いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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久しぶりの日常回!
なんとお気に入り登録が1万人まで秒読み状態!頑張れ!

書き始めたころにはここまで見てもらえるなんて考えてもなかったなぁ…

あとヒロアカの総合評価検索で1ページ目に来るの凄い嬉しい!


カムバック日常

USJ事件から1日休み、当たり前の日常がやってくる。生徒達も鱗以外全員登校していた。

 

「皆ーー!朝のホームルームが始まる!席につけー!!」

「ついてるよ、ついてねーのおめーだけだ」

 

いつも通りの日常。そして…

 

「お早う」

「「「相澤先生復帰早えええ!?」」」

 

ボロボロだが先生の登校。口々に先生への安堵を零す。そして先生が無事なら心配になるのが石楠花だ。同等かそれ以上の怪我をして、メールも既読がつかないため、未だ意識が戻っていない(と勘違いしている)男への懸念の声が聞こえ始める。

 

そしてその先生の口から言葉が放たれる。

 

「皆落ち着いて聞け。石楠花のことだ。実はアイツは昨晩未明ごろに……」

「「「ッ……!?」」」

 

 

最悪が脳裏をよぎる。テレビでもよく聞くセリフ。このまま昨晩とくれば続く言葉は………

 

 

 

 

 

 

 

 

「病院を抜け出して回転寿司屋でカレーを10皿食っていたらしい」

「「「は?」」」

 

 

 

めちゃくちゃ元気だった。左腕がもげ、全身傷だらけで骨折も酷い男がまさかの目覚めて即脱走、からのカレー。しかも10杯。生徒達は開いた口が塞がらなかった。

 

「そして現在は………

 

 

 

 

 

 

天井に張り付いてる……全く…」

 

その言葉と同時に生徒達は首が折れるのではという速度で上を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁい!サンタクロースだよ!」

「「「ギャアァァァァァァァァ!?」」」

 

 

いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあやあみんな!教室に入ってきた瞬間からお通夜みたいな雰囲気になっちゃって、何あったの?」

「お前…!心配してたんだぞ!?腕取れたり全身血まみれになってたからよぉぉ!?」

 

バカの復活。一応全身に包帯が巻かれているが、生きて登校していたことに皆安堵して次々に言葉をかける。

 

「おい!石楠花!!」

 

その中でも爆豪は険悪な表情で鱗に近づく。

 

「テメェ…大丈夫だったのかよ…?」

「みんな!かっちゃんがデレたよ!!」

「茶化すんじゃねぇぞゴラァ!!」

 

爆豪が心配する。これは知る人達にとってはとてもレアな光景なのだ。

 

「俺はテメェに負けねぇ!!俺はお前が戦ってる間、何も出来なかった!!だが次はこうはいかねぇ!!ビビったりしねぇ!ヴィランにも勝ってテメェにも勝つ!それだけだ!文句あるかクソが!!」

 

爆豪の懺悔にも似た叫びを聞いて皆似たような気持ちを覚えた。たった1人で圧倒的な脅威を2体も倒し、主犯格を撤退させたのだ。その代償として大怪我をした友に対して罪悪感を覚えるのも当然だろう。

 

そして鱗は……

 

 

「やっぱりキレ具合があのファッションリーダーと似てるよな」

 

緊張感皆無だった。

 

 

「テメェ真面目に話聞きやがれ!!」

「聞いてるよ、聞いた上でふざけてるんだよ。終わったことをいつまでもウジウジ気にしてどうする?お前がそう思ったんなら、次同じ状況下でどう行動するか、その為にはどのように強くなればいいか、その事だけ考えてろ」

「言われんでもわかっとるわそんなこと!!次はテメェを助け殺したるからな!覚悟しとけ!!」

「俺がお前に助けられる瞬間なんざSTAP細胞が見つかるぐらいあり得ねーよ」

「あり得るわクソが!!テメェ絶対追い抜いてやるからなクソが!!」

「……ふっ!」

「鼻で笑うな!!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

爆豪の皆の気持ちの代弁、鱗の相手を煽り倒す返答ですっかり空気はいつも通りの雰囲気になっていた。もう気にする者はいない、もし今回のような事態になった時いつでも動けるように強くなる。その事を考え、努力しようと誓った。

 

 

そして一段落ついたところで、ふと気になった疑問を投げかける。

 

「そういえばお前いつから天井に張り付いてたんだよ!?」

「バッカそりゃおめぇ…お前達が教室に来る30分前からに決まってるだろ?」

「怪我人が何してんだよ!?」

 

いや、サプライズ必要だろ?眠気が襲いかかる脳で必死に考え抜かれた最高のサプライズなのだよ。

 

「ていうかどうやって天井に張り付いてたんだよ!?」

「上鳴、そんなもん決まってんだろ?腕力で」

「化け物かよ!?」

 

天井を見上げると丁度手のあった位置に左右5個ずつ穴が空いていた。天井に指を刺してずっとしがみついていたのだ。

 

「アンタどうやって天井まで上がったのよ?」

「そんなに俺のことが気になるのか?耳郎、いや我が妹よ」

「誰がいつお前の妹になった!?」

「お兄ちゃんニャンニャンって言ってくれたし、去り際にお兄ちゃんって言いかけて訂正したことを俺の石楠花イヤーは聞き取っていたぜ?」

「お前が何回も言わすから間違えただけだ!!」

「正直になれよ?お前は俺の妹だったんだ。俺に「お兄ちゃ〜ん!」って甘えたくてウズウズしてんだろ?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

「待て耳郎!?怪我人にそれはマズい!!」

 

半狂乱になりながらのイヤホンジャックを間一髪で防ぐ鱗。生徒達はその光景に何処か安堵の表情を浮かべていた。

 

「なんか…もうこの光景が日常って感じやね」

「そうね、お茶子ちゃん。これが石楠花ちゃんだもの」

「なんか安心するわ」

「石楠花君はこうでなくちゃね!」

「これが石楠花さんですわ!」

 

 

何故か女子にふざけてセクハラする奴というイメージが固定化されつつある現状をどう打破すればいいでしょうか?

 

おいおい、俺ほど紳士な男はいないだろう。だいしゅきホールドを我慢し続けた男だぞ?俺がセクハラしたことなんて一ミリもないね!!

 

「石楠花と言えば特殊プレイって感じするもんなー」

「ただし峰田、テメーはダメだ」

「何だよぉぉ!人前で特殊プレイした男が何言って……あぁぁぁぁぁ!!関節はそっちに曲がらねぇように出来てんだよぉぉぉ!!」

 

元気よくプロレス技を峰田にかける石楠花。そして今はまだホームルーム。相澤はそろそろ注意しようかと思ったが、クラスメイトが死にかけたのだ。だがその男が元気に振る舞っている、そんな茶番も時には必要だと思い、微笑を浮かべながら只々その光景を眺め続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば本当にどうやって天井まで上がったの?」

「簡単だよ緑谷少年!プロヒーロー達に手伝ってもらったのさ!職員室で全力でお願いしたらOKしてくれた。なんやかんやで皆さんノリノリで手伝ってくれた」

「何それ!?すごく豪華!」

「その時の写真がコレ。相澤先生は手がミイラマン状態だからリカバリーガールに撮ってもらった」

「何このヒーロー勢揃いの写真!?しかも全員カメラ目線でピース!?そして石楠花君、オールマイトに肩車してもらってるじゃないか!!いいな〜!!」

「頼めばしてくれるよ。二つ返事でOK貰ったから」

 

 

 

 

 

 

この後オールマイトに肩車してもらっている緑谷の姿が確認された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お祭りムードがフィーバー状態になる前に相澤先生が止め(主に石楠花)、ホームルームが再開。

 

そして大事な話が始まる。

 

「雄英体育祭が迫っている!」

「「「クソ学校っぽいの来たあああ!!」」」

 

ヴィランに侵入されたばかりで開催するのか?と言った声も上がるが、開催する事で危機管理体制が万全である証明と、ヒーローの卵達の最大のチャンスであるため開催するらしい。

 

 

体育祭ねぇ。てことは俺がテレビデビューするってことだな!!でも一学校の体育祭が「かつてのオリンピック」に匹敵するって凄いよね。どんだけ視聴率凄いんだよ。放映権勝ち取った会社はウハウハだな。

 

「当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。時間は有限、プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ。年に一回…計3回だけのチャンス、ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ!」

 

 

おいおい燃えるじゃないか。これはもう目立ちに目立つしか道はなさそうだな。頑張るぜぇぇぇ!!

 

 

 

「テレビに映ることになるが……石楠花、変なことだけは絶対にするなよ?」

 

 

名指し……だと!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだかんだテンション上がるなオイ!!活躍して目立ちゃプロへのどでけぇ一歩を踏み出せる!」

 

まぁそりゃヒーロー候補生だもんね。テンション上がるわ、俺も現在進行形で上がってる。飯田のテンションの上がり方は独特だな。

 

 

「頑張ろうね体育祭」

「顔がアレだよ麗日さん!?」

 

どうやら麗日は顔がアレらしい。アレって何だよ緑谷、もう少しマシな言い方あったろ。

 

「どうした?全然うららかじゃないよ麗日」

「生…」スパァン!

 

峰田ぁぁぁぁぁぁ!!

 

「大丈夫か峰田!しっかりしろ!傷は浅いぞ!」

「石楠花…おいらはもうダメだ…だからあとは任せた…ぞ……」

「峰田ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

くっ…峰田の仇は俺が取ってやる!!お前は天国で俺の勇姿を見てな!行くぜ!!

 

「生…」スパァン!!

 

やっぱり梅雨ちゃんは強いな……俺でもダメだったぜ…すまない峰田、お前の遺志を継げなかった俺を許してくれ…!

 

「何しょうもないことしてんのよアンタら」

「何だ妹、お前も交ざりたかったのか?」

「誰が交ざるか!?あと妹言うな!?」

 

そんなやり取りをしているところに、トコトコと八百万がやって来た。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「石楠花さん……あの…いつ頃私の胸を揉まれるのでしょうか…?」

「「「はぁ!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コイツ……!教室のど真ん中でツァーリ・ボンバを落としやがった…!!

 

 

 

 

「石楠花お前…!お前ェェェェェェェェ!!」

「寝てろ上鳴」

「くぺっ…!」

「確かにあの時約束してたけどお前ェェェェェェェェェ!!」

「寝てろ峰田」

「かぺっ…!」

 

クソっ!油断した…!

まさか教室のど真ん中で暴発してしまうなんて!!バカ二人は眠らせたが全員がこっち見てやがる…!

 

どうすればいいんだ俺の脳内選択肢!教えてくれ!

 

 

 

 

 

 

 

 

①その場でしこたま揉みしだく。

②抱きしめて背後からしこたま揉みしだく。

③形が変わるぐらい情熱的に揉みしだく。

④レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事しろ俺の頭ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

いや、まだだ…!俺の考えが足りていないだけで第四の選択肢があるはずなんだ!考えろ石楠花 鱗!思考と倫理の空に舞え!この場で「そっか~、なら仕方がないな!」と思ってもらえるような回答を探すんだ!ただでさえ女子の目が据わってきているんだ!この場の最適解は………!

 

 

 

 

 

「八百万」

「はっ…はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の家来るか?」

 

 

「「「おらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 

この後、傷が開いて保健室へ緊急搬送される鱗が目撃され、リカバリーガールに死ぬほど怒られている鱗が目撃された。

 


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