幻想入りした男。   作:すつぬ

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ようこそ、ベスト(当社比)オブ(これいる?)クソ(自信満々)作品へ。


幻想入り

んぐっ…あっ……?」パチリス

 

突然俺を包み込んだ光。一瞬に俺の体を包み込んだ得体の知れない光は、少し生暖かく、妙に落ち着く、そんな物だった。

 

目を開けて見る。周りには池や鳥居と言った建造物があった。後ろを振り向くと、賽銭箱に少しボロ臭い家がポツリと佇んでいた。

 

「……。はい?」

 

先程まで自分は電車に揺られてたはずだ。降りる駅に着いたから降りようと席をたち、電車をおり、改札口を通り過ぎた…頃だった気がする。

 

それなのになんだ、この光景は。もりもりしてる所に、ポツンっと佇む鳥居。そして賽銭箱って何俺は同じ考えをしてるんだ。

 

?「あら?珍しいお客さんな事ね。」

 

「ファッ!?」

 

声を荒らげ、声がした方向にバット振り向く。

 

?「私の声を聞いて第一声がそれですかそうですか。」

 

赤い服に身を包み、茶髪よりの髪をボブ風?ポニテ風?に留め、頭の上には大きな赤いリボン。巫女服のような衣装に身を包み、両手にはホウキを握りしめていた。

 

?「あなた、外の人でしょ?名前は?」

 

目の前の彼女がそう言うと、手に持っていたホウキを近くの柱に置く。俺が答えるのにドギマギしていると、『あっ』と何か思い出しかのように手を叩くと

 

?「んっ…コホンっ。ごめんなさいね。初めは私の方からだったわね。見ず知らずの人に名前を聞かれても、困っちゃうものね。」

 

少し苦笑いしながら言うと、改めてと一言置いて

 

?「私は霊夢。博麗 霊夢。ここの神社の主をしてる者よ。貴方は?」

 

「えとっ…自分は西川 拓人って…言います。」

 

霊夢「西川…拓人…うん。貴方、外の人ね。」

 

「外の…?」

 

最初に名前を聞いた時も言っていた『外の人』

直感的には外国人と思うが、彼女が話す言葉を理解出来る当たりここは日本…でいいのだろうか?何しろここがどこで、なぜ自分がここにいるのかも全く分からないのだから。

 

霊夢「まっ、厳密に言うとここの世界とは別の世界…異世界…って言えば、少し分かるかな?」

 

異世界…そんな単語で寒気が走る…

 

「えっ…?つ、つまりドラゴンとか…ゴブリンとかがいるっ…て、事ですか?」

 

霊夢「あーいないいなーい。うちそう言うファンタジー要素必要としてないから」

 

「既に異世界と言うだけでだいぶファンタジーですけど…」

 

恐る恐る聞いた俺が馬鹿だった。馬鹿にされたような口調で軽くあしらわれてしまった。ちくせう。

 

霊夢「…でも、普通の人が居るわけじゃ…もちろんないからね」

 

「う、うん。普通の人は博麗さんみたいに腋見せしてる巫女とかいませんから」

霊夢「見た目の問題じゃないわよ!?てか誰が腋巫女よ!これは制服!制服なの!!」

 

「私服があるんですか?」

 

霊夢「私をなんだと思ってるの!?あるわよ!……少しだけ…」

 

「…………つまり、基本はその格好…って事ですか?」

 

霊夢「……………」コクリ

 

俺の質問にこくりと首だけ動かして反応を示す。それしかないならなぜ怒ったし…完全に怒られぞんじゃないか…って今はそれはどうでもいいや。

 

「普通の人がいない…って、どういうことですか?」

 

俺のその質問に一瞬黙ると、ジッと俺を見つめて…

 

霊夢「……ここは、忘れ去られた者たちが集う場所。名前を、幻想郷。」

 

「忘れ…去られた…?幻想郷……」

 

幻想郷という単語。そして、忘れ去られた者たちがいる不思議な世界。

 

霊夢「妖怪も巫女も神様も妖精も…ここはそんな者達で溢れかえっている。そして私は、その幻想郷を管理…とまでは行かなけど、案内人の巫女…。だからね、君を元の世界に返す事だってできる。」

 

「……。」

 

不思議と、その答えに乗り気じゃなかった。

戻っても、何にもいいことだってないからだ。俺の存在は空気よりも薄っぺらく、流されていたからだ。

 

誰も俺を見なかった。誰も俺を知ろうとしなかった。

俺もまた、他人を知ろうとしなかった。まだ間に合う…なんて安言葉をかけてくれる先生など居なかった。

 

おそらく俺は、元の世界じゃもうやっていけないだろう。あの世界で必要なのはコミュ力と人脈。それと少しの実力だ。正直…関わりを持てば持つほど強いとしか思っちゃいない。

 

だからってここは?俺は、俺は何ができるだろうか?いつも通り平常運転したところで…元の世界と一緒じゃないか?

 

果たして俺に、親の居なくなった俺に、いつも通りの生活を送れるのだろうか?

 

「……」

 

霊夢「……まっ、何も経験なし…じゃ、帰さないわよ。それで決められるほどこちらの世界がつまらない…とは、限らない物ね。」

 

「…あぁ。」

 

霊夢「でも、覚悟しなさい。貴方はただの人。そして私達は、人とは違う。空も飛べれば、弾幕…といった技…スペルカードという大技…そんな特殊技能みたいなのが備わってる。それに、神や妖怪などが溢れかえってる世界よ。まず野宿でもしようものなら、あんたは間違いなくあの世いきよ。」

 

「……それでも、暮らさなきゃ分からない。」グッ

 

握り拳を作ってしまう。怖くないって言ったら大嘘になる。酷く怖い。人は、自分の知らない物に酷く臆病になるものだから。幽霊や地球外生命体といったものを恐れるのがそれだ。逆に興味を持ったり研究したりする人を、変人と見る人も居るのだが……

 

だけど、あっちの世界に戻った所で変わりやしない。

 

「…博麗さんは、言いましたよね。ここは、忘れ去られた者たちがいる幻想郷だって。」

 

霊夢「えぇ。言ったわ。」

 

つまりは、俺は……

 

「俺は、忘れ去られたって事だ。」

 

霊夢「……。説明が足りなかったわね。完全に忘れ去られたわけじゃないわ。少なくとも、一人や2人は覚えてるものよ。それも、すごく鮮明に、思い出深い子が。」

 

「そんなの俺にはいない。親は俺を認識しちゃいない。妹が居るが、俺に眼中なんてないだろう。友達もまともに居なければ、話したことなんてここ数年でいえば博麗さんが久しぶりだ。」

 

霊夢「…。…霊夢、でいいわよ。さん付けもいらないわ。私が名前で呼ぼうとしてるんだから、不公平でしょ。」

 

「……。…だから、俺があの世界に戻る理由なんて…これっぽっちもない。それに、異世界で、妖怪や神様に殺されるって言うなら、喜んでそいつらに殺される。平凡に死んだ所で、面白くもなんともない。」

 

手を広げてそういう。それに危機感を感じたのか、少し睨まれてしまった。…だけど

 

「……だが、何もせずに死ぬのは…悪いが断る。あくまで死に方は、何か抵抗して、何かに抗いながら、死にたい。」

 

そう真っ直ぐ、霊夢の目を見て言う。

 

霊夢「……。そっ。ま、好きにするといいわ。あくまで最終的に決めるのは拓人、あんた本人よ。私に熱く語ってもらってるところ申し訳ないけど、ぶっちゃけどうでもいい。人に興味無いもの。」

 

「知ってる。だってここは妖怪も神様も…もしかしたら魔法使いだっている。バカキモイ昆虫だって…な。だから、俺みたいな口だけの平凡な人間に興味を示すはずないもんな。」

 

霊夢「…………」

 

俺がそう言うと、霊夢は少し黙る。何かを考えるように…

 

「……暮らしてみるよ。とりあえずは安全な所にさ。後はおいおい考える事にするよ。…ありがとう。色々教えてもらったりしてさ。第一にここがどこと言う事と、どういう所か知りたかったからさ。それじゃ…」

 

そう言って、神社の鳥居…その下に続く階段を降りて行こうと歩き出す…と。

 

霊夢「ちょっと待ちなさいよ」ガシッ

「ぐえっ!?…な、なんです…?」

 

手首を掴むのは分かるが襟首はダメよ襟首は。一瞬にして首が締まる。

 

霊夢「誰が見捨てるって言ったのよ。」

 

「へっ?いや、さすがにお世話になるのは」

 

霊夢「誰が世話をするって言ったわよ」

 

「っ…?……???」

 

俺があまりにもトンチンカンなことを言ってる霊夢に大量の『?』マークを浮かべていると

 

霊夢「あんたが、私の世話をするのよ。」

 

「……はいっ?」

 

何を言ってるだこの人は……




最初なんて、こんなもんよ。
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