いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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多くの方々に見ていただいて嬉しいです!
真面目に書こうとすると俺の中の鱗が勝手に動き出すんだ…

皆様の感想をいつも楽しく拝見しております!
これからも石楠花ワールドにお付き合いください。


障害物競走終了

BOOOOOOOM!!!

 

 

『A組爆豪が石楠花に向けて特大の爆発をお見舞いだぁぁ!!てかあれ大丈夫か!?生きてるか!?』

「クルッペクルッペ」

『生きてたぁぁ!!意味の分からん単語を唱えながら平然とした顔で爆風の中から出てきやがったぞオォォォォ!!』

 

いや~まさか上空から鬼が降ってくるとは予想外だったね。僕ちんビックリしちゃったよ。

 

「僕ちんじゃなかったら大変なことになっていたでごんすよ?イタター、今の一撃で骨粗鬆症になったわこれ。酷いでごんす」

「ならもっと痛がりやがれ!ピンピンしてる奴のセリフじゃねーんだよ!!あと変な語尾ムカつくからヤメロや!!」

「その顔やめな?テレビの前のちびっ子達がビビッて泣き叫ぶぜ?」

「ビビんなや!!」

「ばっきゅん面白~い、マジバイブス~」

「ぶっ殺す!!」

 

障害物競走に新たな障害が誕生した。

 

 

『おっとオ!?爆豪と石楠花の壮絶なバトルが始まったぞ!?あそこ大丈夫かよ!?爆発しまくってるぜ!?しかし石楠花は爆発を悉く躱す躱す躱すぅ!!』

『私怨が凄いが、ちゃんとレースをしつつ後続の妨害も行っているな。目的を忘れてそうに見えるが器用な奴らだ』

『おっと!?アイツらが戦っている間に先頭は早くも最終関門!!かくしてその実態は……一面地雷原!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃ分かる仕様になってんぞ!目と脚酷使しろ!!』

 

轟早いね。もう少し俺達に興味を持ってくれてもいいんじゃないかな?しかし地雷か…目で見えるならお茶の子さいさいですね。今から地雷原突破するのに俺の周りには地雷が飛び回っているという理不尽これ如何に。

 

『ちなみに地雷!威力は大したことねえが!音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!!』

『人にもよるだろ。だから石楠花、そんな「名案思いついた!」みたいな顔をするな。嫌な予感がするだろ』

 

名指しで注意されちまったよ。俺はただ地雷を掘り起こし、後続に向けてひたすら投げ、漏らすことによって出来る地面の模様の芸術性を審査しようとしただけじゃないか。

 

「テメエは顔に出やすすぎんだよ」

「ヤダかっちゃん!そんなに私の顔を見ていてくれていたのね!嬉しいわ!」

「気色悪いことぬかすなクソが!!誰がテメエの顔なんざ見るか!!」

「はいはい、ツンデレ乙」

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

暴力的だねぇ。ツンツンのツンかよ。1%のデレを拝める日は来るのだろう………はっ!?

 

そのまま体をくるりと翻し、スタートダッシュを決める。元来た道に向かって。

 

「なっ!?テメエ石楠花!!どこ行く気だ!ああん!?」

「美女が俺を呼んでいる!!」

「アホかテメエ!!何逆走してんだ!!」

 

いや、俺の美少女センサーに引っかかった!俺の後ろで女の子が困っているはずだ!

待っていな!かわいい子ちゃん達よ!!

 

『現在2位の石楠花がまさかの逆走!?フリーダムかよ!?』

『あのバカ…』

 

 

 

 

そのころ、観客&ヒーロー達は…

「おい、逆走してるぞ!おもしれえじゃねえか!」

「競走中に逆走とは…やるな!」

「開会宣言と言い、アイツは他の奴とどこか違う気がしたんだ!」

「試験中であろうとユーモア精神を忘れない……見事」

「キャーー!石楠花くーーーん!!」

「もっと見せてくれーー!」

「彼はきっと次世代を担う大きなヒーローになるだろう…」

 

鱗の評判が爆上がり中だった。

 

 

『いや好印象多くない!?もう観客たちの心を掴んでるじゃねえか!?クレバー!!』

『石楠花は言動がバカだが、人の心を掴むのが異常にうまい。人を笑顔にするのもまた才能だからな。しかし言動がバカ過ぎて何がしたいのか見当もつかん。とんでもないことしでかすなよ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうわけでお兄ちゃんが駆け付けたぞ!妹よ!」

「アンタバカなの!?」

 

鱗は走った。ただただ走り、愛しの(架空の)妹の前まで馳せ参じたのだ。ザ・フォールの綱を逆走しながらもう一度渡った。笑顔で走った。誰もが二度見した。耳郎は殴りたくなった。

 

「そう言うなよ。俺のシャコシャコレーダーがF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)の誕生を教えてくれたのさ」

「アンタの頭のおかしさは1年部門優勝だよ。頼むから一発殴らせてくれ」

「落ち着けよ、落雁食うか?」

「なんでポケットから落雁が出てくるんだ!?」

 

元気だね。元気が有り余ってるじゃないか。だからイヤホンジャック連打は今すぐやめようか。躱すのが辛くなってきたのだよ。

 

「で、結局何で石楠花はトップ争いから逆走してきたのよ?」

「ふっ…何、簡単なことなのだよジロポン君」

「ジロポン言うな!!」

「レース中に逆走する奴なんて早々いないだろ?それだよ」

「どれだよ!?このおバカ!」

「まあまあ、そうかっかしなさんな。レース中に逆走したらどんな反応するかと気になったのも事実だけど、俺のセンサーがビンビンに反応したのも事実さ!」

 

そう、確かに俺のセンサーが反応したはずなんだが……あ。

 

そこで鱗は発見した。八百万の尻にもぎもぎをつけて犯罪者顔してる峰田を。

 

 

「逮捕」

「何だよオォォォ!?」

 

犯人は峰田だったか。とりあえず奈落に落としましょうか。

 

「石楠花、全力で崖下に峰田(ゴミ)を投げろ」

「イエッサー」

「おいィィ!早まるな耳郎!石楠花!!助けてくれェェェェ!!」

「犯人は皆そういうんだよ。女子の敵は抹殺だ!」

「耳郎陛下の言うことは絶対だ。峰田…お前はいい奴だったよ」

「あきらめるな石楠花ェェ!オイラを助けてくれェェ!!」

 

しかし、今にも投げようとする鱗を八百万が止める。

 

「うっ…鱗さん!私は気にしておりませんのでその辺りで…!」

「よかったな、八百万神のお許しが出た。無事釈放だ」

「助かったぁぁぁ………「ただし…」へ?」

 

鱗は峰田を掴んだまま投擲のフォームを取る。

 

「百の尻にしがみついたのは万死に値する!よって、うらやま死刑!峰田実の遠投デスボンバーの刑に処す!」

「完全に私怨じゃねえかよオォォォォォ!?」

「fire!!」

「ああああああああ!?」

 

峰田は弧を描くように綺麗な放物線で飛んで行った。地雷ゾーンまで飛んで行き、大爆発を起こしたような気がするが鱗も耳郎もスルーすることに決めた。

 

「悪は滅びた。じゃあ出発するか」

「そうだな」

「やりすぎですわ!?」

 

何事もなくレースを再開する鱗。便乗する耳郎。ツッコむ八百万。ヤムチャしやがって峰田。カオスフィールドがここに誕生した。

 

 

「じゃ、急ごうぜ。何位までが2回戦進出とか言われてないし。上位になった方が確実でしょ」

「自分からその切符を捨てたバカがここにいるけどな」

「褒めるなよカルデラπ」

「それはうちのπが陥没してるってことかぁぁぁぁ!!」

「落ち着いてください耳郎さん!?競技中ですのよ!?」

「止めないでヤオモモォォ!!奴は今全国の同志をバカにした!!それに背中に押しつける貴様も同罪で敵だ!!」

「ええっ!?」

 

まさにカオス。ザ•フォールは違う意味でカオスの場となっている。そのカオスを生み出した張本人はロングブレスダイエットを実践していた。

 

「ふぅ…やっとここまで……って耳郎ちゃんどうしたの!?」

 

そこに事情を知らない葉隠が合流。葉隠が耳郎を宥めてくれたおかげでこの場は事なきを得た。

 

「俺の目測では葉隠もヤオモモ属だ。耳郎属ではない」

 

が、この男は石楠花 鱗(常識が通じない男)なのだ。

 

「フシャアァァァァァァァァァ!!」

「落ち着いて下さい耳郎さん!?鱗さんもむし返さないで!」

「落ち着いて耳郎ちゃん!?石楠花くんの妄言だよ!」

 

 

 

その直後、前方で大きな爆発が起きた。

 

 

 

 

 

「何事ですの!?」

「おー、緑谷がぶっ飛んでらぁ。ワロスワロス」

「笑ってる場合か!!ていうかここから誰か分かるとか一体どんな視力してんのよ…」

 

何で緑谷が爆発サーフィンしてんだ?かっちゃん怒らせたのか?

まぁいいや。俺は俺の心配しとくか。とりあえず俺も頑張りましょう!

 

そして八百万と耳郎を小脇に抱える。

 

「きゃっ!?」

「うわっ!?」

「よし!葉隠、背中にしがみつきな!」

「えっ!?……えっ!?」

「早くしな!サジタリオが飛んでくるぜ?」

「えっ!?…うっ、うん!」

「よし乗ったな?では出発しまーす。エリート号シャコスプレス発進!」

 

女子一人を背負い、女子二人を俵持ちしたまま鱗は走り始める。女子とはいえ3人分の体重を抱えているにもかかわらず軽やかな足取りで走り回り、ロープの上を走って行く。

 

「おろせー!!なんで3人も抱えたままロープの上を走れるんだよ!?」

「足が沈む前に次の足を踏み出せば水の上を走れるっていうだろ?それだよ」

「出来るか!?それより早くおろせ!こんなはっ…恥ずかしい体勢で…!」

「前から見たら二つの桃が近づいてくるみたいに見えるな」

「おろせェェェェェェ!!」

「おろしてくださいまし!」

「イタタタ!二人ともここで暴れないで!ロープから落ちちゃうし私の腕と足が潰れちゃう!」

 

HAHAHA☆元気なのは良いことだよ。この調子で…危なっ!?それ以上暴れたら流石の俺もバランス崩して崩落エンド迎えるわ!というわけでスピードアップしまーす。

 

「「「きゃあぁぁぁぁぁ!!」」」

 

鱗は疾く駆けた。誰よりも疾く駆けた。人を3人担ぎ、誰しもが二度見した。野を越え山を越え、荒れた道を行き、英気を養うために尻を揉む。背中に双房の感触を楽しみながら地雷地帯に辿り着く。

 

だがこの男に地雷など意味はない。全て視えている。今の目的は安全第一。わざわざ見えすいた罠に引っかかる道理もない。周りの生徒が爆発し、減速していく中、鱗だけトップスピード且つ爆風を浴びることなく悠々と走り去る。

 

 

「何で石楠花だけ地雷爆発してないの!?」

「おにゃのこを堪能した俺は無敵なのだよ」

「石楠花くんってやっぱり凄かったんだね!」

「鱗さんは凄いのですわ!」

「もっと褒めてくれ!……やっぱり3人は重いな」

「「「ふんっ!!」」」

「あべし!?」

 

お馴染みのデリカシーの無さでボコボコにされるがスピードは緩めない。そして……

 

 

『みんな待ちに待った話題のリスナーが女子を侍らして帰ってきたぜ!!トップ争いから逆走して再びごぼう抜きなんざ誰が想像した!?それより死にかけてるが大丈夫か!?』

 

 

「葉隠様ごめんなさい!首締まってる!締まってるからぁぁぁぁ!!」

「二度と女の子に向かって重いなんて言っちゃダメだよ!?」

「それが覆らない真実であ…首がぁぁぁ!おい!イヤホンはやめあぁぁぁぁぁぁ!!…って百もか!…ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!関節が逆方向に曲がるぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

 

 

 

 

 

石楠花、八百万、耳郎、葉隠、一回戦突破。

 

 


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