いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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筆が進んだよ、どうもライムミントです。
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石楠花とは鱗とはそれがなにか見せつけてやる

昼休憩終了

 

『最終種目発表の前に予選落ちの皆に朗報だ!あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!本場のアメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ……ん?アリャ?』

『なーにやってんだ…?』

 

そこにはチアリーダーの格好をした真顔のA組女子の面々がいた。

 

『どーしたA組!!?』

 

昼休憩の時刻、まんまと峰田と上鳴の策略に嵌り、今に至る。喜ぶ峰田と上鳴だが、他の男子たちも見ないようにしているが、チラチラとみているものもいる。

 

「峰田さん上鳴さん!!騙しましたわね!?」

「アホだろアイツら…」

「まあ本選まで時間空くし張りつめててもシンドイしさ…いいんじゃない!!?やったろ!!」

「透ちゃん好きね」

 

落ち込む者、呆れる者、楽しむ者、それぞれ三者三様の反応を見せる中、耳郎がいち早くこの状況に乗じてはしゃぎそうなバカがいないことに気が付いた。

 

「あれ?そういえば変態バカはどこにいる?」

「え?峰田君と上鳴君ならあそこにいるよ?」

「いや違う違う。そのバカたちの親玉的存在バカの方」

「あー、そういえばどこに行ったんだろう?」

 

バカという単語で伝わるぐらいにA組にはありふれた存在がいない。各々が探したところ、麗日が迷子のバカを見つけた。

 

 

「あっ!いた!あそこ!」

 

麗日が観客席の方面に指を差す。そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「You are beautiful, How about tea after this?」

「I'm so happy I'm about to burst into tears!!Now, open your mouth, darling!」

「Thank you. If you let me eat it, it's several times more delicious than usual.」

「Oh dear!」

 

足を組みながら豪華な椅子に座り、チアガール達を周りに侍らしながらフルーツを食べさせてもらい、口説いているバカがいた。

 

 

「「「いや何やってんのアイツ!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや~、本場のチアガールは違うね。なんたって本場だもん。今なら別に全員分の実りに実った夢の果実を揉みしだいても許されるんじゃ……あっ、下から絶対零度の視線を兼ね備えた女鬼(めおに)が睨んできますのでやめます、はい。

 

「石楠花ェェェェェ!!何うらやまけしからんことしてるんだァァァァァ!?」

「裏切りやがって貴様ァァァァァァァァ!!?」

 

何やら下で悲しき負け〇貞たちが叫んでいますねぇ、あぁ愉悦愉悦。とりあえず肩を抱き寄せますかねぇ。ちょいと失礼しますよ?

 

「「ファアァァァァァァァァァァ!?」」

 

あっ、バカたちが真っ白に燃え尽きちまったよ。鱗さん大勝利!

 

『おい、そこのバカ。早く下に降りてこい』

 

おっと?相澤先生も実は羨ましいという感情をお持ちで『10秒以内に降りないと除籍な?』……おりまぁぁす!!

 

クソっ!職権を濫用してまで俺の邪魔をするというのか!?

ふっ、まぁいいさ。何せまだうちのクラスが誇る6人の花がチアガールのコスプレをしているじゃないか!

 

初めは気でも違えたのかと思ったけど、まさか相澤先生の策略か?俺がチアガールと戯れることを予め予測して、スムーズに俺を指定の場所に向かわせるように花の女子高生にコスプレを強要したのか…?それなら辻褄が合う。いや、そうとしか考えられないな。

 

まさかそこまで欲求が高まっていたなんて…!気づいてあげられなくてごめんよ、先生。だが俺は寛容だぜ!先生がどんな趣味を持っていようと俺は温かい目で見守るぜ!

 

『なぁイレイザー…石楠花が親が子を見守るような目でこっち見てるぜ…あっ、親指立てて応援してるぜ的な顔してるぞ…』

『アイツもう不戦敗でいいだろ』

 

何でだよぉぉぉ!?俺の応援が伝わってないというのか!?こうなったら俺のとっておきの応援歌を熱唱して………アレ?気づいたら網で捕縛されてるんだけど?誰か地引網漁でもしてんの?こんな陸地で漁をしてもシャコしか捕まえられてないけど?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鱗さん…?何してらっしゃいましたの…?」

「…ッ!?」

 

 

バカな!?なんだこの濃密な殺気は…!?

振り返っては駄目だ…!今振り返れば瞬く間に命を刈り取られる…!今俺の後ろにいるのは形を持った爆弾だ…爆弾は少しの刺激でも爆発してしまう恐れがあるからゆっくり慎重にだ…!慎重に少しずつ後ろを振り向くんだ俺!大丈夫、何も怖くない、後ろにキラークイーンなんていない…そう、後ろに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラークイーン・レクイエムが6体だとォォォォォォォォ!?

 

 

レクイエムは駄目だ!?レクイエムは永遠に爆発させられてしまう!早急にこの場から退散して……バカな!?網がほどけない!?強化アラミド繊維だと!?破れないし動くたびに段々と締め付けてきやがる!

 

 

 

「さて……覚悟はよろしいですか?」

「まっ…待て!早まるな!この世界は話し合いで何とかなるって親戚の伯父さんの友達の妹の婚約者の親友のトムが言ってた!」

 

やっ…やめろ!?やめてくれ!?どうか創造とイヤホンジャックと透明化と酸と蛙とゼログラビティだけは…!?

 

 

 

 

……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで鉄哲と塩崎が繰り上がって16名!!組はこうなりました!」

 

んおっ…?寝てた。確かさっきまでキラークイーンに襲われてそれから……っていつの間にか最終戦の組が発表されてるやないかーい!

 

「あっ!石楠花君目を覚ましたんだね!」

「おは…って擬人化したモズクかよ…何でもかんでも擬人化すりゃいいってもんじゃねえぜ?というわけでこれはまだ夢だな。おやすみ」

「違うよ!?僕緑谷だよ!?」

「何だよ緑谷かよ。大人気ゆるキャラのモズ・クーガに似すぎなんだよ」

「モズ・クーガって誰!?聞いたことないよ!?」

 

相変わらず元気だね。だが少し静かにしてくれ。騒いでいるとまた恐ろしい雌のハイエナたちに狙われてしまう。

 

さて、情報を整理しよう。今まで気絶していたけど、ミッドナイトが話していたであろう内容は無意識に聞き取って頭の中にインプットしているから大体今からするであろう最終戦の内容は理解しているのだよ。兎に角俺はサッと対戦相手を確認して、早急にこの場を離れよう。ここにいればまた命の危険を感じる。

えーと?俺の相手は「フフフっ、石楠花ってあなたですか!?」……ん?

 

 

「如何にも。吾輩こそが超越至高の存在である石楠花 鱗様じゃよ」

「やっぱりそうで…あっ!あなたは何時ぞやの私の片方の乳房をガン見していた方ではありませんか!」

「そういう君は全女性の鏡で、俺に癒しを与えてくれた 方乳(かたちち) ポロリちゃんじゃないか。その節はどうも。おかげで捗りました」

「いえいえ!こちらこそどうも!」

「何この会話!?僕がおかしいの!?」

 

どうしたんだよ緑谷。こんなの極普通の会話だろ。

 

「私は発目 明です!それでですね、ここまで来た以上対等だと思うし対等に戦いたいのです!つきましてですね!私の開発したベイビー達を使っていただきたいのですよ!」

 

ほう?ふんふん、なるほど。そういうことね、完全に理解したわ。理解しすぎたのかもしれない。

前に一度見た時にビビっと反応するものがあったからもしかしてそうかな~と思っていたけど、今完全に理解したわ。

 

 

「成る程…話は分かった。さては君もこちら側だな?」

「…っ!?もしやあなたも?」

「ああ、こんな機会を逃すのは愚の骨頂よ」

「成る程、あなたもやりますね?」

「いやいや、君ほどじゃないさ」

「「ハハハハハハっ!!」」

 

鱗と発目はその場で深く握手を交わす。その目はお互いに同志を見つめたような、しかし外野から見ればお互いに深淵をのぞき込んでいるかのように深く、底が見えなかった。この場で言えることは一つだけ、とんでもない化学反応が起こってしまっとということだけだ。

 

「そうと決まれば早速打ち合わせだ。その前に俺は許可を取る必要がある」

「分かりました!私もお手伝いしましょう!そして私のどっかわいいベイビー達を紹介します!」

「助かる。それならば俺も丹精込めて作り上げたギミックや絡繰達をお見せしよう」

「「フフフフフ……!!」」

 

そのまま二人そろって通路という闇の中に消えていく。その場に残されたのは話についてゆけず、唯々とんでもないことが起こったと理解した緑谷だけだった。

 

「これは…とんでもないことになったぞ!?」

 

 

混沌を造りし者達の邂逅。混沌と混沌が混沌融合(カオスフュージョン)して生み出されるものなど、より純度の高い混沌(カオス)のみ。

 

その後、とにかく今は目先の試合に集中するために頭を切り替え、緑谷はその場から移動し、心操に話しかけられ、尾白に助けられたそうな。

 

 

 

 

 

これより始まるガチンコバトル。勝敗がどうなるか、何が起こるのか、それは神のみぞ知る。

 

 

 

 


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