いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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レース終わりに革命を

 

 救助レース終了後の更衣室にて…

 

「久々の授業汗かいちゃった」

「俺 機動力課題だわ」

「情報収集で補うしかないな」

「それだと後手にまわんだよな。お前とか瀬呂が羨ましいぜ。それより石楠花あのミサイル何だよ!凄ぇけど怖かったぜ!?」

「ホーミング確殺シャコヘッドバットだ。高速で突撃し、相手は死ぬ」

「「「殺しちゃダメだろ!?怖ぇよ!!」」」

 

 いい必殺技なんだがな。殺の部分に重きを置いたスペシャル技だ。俺にもダメージが返ってくるがな。

 

 まだ改良の余地はあるはずなんだ。例えば地面に着弾直前に空気を蹴って軌道を変えるとか。速度を保ったまま空気を蹴りまくって1人ピンボールシャコパンチするとか。相手は死ぬ。

 

「おい緑谷!!石楠花!!やべェ事が発覚した!!こっちゃ来い!!」

「ん?」

「Rは?」

「18!!」

「行こう」

「待って!?僕も!?」

 

 Rは18か、ならば俺の出番だ。俺、峰田、緑谷、こんなにも頼もしい18戦士が揃えば解決できない問題なんてない。聞こうじゃないか峰田。

 

「見ろよこの穴ショーシャンク!!恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう!!隣はそうさ!わかるだろう!?女子更衣室!!」

 

 流れ変わったな。スケベな男共の顔が一流の戦士のような表情に変わった、スケベどもめ。だがそれでいい!!

 

「峰田くんやめたまえ!!ノゾキは立派なハンザイ行為だ!!」

「オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為なんだよォォ!!」

 

 ハンザイとバンザイをかけたのか峰田。ラッパー目指すつもりか峰田。言ってることは最悪だけどカッコいいぜリリック峰田。

 

「まぁ待ちな」

「石楠花くん!!」

「石楠花先生!もういいよなァ!?オイラは行くぜ!浪漫を覗きに!八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディに蛙吹の意外おっぱァァァ!!」

「ここで覗いちまったら…上の次元のエロスに辿りつけねぇぜ?」

「ァァァァ………詳しく」

「うわぁ!?急に落ち着かないでよ峰田くん!?」

 

 甘ェ、甘ェよ峰田 実。キャラメルフラペチーノより甘ェよ。

 

「ここで覗くとするだろ?」

「うん」

「今の欲求は満たせるだろ?」

「うん」

「家帰って抜くだろ?」

「うん」

「流れるような最低の会話だ…」

 

 シャラップ、今いいところなんだ。今の俺たちを批判していいのは人生で抜いたことがない聖人だけだ。

 

「だが峰田…これをオカズにすると……性欲よりもロマンで抜いちまうことになる」

「…!?」

「覗き穴というものは、この先に女体が見えるかもしれないと言う高揚感が燃料だ。確かに壁の向こうに女子はいる。だが本当に壁の向こうへ穴が繋がっているか分からない。例え覗いて裸体が見えたとしても、こんな光も何も差していない小さな穴から見える景色なんて、精々暗く霞んだ壁の一部ぐらいよ」

「…!?」

「そこに俺たちは無限の想像力という名のスパイスを記憶の中に放り込む。一瞬見えたような気がする肌色は、一体誰の何処の部分なのか!?とかな。そうして想像力でオカズを調理し、完成したオカズをロマンで食べるんだ」

「あぁっ…!?」

「断言しよう、峰田…今やろうとしていることはエロスだが峰田の求めるエロスではない!!興奮してA⚪︎の開始早々のインタビューで全てを出し切ってしまうように、覗き穴という単語だけに興奮して女子が全く絡まないフィニッシュを迎えようとしているのと同じなんだ!!」

「あっ……あぁっ…!?」

 

 膝から崩れ落ちる峰田。すまねぇ峰田…現実は得てして残酷なんだ。「そんな…」とか「エロマイスターのオイラが無機物に…?」とか言ってるけどそういうもんだ峰田。

 

「全男子に問いかける熱意ある演説を聞いた」

「だが納得できてしまった自分がいる」

「同意」

「ん?石楠花は何を語ってるんだ?」

「知らなくていいよ轟くん」

 

 むっつりスケベどもがよぉ。高揚感を隠し切れてないのは知ってるんだぜ?上鳴が致命的なダメージをくらって崩れ落ちてるけど、そういうもんだと思っておこう。

 

「峰田…女体とは掴み取るものだ」

「石楠花先生…?」

「悔しい気持ちも分かる。俺だって悔しい。血涙が出るくらい悔しい。だからこそ、今は真の女体を拝むための準備期間だと思うんだ」

「先生…!」

「空腹でご飯を食べると格別に美味しいように、ロマンを乗り越えた先にある女体はきっと……!断言できる、きっと……!!新年を迎えるご来光のように深く心に染み渡るものだと…!」

「先生…!!」

「立ち上がろう峰田!俺たちの女体に対する探究心はこんなものなのか…!いざ来たる日のために心身ともに恥ずべき点がないほどに磨き上げ、天上から恵まれる蜘蛛の糸を掴み取ろう!」

「うおぉぉぉォォォ!!オイラが間違ってた石楠花先生ェェ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それはそうとして一回覗いておこうぜ峰田」

「賛成」

「台無しだよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 覗いた。ジャックが飛んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

 

「えー…そろそろ夏休みも近いが、もちろん君らが30日間、1ヶ月休める道理はない」

「まさか…!」

「ミッドナイトの自宅泊まり込み訓練か…!」

「黙れ石楠花」

 

 合理的だと思ったんだがな。プロヒーローの元で共同生活、完璧だな。緑谷なんて「オールマイトの自宅…!」とか言ってるぞ?ストーカー予備軍だよ。

 

 だが今は置いておこう。夏休みにやることといえば一つしかないだろう。この先の言葉はきっと俺をワクワクさんに導いてくれるはずだ。オラ、ワクワクすっぞ!

 

「夏休み林間合宿やるぞ」

「知ってたよ──!やった──!!」

 

 林間合宿、いい響きだね。林間合宿、泊まり込み、見回り、女子部屋潜入、除籍、最悪の流れ想像できたわ。

 

「肝試そ──!!」

「風呂!!」

「花火」

「風呂!!」

「カレーだな…!」

「行水!!」

 

 半分くらい峰田の意見だがいいのか?公平性に欠けるな。俺も参加させてもらうとしようか。

 

「林間合宿に行って現地の年上のお姉さんプロヒーローでも可にあって手取り足取りレクチャーされて親睦を深めて一緒にご飯を食べてお風呂場でバッタリ出くわして顔を赤らめながらも恥ずかしそうに混浴を勧められてお互い赤面しながらも背中合わせで親睦を深め合ってその後に目を合わせただけで意思疎通ができるようになる仲まで関係が深まっちゃうドラゴン!!!」

「黙れ石楠花」

 

 この扱いの差よ。

 

「自然環境ですとまた活動条件が変わってきますわね」

「いかなる環境でも正しい選択を…か。面白い」

「湯浴み!!」

「寝食みんなと!!ワクワクしてきたぁあ!!」

 

 年甲斐もなくワクワクしてきた。全然まだ高校1年生で若いけど年甲斐もなくワクワクしてきた。

 

「ただし!その前の期末テストで合格点に満たなかった奴は……学校で補習地獄だ」

「みんな頑張ろーぜ!!」

 

 期末テストか…何も問題はないな。ちゃんと授業を受けていれば80点を下回ることなんてまず無い。

 

()()()()()()()()()()()()()とはいえ、この程度で補習はあり得ないな。我、石楠花ぞ?

 

「頑張れよ愚民共。俺は神の視座を持って遥か高みから応援してるぜ下等生物共を」

「何だこの偉そうな奴!?」

「引きずり下ろせ!救わねぇ神なんて神じゃねぇ!!」

「革命は人間の手で起こすもんだ!!邪智暴虐を地上に下ろすぞみんな!」

「石楠花、お前は1教科でも80点を下回れば除籍な?」

「えらいこっちゃ!?そんな横暴が許されていいはずがない!」

「Plus ultraだ」

「便利な言葉!?」

 

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

 

「ヒーロー殺し…捕まるとは思わなかったが概ね想定通りだ」

 

「暴れたい奴…共感した奴…様々な人間が衝動を解放する場として敵連合を求める。死柄木 弔はそんな奴らを統括しなければならない立場となる!」

 

「出来るかねあの"子ども"に。ワシは先生が前に出た方が事が進むと思うが…」

 

「ハハ…では早く体を治してくれよドクター」

 

「"超再生"を手に入れるのがあと5年早ければなぁ…!傷が癒えてからでは意味のない期待はずれの個性だった」

 

「いいのさ!彼には苦労してもらう!次の"僕"となる為に」

 

「あの子はそう成り得る歪みを生まれ持った男だよ」

 

「今のうちに謳歌するといいさオールマイト。"仮初の平和(茶番)"をね」

 

 

 

 

「茶番が終わった後には、君に息絶えてもらうとしようか」

 

「因縁があるからね、ただ殺すだけじゃあ面白くないだろう?」

 

「君には苦しんで、苦悩して、歪んだ表情のまま息絶えて欲しいのさ!」

 

「手始めに君の希望である可哀想な後継者を目の前で殺してあげようか!惨たらしく、徹底的に、希望を持つことは悪であると分からせるように!」

 

 

 

 

 

 

 

「君の後継者!ワン・フォー・オール9代目継承者 石楠花 鱗くんを!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅっ!」

「どうした?風邪か?火か氷いるか?」

「いや、大丈夫。何か勘違いの波動を感じただけだから」

 

 

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