いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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意味のないハジケがヴィランを襲う!

私の小説を見てくれている方々、たくさんの感想をくれる方々、ありがとうございます。応援を糧によりハジケの高みを目指して頑張ります!


一心同体の剣

おいおい、ヴィラン界のファッションキングがお仲間をたくさん引き連れて遊びに来たじゃないか。

 

「敵ンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

「アホがアホを連れてアホしてるのか。アホはアホらしくアホしてろアホが!」

「石楠花ってありがたいよな。ここはビビる場面なんだけど雰囲気をぶち壊していつも通りにしてくれるよね」

「おいおい、褒めてもアホしかでねぇぞ?」

 

いや本当にアホだな。どのくらいアホかって言うとマジアホだわ。でも乗り込んでくるってことは何かあるってことだよな。アホはアホでも戦略を練ったアホってところか。

 

「先生、侵入者用センサーは!」

「もちろんありますが…!」

 

これは反応してなさそうだね。

 

「現れたのはここだけか学校全体か…、何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういったことができる個性(やつ)がいるってことだな。校舎と離れた隔離空間、そこにクラスが入る時間割…、バカだがアホじゃねぇ、これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

「速報!アホだと思っていた奴がバカだった件について!」

「石楠花うるせぇ」

 

まさかバカだったとはな…、見誤ったぜ…!俺を精神的に追い詰めてくるなんて、流石はヴィランだな。褒めて遣わす。あのバカのファッションリーダーめ…!俺に恥を掻かせた罪は大きいぞ!!

 

「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策が頭にある敵だ、電気系の個性が妨害している可能性がある。上鳴お前も個性で連絡試せ」

「っス!」

「先生は1人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すっていっても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ、正面戦闘は……「緑谷」石楠花くん?」

 

その時鱗が口を開いた。

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらねぇんだよ。状況に応じて戦闘スタイルを変えていく。それにヒーローが任せろと言ったんだ。俺達はまず生きることと先生の無事を考えろ」

「石楠花の言う通りだ。13号任せたぞ」

 

そう言い残してイレイザーヘッドは広場に飛び降りる。そこから先はイレイザーヘッドの独壇場だ。ゴーグルで目線を隠し、誰を消しているか悟られないように、そして相手の力を利用した戦闘で次々と敵を薙ぎ倒していく。

 

「すごい…!多対一こそ先生の得意分野だったんだ!」

「分析している場合じゃない!早く避難を!!」

 

 

「させませんよ」

 

 

だが無情にも黒い靄のヴィランが生徒達の前に瞬時に移動して立ちはばかる。

 

「初めまして。我々は敵連合(ヴィランれんごう)。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは……

 

 

 

 

平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして

 

 

 

 

 

突然の敵のカミングアウトに生徒達は思考が停止する。何せあのオールマイトを殺すと言ったのだ。

 

「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが何か変更があったのでしょうか?まぁ…それは関係なく…私の役目はこれ」

 

と同時に靄が噴き出そうとするが待ったをかけた生徒がいた。爆豪と切島だ。先に攻撃を仕掛けるが相手は霧状、攻撃は通用しなかった。

 

「危ない危ない……、生徒といえど優秀な金のたま「落雁ショット!」ごっ!?」

 

 

 

 

待ったをかける人物はまだいた。不可能を可能にする男石楠花 鱗だ。

 

 

「くっ!?誰です!?」

「おいおい黒トリュフさんよ。ヒーローの前でペラペラ話すのは落雁を投げてくださいって言ってるようなもんだぜ。落雁ってのは食べてもよし、投げてもよし、時には武器にもなる万能食品なんだぜ?」

「いや作った人は食べてもらいたいに決まってるだろ」

 

 

耳郎よ、ここで普通のレスはやめてくれ。後で美味しくいただくに決まっているじゃないか。

 

「また貴方ですか…、さらに私に攻撃を当てるなんて…」

「いや普通に危ないって言ったから体ある証拠じゃん。なら狙うだろ?オリンピック」

「どうやら頭のおかしい人のようですね。こういうタイプは関わらないに限る。私の役目は散らして嬲り殺す

 

靄を出した瞬間に鱗は逃げられない事を察知。そして近くにいた八百万と耳郎を守ることに専念する。そして生徒達は散り散りに飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわぁ、靄に包まれたと思ったらよく分からん山岳地帯に飛ばされちゃったよ。あの黒トリュフめ、次あったら白トリュフにしてやる!

 

高い場所から落とされたが、俺はシャコ。ある程度の高さから落ちても何とでもなる。それより生身の女性2人は無事でも何かしらの傷を負う高さだから俺が抱えて着地したけどね。

 

「ありがとうございますわ、石楠花さん」

「助かったよ石楠花…っていつまでヤオモモと抱き合ってるんだよ!?」

「あっ、気づかなかったわ」

「本当ですわね。気づけば引っ付いてることが当たり前になってましたわ」

 

慣れって怖いね。助けた拍子の抱き合った体勢に疑問を覚えないなんて。なんて恐ろしいんだ峰田の個性。俺と八百万が揃って常識改変されている現実に冷や汗が止まらないぜ!学校の外では絶対にしないようにしないと!フリじゃないからな!

 

3人がアホな会話をしていると、また空から人が落ちてきた。上鳴だ。

 

「あぁぁぁぁぁぁあ!?助けてくれぇぇぇぇ!?」

「ちょっ!?石楠花!アイツの個性であの高さからの落下は洒落にならないから助けてあげて!」

「じろぽんは優しいな。よし!お兄ちゃんに任せなさい!」

「いつからアンタはウチのお兄ちゃんになったんだ!?」

 

ほいジャンプからの〜?上鳴キャッチ!エキサイティング!

 

「あのー、ありがたいけどもう少し優しく助けて?」

「野郎をお姫様抱っこで助けるわけないだろ。えっ?お前そっち系?」

「ちげーよ!?それと何で人を助けるための持ち方が猫を掴むような持ち方なんだ!?」

「一秒間熟考した結果、これが最適解だったんだ」

「嘘だろ!?」

「まぁ無事でいいじゃないか。俺がいなかったらお前は地面に綺麗な薔薇を咲かせていたんだから」

「助けていただきありがとうございます!!」

 

素直でよろしい。

 

しかしここで鱗のシャコシャコセンサーに敵の気配を察知した。そして瞬時に考える。バラバラに飛ばしたのは各地に配置した敵で1人ずつ倒していく為の策であると。

 

現れた敵の数は50を超える。おまけに本気で自分たちを殺すつもりの敵が。その中には当然下卑た輩もいる。

 

「おいおい女もいるじゃねぇか!」

「あぁ、これは楽しめそうだぜ!」

「あっちのねぇちゃんいい乳してんじゃねぇか!」

 

女性2人は固まる。もし捕まってしまった時の最悪の想像が頭をよぎる。だが自ずと不安はなかった。

 

 

何故ならここには挙動はおかしいが確固たる信念を持ち、そこらのヒーローを超える実力を有する、女性を守るためには一万倍以上の力を発揮するヒーロー(変態)がいるのだ。

 

 

 

 

 

「おい…何言ってやがるテメェら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そいつらの体はもう俺が予約済みだぜ?」

 

 

 

「イヤホンジャック」ドクンっ!

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

すぐに悪は滅びた。

 

 

「いや普通助けるために現れたヒーローに背後から攻撃するか?じろぽん」

「誰がじろぽんだ!?それと何が予約済みだ!?もっと他のセリフあっただろ!?」

「顔真っ赤にしちゃって〜、いや、アレを見てみろ」

 

耳郎は鱗が指を差した方向へ顔を向ける。そのには怨念を漂わせた敵達がいた。

 

 

「あのガキっ!あの歳でもう2人も…!」

「許せねぇ…!アイツは人類の敵だ!」

「俺なんて女は母ちゃんとしか話したことないのに…!」

「この恨み晴らさねばっ…!」

「テメェは敵だ石楠花ぇぇぇ!!」

 

約1名バカも交ざっていたが。

 

「ほらね」

「いやヘイトが全部アンタに向いただけだけど!?」

「何だよ心配してくれてるのか?ツンデレかよ」

「黙れ!」

 

かわいいねじろぽん。とりあえず敵に交ざりそうなバカを回収だ。

 

「カムバック」

「また猫を持つみたいに!?」

 

バカ回収完了。さてここからはおふざけ無しの本気で相手しないとね。

 

「上鳴、八百万と耳郎と協力してそっちの10人ほど相手してくれないか?残りは俺が相手するから」

「いやいやいや!?残りって軽く4〜50人はいるぞ!?大丈夫かよ!?」

「石楠花さんだぞ?」

「だから心配なんだよ!?」

 

一丁前に心配してくれて、それよりもまずは倒す事を考えなさいな。

 

「石楠花!」

「石楠花さん!」

「大丈夫大丈夫。だからまずは自分達の命を優先して、尚且つ協力して倒す方法を考えな。敵さんは手加減なしで来るから。ピンチになれば呼んでくれ、すぐ倒しに行く。そしていざとなれば上鳴が盾になるから」

「何で俺盾なんだよぉ!?」

 

ツッコミが出来るってことは元気な証拠さ。じゃあ俺は俺の役目を果た「石楠花さん!」す…ん?

 

「どったの八百万?」

「…死なないでくださいね?」

「大丈夫、戦う前に自分の死を頭に入れるバカがどこにいるんだ」

 

やっぱり優しいな、自分も怖いだろうに。なら心配される間も無くヤるとしますか。

 

「行くぜ?必殺!…

 

 

 

 

 

ナントカカントカパトローナム!!!

 

 

 

「「は?」」

 

 

耳郎と上鳴は呆然した。さっきまでかっこいいこと言って八百万と恋愛ドラマの最後の戦闘の前に交わすような会話をして見せつけていたというのに、その10秒後に落ちてる木の枝を拾ってナントカカントカパトローナム。耳郎は後頭部をしばいてやろうかと思った。だが…

 

 

 

 

「「「やっばギャアァァァァァァァァァ!?」」」

 

 

効いた。

 

 

 

「「嘘だろ!?」」

「ふっ…これで10人ぐらいは片付いたな」

「いやちょっと待って!?今の何!?」

「何って…言わせるなよそんなこと」

「だから何なんだよ!?」

「落ち着け耳郎!石楠花について考えた時点で負けだ!」

 

ふっ、考えたら負けだぜ?耳郎よ。これで後40人程度、こいつらに俺の拳を使うのは贅沢だ。ならば…!

 

 

「八百万!アレを作ってくれ!」

「アレですわね!」

「どれ!?」

 

耳郎よ、ツッコミで体力使って戦えませんなんて言うなよ?

 

「俺と八百万が一心同体となったことで、俺達の絆の力により作成できる唯一無二の武器だ!」

「そうですわ!私達はお互いの尿の匂いまで知る仲ですもの!今更私達が揃って出来ないこと、出来ないプレイ、創れない武器なんてありませんわ!!」

「ちょっと待って!ここで暴露しないで!」

「「「お互いの尿の匂いを知る仲って何だぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

ほら見ろ!童貞達が更に殺気立ったじゃないか!?今更気付いて顔を覆い隠してプルプル震えながら座り込んでもダメだからね!可愛いから許しちゃう!!

 

「とりあえず八百万!アレを創るぞ!反省は後でだ!」

「はっ…はいですわ!」

 

 

そうして創られていく一振りの武器。その武器を八百万から抜き放ち、演舞を決めるようにポーズをとる。その武器とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで俺は負けねぇ!!!」

 

「「「いやネギじゃねーか!?」」」

 

 

 

ネギをカッコよく構える男がそこにはいた。

 

 

 

 


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