いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

15 / 47
私がいつekbn状態が二話だけだと言った?
鏡花水月からは逃げられないのだよ。


外堀とマスコミは埋めるもの

「ふあぁ〜〜っ、眠た」

 

昨日が濃すぎて今日は休みでも良かったぐらいの疲労を感じる。

 

あの後結局7時ぐらいまで解放されなかった。頼みの綱、相澤先生に希望を託してみたが何故かダメだった。それどころかお説教をいただいた。

 

やれ状況判断がどうとか、やれ警戒心がどうとか。これを合体状態で職員室のど真ん中でだぜ?周囲のヒーロー達の生温かい視線が妙に気恥ずかしかった。俺と八百万は終始真っ赤だったと思う。何あの羞恥プレイ?先生の「これがお仕置きだ」的な小悪党顔がまた妙にムカつく。ミッドナイト先生は鼻血で大変なことになっていた。

 

ムカついたから「先生はこんな経験なさそうですもんね」と煽ってみたら俺だけ反省文が増えた。解せぬ。でもプレゼントマイクが大爆笑してたから良しとする。

 

その後は時間を潰すためにヒーロー実習の続きを頼んで見せてもらったけど…

 

 

 

 

(回想)

『コレ、ビデオ見るために座ったらよりエグい体勢になったな…』

『この体勢…物凄く恥ずかしいのですが、画面を見るためにはこれしかないのです!』

『おう、わかったから揺れないで。振動と体温と匂いがダイレクトに伝わってヤバいのよ』

『まぁ!女性に向かって臭いとは許せませんわ!石楠花さんは…とても落ち着く匂いがしますわ…何でしょう?さっきからポカポカ、ジンジンしますわ…』

『だからギリギリの発言やめろ!!この体勢だと俺の聖剣がスタンドアップ(意味深)するとホールインワン(意味深)してしまうんだぞ!?』

『石楠花さん耳元で話さないで、そして動かないで下さいまし!何故かゾワゾワして何か込み上げてくるものが……!んっ…!石楠花さんに擦れて…!あっ…!』

『ほあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

 

 

 

 

 

 

本当に大変だった…

あの後何とか耐え切った俺を褒めてくれ。本当に褒めてくれ。めちゃくちゃ褒めてくれ。最近、俺は実は仙人だったのでは?と思うぐらい禁欲してると思う。まぁもう少しで危うく2人仲良く自主規制だったけど。

 

更にトイレ問題だよ。流石に7時までは我慢できなかった。

ミッドナイト先生付き添いのもと、女子トイレで乗り換えたよ。あの地獄は思い出したくもない。男女が絡み合いながら用を足すという恐ろしい取り組みを。更に片手しか使えないという苦難を。

 

側から見たら恐怖以外の何物でもない。耳栓とアイマスクを交互に装着して何とか乗り換えた。

 

たった1日で俺達は世界中の変態達と渡り合えるぐらい特殊なプレイをし続けたのだよ。このやりきれない気持ちが分かるかいワトソン君。

 

あの後恥ずかしさからか、無言でひたすら戦闘訓練を見てた。それはもう画面に穴が空くぐらい見た。クラスメイトの個性の理解を深めまくったよ。今なら改善案を出せるぐらいだ。

 

その後ポロっともぎもぎが取れたからコスチュームを着替えてやっと解散となった。それとお互い下着は履き替えて、消臭剤を浴びるようにかけた。何故って?言わせるなよそんなこと。

 

しかし運命の神様はそう簡単に俺を帰しちゃくれなかった。

八百万家のリムジンが学校の前に止まっており、家まで送ってもらえるとのこと。いやぁ、リムジン所持してる学生なんて初めて見たよ。乗り心地ハンパないね。

 

八百万家の執事さんがお出迎えしてくれたが、質問攻めにされた。やれ「お嬢様とはどういったご関係か?」とか「お嬢様のことをどうお思いか?」とか。それから八百万の個人情報をウィキペディアかと言いたくなるぐらい教えてもらった。八百万は顔を真っ赤にして怒っていた。かわいい。

 

今度俺のことを知るためにご飯に招待してくれるらしい。入学して少ししか経っていないのに俺と八百万の知らないところで外堀がゴリゴリ埋められている気がする。一体相澤先生は親御さんに何て説明したのか知らないがロクでもない説明じゃないことを願う。

 

そして家に着き、やっと1週間ぐらいの濃密な時間を感じた1日が終わった。何故か晩御飯に赤飯が出てきた。本当に何て説明したんだよ。

 

 

 

とりあえず昨日を振り返って言えることは…これからは真っ赤な顔して抱きつきながら俺の顔を見つめて、よだれを垂らしながら不定期にビクビクしないでほしい。性少年には刺激がキツすぎる。何処のビデオだ?と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今日だ。若干疲れが抜け切ってないから本音を言えば休みたかった。

 

だが俺の真骨頂は一歩進んで二歩下がるなのさ!少しずつ進んでいくぜ!そのために今日も学校だ!

 

学校に向かう道を歩いていると後ろから上鳴と切島が現れた。

 

「オッス石楠花!」

「おう石楠花!おはよう!」

「朝から元気だな赤金コンビ」

「「赤金って何だよ!?」」

 

いや昨日の今日で元気だよ本当に。俺は昨日の戦闘訓練で多くのものを失ったというのに。公衆駅○という羞恥プレイでな。

 

「「昨日はお楽しみでしたねw」」

 

言うと思った。童貞達は女子とイチャイチャしているところを見ると必ず言わなければいけないという呪いにかかっているのか。可哀想に。

 

「何だよその俺たちを憐れんだ目は!?」

「いや…、ふっ…!」

「クソォォォォ!羨ましいぃぃ!」

 

それよりも門の前に人が多くない?

 

「おいおい!マスコミが騒いで入れねぇじゃねぇか!?」

「クラスの奴らも捕まってんぞ!?」

 

本当だ。揉みくちゃにされてる緑谷や麗日、饒舌に語っている飯田を見つけた。無視してさっさと通り過ぎればいいのに、変なところで律儀だなアイツら。

 

「マスコミに昨日の石楠花の公然わいせつ罪を話せば俺達楽に通れるんじゃね?」

「おい何を血迷ったことを言っているんだい上鳴君。それをするなら俺は今ここでお前の服を破いてマスコミ共の群れのど真ん中にお前を放り込まなきゃいけなくなる」

「じょーだんに決まっているじゃないか石楠花くん〜、ハハハ!」

「上鳴顔引き攣ってるぞ、大丈夫か?」

 

だがアレは邪魔だな。しかも朝っぱらからオールマイトオールマイトうるさいし。でも目立つチャンスか?とりあえず聞かれてもいつも通りに返答すればオッケーだろ。

 

「よし、とりあえず行くぞ」

「マジかよ!?アレに突っ込むのか!?」

「おいおい、それは危険だぜ石楠花!?」

「だがアレを突破しないと遅刻になるぜ?大丈夫、いつも通り対応すればサクッと通り過ぎれるさ。俺がお手本を見せてやろう」

「あっ、おい!」

 

そう言って鱗は堂々とマスコミの群れに歩いていく。そしてマスコミの1人が鱗の存在に気づき話を聞こうとした。

 

「あの!そこの君!オールマイトについて一言お願いします!」

「オールマイトの授業ですか?すごかったですね」

「えっ!?どんな風にすごかったのですか!?」

 

やっとマトモな回答にマスコミ達は期待する。だが良くも悪くも話を聞く相手を間違えた。

 

「いや〜オールマイトの授業はプルガシオンでしたね」

「えっ…プル…?」

「オールマイトパワーのトランスファーがトランスフォームしまして、俺もぐあーっとなったんですけど、うまい具合にバナルカデス呪術が発動しましてネガティックフォースをコミッションできたんですよ」

「…へー、そうなんですか…。ありがとうございまーす…では、私はこれで…」

「それでですね、俺のイグニッションコイルがパルプンテしましてね」

「あの……もう大丈夫ですので…。ちょっ!なんでついてくるんですか!?」

「それからネガティックシードがエキスパンドメタルになりまして、そこで俺は「ワムウ!」と言ったわけですよ。その時のレクイエムがもう最高で…」

「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?来ないでェェェェェェェ!?」

 

 

「すげえな石楠花。マスコミが全員逃げて行ってるぜ。お蔭で楽に入れたわ」

「ああ。しかも追い越すというドS仕様だぜ。話してる内容も全くわからねえ」

 

おい、何で逃げるんだよ。人がせっかく話してやってるのに。

 

その時、鱗がハンカチを落とした。それに気づいたマスコミの一人が丁寧に拾い、鱗に渡すために声をかけた。新たなトラウマを植え付けられるとも知らずに。

 

 

「あっ、あの…君、ハンカチを落とし………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「うわあァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」」」

 

 

 

「あっ、届けてくれてありがとうございます」

「「「いやそれよりもコレ何!?」」」

「えっ、マスコミなのにご存じない?これは今若者達の間で大人気の『ぬ』のハンカチじゃないですか。一枚いります?今スペアで100ぐらい持っていますが…」

 

そう言ってカバンの中から大量の『ぬ』のハンカチを取り出す。

 

「「「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」」」

 

マスコミ達は逃げ出した。鱗は経験値を1500獲得した。

 

 

「ふっ…!ちょろいぜ」

「何がちょろいだバカ」

「ぐえっ!」

 

いつの間に背後に相澤先生が!?そして何故捕縛布で拘束を!?

 

「面倒ごと起こしやがって、全く…。だが、これはマスコミどもの自業自得だな。石楠花、よくやった」

「なら捕縛布で拘束するのやめてくれません?」

「それとこれとは別だ」

「先生このままつれてってくださいよ?」

「遅刻したら反省文倍な?」

「理不尽の権化かよ!?それより昨日晩飯に笑顔で赤飯出されたんだけど!?なんて説明しやがった!?」

「そうして男は強くなるんだ」

「知るか!」

 

 

 

この後滑り込みセーフで間に合った。

そして教室内で『ぬ』のハンカチを布教する鱗の姿が見られたが全否定されて撃沈する姿が見られた。

 

だがそんなものであきらめる男ではない。こっそり全員のカバンに忍び込ませることに成功。八百万だけは笑顔で受け取ってもらえたので2枚になった。やったね!

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。