石楠花さん耳元で話さないでください!ムズムズして…んっ!」

「エロい体勢でイチャイチャするなよォォォォォォォォ!!」

 

いいぞ…!かなり落ち着いて……来ないな。峰田の声でマイナスになった側から、八百万の声で余裕でプラスになりやがる!

早く落ち着いて相手の対策とどうやって離れるかの対処法を考え…『では時間になったからスタートだ!!』

 

 

 

空気を読めポンコツ骨野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

お前この体勢と荒ぶる本能を抑えながらどう戦えっていうんだ!!鬼か!シャコパンチを鳩尾に打ち込むぞ!

 

だが始まってしまったなら俺達もやるしかない!相手さんはもう動き出してる!

 

「峰田!」

「おっ、おう!」

「とりあえずもぎもぎで窓枠やドアを固定して入れなくしろ!蛙吹は窓から侵入を試みている!だからこそ核兵器にももぎもぎをつけて舌で回収されないようにしな!」

「りょっ、りょーかいだぜ!」

「俺達は常闇を相手するから俺達が出たらドアを固定しろ。それでも、もし蛙吹が入って来たらセクハラしてでも止めろ。俺達はヒーロー志望だが今は敵役だ。そんな奴も世界には必ずいるだろ」

「けどそれだけもぎもぎを用意できるか…もぎりすぎたら頭から血が出るんだよ!」

「頭皮が捲れるぐらいもぎり続けろ」

「お前は鬼かよ!?」

「いや、シャコだ」

「知ってるんだよそんなことはよぉ!!」

 

ちっ!そろそろここに到着するな。とりあえず階段とか壊して妨害するか。

 

「とりあえずここは任せたぞ峰田!ほら、事前に用意してた八百万式自己防衛セット残していくから」

「確保テープとスタンガンで何しろってんだよぉぉぉ!」

「石楠花さん本当にこの姿でいくんですの!?」

 

そうして鱗は部屋から八百万を引っ付けて退出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって常闇サイド。

彼の個性は『ダークシャドウ』。自立型の個性で自我がある珍しい個性だ。

 

「ちっ!階段が壊れていて動きづらい。これは石楠花の仕業だな?本当にこっちから音が聞こえたのか?ダークシャドウ」

『コッチダヨ!』

 

側から見れば鳥と鳥が話しているようで非常に和む光景だ。だが実力はかなりの物。接近戦では非常に力を発揮する手数タイプだ。

 

そしてダークシャドウの報告通り、鱗と八百万を見つけることが出来た。しかし…

 

 

「…何をしているんだ?お前達は」

「…見ないで下さいませぇぇ…っ!」

「フハハハハ!我がパンチの藻屑にしてくれるわ!」

 

そこにいたのはノリノリの石楠花と…腕を首の後ろに回し、動きやすさを確保するため足もガッチリと腰に絡みつき、まるでコアラのようにガッチリと抱きついている八百万の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

[モニタールーム]

「「「いやアイツら何してんの!?」」」

「HAHA…ちょっとした事故で離れないらしい…」

「「「いやほんと何してんの!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

動きやすさを重視したらとんでもない体勢になった件について。

いやマジで何でこの体勢になったよ…確かに動きやすいけどさ…

 

「お前達のその姿…まるで性こ「「それ以上言うな!/言わないで下さいまし!」」…すまん」

 

やめろ常闇!それ以上先は言わせんぞ!

お互いその部分は意識しないようにして折り合いをつけてんだよ!意識したら俺の社会生命終了なんだよ!誰かこの状況で理性を保ち続けている俺を褒めてくれ!

 

「八百万!とりあえず手筈通りに行くぞ!」

「はっ…はいですわ!」

「ふっ!たとえどんな状況でも手加減しないぞヴィランよ!」

『ヤッテヤルヨ!』

「行け!ダークシャドウ!」

『アイヨ!』

 

たとえどんな状況であっても鱗は武術の達人だ。幼少の頃から格闘技に慣れ親しんでいる。だからこそ八百万を抱えながら腕一本で戦うというハンデ付きでも渡り合うことができた。

 

そして理由はもう一つ…

 

「どうした!人質に攻撃が当たってしまうぞ!?その程度かヒーロー!」

「くっ!」

 

八百万を人質と見なして立ち回ることで、人質を取ったヴィランと戦っているという想定概念を作り出した。これは3人いるからこそ発案、そして実行出来た作戦である。

 

「貴様の個性は確かに強い!だがな、自我を持つ個性というのは宿主と同じように常に考えながら攻撃しているということだ。だからこそ攻撃する場所を考えている瞬間が……致命的な瞬間となる」

『ギャン!?』

「ダークシャドウ!?くっ!やはり強い!」

 

手加減をしながらダークシャドウを殴り飛ばす。

人1人を抱え、右腕一本しか使えないにも関わらず決定打を与えることが出来ない。金城鉄壁、城の如く硬い守りに加え、一撃一撃が大砲の如く致命の一撃。これが石楠花 鱗という男の強さである。

 

「フハハハハッ!どうした、その程度か!深淵の使者よ!」

「ふっ、まだだ。我が闇はそう簡単に消えはしない。今からが闇の宴の開演時間だ!」

「そうこなくちゃ!」

「石楠花さん…っ!もう少し……っ!優しく動いてくださいまし…っ!」

「そんなギリギリの発言を耳元でするな!」

 

八百万は呪いのアイテムだったのか!?理性がゴリゴリ削られていくぅぅぅぅ!!

こういう時は14の言葉を数えろ!らせん階段・カブト虫・廃墟の町・イチジクのタルト・カブト虫・ドロローサへの道・カブト虫・特異点・ジョット・天使・紫陽花・カブト虫・特異点・秘密の皇帝!よし、最後に北緯28度24分、西経80度36分の場所を目指せば天国に…「あん…っ!」

 

 

いや…何でそんな顔を赤らめて俺を見てんの?

なんでそんなハァハァ言ってんの?

それと俺の胸に当たってる二つの硬い突起は何?

えっ…いや…えっ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイド・イン・ヘブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明らかに鱗の雰囲気が変わった。

それは相対して戦っている常闇は勿論、画面越しに見守っている生徒たちにもはっきり分かった。

 

纏う雰囲気、研ぎ澄まされた闘気、全てが別人のように一言も発することなく常闇を見据えている。

 

「(何だ?雰囲気が変わった?だが一つわかることがあるとすれば、迂闊に近づけばやられる(死ぬ)!!)」

 

常闇の頬から一筋の汗が伝い落ちる。

常闇の人生で獣に狙われた時のような、一秒が遅く感じる濃密な時間を過ごしたことは初めてであった。

そして……

 

「ガッ…!」

 

気づけば顎を小突かれていた。いつ近づかれたのかわからない。腕の動作すら見えなかった。だが顎を揺らされたことで脳も揺れ、正常な判断すらできなくなっていた。

薄れゆく景色の中で見えた光景は、確保テープを巻く腕と…悟りを開いたような仏のような笑みだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

峰田は焦っていた。

核兵器の部屋を頑丈にもぎもぎで守ったというのに、まさか蛙吹が入れなさそうとわかった瞬間窓を蹴破って入ってくるとは。

 

だが今はヴィラン、合法的に女体に触れるチャンスなのである。だからこそ頑張った、本当に頑張った。触るために神にさえ願った女体が目の前にあるのだから。

 

蛙吹も峰田の個性が何かは知らないが、持ち前の警戒心で部屋中のもぎもぎを触らないように立ち回り、さらに峰田のエロに対する気迫に押され、近づきたくない気持ちが発生し、何とか均衡を保てている。

 

だがもぎった箇所から血が出始め、峰田の体力も限界に近付いてきた。

だからこそ取るべき選択は一つ。

 

『石楠花助けてくれェェェェェェェ!!』

 

無線による応援である。だがそのためには石楠花が常闇を倒してないといけない。その無線に対し石楠花は…

 

『おk』

 

肯定をもって答えた。

その返事と共に壁をぶち破りながら現れる影が。

 

「峰田目をつぶれ!」

 

その掛け声と共に室内に放たれる閃光。

 

「ケロッ!?」

 

一瞬ではあるが蛙吹の視力を奪うことに成功。その瞬間を石楠花は見逃さない。変態じみた動きで右手一本で蛙吹に確保テープを巻き付けるという偉業を達成。そして…

 

 

 

 

 

 

『敵チームWIIIIIN!!』

 

 

終了の合図が鳴った。

 

 

 

 

 




禁欲による無我の境地の向こう側!その名も悟りフォーム!
それを世間ではゾーンというぞ!

集中力を高めるのに頑張るのも、エロいことを我慢するのも、結局ゾーンに入れるんだったら一緒だね!

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