「失禁失禁レッツゴー⤵︎♪ 失禁失禁レッツゴー⤵︎♪ 尊厳信頼ジョバジョバ捨てろ♪ モリモリひり出し山をも築け♪ 腹切り介錯最後の情け♪ 失禁失禁レッツゴー⤴︎♪」
「不穏な歌を歌わないで下さいまし!?」
星空の下、俺の心境は初めて星空に心を奪われた少年の如く感動に打ち震えている。
肝試しなんて人生初の試みだ。親族の奴らは子供騙しみたいなことはしない。やるならガチの機械持ってきて存在証明から始めると思う。専門家かな?専門家だったわ。
噂によると肝試し中は心理的に何しても問題ないと聞く。凄いな日本は。だから一度やってみたかったんだ。
「百、トイレに行きたくないか?尿意を我慢してるとかないか?我慢は体に悪いから恥ずかしがらず相談して欲しい」
「善意の裏から悪魔が顔を出してますわ!?」
大丈夫大丈夫。危機的状況にセクハラなんてしないって。信じて欲しい俺を。
大丈夫、ちょっと背後に回り込んで脅かすだけだから。急にいなくなったりするだけだから。
「それよりもB組はどこから驚かしに来るんだ?早く来てくれ待ちきれねェよ!早く返り討ちにさせてくれ!!」
「肝試しはそんなルールではございませんわ!?」
人を脅かすということは、自分も脅かされる覚悟があるということ。肝試しとは双方の同意があるからこそ成立する侍の一騎討ちのような神聖なる行いと教わった記憶がある。
まさか人を脅かしておいて自分は嫌だという侍の風上にもおけない性根の持ち主がいるというのか?それはもう切腹ものだぞ。
「自分、ハラキリドライブいけます」
「何ですのその物騒な単語!?」
準備万端、いつでもヴァルブレるぜ。待ち遠しくて仕方ねぇよ。
だから今すぐその角から飛び出して来てくれないかな。夏の魔物に連れ去られて俺の元へ。
「はぁ…鱗さんが楽しそうで喜ばしいことですが、私の恐怖心が先ほどから何処かに飛んでいってしまいましたわ…」
「百、この状況……まるでデートみたいじゃないか?」
「情緒どうなってますの!?」
何でだよ。今の完璧な聞き方の流れだろ。かーっ!プレイボーイはつれェぜ!クソ滑ったけど。
「嫌だったか?」
「嬉しいに決まってますわ!!」
この女情緒どうなってんだ?
テンション急降下したと思ったら急上昇し始めた。花火じゃん。
ほとばしるプリプリの波動に夜の森の澱んだ空気が浄化された気さえする。俺も出してぇよ空気清浄機並みの高貴なるオーラ。
「ふっ、面白れぇ女」
「面白れぇ男に言われたくありませんわ!」
今の会話、よく分からないけど何か夫婦っぽくなかったか?多分そんな感じがする。知り合いのおじさんもそんなこと言ってた気がする!
成る程、これが新婚旅行ですか。良いものですね、愛を理解できた気がしますよ。今度愚かな愚かな愚者達に自慢して差し上げましょう。
「どうやら俺たちは新婚3年目だったようだな」
「まず結婚もしていませんのに、もう3年も経ってしまってますの!?」
「大丈夫、世の中気づけば時間が経ってるもんだ。誤差の範疇よ」
「これが誤差なら世の中もっと平和ですわよ!?」
誤差で済ませないから今の世の中は荒ぶってるのか…
もう少し頑張ってくれよオールマイト、頑張って空想婚を誤差の範囲で認めさせられるような世の中にしてくれ。
いや、オールマイトじゃ無理か。実現できないからこそ未だ未婚なんだもんな。名誉童◯はやっぱ格が違ぇぜ!!
だから1位の座を俺に譲ってくれオールマイト。俺が頂点なら理想を現実に変える国にします。俺だけ一夫多妻制にします。そのかわり、皆さんのお菓子を買う上限金額を300円から500円に引き上げるので応援お願いします。これは支持待ったなしだな、流石俺。
ん?前方から何やら人の気配が……良し。
「百、肝試しとは神聖な行事なんだ。少し静かにしないか、折角の霊が逃げちまうよ」
「私のせいなんですの!?……でも霊が逃げるのは良いことでは…?」
「今のはきっと良い霊さ。さしずめ、ラブリーゴーストキューピットってところだな」
「幽霊なのか天使なのかはっきりして欲しいですわ!?……そっ、それよりも今幽霊と言いましたが…」
「うん?言ったな」
「鱗さんの目は光まで見えると仰ってましたけど、じっ…実際幽霊もみっ…見えたりするんですの…?」
「……ハハッ♪」
「見えたりするんですの!?」
実際問題俺が見える見えないなど些細な問題さ。明言はしないが、見える奴には見えるが答えじゃないかな。
それよりもそろそろスポットだな。
「まぁ些細な問題は置いておくとして…」
「全然些細ではございませんことよ!?今何よりも大事なことですわよ!?」
「初日に俺だけ宿泊施設に早く着いて時間が余った時にな……マンダレイから聞いたんだ。知ってるか?この森に伝わる噂…『引き摺り女』を…」
「えっ…?」
まだ個性というものが根付いていない時代、この森の中に小さな村があったらしいんだ。
その村にはそれはそれは目に入れても痛くない美人な娘さんがいたらしい。
「仮に名前を『ズリ子』としよう」
「怖さ半減ですわ!?」
ズリ子は村一番の権力者である村長の息子と婚約し、何不自由ない生活を送っていたそうな。
だが光あれば闇もあり。美貌の全てを持って生まれたズリ子に対して、嫉妬という名の醜い恨み嫉みを持った女が多数いた。
とある晩、嫉妬に狂った女達はズリ子を生きたまま埋めちまったんだ。満月の夜、この森のどこかに。
「えっ…?」
村はパニックさ。麗しい娘が消息を絶った。旦那や村民は当たりを探し回ったが誰1人として見つけられない。
その日から村では不可思議な現象が起き始めた。何かを引き摺るような音がし、女が1人ずつ姿を消して行ったそうな。
消息を絶った女達はみな、ズリ子を埋めた関係者だったらしい。
ある日、村民は地面に滲みた血の後を見つけた。どうやらその血の後は、引き摺晴れるように一直線にある場所に向けて伸びていた。
血の後は森の中まで伸び、終着点には地面が掘り返されたような跡が残っていた。
村民が土を掘り返すとそこには、ズリ子を生き埋めにした関係者の女達が血まみれで穴の中に引き摺りこまれ、死んでいたらしい。
だがその穴の中には、本来埋められていだはずのズリ子はいなかったらしいんだ。
一体誰が女達を埋めたのか…、ズリ子はどこに消えてしまったのか…
「そして…女達が、ズリ子が埋められていたのが、今俺たちがいる目下2m先の地面の下らしいぞ?」
「ええっ!?」
「すぐそこだ。目の前だ。何なら今からその上を踏み歩いて先に進まねばならん」
「えええっ!?うろっ…!鱗さぁん!?」
そうだ、目の前にある地点がそうなんだ。
特別な事情により回避することはできん。俺たちは真っ直ぐ歩くことしか許されていないんだ。
「でっ…では少し森の中を通ってショートカットを…」
「大丈夫、昔話さ。本当にあったのかも分からない。何より俺がいる。大丈夫だ、ゆっくり行こう」
「鱗さん…!」
俺に腕を絡め、怯えは抜けないがそれでも覚悟を決めた表情で前を見据えている。俺はそっと百の腰に手を回し大丈夫だと安心感を伝える。
そして………
「ん」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
目先の地面からB組の小大が飛び出して来た。
「ナイスタイミング」
「ん」
俺達はお互いに親指を立てて健闘を祈りあった。
素晴らしすぎる。俺の直感で地面の下に誰かいるなと思ったから結構大きめの声で飛び出すためのバックボーンストーリーを捏造したけど、聞こえてたようで良かった。タイミングばっちしだもん。
「いやでも体張り過ぎだろ。まさか地面に潜ってるなんて思わなかったよ」
「ん」
「ん?」
「ん」
「んん!」
「ん」
何か今通じ合ってた気がする。ほらあの…UFOと交信する時の伝達の感じで……もしかしてこれが夫婦であるということか?
「石楠花、やっぱり気づかれてたか…、それよりも今の話は何だよ!?聞いてたこっちも怖かったんだけど!?」
「俺はスパイスをプラスしただけさ、オレンジサイドおっぱいちゃん」
「もう名前でも何でもないだろ!?ぶん殴ってやる!!」
「まぁまぁ、落ち着け拳藤。石楠花はこういう男だって有名だろ?」
「この地面の柔らかさは骨抜マッドマン、お前だったか。その個性で女性の胸を俺好みに柔らかくすることは可能か?」
「拳藤、5発までなら許されると思う」
「おらあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
本気の5発をお見舞いされた。容赦がねぇぜこの女!
「前が見えねぇ…物理攻撃で怖がらせるのは反則だと思います!」
「お前がセクハラしかしないからだろ!?」
「ん」
「ほら、唯もセクハラはダメだって言ってるぞ」
「ん」
「ん?」
「ん」
「承諾してくれてありがとう。俺たちを驚かせた分と5発殴られた分を含めて自分の体を使って返済してくれるなんて流石ヒーロー」
「ん!?」
「大丈夫、穴掘り(意味深)するだけだから。痛くないはずだから。ではお嬢様、彼方の茂みで一緒にハッスルいたしましょう」
「ん!?」
うん、これは同意だね。優しくお姫様抱っこしても驚いた表情は見せるけど暴れたり振り解こうとしないもんね。
割れ物を扱うかの如く、ゆっくりと茂みに向かい……
「おらあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
全力で30発殴られた。
「前が見えねぇ……顔凹んでない?横から見てどう?ピッチャー目線で見えるキャッチャーミット見たいになってない?」
「どんな例えだ!そのまま地面にめり込んどけ!!大丈夫唯…変態に変なところ触られてない?」
「ん」
「………なんか少し残念そうにしてない?」
「んっ…!?」
まさか地面にめり込むまで殴られると思わなかった。チラリと見えた表情がどの怪談話よりも怖かったです。
それよりも百はどうした?
さっきからへたり込んで微塵も動かないんだけど一体どうし………
「さて拳藤、小大、骨抜、俺達はそろそろ行くよ。もう少ししたら後続が来るかもしれんからな。小大、シェルホリダーは今度にしよう」
「ん!?…ん」
「さっさと行け変態!!…ん?今、んって言わなかった?聞き間違い?えちょっと待って聞き間違…」
「サラダバー!!」
地面を踏み砕いてその場で大きく跳躍し、俺達は前方へと進む。
3人の姿が見えなくなったあたりで着地し、辺りを見回す。もしかすると他のB組がいるかもしれないからね。いたら背後から金的する所存。
いやしかし、完璧な踏み砕きだぜ。完璧すぎて地面がぐしゃぐしゃになったねアレは。流石は俺、立ち幅跳びの世界王者にだってなれるね。個性使ったから失格になると思うけど。
「土が混ざり合うくらい踏み砕いてきたから、水溜りもバレないと思うぞ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
大丈夫だって…うん。そういうときもあるよ…うん。
俺も昔そんな時期があったかもしれないから大丈夫だよ…うん
「大丈夫、そんな時もあるよ。ほとんど犯人俺だけど問題ないよ。大丈夫、俺が断言する。良い臭いでした」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「抱き上げた時に、腕に温もりが伝って来たけど大丈夫よ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「暗闇だったし少し離れてたから常人の目じゃ見えてないよ。俺ぐらい目が良くないと。近くで見たら染み染みだけど」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!?見ないで下さいましぃぃぃぃ!?」
うん…恥ずかしいのはわかる。だがこの経験をどう乗り越えるかで今後の人生の豊かさが決まるのだよ。
頑張れ少女。乗り越えていけ少女。
「周囲には誰もいない、今なら問題ないぞ。創造は出来そうか?」
「はい…何とか…」
「濡れた下着はこちらで預かろう。なに、悪いようにはしない」
「何に使うつもりですの!?」
アレだよ。リユースするんだよ。間違ったクリーニングするんだよ。ベロベロして遠心力で渇かせば大丈夫だから。
心配するな、証拠隠滅は俺の十八番だからね。
着替え終わったのか、木の影からとんでもねぇ形相でこちらを見る百と目があった。ホラーかな?
「鱗さん……末代まで怨みますからね?」
「少し話をしようか百。悲しい行き違いがあったんだ俺たちには。大丈夫、だから手に持ったその物騒なスタンガンを捨てなさい」
「鱗さん…?」
「大丈夫、俺達は互いにトイレに入った仲。尿の臭いまで知る仲。そう!尿友!!」
「ここで漏らしなさい」
「尿友!?」
何とか許しを乞うて後日、目の前でトイレするところを見せることで許してもらえることになった。……いややっぱ何も解決してないし、より恥ずかしいんだがそれでええんか?
ついでのように股間にスタンガンを叩き込まれた時はマジで気絶しかけた。恐ろしい激痛を味わったね。股間スタンガンは余裕で死ねるので真似しないようにね!お兄さんとの約束だぞ!
ペロっ…これはアンモニア!?とかしなくて良かった。