お気に入り、感想、評価、ここ好き、ありがとうございます。
日々の励みです(キラキラくれくれビーム)。
『緑谷出久!まったく!おかげで減給と半年間の教育権剥奪だ。まァ結構な情状酌量あってのこの結果だがな。とりあえず体が動いちまうようなとこはお前そっくりだよ俊典!』
「申し訳ございません…私の教育が至らぬばかりで…いやはや」
『まァ教育権なんざ今更どうでもいい。先代…志村との約束…お前を育てる為だけにとった資格だからな。いや今はいい、それよりだ…今回電話したのは、ほかでもない「ヒーロー殺し」の件だ。実際に相まみえた時間は数分もないが、それでも戦慄させられた』
「グラントリノともあろう者を戦慄させるとは…しかし、もうお縄になったのに何が…」
『俺が気押されたのは恐らく強い思想…あるいは強迫観念から来る威圧感だ。褒めそやすワケじゃねえが…俊典、お前の持つ平和の象徴概念と同質のソレだよ』
「私と同じ…」
『安い話…「カリスマ」っつーヤツだ。今後取り調べが進めばヤツの思想・主張がネットニュース、テレビ、雑誌…あらゆるメディアで垂れ流される。今の時代、善くも悪くも抑圧された時代だ。必ず感化される人間は現れる』
「個々で現れたところで今回のようにヒーローが…」
『ソコで敵連合だ。つながりが示唆された…この時点の連合は「雄英を襲って返り討ちにされたチーマーの集まり」から、そういう思想ある集団だったと認知される。つまり受け皿は整えられた!個々の悪意は小さくとも…一つの意思の下集まる事で何倍にも何十倍にも膨れ上がる!ハナからこの流れを想定していたとしたら…敵の大将はよくやるぜ。着実に外堀を埋めて己の思惑通りに状況を動かそうというやり方…』
「…やな予感はしていましたが…」
『ああ…俺の盟友でありお前の師…先代ワン・フォー・オール所有者の志村を殺し、お前の腹に穴を開けた男…"オール・フォー・ワン"が再び動き始めたとみていい』
「あの怪我でよもや生きていたとは…信じたくない事実です」
『お前のことを健気に憧れているあの子にも、折を見てしっかり話しといた方がいいぞ。お前とワン・フォー・オールにまつわる全てを』
「ええ…裏に巨悪がいるとわかった以上、悠長にはしていられません…!」
『ああ…そうだ話は変わるが俊典…お前のところの生徒の石楠花 鱗…ヒーローシャカについでなんだが…』
「しゃっ…何故先生が石楠花少年のことを!?まさか石楠花少年が遂に何かやらかしましたか!?」
『どうなってんだあの小僧の扱いは…やらかしたっちゃあやらかした。ヒーロー殺しの件だ』
「石楠花少年も関わってるんですか!?そんな情報知ったら、職員室はより阿鼻叫喚になりますよ!?ただでさえ連日ネットニュースになって彼の担任は常に胃薬を服用しているんですから!!」
『だからどうなってんだあの小僧は…とびきりの情報が流れるはずだから気を付けろ』
「ちょっ…!?今度は何をやらかしたんだ石楠花少年ンンン!?」
『まぁ…頑張れ。だが今は一旦今は置いておけ。俊典、奴の素性について知ってることはないか?細かな情報でも何でもいい』
「はい?彼の父上と母上は、ヒーロー業界とパティシエ業界では有名人ですが…素性?」
『あぁ…もっと根本的なモノだ。俺はアイツを昔何処かで見た気がするんだ…』
「昔?またまた〜!先生自分が一体おいくつだと思ってるんですか〜!」
『うるさいぞ俊典!違う…アイツに似た奴を見たことがある…代々続いて現れて…確証がない御伽話のような伝説が本当の話だった…?国籍も性別も違う…血縁関係…?』
「あの…先生…?一体何を言って…」
『そんな筈がないんだ。生まれも国も時代も、共通点がまるでない、でも違う、でも間違えるはずがない…昔に何度か見た…ヒーロー殺しに一瞬だけ向けた…
▽
検査入院から一夜明け、無事に退院を果たした俺は…
「これが放課後に野良猫にクライミングされて慌てふためくオールマイトと、それを遠方から嫉妬のこもった眼力で射殺すイレイザーヘッドの写真だ」
「何その激レア写真!?おっおおおお送ってくれたりしない!?石楠花くん!?」
「ダメだ」
「ああああああああああ!?」
退院直後に見舞いに来て、緑谷に生殺し自慢をしている。
何故かって?世間では俺とエンデヴァーがステインを倒したことになっているらしい。その腹いせさ!
報連相をしっかりしていればこうはならなかったのさ!だからいっぱい腹いせをするのさ!
飯田のオレンジジュースを果汁3%のオレンジジュースに変えたり、エンデヴァーに轟焦凍のある事ない事捏造して吹き込んでやるのさ!
「ちなみにこれが花壇に躓いた拍子に蹴り砕いてオロオロするオールマイトだ」
「何このレアマイト!?石楠花くんオールマイトの専属カメラマンだったりする!?」
「そんな訳ねぇだろ落ち着け」
生殺しし過ぎておかしくなっちまったよ。緑谷、いい奴だったぜ。
「石楠花、職場体験はいいのか?」
「ああ、今日は休みなんだ。ミルコがアメリカまでパンツを買いに行くらしい」
「そんな訳ねぇだろ変態クソシャコ野郎が!」
あっ、野生のミルコが現れた!
野生のミルコは延髄蹴りをくり出した!
バカに直撃、50のダメージ!ベッドから落下し追加で30のダメージ!
野生のミルコは引きずるをくり出した!バカはミルコに引きずられていく!
そのまま外まで引きずられた!バカに40のダメージ!階段も引きずられたせいで体はボロボロだ!
バカは野生のミルコに負けてしまった!
目の前が真っ暗になった!
バカはミルコに上着とズボンを支払った!
「誰が上着とズボンなんかいるか!さっさと着ろ!」
「戦闘に負けたからには対価を支払わないと。ミルコの体で支払ってくれてもいいぜ?」
「何でこっちが支払わされる側になってんだよ!?」
流れでいけると思ったんだけどな。身持ちが硬いね。一回俺に支払ってみるだけで世界が変わると思うんだ。
「おら、さっさと職場体験の続きするぞ。お前は不満あるだろうが一応ヒーロー殺し逮捕に貢献したっていう名誉が手に入ったんだ。そこらの木っ葉ヒーロー達が喉から手が出るほど欲しい名声を、まだ学生であるお前がな」
「成る程、ヒーロー煽りタイム突入というわけですね?」
「絶対にやめろ!!このチャンスを逃すなってこった。とにかく動き回って顔を売れ。情報は劣化する、時間との勝負だ。お前のような好感度の乱高下が激しそうな変態は特にな!」
「成る程、ファンクラブ開設イベントというわけですね?」
「違うがそうだ!というわけで今から行くぞ!ただでさえ1日無駄にしてんだ!残り3日間まともに休めると思うなよ?」
「激しい誘い文句だこと。よっしゃ!文句を3時間ぐらい垂れ流したいところだが、好奇と捉えて女性ファンを獲得しまくるぜ!まずは緑谷たちに出発の挨拶してくるわ」
「さっきそう言って病室に向かってダラダラアホなことしてたから引きずり戻したんじゃねぇか!」
燃えてきたぜ!ネットニュース見たら大々的に取り上げられててテンションが可笑しなことになってたが燃えてきたぜ!
クラスメイト達からもとんでもない量の連絡が飛んできてパニック状態だったが燃えてきたぜ!
百からの連絡にドギマギしつつ、爆かっちゃんからの「クソが!クソクソクーソクソ、クソクソ?クソークソクソが!!(要約)」みたいな感じの連絡に腹抱えて爆笑したけど燃えてきたぜ!
気持ちを切り替えろ、漢 石楠花。俺はヒーロー、今だけは学生気分を脱却し、心身ともに誠のヒーローとして顕現せんとす。
期待も、重圧も、責任も、全て等しく俺の糧となってくれ。俺の血肉となる経験は、きっと将来役にたつ。
「さぁ行こうミルコ。市民が俺達を待っている」
「服着ろよパンイチ野郎」
「衣服と素肌が反発を起こして気づけば床に落ちてるんだよ」
「そんなわけねぇだろ!」
些細な問題さ。さぁ行こう!
股間を蹴り飛ばされた。
▽
結局、股間を蹴り飛ばされたので服を着たよ。
不味いね。股間を蹴り飛ばすと衣服と素肌が反発しないことをミルコが学習しちまった。
これからは俺の股間を虎視眈々と狙うビーストになっちまう。何とかしなければ。
職場体験は概ね順調だ。特定の地域に固執せず日本を跳び回り、ボランティア活動を積極的に行い、敵をぶん殴り、レディーを救ける。
道行く幼女から「今日はパンツじゃないの?」と聞かれた。明日は雨が降るらしい。
ヒーロー殺し邂逅イベントとか、大きすぎる事件に遭遇しないに越したことはない。日本は平和である証左だよ。
あれ以降大きな事件も起きることはなく、職場体験も最終日を迎えている。
ただ一つ大きすぎない事件があったとすれば、ミルコが頻繁に俺の股間を凝視しすぎてネットニュースになったぐらいか。
爆笑してたら夢に出そうなくらい血走った目で追いかけられ、プロレス技のフルコースをかけられた。子供泣くぞ。
全身の関節はサヨナラバイバイしたが、それでも問題なく連携しつつミルコと共に敵を捕縛し続ける姿に称賛を送ってほしい。
職場体験の最後の最後に闇露店商の摘発に貢献したが、摘発物が俺とミルコの同人誌だった。しかも俺がミルコを調教する系のハードタイプ。
とてつもなくいたたまれない空気になり、露店商はミルコに蹴り上げられて星になった。俺はアンタの勇姿を忘れないよ。
ついでに撤収する際に「うわっ…!」とか「ヤベっ…!」とか「こんなっ…!」とか言いながら物陰でコソコソと同人誌を読み込んでいたミルコの勇姿も忘れないよ。
本当に濃い1週間だったな。確実に人として、ヒーローとして成長できた気がする。俺を受け入れてくれたミルコに大感謝だ。
「私は後悔してるがな!とんでもねぇ風評被害を受けた!」
「嫌よ嫌よも好きのうちってもんですよ。あなたはエロウサギ、正当な評価です」
「ふざけんなテメェ!?」
俺と貴女は一連托生、貴女がイく先には俺もイくのさ!
でも割と俺のせいでは無かったシーンもあったぞ。インタビュアーに対して急に「シャカは私の隣で寝てたぜ!!」とか言い出した時には脳みそがハジケ飛んだのかと思ったが。余裕で後千年ぐらい生きれそう。
「俺だけはミルコの味方です。大丈夫!!何故って……?
「来るな!散れ!!」
「ホテルで寝てる時、ずっと心のキャンタマがグツグツしてました」
「衝撃の事実を今更言うんじゃねぇ!」
「男子高校生を年上のお姉さんがホテルに誘うシチュエーションは今後危険なので気をつけた方がいいですよ?」
「もうしねぇよ!身をもって知ったわ!……次も誘うとしたらシャカだけだ!!」
「あっ、今俺の心の男の象徴がいきり勃ちました」
「キメェな!!」
よし!己の欲望は全部ぶつけたぜ!
俺だけしかホテルに誘わねぇとかナチュラルにギリギリに言葉をいただけただけ良しとしよう!……場所が場所ならそのまま夜の職場体験ぬちゃぬちゃ延長コースだったぜ?命拾いしたな。
まぁでも、とんでもねぇくらいエロいお姉さんだったけど感謝してるんだ。ヒーローとしてのノウハウ、心構え、実践経験、他のクラスメイト達よりも量も質も桁外れだった気がする。……今更だけど客じゃなくて本当のサイドキックとして接してくれていた気がする。ありがたいことだ。
「まぁ…あれだ。お前は褒めるとすぐ調子に乗るから言いたかねぇけど……すげぇ助かったし楽しかったぜ。教えたこともスポンジのように吸収するし、学生だと忘れて危ねえヤマに突っ込んじまった時は流石にちょっと焦ったが、それすらも乗り越えて実績を勝ち取った。本当によく頑張った。お前は立派なヒーローだよ!私が認めてやる!!」
「こちらこそ、1週間もご指導いただきありがとうございました!結婚式はいつにしますか?」
「調子乗んな!!」
股間を蹴り飛ばされた。きっと愛故の行動だろう。可愛いでしょう?俺の嫁なんですよ。
「次はインターンだな。お前は変態すぎて声がかからねぇと思うから受け入れてやるよ!うん、仕方ねぇから受け入れてやるよ!だから他所に行ったら蹴り飛ばすかんな!!?」
「インターン is 何?」
「知らねぇのか?なら調べてこい!こっちもピンク髪から聞いた情報や
「理不尽がすぎる。だが了解」
インターンが何かわかんねぇけど、会社の体験みたいなもんだろ?それを体験するためにミルコがツンデレな感じで誘ってくれたわけだ。これはもうケーキ入刀だろ(超理論)。
最後に宿題を残して、長かった職場体験も終了し、ミルコは再びパトロールと言って跳んで行ってしまった。現地解散の極みだな。俺も頑張って式場を探しておくよ。
帰り際に情報共有のために連絡先をくれた。俺はこれを得る為に職場体験を頑張ったと言ってもいいくらいの結果だろ。その場で軽く喜びの舞を披露してたら電車に乗り遅れた。解せぬ。
本当に濃い1週間だったな。
俺は明日からミルコなしでの生活に満足できるのか…?
まずはこの悲しい気持ちをポエムにして、俺の腹筋の自撮りと一緒にミルコに伝えるところから始めよう。
ブロックされた。
熊手男「ヒーロー殺しと脳無、さてどう報道されて……またあのふざけたクソガキがぁぁぁぁぁぁァァァァァァ!!」
自称ラスボス「ほぅ?成る程、彼が後継者かい?オールマイト…!」