いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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気づけば体育祭13話目です。

試合以外にキャンプションを当たることが多く、内容的には全く進んでないような気がしますが、石楠花君のぶっ飛んだ人生と共にお送りいたしておりますので、いろんなことをやりたがる石楠花君をどうか温かい目で見守ってあげてください。

今後とも応援よろしくお願いします!

※新たな小説も書き始めました。


心とは磨くもの、パンツとは見せるもの

「きゅっ…急に何を言い出すんだお前は!?」

「前が見えねぇ…」

 

 恐ろしく的確に顔の中心を穿つパンチ、俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 

 俺の顔面はアスタリスク型にめり込んでいる事だろう。セクハラ、ダメ、絶対。

 

「そもそもなんで私に聞くんだよ!変態か!?」

「知り合いがいないなら、目の前の美女の服をもぎ取りたいと思うのは男の心理、当然だろ?」

「ヒーローの皆さま、ここに変質者がいます」

「通報はやめろぉぉ!?」

 

 この女っ!容赦なく俺に指を刺差してヒーローを呼ぼうとしやがって!

 流石はヒーロー志望、迷いが無さすぎるっ!!

 

「俺はただズボンが欲しかっただけなんだ!!」

「どの角度から聞いても変態の発言にしか聞こえないからな!?」

 

 そうだろうか?

 俺はただズボンが欲しいだけ、そこにスケベ心は1TBぐらい詰まってるかもしれないけれど俺は本当にズボンを履きたいだけなんだ。

 

 別に見られて困るような身体作りはしていないから、見られることには何の恥ずかしさもない。むしろ俺の人間を超越した肉体美を目に焼き付けて帰って欲しいぐらいだ。

 

「まぁまぁ拳藤、石楠花もきっと悪気があったわけじゃない……こともないかもしれないけど…」

 

 庇ってくれるならもう少しハッキリと言い切って欲しかったなぁ。悪気はないこともないかもしれないけれど。

 

 だがまさか庇ってくれる誰かがいた事に驚きだ。

 しかも女子。しかも女子!しかも女子!!これ大事。

 

「庇ってくれてありがとう、麗しの少女。よければ君の素敵なお名前を聞かせてもらってもいいかな?」

「ハハハハっ!急にキャラ変わるじゃん!アタシは取蔭切奈、よろしく石楠花」

「とても可憐で素敵な名前だね。一瞬君が花の妖精のように見えたよ。名は体を表すとはまさにこのことのようだ。ズボンをくれないか?」

「石楠花は上げて落とす天才だな。ダメに決まってんじゃん♪」

 

 いい笑顔で断られた。

 いい印象を与えることによって自分のお願いを聞いてもらえやすくなると本で読んだんだが、どうやらガセネタだったようだな。

 

 さて困ったぞ。

 今のところ2打席0安打、断られるたびにB組との心の距離が離れていっている気がする。

 

 現に野郎どもは俺のことを信じられない生物を見るような目で見てくるし、女性陣は先ほどから手で顔を覆い隠したりしているが指の隙間からチラチラと股間を凝視してるのを俺は知っている。

 

 思春期の女子に俺様の黄金比で統一された神々しい肉体はまだ早すぎたようだ。

 

 でも別に見られるのが嫌なわけじゃないからとりあえずポージングでも決めて俺の固定資産税がかかりそうな胸筋でも見せつけておこう。

 

 あれ?拳藤ちゃんも顔真っ赤にしちゃって。

 初々しいねぇ、顔を背けちゃったよ。

 

 とりあえず拳藤ちゃんの周りを高速カバディで取り囲んでおこう。

 

 

 全力で殴られた。

 

 

「だっ…だからやめろ変態!」

「前が見えねぇ…」

 

 2連続で顔面を凹ませられるとは思わなんだ。

 

「それより…そっ…そのパンツは一体何なんだよ…」

「何だ?欲しいのか?」

「そんなわけあるか!!?」

 

 何を隠そう俺のパンツはホワイトブーメランパンツ。股間の部分には達筆な「ぬ」という文字を添えて。

 

 我が家の技術を集結して作られた、耐刃、耐熱、耐寒機能付き、伸縮性抜群で通気性最高の理想的なパンツだぞ。

 

「ぬ」の文字も俺が丁寧に書いたのだ。よってこのパンツはこの世にただ一つだけ、俺だけの素晴らしい一張羅さ!

 

「食い入るように俺のパンツを凝視しちゃってるじゃないの。思春期?」

「違う!出鱈目言うな!」

「ならお互いの信頼関係が一定以上になると男女間のパンツ交換イベントが発生すると聞いたんだが、それの下見か?俺はいつでもウェルカムだぜ」

「もっと違う!何だそのイベントは!!?」

「百ちゃん頑張れぇぇぇぇぇぇ!!!」

「話を聞け!!」

 

 なんてこった!!

 俺のズボン候補を探している間に百ちゃんと常闇の試合がもう直ぐ始まっちまうじゃねぇか。

 

 どちらも戦闘訓練で敵味方として戦った間柄、たとえパンイチだろうが俺は俺の責務を全うする!

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!常闇と百ちゃん、どっちも頑張れぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

『おいイレイザー!石楠花がパンイチで暴れてるぞ!何でパンイチ!?てかあのパンツ何処に売ってんだよ!?』

『誰かあのバカを摘み出してくれ』

 

 先生とチキンラーメンが何か言ってるが応援を続行するぜ!

 

 常闇は呆れた表情、百ちゃんは……赤面して顔を手で隠しつつ隙間からチラチラ逸物を見てますね。

 

 照れてる表情可愛い眼福ですありがとうございます。

 

 よーし!この試合は全力で応え…

「当て身」

「くぺっ」

 

 俺の意識は刈り取られた。

 

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

「んっ…?」

 

 うん?ここは?

 何処かの控え室か?

 それにさっきまで外にいたはずなんだが…

 

 確か百ちゃんの試合が始まるから全力で応援していたところ、急に首筋に強烈な痛みが走り…

 

 あっ、ふーん?成る程、完全に理解したわ。

 

 要は当て身されて気絶した俺は何処かの控え室にぶち込まれたってわけね。

 

 そして俺を的確に気絶させられる当て身使いといえば、100%パンツ大好きサイドテールちゃんの仕業だな?

 

 だが不意打ち当て身は感心しないな。

 まさか不意打ちした挙句、パンツ以外の身包みを剥がして放置するなんて。

 

 えっ?元からパンツ一丁だったって?

 存在しない記憶ですね。人類の到達点である俺が自分からパンイチに、ましてやそのまま歩き回るなんてことするはずがないだろう?

 

 さて、俺の近況は一旦置いておいて。

 今は何時だ?試合はどこまで進んでる?俺の出番はまだか?

 

『今回体育祭 両者トップクラスの成績!!まさに両雄並び立ち 今!!緑谷 対 轟!! START!!』

 

 ん?ワカメとガリガリ君の試合が始まるってことは、1回戦が終了して今から2回戦開始ってことか。

 

 ということは百ちゃん常闇コンビと切島鉄晢の個性駄々被りコンビ、爆豪麗日のヤンキー美少女絵面危ないコンビの試合を見逃したってことか…!

 

 クソっ!

 俺が気絶という名の爆睡をかましている間にこんなにも面白い試合が終わってしまうなんて…!

 

 まぁ家で中継を録画してるから帰ってからじっくり見るか。

 生で見て煽り散らかしたかったが、見れなかったものを悔やんでも仕方がない。

 

 とりあえず席に戻るかと思ったが、この試合の後は俺が試合なんだよなぁ。

 

 でもあの2人が戦うってことは確実にステージの修繕が入るはずだから席に戻るか。服も回収したいし。

 

 それにさっきからものすごい轟音が響き渡っているから、これはきっと100%ステージ修繕コースですね。セメントス先生とパワーローダー先生頑張ってください!

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

「ただいまぁ!切島の鋭ちゃんは腕相撲に勝ったらしいじゃないの。おめ!」

「おう!ありがとな!それで…何で石楠花はパンイチなんだ!?」

「大人の事情だよ」

「何がだよ!!?」

 

 やれやれ…俺がパンイチの事情を察することができないとはまだまだよのう。

 

「「ヴルルルルルル…!」」

「で、何で俺は女性陣に睨まれながら唸られてんの?教えてくれ峰田」

「テメェの心に問いかけてみろよ変態がよぉォォ…!!」

 

 ダメだ何処もかしこもヘイトが高すぎる。

 心当たりが無さすぎる、何故だ?(すっとぼけ)

 

「鎮まりたまえ荒ぶる獣達よ。争いは悲しみしか生み出しませんよ?」

「「ヴルルルルルル…!」」

「口田の力でこの荒ぶる獣達を鎮静化できないか?」

「……………!!?」(全力首振り)

 

 ダメか…

 口田の個性なら獣判定されて鎮静化できると思ったんだがなぁ。

 これはいよいよ俺がレクイエムされる道しかなくなるじゃないか。

 

 それよりも百ちゃんがかなり落ち込んでいるように見受けられる。常闇に反撃の機会なく負けたらしいからな。心にくることもあるだろう。

 

「お疲れ百ちゃん、惜しかったね」

「鱗さん…」

 

 パンイチで隣に座ったというのに赤面どころか動揺すらしないなんて、これは相当落ち込んでいるな。

 

「私は…何も為すことなく負けてしまいました…」

 

 想像の5倍ぐらい落ち込んでた。

 ここで励ませなければ男を語れない。

 

「そうだな…でもその負けから得たものは大きいはずだ。何がダメだったのか、最善策は取れたのか、振り返って思考し、改善策を模索する。これは試合だが、本番じゃない。練習でたくさん失敗して、その経験を糧にして次に繋げることができるのは人間の特権だ。だから今俺たちができることは、それぞれの反省を抱えながらも前を向くことだ。誇れ、胸を張れ。この悔しさを乗り越えて、人の心に寄り添える優しいヒーローになってみせろ」

「鱗さん…!」

 

 何を言ったかあんまり覚えてないけど涙ぐんでいるってことはそれっぽいこと言えたってことかな。

 

「鱗さんっ…!今はこのままでいさせてください…!」

「よしよし、頑張ったね。お疲れ様」

 

 女性の泣き顔は大衆に見せるべきではない。だから今は俺の大胸筋の中でお泣き。轟と緑谷の戦闘余波が冷気を乗せて運ばれてくるから俺の広背筋で防いでおこう。

 

 

「格好とセリフの寒暖差で風邪引きそうだ」

「見ろよ上鳴、あれが法律で裁けないクズだぜ」

「もしもしヒーロー?変態が女の子を拐かそうとしてます」

 

 

 失礼な外野が多すぎる。

 

「鱗さんっ、その…もう大丈夫ですわ。お見苦しいところをお見せしました」

「見苦しい?とんでもない。男がどんなに理屈を並べても、女性の一滴の涙にはかなわないものさ。悔しさを糧にし、前を向くために流す涙はこの世のどんな宝石にも勝るほど美しいものだ。その涙を笑うような輩は俺が本気でぶん殴ってやる」

「鱗さん……!」

 

 

 

 

「アレ誰?」

「アレかい?あれはね、石楠花ボケクソウンコ鱗って言う変態の一種だよ」

「服を脱ぎ捨てることに快感を覚えるタイプのフレンズさ!」

「わぁ!世界は広いや!」

 

 本当にうちのクラスには人の心を胎盤に忘れてきた奴が多すぎる。

 

 おかげで気を取られて緑谷が轟に向かって何かカッコいいセリフを言ってたのに殆ど聞き取れなかった。

 

 でも緑谷はすごいな。

 指をバキバキにしながらも、轟をしがらみから助けるために自損の覚悟を決めてるんだもんな。

 

 中学の頃の緑谷とは全然違うな。まだビクビクしたりする時もあるけど、あそこまで覚悟決めた顔はしてなかったもの。

 

 俺なら出来ないかもしれない。

 痛いものは痛いし、俺に出来ることとすれば発破をかけながら落雁を全力で投げつけるぐらいだ。

 

 あっ、炎でた。

 おめでとう緑谷。パッションバトルは君の勝ちだ。

 

「さて、俺も準備するか」

 

 こんなにも熱い勝負を見たんだ。

 俺も血がたぎってくる。

 

 100%ステージの修繕コースだけど、こんな試合を見たら今直ぐにでも体を動かしたくなる。

 

「じゃ、行ってくるよ百」

「えぇ、いってらっしゃい。応援していますわ」

 

 血がたぎり、美人からの応援の声、クラスメイトたちの奇異の視線。

 ここまでお膳立てされて燃えないわけがない。

 

 俺の次の相手は上鳴を瞬殺したB組の茨少女。

 

 さぁ、お兄さん頑張っちゃうよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「石楠花、またパンツ一丁でどっか行ったぞ」

 

 

 




P.S.
新たな小説を書き始めました。

原作:ポケットモンスター
未知なる島の歩き方 〜そっと規格外を添えて〜

オリ地方や設定、オリポケモンを考える時間が面白く、気づけば筆が走ってました!笑

ぼちぼち更新していくので、お気に入り登録や評価、感想をもらえると嬉しいです!

これからもよろしくお願いします!

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