いや、人ん家の前で何やってんの?   作:ライムミント

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筆の進みと話の進みが比例しない。新手のスタンド攻撃…?



飯だぜ飯、待ちに待って……美味ェェェェ!

 

 ウロコは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の先生を除かねばならぬと決意した。

 

 ウロコには乙女心がわからぬ。ウロコは、よくわからぬ一族の生まれである。

 

 ホラを吹き、女性と遊んで(セクハラして)暮らして来た。

 

 けれども邪悪(先生)に対しては、人一倍に敏感であった。

 

 きょう未明、ウロコは謎のパーキングスポットを出発し、野を越え山越え、車を追走、休憩時間特になく、よく分からんぐらいの距離を離れた此の宿泊施設にやって来た。

 

 そしてかけられた一言。

 

「お疲れ。途中遅れてたぞ」

 

 ウロコは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の先生を除かねばならぬと決意した。

 

 

「とりあえずプッシーキャッツ繋がりで、猫に好かれなくなる呪いをかけておきますね」

「おいやめろふざけんな」

 

 妥当だと思う。もう少し労いがあってもいいと思うんだ僕ぁ。

 せめて水分休憩が欲しいよね。走りながら水分は取りにくいんだよ。マラソン用のボトルくれよ。

 

 結構なスピードで走るし、嫌がらせのようにピクシーボブが窓からニヤけながらお菓子食ってる様を見せつけてくるし。

 

「いや、車と並走させるなんて我ながら酷い話だと思うけど、よくケロッとしてられるね…しんどくない?大丈夫?結構走った筈なんだけど…」

「バビロン真拳奥義『モロッコの流れ』を使いましたからね」

「何それ!?」

 

 まぁ俺にかかれば車と並走なんて訳もないぜ。流石に車の前を走れとか言われてたら全力で車ごと投げてたかもしれん。

 

 でも体力はやっぱり入学当初よりかは増えた気がするな。並走しながら落雁を一袋食えたし。入学当初ならきっと半袋でギブアップだったろう。成長だな。

 

「さて、まずは飯ですね。お腹が空きすぎて背骨を超えて虚空と引っ付いてます」

「どうなってんのそれ?お腹ペラペラじゃん。そういう個性?」

「気合いです」

「気合いだけで人の体は上限突破しないのよ。もはや人外の領域なのよ」

「でもご飯は先に食べちゃってていいでしょ。3時間でこの森を踏破してここに来るのは無理でしょうし。貴方から見てどうイレイザー?」

「ええ、どれだけ早く見積もっても昼は超えますね。昼過ぎから夕方辺りが妥当かと。という訳だ石楠花、アイツらはまだまだかかりそうだから先に昼飯食ってろ。食い終わったら先に訓練を始める」

「騙したのかっ!?俺の友たちをっ!! 合宿をっ!! 昼飯を楽しみにしていた友たちをっ!! 嘘の時間を語って騙したのかあぁぁぁっ!!…遅くて騙される奴らが悪いな昼ご飯は何ですか?」

「変わり身の速さが人類一速いわね」

「友を切り捨てる速度に脱帽だわ」

「馬鹿やってないでさっさと移動しろ」

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 PM5:20

 

 やっとクラスメイト諸君が到着した。結構待ったな、訓練が捗ったよ。プロヒーロー3人VS俺1人というデス組み手が始まったけど何とか凌ぎ切ったぜ。謎の生物を見るような目で見られたこと以外特に問題ないな。

 

 

「や──っと来たにゃん」

「やっと来たにゃんか?」

「うん、やっと来たにゃん」

「にゃん?にゃにゃにゃにゃにゃん?」

「にゃんにゃんにゃにゃにゃーん」

「は?何言ってんだアンタ。それでもプロヒーローか?」

「何で急にハシゴを外すのよ!?アンタが先に言いだしたんでしょうが!?」

 

 いいね。木魚を叩いたら大多羅のような音色が返ってきた気分だ

 見てなさい洸汰くん。これがヒーローとしての在り方だよ?

 

 だが確かに遅いな。午前中から出発して、もう夕方だぞ?17時だぞ?晩飯じゃん、ご愁傷様です。僕は美味しくご飯を食べました。

 

「とりあえずお昼は抜くまでもなかったねぇ」

「何が3時間ですか……」

「腹へった…死ぬ…」

「悪いね。私たちならって意味 アレ」

「実力差自慢のためか…」

「てか石楠花!お前何処にいたんだよ!?1人だけいねぇし!?」

「プッシーキャッツが俺に一目惚れしたらしくてな。愛を囁かれながら車と全力で並走してたのだよ。昼飯美味かったぜ愚民ども」

「1人だけ別種目してるじゃねぇか!?」

「腹立つ!峰田の数倍腹立つ!」

「え?オイラもアレと評価一緒なの?」

 

 いや〜昼飯美味かったぜ。どれくらい美味かったかというとマジ美味いね。食レポしながら食ってたら捕縛布くらうぐらいには美味かったな。領域展開できそう。

 

 

「ねこねこねこ…でも正直もっとかかると思ってた」

「一年ぐらい?」

「そんな思ってないわよ!私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ君ら……特にそこ4人。躊躇の無さは経験値によるものかしらん?」

 

 ああ、緑谷、飯田、轟はヒーロー殺しと会敵したから緊急時の行動対処が早くなったのかな?

 

 爆豪は元々です。怪しい奴がいれば爆破する。挙動不審な奴がいれば爆破する。緑谷を爆破する。そんな奴です。爆発小僧です。

 

「3年後が楽しみ!ツバつけとこ──!!」プップップ!

「うわっ!?」

「きたねェ!」

「ピクシーボブ、そこの爆豪くんは女性の唾が大好きなんです。昔よく女子のリコーダーの吹き口を凝視してました。彼はそんな男です」

「そうなの?まぁ性癖は人それぞれだしね」

「そんな訳ねェだろがシャコカス野郎が!!クソみてェな嘘つくなボケ!!」

「かっちゃん…そうだったの?」

「殺すぞクソデクがァ!!テメェだけは殺す!」

「何で僕だけ!?」

 

 美しきかな幼馴染の友愛。頑張って逃げ仰せてくれ緑谷、そんなに元気なら問題ないだろう。

 

「石楠花、爆豪は女性の唾が好きだったのか?」

「ああ、3度の飯よりも好きだと言っていたな。断言できる」

「そうだったのか、世界は広ェな」

「暖かい目で見守ってあげよう。好きなものは人それぞれさ」

「そうだな」

「気を付けろよ?轟のお母さんとお姉さんの唾を狙ってくるかもしれねぇからな」

「それお前じゃねェのか?」

「聞こえてンぞ舐めプ野郎ども!!勝手に話進めて和むなカス!!」

 

 なんだ、緑谷の処刑は終わったのか?随分早かったな。なんだかんだみんな凄え疲れてんのにお前ら元気だな。俺とランニングする?

 

 そんで何で緑谷は洸汰くんにチ⚪︎コ殴られてんの?

 爆豪に処されて、子供にまでデクの棒を処されたのか、可哀想すぎるだろ。前世でどんな悪行を積んだら棒を処されるんだよ。でも俺もジャックで処されたから似たもの同士だなブラザー。

 

 改めて見ると洸汰くんと爆豪って似てるよな。すれた感じなんか特に。ミニ爆豪の称号を与えよう。そんな不名誉な称号いらねぇか。

 

「部屋に荷物を運んだら食堂にて夕食、その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日からだ、さァ早くしろ」

「飯だぞ飯!みんな飯だ!腹一杯の奴は無理矢理食わしてやるからみんな移動しようぜ!」

「石楠花、お前はプッシーキャッツの手伝いをしてこい。元気有り余ってるだろ」

「任せてください!マンダレイ手伝いますよ、夫婦初めての共同作業ですね。足を引っ張らないように頑張ります」

「私いつの間に結婚したの!?」

「「あっあっあっ…!」」

「先生!ピクシーボブが急に倒れました!?」

「ヤオモモが痙攣してる!?」

 

 後ろで何か起きてるが急にどうした?釣り上げられたマグロの真似してるのか、レベル高いな。俺も混ざろうかな?

 

 いやまずは目先のお手伝いだ。俺の料理スキルが火を吹くぜ。

 

「結婚か……じゃあ今だけ夫婦の体で作業してもらおうかな〜」

「任せてくださいよ!僕は出来る男、石楠花 鱗です」

「アハハ!いいね!…でもあんまり君の顔で女性に愛を囁かない方がいいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

……本気にして私から離れられないようにしちゃいそうだから」

「ヒエっ…!」

 

 

 

 ハイライト何処行きました?帰っておいでハイライト。君が必要だよハイライト。

 

 走馬灯が見えた。合体、結婚式、愛を囁く2人、ウェディングドレス、悔しがるピクシーボブ、幸せな家庭、子宝に恵まれ広い庭でペットと遊ぶ……

 

 何も悪くないな。めっちゃ幸せかもしれん。

 

 笑顔に若干湿度を感じた気がするけど、至って幸せだな。幸せ指差し確認、良し!

 

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

「「「いただきます!」」」

 

 待ちに待った晩飯の時間だ。やっぱり空腹が一番のスパイスだよな。エンドレスに食えるぜ。

 

 食材が新鮮なのかめちゃくちゃ美味ェ。これが愛の力…?

 

「この唐揚げめちゃくちゃ美味ぇぜ!!」

「それ俺が作ったやつだ。ありがとな」

「お前かよ!?」

「オイラは味噌汁!女性ヒーローの手作り味噌汁ほど美味いものはないぜ!」

「それも俺だな」

「味噌汁は女性が作ってなんぼだろォが!!何で筋肉質の変態が味噌汁を作ってんだよォォ!!オイラの感動を返せよォォォ!!」

「何で高確率で変態の手料理に当たるんだ!?女性ヒーローの手料理が食べたいんだ俺たちは!そんで変態の手料理もめっちゃ美味いのが腹立つ!!」

「照れるぜ」

「「「確かに褒めてるけどそうじゃねェんだ!?」」」

 

 嬉しいこと言ってくれるねぇ野郎共。でもごめんな?俺は女子に誉められてぇんだ。

 

 その女子が何故か凹んでるけど、どうした?凄え深刻な雰囲気を醸し出している。ピクシーボブも若干凹んでたな。マジで何があった?食中毒対策には気を遣ったけど。

 

「これ石楠花が…?」

「美味しい…嘘っ…美味しい」

「女子力で負けてる…?」

「あの変態に…?」

 

「料理スキルで年下の男の子に負けた…?えっ嘘でしょ現実…?料理男子、それはそれでアリか」

 

 ボソボソ呟いてるけど、各々の苦悩があるんだろうなきっと。あんまり近寄らんとこ。

 

「石楠花、飯美味いぞ。ありがとな」

「どんどん食えよ轟、おかわりもあるぞ!」

「ああ。だが姉さんの作る料理も美味いぞ?今度食べ比べしてみてぇ」

「冬美さんの料理には敵わねぇさきっと。ゼク⚪︎ィ片手に向かうわ」

「それはいらねぇ」

 

 冬美さんの手料理は美味しいのか。食べた日にゃ空を走れそうな気がするな。この気持ちは大切に閉まっておこう。

 

 あっ、マンダレイ来た。

 

 

「石楠花くん料理上手だねぇ」

「いやいや、マンダレイの作った惣菜全て最高品質の美味しさをしてましたよ」

「そう言ってもらえると嬉しいな!あっ洸汰!どうだった?石楠花くんの作った唐揚げ、美味しそうに食べてたでしょ?」

「フン!」

「おっ?そうなのか洸汰くん、嬉しいねぇ〜!一緒に食べようぜ!この肉団子もおすすめなんだ」

「うわっ!?離せよ!?」

「マンダレイも一緒に食べましょう。食卓はみんなで囲んだ方が美味しいんですよ!あっ、洸汰くん野菜も食べよう。栄養に偏りが出て兄ちゃんみてェになれねェぜ?」

「フフっ…!そうよ洸汰、野菜食べないと大きくなれないわよ?」

「やめろよ!野菜は嫌いだ!」

「見てな洸汰くん、この組み合わせが至高なんだよ。……美味えェェェ!!美味すぎる!!なんだこの組み合わせは!?美味すぎてバイクを乗りこなす野菜に磔にされて引き摺りまわされそうだぜ!」

「……食べる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか遠くから見ると家族みたいやね!」

「「あっあっあっ…!」」

「何で!?」

 

 

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