ありがとうございます!
これからも如何にしてハジケとシャコを混ぜるか考えながら突き進んでいきます。
今回は後先考えず書いたハジケ回です。
これから先ここまでハジけるのとはないので楽しんでください。
ハジケたっていいじゃないか、チンピラ戦だもの らいむ
「なんでネギなんだよォ!?」
「うるさいぞ上鳴、これは俺達の愛の結晶、八百万産のネギだ。言わば息子だ」
「ただのネギじゃねぇかよォ!!」
「覚えておけ上鳴…シャコの腕力で振るネギは次元が違う」
「ネギじゃなくてもいいじゃねぇかよォ!!」
普通のネギと俺たちのカオスを乗り越えた愛の力で創ったネギの違いが判らんとは…、これだから素人は…
「耐久力と魅力が違う」
「ただのネギじゃねぇかよォ!!」
「何を言うのですか上鳴さん!!私たちの武器の完成度が見えないのですか!?アレはまだ完成ではありません!より力を注ぎこむことで私達の息子は立派な大人になるのです!」
「ただのネギじゃねぇかよォ!!」
「本当どうしちゃったのヤオモモ!?」
何やら騒がしいがまぁいい。ここからは俺の世界だ、ただのチンピラ風情が指一本でも触れると思うなよ?
「お前ら、やっぱりここにいる全員俺がもらうわ。泥船に乗った気分でいてくれ」
「泥船だったら沈むじゃねぇかよ!?」
「俺の泥船はアメリカ製だ」
「産地変わっても沈むもんは沈むんだよ!?」
「アルミニウム加工されてるから大丈夫」
「それもう泥船じゃねぇだろ!?」
そこにこだわりなさんな、沈まなければ何でもいいんだよ。さて、そろそろ最後の仕上げと行きますか。覚悟しなヴィラン達よ!
▽
「なっ…何する気だアイツ?」
「分からねえ…、だがヤバそうだ…」
「ええい!何かされる前に倒しちまえば問題ない!」
「それもそうだな!じゃあ…死ねぇ!!」
「危ない石楠花!!」
だがそれでも鱗は動じない。そして
「次元越え“ファースト”じゃがいも」
その言葉と共にネギの先端にじゃがいもを装着する。すると同時に鱗が放つ圧が一段階上がり向かい来る敵を吹き飛ばした。
「何だこの圧は…!?」
「なんでネギにじゃがいも挟んだだけでここまでの圧を出せるんだ!?」
「まさかこいつ…ヤバい奴だったのか…!?」
敵は口々に鱗に対しての意見を出すが解決策は出ない。現在進行形で恐ろしい圧を目の前で出しているのだ。そしてあの攻撃の威力がどれほどのものなのかわからない。それ以前に今から何をしてくるかわからない。わからないことが多すぎると人は動けなくなるのだ。それにかまうことなく、鱗は口を開く。
「俺はヴィラン相手に手加減するほど甘い相手じゃない。今からより力を開放する」
「「「!?」」」
驚くのも無理はない。今の段階でも恐ろしいというのにまだ上があるのだ。その言葉に耳郎や上鳴、そして八百万も驚いた。
「俺の拳は目の前に迫る危機から人を守るためにある。お前らのようなすべてが中途半端な奴らに使うまでもない。だからこれで我慢しろ…
次元越え“セカンド”生タマゴとゆでタマゴ」
「ぐあああああ!?」
敵の一人が鱗の放つ圧に負けて吹き飛ばされる。じゃがいもの上から生タマゴとゆでタマゴを挟んだだけ、にもかかわらず冷汗が止まらない。そして鱗は仕上げにかかる。
「やっと理解したか。俺とお前たちの圧倒的なハジケ力の差を……、これで終いだ…
次元越え“サード”レタス」
最後にレタスを挟む。そして遂に完成した。ハジケリストのみが持つことを許された武器、それは………
「生誕!!真説シャコヨロズソード!!!」
愛の結晶を持った敵も恐れるハジケリストが爆誕した瞬間だった。
▽
ふざけた武器だ、とは誰も言えなかった。なぜならそのふざけた武器を前にして敵はもう誰一人として動けないからだ。この男には敵わない、そう刷り込まれた瞬間だった。
「…何かすげえってのはわかる…わかるけどネギなんだよな…」
「素敵ですわ…!」
「嘘だろ!?」
「さて、もう終わりだヴィラン共。最終形態に進化した真説シャコヨロズソードに倒せない者はいない。さぁ…行くぞ?」
「ひっ…!?」
「バカ野郎!ビビるんじゃねえ!!所詮はネギだ!何とでもなる!」
「そっ…それもそうだな!!」
「武器を持った俺に挑みに来るとは…、武器を持っている時のみ使える『真拳』を見せてやろう!」
一斉に鱗に向かって襲い掛かる。だが鱗は戦闘の天才だ。一瞬の隙があれば瞬時に撃退できる技量を持つ。そして真説シャコヨロズソードという最強クラスの武器を持つ。
ヴィラン達は対応を間違えた。ハジケリストを前にして逃げなかったことが唯一にして絶対の敗因だろう。
「
「「「ギャアァァァァァァァァァァァ!?」」」
「「(不穏な名前で最後がダサい!?でも強い!?)」」
「凄いですわ!!」
50人を超える人数を一瞬の隙にして切り伏せる。傍から見るととんでもない光景だ。名前や武器に問題があるが実力はプロヒーローをも超えている、そんな思いが浮かぶ耳郎と上鳴、恍惚な顔で見つめる八百万、ネギを持った石楠花、倒れ伏すヴィラン達。場はカオスの一歩手前だが確固たる実力をまざまざと見せつけた。
「安心しろ、峰打ちだ」
「逆にネギのどこに刃があるんだよ?」
「みんなの心の中さ」
「ムカつく…!これに少し見とれていた事実にまたムカつく…!!」
「観念しな、体は正直なんだぜ?」
「言い方がよりムカつく!!」
耳郎そんな青筋たてるなよ、ストレスでハゲるぞ?無事に敵を倒せたからいいじゃない…おっと。
「耳郎、その地面に萌え萌え衝撃波当てて」
「名前が残念過ぎるんだよ!?嫌だからな!?」
「いいからいいから」
「クソッ!何かあるんだよな!?何もなかったらぶっ飛ばすぞ!?」
そして地面に衝撃波を当てると…
「グアッ!?くっ…バレてたか!」
「「「えぇっ!?」」」
ヴィランが土の中から出てきた。
「当り前さ、何人たりとも俺の目からは逃げられねぇぜ?俺から逃げたいならトゥクトゥクで逃げな!!」
「っち!せっかく一人を人質にして逃げようと思ったのによォ!」
「甘い!人質を取っても俺達の友情パワーの前では無力!」
「やってみなきゃわかんねえだろ!くらえ!『電気ショック』!!」
「お前が電波を乱していた張本人だな!だが俺達の友情パワーの前ではどんな攻撃も無駄無駄無駄無駄!うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!上鳴ガード!!」
「「「友情のカケラもねぇ!?」」」
「ギャアァァァァァァァァァァァァァ!?」
「ふぅ…助かったぜ」
上鳴に直撃。こうして鱗の安全は守られた!
そして鱗が上鳴の安全を確認する。
「大丈夫か!?誰にやられた!?」
「石楠花…」
くっ…!おのれ石楠花!俺の大切な友達によくも!
「任せろ上鳴!お前の仇は俺がとってやる!」
「えっ…こいつ関わっちゃいけない奴か…?」
おのれ石楠花!ヴィランからも怖がられるなんてなんてひどい奴なんだ!
「俺はお前を許さない!俺の大切な友達によくも!」
「いやトドメを刺したのお前だろ!?」
「言い訳無用!」
「ギャアァァァァァァァァァ!?」
そのままヴィランを殴り、ヴィランは壁にめり込んで気絶した。
「八百万、ロープ作れるか?こいつらを縛っときたい」
「そう言われると思いまして作っておきましたわ!さぁ捕縛していきましょう!」
「いや上鳴は!?」
「いや大丈夫だろ?上鳴の個性は『帯電』だろ?電気を貯めて使うんだから、電気攻撃が通用するわけないよ。逆に充電される感じになるんじゃない?」
「えっ?そういえば痛くないかも…」
「自分の個性なんだから早く気づけ!!」
「いてぇ!?」
元気で何より。さすがに俺も普通の人間を電気攻撃の盾にしないよ。でもハジケるためには必要な犠牲か?考えておこう。
「とりあえず全員縛り終わったかな?」
「こっちもですわ!」
「それよりよく器用に意識だけ奪ったな?」
「反復練習すれば簡単に意識だけ刈り取れるようになるぜ?」
「意識を刈り取る練習なんてどこでするんだよ!?」
大丈夫、全てはイメトレで解決するんだ。やっぱ時代はイメトレだよな。それよりも俺たちのいる場所でこれだけのヴィランがいるんだ。ということは他のやつらのところにもヴィランがいるってことか、心配だな。あいつら変に真面目でハジケてないからな。大丈夫か?
「こいつらはここに放置で広場にでも向かうか。クラスの奴らも心配だし相澤先生も心配だ。大勢と戦ってたし」
「それもそうだな。じゃあ移動しようか」
「よしそれじゃあ…ん?」
あれは………ちょっとマズいな。よくわからん脳みそマンが動き出しやっがた。
「すまん、俺先に向かうわ。ヤバそうなやつが動き出しやがった」
「えっ!?それだったら逆に向かわないほうがいいんじゃね!?」
「その逆だ。先生が危ない」
「だったら猶更だろ!?今は大丈夫だったけど今度こそ死ぬぞ石楠花!プロでも勝てない奴に俺達が「覚えときな上鳴」えっ?」
「ヒーローってのはいつだって命がけさ」
「「「!!」」」
「それに近くに緑谷、蛙吹、峰田もいる。あのままじゃ巻き添えくらっちまう。だからこそ向かう。大丈夫!何たって俺は頑丈で不可能を可能に変える男だからな!」
誰も何も言わなかった。引き留めても無駄だ、必ず現場に向かうと。この男は頭はおかしいが根っからのヒーローなんだと理解させられた。だからこそ出来ることは……
「わかった!なら私達も向かう!私たちは梅雨ちゃん達を助けに行くから石楠花は先生の方をお願い!」
「あーもう!!腹くくるよ!俺はやるぜ!このまま何もしないヒーローがいるかってんだ!」
「石楠花さん……先ほども言いましたが死なないでくださいね?私達も今できることに全力で取り組みますので!」
「おう、ありがとよ!お前らも気をつけてな。可能な限り注意を引き付けてやるよ!」
見た感じファッションマスターと黒トリュフ、それと脳みそが主犯格だろう。あれらを抑えれば何とかなるか。あっ、そうだ!
「八百万!………創れるか?」
「出来ますわ!でも脂質が足りるかどうか……」
「何ということでしょう!ここに天の恵みである落雁が大量に御座います」
「まあ!それならば何とかなりそうです!」
よし!これですべてのピースは揃った。
シャコの視力でここから敵は隈なく観察した。1人は『ワープゲート』、もう1人はよく分からんけど触ったら崩れる系の奴。
強そうなヴィラン達じゃないか。だがシャコの腕力の前では無力。今から始まるのはシャコとハジケが混ざった憂さ晴らしだ。
さぁ、楽しみにしてな!
▽
緑谷は考えを誤っていた。自分たちの力がヴィランに通用した、いや
だが現実はどうだ?プロの世界を何も見えちゃいなかったのだ。プロヒーローがハエをあしらうかのように簡単に倒されてしまった。
だがそこに生徒たちが待ち望んだ吉報がもたらされることになる。
「死柄木 弔」
「黒霧、13号はやったのか?」
「行動不能に出来たものの散らし損ねた生徒がおりまして…一名逃げられました」
「は?はー…、はーー…、黒霧おまえ…おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ…」
一名逃げられた。それすなわち助けを呼びに行かれたということだ。
「さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ、あーあ…
その言葉に峰田が喜ぶが不審な点がいくつもある。だんだん気味が悪くなる緑谷と蛙吹。
「(オールマイトを殺したいんじゃないのか!?これで帰ったら雄英の危機意識が上がるだけだぞ!?ゲームオーバー?何だ…何を考えてるんだこいつら!?)」
だがこの緑谷の予想は当たる。それも最悪な形で。
「けどもその前に平和の象徴としての矜持を少しでも
へし折って帰ろう!」
気づけば目の前まで来ていた。イレイザーヘッドの肘をボロボロに崩した手が蛙吹の顔に迫る。その間峰田と緑谷は気づくことに精一杯だったが、一人の女性を助けるために動いた男が
一人はイレイザーヘッド。個性を発動されないように気力を振り絞って個性を使って死柄木を見る。そしてもう一人は………
「ん?何だ…?急に暗くなって…」
死柄木の手は蛙吹を触るほんの手前で止まった。それよりも異変と仲間の声が聞こえたからだ。
「死柄木 弔!?上!!!」
「上?」
誰もがその声に上を見上げたそこで見たものは………
「ロードローラーだぁぁッ!!!!」
「「「はぁぁぁぁぁぁ!?」」」
上空から降ってくるロードローラーだった。
「ちぃッ!?」
死柄木は何とか躱すことができたが気分はそれどころではなかった。何せいきなり空からロードローラーが降ってきたのだから。だがヒーロー側にとっては降ってきたのはロードローラーだけではない。この状況を変えることができる希望も一緒に降ってきたのだから。
「あっ………!ああッ…!」
「ケロっ…!!」
「まさか…!」
その男は………
「落ち着けよ、落雁食うか?」