いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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やはりハジケリスト、ハジケリストはすべてを解決する。

感想欄でのハジケリスト祭りがすごい。


ミッション:インパクトを残せ!

危なかった。本当に危なかった。

危うく浮かれすぎて寝坊するところだった…

ウキウキしすぎて眠れないからって落雁の可能性の探究なんてするんじゃなかったな。

 

そして遂にやって来たぞ新世界へ!

へへっ、流石雄英高校…!門がデカいぜ…!

入試に来た時とプレッシャーが違ぇや…!

 

とりあえずクラス分けを確認して「おぉ!石楠花じゃねぇか!やっぱり受かってたんだな!!」…お?この暑苦しい声は聞き覚えが…あ。

 

「オッスオッス。久しぶりじゃあないの、鉄哲」

「おう!お互いおめでとうだな!」

「だな。クラス表見たか?」

「いやまだだ!今来たところだからな」

「同志よ。じゃ、一緒に見ようぜ」

「おう!」

 

改めて思うけどめっちゃ好青年だよな。

出会って2回目でここまで気持ちのいい返答できる?俺は出来ない。何聞かれても「サラダバー!」としか言えない自信がある。

 

そうこうしてるうちにクラス表の前まで着いた。

 

「俺は………A組だわ。鉄哲は?」

「俺はB組だ!クソー、違うクラスになったか!だが石楠花!違うクラスになっても俺はお前に挑むぜ!試験では遅れをとったがもう怖気付いたりしねぇ!俺は逃げねぇヒーローになる!じゃ、またな!お互いがんばろーぜ!!」

 

そう言って鉄哲は去っていった。

 

なんて暑苦良い奴なんだ!

体感的にはゲリラ豪雨にあった気分だが、心の中は春一番が来たかのようだ!お陰で巫山戯る暇もなかったぜ!

 

なら俺も我が教室まで向かいますか。

せっかくの初日だ。未来のヒーロー仲間たちに未来永劫思い出に残るプレゼントをしたいところだが…

 

 

 

あれ?A組の前で突っ立ってんの緑谷君じゃね?

 

 

「オッスオッス、緑谷じゃあないの。受かったんだね、おめおめ」

「あっ、石楠花君!君も受かったんだね!」

「当たり前じゃあないの。なんたって落雁の貴公子だぜ?」

「ハハッ…そうなんだ…」

「全力の愛想笑いをありがとう」

 

俺は心が広いからな。愛想笑い程度じゃ口詰め落雁の刑にはしないのよ。

それよりも緑谷君がA組の前にいるってことは……

 

「お主もA組でごじゃりまするか?」

「えっ、話し方どうしたの!?ぼ…僕もA組だけど…石楠花君も?」

「もち」

「そっか…!知ってる人がいてよかったよ。実は教室に入るのが不安で不安で…」

 

不安なのか。そうか~(大歓喜)♪

 

「よし、ここは俺に任せろ。石楠花家は先祖代々印象良く教室に入ることに長けた一族なんだぜ?」

「それ噓でしょ!?嫌な予感しかしないからやめて!?」

「そうか、泣くほど喜んでくれるか。優しいな緑谷は。その意気込みに応えて俺の全身全霊を懸けて成功させてやるよ!」

「話聞いて!?」

 

 

 

 

 

 

ガラッ…

 

 

 

 

 

「ええーい、控えい控えーい!!このモサモサヘアが目に入らぬか!ここにおわす御方をどなたと心得る!こちらにおわすは、折寺のアルティメットヒーローマニア、緑谷出久公であらせられるぞ!頭が高い、控えおろう!!」

 

 

「「「……」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ?ものすごい勢いでクラスの輪に溶け込めただろ?」

「大失敗だよ!?」

「えぇー…インパクトを残せたのに何が不満なんだ?」

「全部だよ!?」

 

注文が多いなぁ…インパクト残せたらそこから自然に「お前カッケェな!」となって。ベルトコンベア並みの安定した生活を送れるというのに。

 

「見てみろよ緑谷。羨望と期待の目で皆お前のことを見つめてるぜ?」

「僕には憐憫と同情の目に見えるよ………」

「諦めるな、これがハジケリストへの道だ」

「ハジケリストって何!?」

 

最高のスタートダッシュを決めれたな緑谷。

これで3年間友達に困ることはないぜ!じゃ俺もまずは挨拶から「君達は!」おい俺にも挨拶させてくれよ。

 

「俺は私立聡明中学出身 飯田 天哉だ!」

「えっと…僕緑谷。よろしく飯田君…」

「聞かれたならばお答えしよう!俺は愛と正義の名の下にラブリーチャーミーな敵役ではなく、銀河を守るシャコット団として白い明日を待ち続けている石楠花 鱗様だ!よろしく頼む!」

「ああ!名前以外何を言ったか全く分からなかったがこれからよろしく頼む!」

 

 

「「「(いやなんで会話成立したの?)」」」

 

「考えるな、感じろ」

 

「「「(コイツ心のツッコミにまで反応しやがった!?)」」」

 

考えたら負けだ。

 

 

すると前からずかずかと足音を立てながら近づいてくる存在がいた。

 

 

「おい舐めプ野郎!」

「何かな?ソウルメイト」

「うるせぇ!!キショいんじゃクソが!さっきからうるせぇんだよテメェ!!」

「その言葉めっちゃブーメランじゃん。ウwケwルww」

「うるせぇ死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

おいおい初日から引くほど元気じゃないかよ。

 

「気付いてるか?皆お前を珍獣を見るような目で見てるぜ」

「見てんじゃねーよ!!」

「それはきっと自己紹介をしてないからだと思うんだ!だからyouも自己紹介しちゃいなyo☆」

「誰がするか!!」

「えっ…まさかデ☆キ☆ナ☆イ☆ノ?」

「出来るぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

はっ、チョロさチョロチョロチョモランマだな。

 

「俺ぁ爆豪勝己だ!!これでいいかクソが!!」

「つまんね」

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!」

 

鱗は流れるように爆豪を弄びながら先程から声が聞こえなくなっていた緑谷が気になり振り返ると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。

 

「プレゼント・マイクが言ってた通り受かったんだね!そりゃそうだ!パンチ凄かったもん!!」

「いや!あのっ…!本っ当あなたの直談判のおかげで…ぼくは…その…」

 

あの緑谷が照れながら女の子と話していたのだ。

もう一度言う、あの緑谷が照れながら女の子と話していたのだ。

 

 

鱗は膝から崩れ落ちた。

 

 

「どうした石楠花君!?膝から崩れ落ちたぞ!?大丈夫なのか!?」

「飯田ぁ……俺ぁもう…ダメだ…!」

「一体何が起きたら先程まで元気が溢れていた君が崩れ落ちる事態になるんだ!?」

 

まさか女の子と話すと意気込んでいた俺が緑谷に抜かされるとは…!何という体たらくだ!初日からもうダメかもしれねぇ…

 

死にかけの鱗にクラス中が困惑するが、捨てる神あらば拾う神あり。鱗の元に救世主達がこの後現れることとなる。

 

「大丈夫?いきなり崩れ落ちたけど」

「大丈夫かしら石楠花ちゃん?」

 

透明な見た目の女の子とカエルのような女の子だ。

 

「……救世主(メシア)?」

「違うわ石楠花ちゃん」

「頭も打ったのかな?」

 

まさか心配で話しかけてくれるとは…!

君達はヒーローだ!誰がなんて言おうとヒーローだぜ!

クソしょうもない理由で崩れ落ちた俺の心配をしてくれるなんて絶対メシアだろ!いや、ヴィーナスか!

 

はっ!周りをよく見てみろ石楠花 鱗よ!

他の女の子達も心配そうに見てくれているじゃあないか!

えっ、男も心配してくれてる?馬鹿野郎!鱗ちゃんフィルターには女の子しか映ってねぇよ!だがありがとよ!

 

「ありがとう、もう大丈夫さ!今なら富士山からパラグライダーでバク宙決めながら飛び降りれるわ」

「無事でよかったけどそれだけはやめてほしいわ」

「良ければお名前をお聞きしても宜しいかな?お嬢さん達」

「私は蛙吹 梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで」

「私は葉隠 透だよ!」

 

成る程、如何にも天使って名前だな。どのくらい天使かっていうとマジ天使だわ。

 

「オッケー、梅雨ぽんにトーちゃんだな。原子配列の覚え方並みに覚えたぜ」

「梅雨ちゃんと呼んで」

「トーちゃんはお父さんみたいでイヤだよ!!」

 

ていうか葉隠さん透明なんだな。透明人間って本当にいたんだ。ならツチノコも何処かにはいるな。

でも俺の目には透明でも見えるんだよね。可愛い顔してるレディだよ。こんな子が透明を利用して全裸でいたら鼻血の勢いで天井に刺さる自信があるね。

 

ワイワイ話す新高校生。ヒーローを目指す卵といってもやはりまだ若いのだ。友達を作ろうと皆が各々周りと話している。だからこそ扉に近づく不審者(ヒーロー)の存在に気付かなかった。

 

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」

 

 

「「「(なんか!!いるぅぅ!!!)」」」

 

そこには寝袋に入りながらゼリーを一息で食べる不審者が寝そべっていた。しかし皆が動揺する中、この男一人だけは次なる行動のため動いていた。

 

 

「あっ!野生のポリスメンが!!」110番!

 

「通報はやめろ石楠花」

 

不審者は皆口々にそういうんですよ。そんな言葉で止まるほど俺は甘くは……でもこの不審者何処かで見たことあるんだよな。

 

「ハイ静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね」

「「「(先生!?)」」」

「担任の相澤 消太だ。よろしくね」

「「「(担任!?)」」」

 

まさかの先生。そしてまさかの担任。皆が不審者だと思った男はまさかのヒーロー科の担任だったのだ。その事実に多少なりとも動揺する中…

 

「貴方が齧歯類が言ってた相澤君か」

「何様だお前は。あと齧歯類じゃない、校長先生だ」

 

マイペースだった。

そしてクラスメイト達も鱗の初対面でのキャラが濃すぎたため、この短時間でありながら鱗の発言に段々と慣れて来てしまっている。

 

 

クラスを石楠花色に染め上げられる時間は刻一刻と迫っている…

 

 

 

 

 

 


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