いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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お待たせしましたぁぁぁぁぁぁ!!
皆様、お久しゅうございます。
私は元気にしております。ただ、忙しくて各時間が取れませんでした…

前回の更新から時間がたちましたが、これからも時間を見つけて更新しますので応援よろしくお願いします!

PS.お気に入り登録、UA数共に更新し続けている現状を見てニヤニヤしています!


バカとウニと騎馬戦終了

「あんま煽んなよ物間!同じ土俵だぞ それ」

「ああそうだね、ヒーローらしくないし…よく聞くもんね、恨みを買ってしまったヒーローが敵に仕返しされるって話」

 

煽る物間に注意をする拳藤。外野からは何を話しているのかよく聞こえないが、今にも爆発しそうな騎手の男を見て状況を把握した。

 

 

 

 

「おっ おっ おおォォ…」

「爆豪落ち着け!冷静になんねえとポイント取り返せねえぞ!!」

「おォオオ…っし進め切島…!!俺は今…すこぶる冷静だ…!!」

「頼むぞマジで。石楠花も何か言ってやって…」

 

石楠花に話しかけるために後ろを振り返る。そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寿限無 寿限無 五却のすりきれ海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子パイポパイポ パイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の 物間ブッ殺☆」

 

満面の笑み、しかし目だけは一切光を映さないほど黒く濁った眼で笑みを浮かべる男がいた。

 

切島は何事もなかったかのように前を向き、これから死にゆく相手に憐れみの目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、物間ブッ殺RTAはーじまーるよー!!

いや~、言ってくれますねぇ物間選手。君のような勘のいいガキは嫌いだよ(大物感)。

 

でもまあ、俺よりもうちの騎手の方が怒りに打ち震えてるけどね。ハハッ、うける。何気に爆きゅんが煽られるとか中学時代から見ていても中々無いしね。俺の煽りはノーカンで。

 

ここまで煽られちゃ、それ相応のお返しを用意するのがスジってもんよ!そこで石楠花選手が用意できるお返しラインナップはこちら!

 

 

①ブッ殺☆

②ブッ殺☆

③ブッ殺☆

④ラララライ体操(意味深)

 

 

以上のラインナップでお送り致しま~す。

いや~、実に素晴らしいラインナップでございますね。惚れ惚れ致しちまうぜ!

 

だがしかし俺が開発した自作秘密道具が使えないから選択肢は絞られてくるのが難点だな。サポート科ならいざ知らず、ヒーロー科は許可をもらえないと使えないからね。試しに聞いてみたけど、「自作の道具を使わせてください!」という言葉に対して出だしの「自」の時点で「ダメ」という言葉が返ってきたよ。別にいいだろうがよォォォ!!ケチケチすんなよォォォ!!

 

というわけで使えるものは俺の体と3人の個性。以上の要素のみで害悪敵退治を始めていきたいと思います!

 

と、その前に決め台詞でかっこよく相手さんへの敬意を表そう!

 

 

「おい、デュエルしろよ」

「君は何を言っているんだい?」

「おいおい、素人かよ。話が通じねーじゃねえか。このレベルでこの俺様達を煽ってきたというのかい?一体どこのメーカーだよ?」

「いや、本当に何を言っているんだい?」

「バカ野郎!どうしてサテライトの犬に成り下がっちまったんだよ!?」

「誰かこの変人を止めてくれ!?話が通じない!?」

 

青ざめるB組と物間、呆れるA組、不敵に笑う爆豪。

ここに最高クラスの状況が完成した。さ~て、やっちゃうぞ~!

 

「いくぜ、俺のターン!俺はレベル6の『熱血の漢キリシマン』とレベル4の『プリケツの女神アシ・ドミナント』をチューニング!リミッター解放レベル10、メイン・バスブースター・コントロール、グリセリン・爆豪ゲージ、オールクリア!無限の力、今ここに解き放ち、煽りの彼方へ突き進め!  GO!アクセルシンクロ! カモン、『BG(バックゴーナス)ー カツキボンバーイェー』!!」

「ぶっ飛ばすぞテメエェェェェ!?」

「熱血の漢…!いい響きじゃねーか!」

「あー!またプリケツって言ったー!?」

 

三者三様の反応。A組にとっては普段通りの光景ではあるが、B組にしてみれば異常に映るのだ。現に、もうすでに物間はターゲットにする相手を間違えたと思っている。だがもう遅い。地雷原に丸裸で突っ込んでいく愚行を見逃すはずもない。

 

誰かが言った。石楠花 鱗という存在は、自分が負ける確率が100%であると分かっているのにストーリー上必ず巻き込まれなければいけない強制バトルイベントであると。

 

逃げるという選択肢は許されない。コマンド上に表示されない。運よくバグが起きて遠くの町に逃げ切れたとしても、気づけばしれっと主人公の旧知の友かのように肩を組んで隣に立っている。そうして幾人もの主人公たちを絶望の淵に陥れてきたマインドブレイク系モンスター。

 

石楠花は中学生の頃から個性を使わずにヴィランを捕縛していた。そのうちの一つの事件として、暴力を一切起こすことなく、いや…一度もヴィランに触れることなく逮捕にまで漕ぎつけた。その時の犯人はこう供述している。

 

 

 

 

 

 

曰く、「何処に逃げても気づけば後ろにいた…!」と。

 

 

 

 

 

 

 

『落雁の申し子』、『雄英の奇行種』などと呼ばれているが、まだ可愛いものだ。その本質は言動の意味不明さと追跡能力のベストマッチにある。

 

故に狂気(ハジケ)追跡者(チェイサー)と一部のヒーロー達から呼ばれている。

さらに一部のヴィラン達からは教えてもいないのに電話がかかってきて背後に立っていることから『メリーさん』と呼ばれていることを本人はまだ知らない。

 

 

 

そしてその狂気(ハジケ)の波動を一身に受けている物間とその騎馬達はというと、戦ってもいないのに冷汗が止まらなかった。なぜなら本能が告げている、『今すぐここから逃げろ…!!さもなくば……』と。

 

 

 

 

 

 

「さぁ…俺達と遊ぼうぜェ…!!物間君よォ」

「ひっ!?後退だ!今すぐこの場から離れるんだ!」

「させないよォ…?切島ちょっと硬化して地面をしっかり踏みしめといて。そんでプリドはしっかり掴まっといて」

「えっ!?おっ…おう!!」

「略すなー!!」

 

そういうと鱗は足を高く上げ、振り下ろす。

その瞬間、地面が激しく揺れた。

 

 

「うおっ!?」

「きゃっ!?」

「ぐっ…!?」

 

足を振り下ろしただけでバランスを崩すほどの衝撃が地面を走る。

蝦蛄を含め、甲殻類は全身が筋肉と言っていいほどに引き締まっている。その全ての筋肉を一点に集中させ地面を踏む。たったそれだけのことだが、人間サイズで放たれるその一撃は地を割るには十分すぎた。

 

さらにインパクトの瞬間に満遍なく力を分散させる。例えるならば「点」ではなく「面」。

石楠花 鱗という一個人が努力の末に手に入れた人間の技という到達点を、バランスを崩させるためという、まるで小さな動機のために、息をするが如く放たれた。

 

 

名を『剄震(けいしん)

 

 

その道を究めし者のみが披露出来るその技は、相手の機動力を奪い、僅かな隙を作る。その隙を我らが負けず嫌いの獣が見逃すはずもない。

 

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「くっ!円場(つぶらば)!!」

 

円場 硬成の個性『空気凝固』、空気を固めて壁や足場にできる。この場合は爆豪から身を守るための壁となるだろう。

だが忘れてはいけない。この場にはどんな壁でも強行突破できる、瞬間出力オールマイトの男がいるのだから。

 

「壁なんて俺の前では無力!!くらえ!『ネオアームストロングサイクロンジェットネオアームストロングキャノン』!!」

 

声高らかに必殺技を叫ぶ男、石楠花。その技の実態は極限まで力を圧縮した腕で空気を殴るだけ。だがオールマイト並みのパンチ力で放たれる一撃は空気すらも圧縮し、空気砲のように前方へ押し出される。そこにシャコ特有の腕のスナップの速さが付け加えられる。

 

ここで問題だ。もしオールマイト並みの力でパンチを打てばどうなるか?答えはパンチに対して風圧や余波が生じ、周りにも被害を被っただろう。

 

ならば腕を振った時の風圧さえ置き去りにする速度でパンチを打つとどうなるか?

答えは瞬間的に指向性を持った衝撃波(ソニックブーム)が打ち出される。

 

子供が考えたような必殺技名で放たれたソレは、空気の壁を突き破り、物間の顔の横を通過し、空に向かって打ちあがった。

 

「はあっ!?」

「危ねえじゃねえかこのクソシャコ野郎が!!当たったらどうすんだ!!?」

「大丈夫!どっちにも当たらない擦れ擦れを狙ったから」

「大丈夫じゃねーから言っとんだクソが!!」

「お前なら避けると信じてたぜ」

「死ねぇ!!」

 

どのような場でも漫才を忘れない二人。そして空気砲の影響で物間の首からかけていた他騎馬のハチマキが風圧によって巻き取られ、空を舞った。

 

ここで爆豪のみみっちい反射神経が発動。もれなくすべて回収し、物間を守る空気の壁が壊されたことによってがら空きになった守りを突破し、追撃にかかる。

 

「オラぁ!!死んどけクソ共がぁぁあ!!」

 

BOOM!!!BOOOOM!BOOOOOM!!!

 

「ついでにハッピーセットだ!」

 

爆破。とにかく爆破。くまなく爆破。

そして爆破後に石楠花による無駄技術ふんだんに使ったパンチが炸裂。

 

圧縮した空気は、時には壁を砕き、時には物を切り裂く風となる。

石楠花のパンチによってかまいたちが発生。さらに石楠花無駄技術を発動。よって物間の衣服のみを切り裂くかまいたちとなる。

 

 

その場に残ったのは、ギャグ漫画のように黒焦げになった物間騎馬と、ご丁寧にパンツだけは切り刻まれなかった素っ裸の物間だけが残った。

 

 

 

 

「覚えておくがいい少年たちよ。これが……実力(ギャグ補正)というものだよ」

「いや読み方が違う!?」

 

 

こうして、波乱に満ちた騎馬戦は石楠花 鱗という一人の武人を、技術の高さを、敵に回してはいけないという暗黙の了解を世に知らしめた。

 

 

チーム爆豪、2回戦突破。

 

 

 

 

その後、なんとか勝てて地面にめり込み噴水のように泣いている緑谷を見て、衣服のみを溶かす武器を作ろうと心に決めた。

 

 

 


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