いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

69 / 75

日常回という名のキチゲ解放回その2です。
次回より林間合宿編スタートです。林間合宿に入るまでに70話、回り道しながら頑張ります。

ヒロアカ、テレビアニメ完結おめでとうございます。



水着回で脚光を浴びる変態はいかが?

 

 林間合宿の行き先は不明のまま、それでも日常は進む。

 

 待ちに待った夏休みの到来。まだ夏休みには突入していない段階から、長期の休みを感じ取って常にワクワクしていたのは人間の心理なのか?パブロフの犬的な?

 

 まぁ俺たちはヒーローを目指す高校生、林間合宿もあることで全て休めるとは思っちゃいないが、それでも羽を休めたくはある。

 

 その始まりの扉が、今、開いたのだ。天使が迎えに来て持ち上げてくれているような開放感。実際に今1mmぐらいは宙に浮いていると思う。

 

 開放感による全能ブーストを決めているところ、一本の電話がかかってきた。内容によっては極刑ものだぞ?俺のパーフェクト自堕落タイムを邪魔するのだからなぁ!!

 

 電話の相手は……峰田。極刑確定だ。お前は俺を怒らせた!

 

 

 

『よぉ石楠花!今大丈夫か?』

『しもしも〜?やぁ峰田くん元気かい?僕は元気だよ!……首刈り・腹削ぎ・胴斬・股裂き、好きなモノを選べ』

『いきなり怖ェよォ!?何だよいきなり!?オイラが何したってんだ!?』

『お前は俺を怒らせた!』

『だから何だってんだよォォォ!?』

 

 この程度で勘弁してやろうじゃないか。彼は私のソウルメイト、無闇に罰するなんてあろうことがございません。

 

『冗談だ、一体どうした?振り込み詐欺か?』

『違ェよ!石楠花、明日プール行こうぜ!オイラと上鳴と緑谷で学校のプールのトレーニングでの使用許可を取り付けたんだよ!一緒に訓練しようぜ!』

『本音は?』

『その日に女子が学校のプールで遊ぶらしいから水着を目に焼き付けたい』

『乗ったッ!!』

 

 成る程それは良い。眼福だ。夏休みを一言で表すと、『合法的に水着を眺められる神ウィーク』に落ち着く。

 

 峰田と上鳴と緑谷の組み合わせが珍しいな。大方あの2人だけじゃ説得力に欠けるから、緑谷を経由することで相澤先生の印象を良くし、案が通りやすくなるようにしたのだろう。ナイスフェイク判断。

 

 きっとお前達2人なら裏を読まれて時間がかかっただろう。そして多分俺もそうなる。

 

 だから緑谷と百からプールのお誘いが来たのか。

 

 緑谷は純粋に峰田と上鳴のトレーニングを真に受けて、クラスの男子を誘っているんだろうな。残念だな峰田上鳴、お前たちの野望は叶わない。

 

 百からも明日学校のプールで女子と遊ぶのでどうかと連絡が来ているな。

 

 女子6人揃う中で野郎1人誘って一体どうするつもりだったんだ?俺の存在を知らされてなくて周りからヤベェ目で見られたら生きていけないんだが。

 

 でもプールに参加することは確定しているので、とりあえず『let's パンツ!』と送っておこう。

 

 緑谷からは『?型のオールマイトスタンプ』が送られてきた。オールマイトが『?』を浮かべてるんじゃないぞ?オールマイト自体が『?』になってるスタンプだ。『?』の中心にアメコミ顔があり、手足が生えている。

 ニッチなスタンプ持ってるな緑谷。趣味は尊厳破壊か?

 

 百からは『何かの隠語ですか…?無知で申し訳ございません…お母様とお父様に確認してみますわ!』と返事が来た。

 とんでもねェ二次被害が起きた。

 

 

 

 ▽

 

 

 

 待ちに待ったプールトレーニング当日、俺は目の前で虚空に向かって項垂れている峰田と上鳴を見下ろしている。

 

 原因は簡単、目の前に広がるこの光景。

 

 全男子がトレーニング目当てで集まり、女子はビキニではなくスク水。

 

 よかったな、この光景を見れたのは緑谷の尽力のおかげだぞ。感謝しろよ緑谷に。筋肉の占有率がちょっと高いけど感謝しろよ緑谷に。グループメッセージに連絡じゃなく、個別に聞いて回った配慮に感謝しろよ緑谷に。

 

 百を見つけたので、ちゃんと来たよという意味を込めて手を振っておく。俺に気づいて手を振ってくれたが、俺の体を見て顔を赤らめて後ろを向いてしまった。何故だ?

 

「石楠花…お前相変わらずとんでもねェ体してるよな…」

「普段パンイチをよく見てるけど、プールサイドで改めて見ると雰囲気が違ェな…」

「海パンがとんでもねェ盛り上がり方してるぜ」

「そう誉めてくれるなよ〜!HAHAHA!」

 

 褒められて嬉しいけどもどうしたコイツら?野郎の裸なんて褒めて何が目的だ?ソッチ系か?俺の完璧な黄金比の肉体を見れば感嘆しか出ないが、怖いな。離れておこう。

 

「おい石楠花が偏見に塗れた目で俺たちを見てるぞ!!?」

「誤解だ石楠花!?」

「ある事ない事付け加えて話そうとするな石楠花!?」

 

 話さねェよ。そんな周囲同時精神攻撃みたいな話を聞いて誰が嬉しいんだ。自意識過剰極まれりかよ。

 

「石楠花のそのパンツ何なんだ?」

「パンツじゃない、海パンだ。ホワイトブーメランパンツ(海水パンツver)だ。特別に轟君に一枚進呈しようじゃないか!お母さんの前で履いてあげるといい」

「いらねぇ」

 

 もちろん俺はホワイトブーメランパンツ(海水パンツver)だ。俺の魅力を余す事なく伝えるためにはコレしかないのさ!俺の一張羅です。

 

「よし!みんなトレーニング始めようぜ!今日は俺の筋肉をイジメ抜くと決めているんだ!泳ぎが1番遅い奴はタイキックな!」

「最悪だ!?」

「筋肉ゴリラのタイキックなんて嫌すぎる!」

「森に帰れ!」

「バナナ食ってろ!」

 

 ひでぇ言われようだ。これはもう女子に慰めて貰うしかない。

 

「そんなわけで酷く傷ついた俺の心を慰めておくれ女子のみんな。近くでスク水見せてくれるだけで良いから」

「「「それ以上近寄るな!!」」」

「泣きそう」

 

 追い討ちをくらっちまった。もうダメだおしまいだぁ…!

 

 全員顔を赤らめて後ろ向いてしまった。いつも俺のパンイチを見て、何なら縛り上げて引きずり回していたバーサーカーが何をしおらしい反応してるんだ。こっちも反応に困るだろ。

 

「我が妹、どうした反対向いて。そっち壁しかないぞ」

「近寄るな!」

「芦戸、そっちに何が…」

「近寄るな!」

「葉隠、そっちに何が…」

「近寄らないで!」

「梅雨ちゃん、そっちに何が…」

「近寄らないでほしいわ」

「麗日、緑谷の裸が…」

「近寄らんといて!」

「百、プロレスしようぜ」

「近寄らないでくださいまし!」

 

 一体その壁に何があるんだ。穴が開くぐらい見つめないであげてくれ。そんなに俺の体を直視できないもんか?いつものパンイチと何が違うんだよ。パンツか海パンかの違いだけだよ。海パンフェチか?

 

「芦戸ォ…こっちを向けよ芦戸ォォォ…!筋肉を目に焼き付けたいんだろォォォ…?」

「来ないで変態!アレは変態…!アレは変態…!大丈夫…!推しの筋肉を思い出して変態の体を忘れること…!よし…!よし…!」

「残念だが…そのお前の推しも筋肉量・肉体美・バランス・顔、全てにおいて俺が勝ってしまう定めにあるんだ…ごめんな?俺が完璧すぎてお前の記憶を塗り替えちまった。次は俺の筋肉で興奮するといい」

「うわぁぁぁぁぁぁ!?推しがっ…!推しの筋肉が変態に侵食されていくっ…!?変態の筋肉しか思い出せなく……うわァァァァァ!?」

 

 俺にかかればこんなもんよ。ごめんな?俺が完璧すぎて。年頃の娘には刺激が強すぎる肉体美でごめんな?一列に並べ、1人ずつ性癖を破壊してやろう。

 

 それで百はさっきからどうした?チラチラ手の隙間から俺の股間ばっかり凝視してるけど。思春期だもんね、しょうがないね。ちょっとぴちぴちすぎたね。

 

 もしかしてそれが原因かもしれない。普段のパンイチはゆとりあるタイプのパンツだけど、今日の海パンはピタッとブーメランタイプだ。

 

 俺のお稲荷さんがこれでもかと主張しすぎたから女子は顔を赤らめていたのか。どうりで今日は視線が下の方ばっかり見て、俺の目線と全く合わないと思ったんだ。ふっ…罪な股間よ。罪チン罪チン。

 

 なら体育祭の観客席でブーメランパンツ一枚の俺と話してたB組のオレンジサイドテールちゃんは凄かったんだな。きっと己の欲望に打ち勝って俺と話してたのか。むっつりタイプか?

 

 もしかすると全体的にB組女子は凄いのかもしれない。パンイチの俺に話しかけてきた子もいたしな。初心じゃないのか?今度パンイチで教室に突撃してみよう。

 

 なんて事考えてたら男連中め、各々トレーニングを始めてやがった。華麗なるスルーで俺の心はボドボドだ。

 

 俺もトレーニングに混ざろう。女子も変態に絡まれるよりもプールで遊びたいだろうよ。今日の俺は絶好調だからな、心の傷はもう治った。完璧よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから……油断してたんだろうな。俺も調子に乗りすぎたんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に妹と戯れようと思い近づいたのがいけなかったんだ。

 

 耳郎も耳郎で俺をぶっ飛ばそうと思ったんだろうな。赤い顔のまま振り返って俺をぶん殴る準備をしてこっちに一歩踏み出した時……

 

 

 まさか足元に置いてあった浮き輪に足を取られるなんて……

 

 

 そのまま前にふらついたから咄嗟に受け止めようとした俺もダメだったんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 まさか俺の股間に耳郎の顔が余す事なく直撃し、股間が彼女の顔を受け止めるクッションになるとは思わなかったんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 時が止まったね。男連中はプールでバタバタしてたけど、女子と俺は確実に動き出すまで5秒ぐらい時が止まった。悲しい事故だった。耳郎の呼吸しか感じない。

 

 どちらも悪くない不運が招いた悲しい事故だ。強いて言えば俺がもっと早く離れていればよかったんだ……

 

 

 耳郎ごめん。あとで土下座で謝る。菓子折りも送る。何でもしよう。俺ができる事なら何でも。

 

 

 だから耳郎……

 

 

 

 

 

 

 

 股間に本気のイヤホンジャックは、人類の到達点さえも意識を刈り取られる致命の一撃になるから、もう二度とこの技の餌食にならないように俺真面目に頑張るよ。

 

 

 

 

 

 

 俺は意識を手放した。爆音鳴り響く股間と、真っ赤な顔をしたイヤホン修羅が最後に見えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

「もう17時だお前ら、切り上げてさっさと帰……何やってんだ石楠花」

先生…私は罰を受けてます(ふぇんへい…わたひふぁばづをゔげでまず)

「そうか…頑張れよ。さっさと帰れお前ら」

 

 すげぇスルーされた。もっと俺に興味持っていいと思うんだけど僕ぁ。自慢の教え子の顔が原形無くすくらいボコボコにされて、石抱して、首から『私は女性の敵です』プラカード下げてるんだぜ?気になる要素満載だろ。

 

 そろそろ足の感覚が無くなってきたな、誰か助けてくれ。俺の股間ちゃんとある?誰か助けてくれ。おい目を逸らすな、誰か助けてくれ。

 

 昼頃からプールに来て、海パンに着替えて、野郎共と交流を深めて、女子にセクハラして致命傷をおい、正座拷問。俺今日まだプールに入ってないんだけど。

 

 ただ海パンに着替えてセクハラして粛清されただけなんだけど。ただのいつも通りの俺の日常じゃん。何しに来たんだよ。

 

 まぁこれも青春の一幕か。切磋琢磨して己を磨き上げ、親睦を深める。共通の敵が出たら、手を取り合って撃退する。撃退されたものは拷問。世の中の良い循環だな。

 

 野郎共は水泳で体力を強化し、女子は脳が人類最高峰の筋肉で侵食され性癖が歪み、俺はパンツ越しに感じた耳郎の唇の感触をオカズにする。

 

 今日は全員得るものを得れた素晴らしき日になった。夏休みとはこうでないと。まだ始まったばかりで、こんなイベントが続々と始まると思うとワクワクするな。

 

 明日はどんな出会いが待っているのだろう。どんな未知が待っているのだろう。どんな運命が待っているのだろう。

 

「耳郎、今日はありがとな。我が妹の未来に幸多からんことを」

 

 

 

 修羅に玉を破壊されかけた。

 何とか破壊を免れたが、必ず破壊してやるという意志が込められた殺気に冷や汗が止まらねェぜ!

 

 





書き溜めを全て放出っ!
今書いてますので少々お待ちください!
1話書くごとに1000キロカロリーぐらい使ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。