合間を縫って、何とか投稿まで漕ぎつけられました…!
これからも頑張って投稿しますので応援よろしくお願いします。
P.S. プログラミングって難しいね!
誰か分かりやすく教えてくれェェェェェェェ!!?
『ヘイガイズアァユゥレディ!?色々やってきましたが結局これだぜガチンコ勝負!!頼れるのは己のみ!ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!わかるよな!!心・技・体に知恵知識!!総動員して駆け上がれ!!』
そして始まるトーナメント。血沸き、肉躍る対戦が始まろうとしていた。
『一回戦!!成績のわりになんだその顔!ヒーロー科、緑谷出久!!対 ごめんまだ目立つ活躍なし!普通科、心操人使!!』
プレゼント・マイクの紹介と共に割れんばかりの歓声がスタジアム内に響く。その歓声を直に聞き、選手たちは一層気が引き締まる思いがした。だが、中には緊張ではなくやる気が沸き上がる猛者もいれば、ウキウキに仕込みを仕上げるバカもいる。
そして、A組の観賞席にはそんなバカが一人。
▽
「うんうん、盛り上がっているじゃないか。ワロスワロス」
「あっ!何処に行ってたんだよ石楠花!もう緑谷が始まっちまうぞ!」
「気にするな切島よ。ちょっとした最終調整を終えたところだ」
「気にするわ!?一体何してたんだよ!?」
「なぁ切島、芸術とは爆発だと思わないか?」
「本当に何してたんだよ!?そんな物騒なことやめろよ!?」
「嘘に決まってんだろ。冗談は爆豪だけにしとけ」
「何が冗談だクソが!!お前が爆発しろや!!」
「落ち着け爆豪!石楠花の掌の上だぞ!?」
全く…冗談が通じないとは、なんと嘆かわしいことか。
そもそも爆発なんてバクゴサウルスで見飽きてるだろ。もし俺が爆発させるなら、もっと理知的に爆発させるわ。
まっ、冗談はゴミ箱に捨てといて……ていうか緑谷がいつの間にか頑張って、いつの間にか心操の個性の餌食になってるじゃあないの。早くない?
「おい!?緑谷が振り返って歩き始めたぞ!?このままじゃ場外になっちまうじゃねえか!アイツは一体何してんだよ!?」
「ああ緑谷!?忠告したってのに!?」
そう言えば誰一人として心操の個性を知らなかったっけ?いや、尾白は実際に体験して知ってんのか。
だが緑谷は大丈夫だろう。なぜなら俺のサイドエフェクトがそう言ってる。
「落ち着けお前ら!!心操の個性は強力だが対処方法はある!!」
「本当か石楠花!?どうすれば緑谷は解放されるんだ!?」
「まかせんしゃい!この鱗様が教えてしんぜよう!!その対処方法とは……
心のメスガキ度の高さだ」
「「「いや何言ってんの!?」」」
おいおい、信じてねえな?正しいことを言ったというのに。
だからその汚物を見るような目はやめてくれませんか?
「で、何か弁明の余地はあるか汚物?」
「お口が悪いぜ耳郎ポン。正確には心の中にいるメスガキのレベルが高ければ高いほど有効だ」
「よし、死ね」
「話し合いをしよう!?何のために口がついてると思ってんだ!?」
クソっ!?いつの間に女子たちは俺の命を的確に狙うゴルゴになっちまったんだ!?
「まあ聞け。奴の『洗脳』を搔い潜るには強靭な心を持つ必要がある。そこでメスガキだ。だが『ザァ~コ♡』だけしか言わないメスガキ力では勝てない。奴の洗脳を乗り越えるには、『お兄さんの社会的地位ってミジンコ以下なんだ~♡』ぐらいのメスガキ力が必要だな。中々厳しい戦いになりそうだ」
「いや何その持論!?言いすぎだろ!?」
だがその瞬間響き渡る轟音と強風、スタジアム内に衝撃が走った。
見るとそこには緑谷が。なんと場外ラインギリギリの所で洗脳を自力で解いたのだ。
その瞬間、A組の生徒の脳内に溢れ出した存在しない記憶。
緑谷がメスガキに罵られ、心を抉られながらも喜んでいた光景が。
「ふっ…、どうやら心の奥底に潜むメスガキを掌握したようだな。天晴れだ、緑谷出久。もうお前に教えることは何も無い。お前が信じるメスガキを信じろ」
「いや、何カッコつけてんだよ。お前のせいで緑谷の背後にメスガキがちらつくようになったじゃないか」
「まさかもうスタンドまで使役するとは…やるな緑谷」
「おい話聞けバカ。こっち見ろバカ」
メスガキを掌握した緑谷ならば負けることはないだろう。
おっ、ナイス背負い投げ。IKKOも大喜びだ。
『二回戦進出!!緑谷出久ー-!!』
緑谷勝ったじゃん。おめおめ。
中々いい勝負だったけど、メスガキを掌握した緑谷には勝てなかったか。もう少し心操が体を鍛えてたら結果は変わったかもしれないけど終わったことをとやかく言ってもしゃーない。結局は負けから何を得たのかと言うこった。
いつの日か一緒に戦える日が来るといいね。
「爆豪も背負い投げられてたよな」
「黙れアホ面…!」
「背負い投げ~!!」
「黙れクソシャコ…!」
考え込んじゃってまぁ。毎度毎度突っかかって飽きないものかね?
まあ爆豪には爆豪にしかわからない爆豪があるはずだから、スピードシャコンはクールに去るとしましょう。
緑谷の退場を見届けると同時に、鱗は何処かに移動しようとしている。すると八百万が気が付き、話しかけてきた。
「あら?鱗さん、何処かに行かれますの?次の試合が始まってしまいますが?」
「うん?俺の出番が2試合後にあるから、その最終調整。楽しみに待っててくれて構わないぜ?」
「楽しみにしていますが、何をするつもりですの?」
「………」
「本当に何をしでかす予定ですの!?無言で笑みを浮かべないでくださいませ!?」
笑みを浮かべたまま、鱗は走り去っていく。その場に残されたのは、何をしでかすか分からないという一抹の不安のみ。
「大丈夫かよアイツ…」
「選手宣誓でも良い意味でやらかしてるからな…」
「次は悪いことでやらかしそうだよね☆」
「不安を煽らないで!?」
皆が皆、口々に不安を語っているところに保健室で回復した緑谷が戻ってくる。
「みんな、何話してるの?」
「「「おかえり、メスガキ使い」」」
「メスガキ使いって何!?」
全員から生温かい目で見られるオールマイトの後継者 緑谷出久。
今日もA組は平和である。
▽
一方その頃、石楠花 鱗サイド。
「バッキバキに~折れ~♪何を~?♪心を~だ~よ~♪」
さ~て、再々再調整を終えて最高クラスの一品を作っちまたぜ。これで地球温暖化問題も解決だ!
俺の予想だと試合はすぐに終わると思うんだ。
轟と飯田の戦いは轟が氷結ブッパするだろう。一回はレシプロ何とかで氷を壊して切り抜けられるかもしれないけど、何回もブッパされたらなすすべなくなるから轟の勝ちで終えるだろう。
上鳴とトゲトゲちゃんの戦いは、上鳴が秒で捕まって瞬殺されるだろう。これは予想ではない、確定した未来だ。花京院の魂を賭けてもいい。
言ってるそばからモニターにアホ面晒して棘でグルグル巻きにされてるバカが映ってるではないか。これで私の仮説が正しいことが立証されたのだよ。実に面白い。
と、言うことは次が俺様の出番というわけか。
ふむふむ、なるほど。
Show Timeだ…!
「てなわけでもう一度戻ってきました!A組と見守る閲覧席へ!!」
「颯爽と去っていったと思ったら、もう戻ってきた!?」
驚いた表情を浮かべるA組の生徒達。
それもその筈、試合の準備のために控室へ向かったはずの男が、もうすぐ試合が始まるというのにスタンバイもせずのこのこと戻ってきたのだ。
「石楠花君次試合だよ!?ここに居ると間に合わないよ!?」
「心配するなメスガキマスター、お前だけのサーヴァントはきっと見つかるさ」
「何の話!?そしてそのさっきから皆が言うメスガキって何!?」
次が試合だというのに元気よく緑谷と漫才を繰り広げる鱗。本当にここに居ていいのか、何か問題を引き起こすのではないかという不安からA組の面々が鱗に話しかける。
「本当に大丈夫なの?石楠花ちゃん」
「大丈夫大丈夫!!あとは開始を待つだけ。呼ばれたらここから向かうさ」
「ここから向かうって……フィールドまで離れてる上に、下には観客の波だぞ?まさか観客を押し退けて突き進む気か?」
「まぁ見てなって。それと一つ覚えておくといい」
「何を?」
「道が無いのなら、造ればいいじゃない!」
▽
『さぁ!いよいよ第4戦目だ!!次の対戦カードは………なぁイレイザー、嫌な予感しかしねぇんだが………』
『奇遇だな、俺もだ。よりにもよって今大会一番の問題児同士が当たるとはな。単品でもパワーローダーの胃に穴を開け、意味不明なことをしでかすって言うのに、なんでセットなんだよ…』
『俺も今すぐ組み合わせを変更したいが、ここまで来ちゃ腹をくくるしかねえ!!プロとして最後までやり切ってやるぜ!!さあ、選手の紹介だ!!』
その瞬間、けたたましい轟音を轟かせながら、何かが会場の上を飛んでいた。
そう、サポート科の狂人 発目 明である。発目が自ら開発したエンジン付き空気噴出バックパックを使い、空を高速で飛んでいたのだ。そのまま空中で一回転し、あろうことか空中でエンジンを停止させ、スタジアムのリングに向けて自由落下しながら落ちてくる。
『危ない!?』
その言葉を誰が発したかはわからない。しかし彼女はあざ笑うかのように妖艶な笑みを浮かべ、第二の発明を起動した。
すると靴の裏から勢いよくエアバッグのような物体が噴出し、鮮やかに地面へと着地。しかし勢いがつきすぎたのか、そのまま二転三転とし、リング外へ。だが、空を飛ぶ技術と安全性を考慮した落下防止措置という2点においてアピールを果たした。
『なぁイレイザー…俺の知ってる登場方法と違うんだが…』
『さっさと紹介を済ませろマイク。俺はもう諦めた。発目でアレだ。次のバカが何しでかすかと考えると胃が痛くなる』
『現実を見ろよイレイザー!?』
発目の大胆登場と解説席での漫才を終え、観念したプレゼント・マイクが次へと進める為に進行を進める。
『雄英高校の奇人その1!!入学してから現在までに数々のサポートアイテムを開発しては爆発し、工房とパワーローダーの胃に穴を開けたクレイジーガール!!余興の科学力よろしく、一体どんな戦いを見せてくれるのか不安でしょーがねえゼ!!発明の母 発目 明!!』
大盛り上がりのスタジアム。未だかつて空から入場を果たした選手がいただろうか?観客たちは期待に胸が膨らむ。
そして次に入場してくる選手が入場から選手宣誓、競技や言動で数々のインパクトを残し、人々の心に刻まれた今大会一番と言ってもいい選手が登場するのだ。観客のボルテージは最大値に達していた。その観客の気持ちに呼応するかのように、覚悟を決めたプレゼント・マイクが次の選手を呼び掛ける。
『OK!待たせすぎると何しでかすか分かったもんじゃねえからさっさと呼ぶぜ!!全員コイツを待ってたんだろ!!?対戦相手はこの男だ!!』
そのセリフと共に入場口へと皆が目を向けるが、そこには誰もいない。それも当然、鱗はまだ観客席にいるのだから。
「さて、そろそろ移動しますかね」
そう言うと鱗はその場で立ち上がり、二度手を叩く。
「「「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」
『なっ…何だぁ!?一部の観客たちが一斉に移動し始めたぞ!?』
するとどうだ。四方八方に散らばっていた一部の観客たちが一斉にある場所へと移動を始めた。
そう、A組の観客席の前へと。いや、鱗の眼下までへと。
そのまま鱗の前で4列縦隊で一直線に観客席場を並び、全員が天に向けて両手を上げる。その後、鱗の前に並ぶ一人の男が円形の筒のような何かを、観客の上に掲げた手の上を転がし、伸ばしてゆく。完全に最前列まで伸ばし終え、全ての工程が完了した時、全容が明らかとなった。
「「「じっ…人力のレッドカーペットォォ!?」」」
それは赤い道。選ばれし者のみが通ることが許される英雄の道。
それが今、鱗の目の前に人の手によって築かれた。
鱗はゆるりとレッドカーペットの上へと降り立ち、一歩 また一歩と歩みを進める。その姿はまさしく王と呼べるような、堂々とした歩みであった。
見ている者たちは息を吞む。即興で始まった一連の出来事、誰もが実現したことが、見たことがない連携し尽くされたパフォーマンス。だがその動作のどれをとっても一般人では不可能なほど完成されている。
人を上手に遣うカリスマ性。
先を見据えた鋭い眼光。
今までのヤバい言動からのギャップ。
武を体現したかのような佇まい。
一つ一つの所作の美しさ。
見る者を引き込む、迷いなき覇道への歩み。
誰しもが文句のつけようのない登場に見惚れた。そこに性別や身分、種族でさえも関係ない。
なぜなら王の素質とはそういうものだから。
その中でも流石はプロというべきか、プレゼント・マイクは誰よりも早く復活し、人物紹介を始める。
『びっ…びっくりしちまったが再開だ!!雄英の歴史上最大の問題児!だが、その歩みには人を引き付ける何かが確かにある!!素手で武装勢力を鎮圧!敵を落雁で鎮圧!数多の問題児達をハッピーセットで鎮圧!幼少の頃から現在まであらゆる偉業を、あらゆる功績をその身一つで体現してきた超越者!!今宵はどんな偉業を成し遂げるのか今から楽しみだぜ!! 唯我独尊!石楠花 鱗!!!』
「「「うおおォォォォォォォォォォォォォ!!」」」
鱗は観客席ギリギリでレッドカーペットの上から飛び上がり、華麗にリング上に着地する。
その場には今から戦う選手が二人。
観客のボルテージが最高潮の中、パフォーマンスの優れた二人が雌雄を決する。
雄英史上最高潮の戦いが今から始まろうとしていた。
某皇帝様の入場でした(笑)
鱗と言えば唯我独尊なので、ぴったりかと!
次回予告 会場死す!デュエルスタンバイ!!