だがシャコシリアスパートもやってくるのだ…
少し分けた方がカッコよさが上がるかなと思って分割していたのですが、同時に投稿できず時差が出ました。
一度戦闘シーンにギャグを入れたかった…、それだけだったんだ…
ガチ戦闘始まります!
希望は降り立った。ロードローラーと共に。
ヴィラン達は突然の出来事に混乱し、ヒーロー含めたヒーローの卵達はとんでもない登場の仕方だがこれ以上ないほどの安心感を覚える。何故ならコイツに関しては考えたら負けだからだ。
「石楠花ェェェェェェェェェェェェ!!」
遂に死柄木とハジケシャコが相対した。
▽
「誰だお前?危ねぇな…いきなりロードローラーごと降ってくるなんて常識ないのかよ…!」
「常識とは覆すためにあるのだよワトソン君」
「あぁ〜〜…イライラするなぁ。もう少しで1人殺せたのに…!」
「イライラすると血便出るぞ?ボラギノールいるか?」
「そして話を聞きやがらねぇ…!もういい!
その一言でイレイザーヘッドを押さえていた脳無が鱗目掛けて突進する。鱗は慌てることなく迎撃する構えを取る。だが…
「うおっ!?おっも!何この力!?だんじり祭りかよ!?」
「ははっ!そりゃそうさ!何せオールマイトとやり合えるように改造された改造人間だからな!お前みたいなガキに止めれるわけないんだよ!」
「すぐ人に頼るその態度、大人になってから苦労しますよ」
「いちいち癪に障る奴だな…!ブッ殺せ脳無!」
そこからは肉弾戦が始まる。片やオールマイトのような力を持った怪人脳無。片やオールマイト並かそれ以上のパンチを打ち出せる変人石楠花。両者とも互角の力であるからこそ均衡は保たれていた。いや、石楠花の方が武道を学んでいたからこそ少し余裕があった。
「何か全然攻撃が効いてる気がしないんだけど」
「そりゃそうさ!脳無は対オールマイト用に作られたサンドバッグなんだからな!『ショック吸収』の個性を持ってるのさ!お前のゴミみたいな攻撃じゃ傷一つ付けられないぜ!」
「人の褌で相撲取って楽しいか?」
「うるせえ奴だな…!テメエは…!!」
「気持ちは分かりますが落ち着いて死柄木 弔!?」
戦いながら煽る余裕、それは簡単なようでとても難しい行動だ。本を読みながらラクロスをするぐらい難しいだろう。そしてその間に密かに八百万達も緑谷達と合流していた。
「(今の状況は?)」
「(石楠花君が3人を相手に戦ってくれているところ!)」
「(なら今の内に先生を安全な場所へ運ぼう!)」
「(でも石楠花君が…!)」
「(石楠花さんなら負けませんわ!まずは目の前の人を助けましょう!)」
「(っ…!うん!)」
そして6人で相澤を安全な場所へ避難させようとする。だが簡単に逃すような敵ではない。黒霧はいち早く気付いていた。
「残念ですが逃しませんよ!」
だがハジケリストは黙っちゃいない。
「羽化の時間だぜー!!」
「何故地面から出てきた!?」
黒霧の目の前の地面から鱗が飛び出してきた。あまりの出来事に黒霧は個性を使うことができなかった。因みに緑谷もびっくりした。
「寝心地よさそうな地面があったら掘って飛び出るのが常識だろ?小学校でも習うぜ?」
「嘘をつくな!私の人生に地面から登場した奴はいない!」
「俺がいるじゃないか」
「お前は例外だ!」
とりあえず時間を稼ぐか。熊手野郎と黒トリュフは後回しで。
そして鱗は脳無と相対する。
「近くで見るとよりグロいな。お前らの趣味?」
「違う!気づけばそうなってたんだよ!」
「あっそう、あんま興味ないけど」
「テメェ…!」
でも改造って言ってたよな?ってことは、コイツを造るために亡くなった人がいるってことだ。それは…
「だんだん腹が立ってきたな」
「何だいきなり…俺達はお前に腹が立ってんだよ!やれ脳無!」
そして脳無が物凄いスピードで突撃してくる。
その脳無を鱗は…
「邪魔だよ」
同じく力を以ってして迎え撃った。
▽
脳無の拳と渡り合う鱗。
それは本来あり得ない光景だった。
「何でアイツはあの脳無と打ち合ってるんだ!?対オールマイト用の兵器だぞ!?」
「ええ…私もびっくりです。考えられる可能性は一つ……彼はオールマイトと同じくらいの力を持っているということです」
「何でそんなチートが生徒にいるんだよ…!」
鱗の奮闘に生徒達も大盛り上がりだった。
「すげぇよ石楠花!!あの怪物と殴り合ってるぜ!!」
「ええ!!」
「勝てるぞこれ!!」
興奮する外野、その声をききながら鱗は…
「(さて、どうするか。殴っても全然手応えがない。これがショック吸収か…厄介だな。でもそれならショック吸収を上回る力で殴ればいいだけだ)」
冷静に対処していた。
脳無の動きは鱗の目にかかれば完璧に捉えることが出来る。だからこそ的確に攻撃を弾き、奮闘していた。
「脳ミソ君、少し強めに殴るけど…死なないでね?」
黒霧は首筋が冷えた。まるで悪いことの予兆のような…そんな気配がした。
そしてそれは現実になる。
鱗の拳は脳無を捉え、くの字に曲げて吹き飛ばした。
▽
最初に言葉を発したのは死柄木だった。
「嘘だろ…?脳無が飛ばされた?おいおい嘘だろ!?脳無だぞ!?クソがぁぁぁ!お前は一体何なんだ!?」
「ハジケリストです」
安定の答えを出した。
「ハジケリストって何なんだよ…!?聞いたことねぇぞそんな言葉…!」
「自分の勉強不足を他人のせいにするんじゃあない。全てはお前のハジケ不足のせいだ」
「だからハジケが何なのか聞いてんだよ!!??イライラするなぁ…!!」
「落ち着けよ、落雁食うか?」
「ああああああ!!殺す!お前だけは絶対殺す!!」
「落ち着いて死柄木 弔!!確かに!いや確実にムカつきますがこの男を前に冷静さを欠くと悔しいですが負けてしまいます!」
知らないことが出てきただけでキレるとかガキかよ。そんなんじゃ一生ハジケリストにはなれねぇぜ?
「勝った…!石楠花が勝ったぞぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「やりましたわ!」
「流石石楠花!何が起きたか全く理解できないがやってくれたぞ!」
生徒たちは鱗の勝利を喜ぶ。
しかし喜ぶにはまだ早い。さすがは主犯格といったところか、体力は奪えたが戦闘不能にすることはあと一歩足りなかった。そして、脳無の個性は一つだけであると勘違いしてしまっている。だからこそ反応が遅れる。
「いつまで倒れてるつもりだ!!殺せ!脳無!!」
その言葉とともに再び脳無が起き上がり、こちらに走ってくる。
「え?何で動けんの?」
「誰が脳無の個性が1つだけと言った!脳無には『超再生』の個性もあるんだよ!!」
「ショック吸収と超再生とかサンドバッグの極みかよ。ならその上からぶちのめすだけさ!いらっしゃい脳みそマン!」
そして脳無は鱗に向けて拳を………
振り抜くことなく素通りする。
「…はッ?」
その時に鱗は気づいた。最悪な事態を。
俺の後ろにはいったい誰がいた?
そこからの行動は早かった。自分の限界の力を足に集中させ一気に加速。大切な友の命を守るため、覚悟を決めた。そして………
ブチッ……!
振り下ろされた拳は大切な友の目前で止まった。
その代償として鱗の