幻想入りした男。   作:すつぬ

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半覚醒……?

美鈴「ハイッッ…ヤァァァァァ!!」ズドンッッ

 

「っっ!?まじかっっよぉぉっっ!?!?」

 

余裕を見ての防御だった。拳をブラフとした蹴りのモーションまでも相殺できる防御の硬め方…

 

だが、馬鹿正直に拳をクロスした中心に叩き込んできたチャイナ服の赤毛の門番。ぶつけた瞬間、クイッと角度を変えながら衝撃波を加えるような殴り方をしてきたと思ったら俺の足が地上から一瞬離れ…

 

「がはっっ!?かはっ!かはっっ!!」

 

バキッッッ!!っとでかい音を立て、来た道の方面の森の木に背中を強打する。その瞬間、肺に溜まっていた空気が一気に口から溢れ出る。それと同時に、鈍痛のようにズキッズキンッッと内部が痛むようにジワジワと痛みを訴えてくる。

 

「かはっ!かはっっ!!クソっっ…こちとら…半妖とは言え…人間だぞっ…?!手加減って言葉はねぇのかっっ…!」

 

美鈴「ふんっ!そんなの!侵入者にする訳ないネ!大人しく去れば…これくらいで許してやるネ!」

 

俺の愚痴っぽく放った言葉にそう見下すように見てくる彼女。

…カッチーンときたわ。だいたい…いっつもそうだ。こっちは話し合いを求めてるのに相手は問答無用で殴りかかって来るわ、火の玉飛ばしてくるわ……。

 

ただの一撃にフラフラとしながら、めり込んだ木から力づくで抜け出して、覚束無い足で赤毛の門番に歩み寄る。

 

 

 

 

 

美鈴「…よもや、その傷で立つ時点で人間の範疇を超えてるネ。大人しく」

「……んな」

 

美鈴「っ…?」

 

「ざっっ…けんなっっ…!人の話を聞か…ねぇーで、いきなりぶん殴ってきや…がって…!!」ギリッッ

 

美鈴「っっ!?(な、何アル…この圧っ…!?…っ!?)…わたしが…気圧されてる…?」

 

一瞬、ほんの一瞬私は気圧され、前に突き出していた左足が少し地面をすった。ただの人睨みで私は…

 

「…あぁわかったよ。…ぺっ!…そっちが力づくで俺を返したいなら…こっちも力づくだ…!」ギシッッ

 

来るっ…! 私が構えるより前に脳が直感でそう告げた

 

美鈴「へっ…?」

 

そう…告げていたはずなのに、私は今棒立ち。眼前には握りこぶしが見える。

 

ーーその刹那、私は…

 

美鈴「がっっ…?あ゙っ…?あがっっ…」

 

先程仕事をすっぽかして昼寝をしていた門番の前…。そんな赤いレンガに埋もれて…?へ?誰がっ…?…私…が……!?

 

「…なんだ。大したことねぇじゃねぇか。」

 

美鈴「っ!?はっ…はっっ!!」

 

死を悟った。さっきとまるで真逆の立ち位置。

~私が…彼に見られていた。~

 

何が起こったのかまるでわからなかった。気づいたら殴られて、気づいたら埋まっていた。

捕食者の目を…彼はしていた。まるで私を食らう百獣の王…。威圧感で心拍数がだんだん上がっていく。

 

こんな状況何度も味わってる。幻想郷に住まうもの、これぐらいの事は生きてるうちに何十回とも会う。…なのに、それなのに…

 

美鈴「っっ…はぁっ!はぁ…はぁっっ…!」

 

身体全身で死を悟っていた。恐怖し、まるで思考がまともに動かない…

咲夜に時間止め針を飛ばされて寝起きドッキリされるよりも遥かに怖く…遥かに…

 

「…。その精神状態じゃ冷静になれねぇーだろ。手短にこたえろ。…紅魔館のレミリア・スカーレットって奴は、この屋敷の中か?」

 

美鈴「はっっ…っっ!…お嬢…様にっ…なんの用だっ…!」ギリッッ

 

こんな威嚇ですら常に私の脳は警告を出し続ける。今すぐその場を逃げろと。背を向けて逃げろとアラートを鳴らしてくる。

 

…だが、意外にも、あっけらかんと目の前の男は答えた。

 

「…最初っから言ってるだろ…。貼り紙を見て来たんだ。面接しによ。ま、中に居るならボチボチ探しますわ。あんがとさん。」

 

そう、少し頬を掻き、呆れたような目線を私に飛ばしながら門を過ぎていった…。

 

美鈴「はっ…はぁっ…はぁぁぁっっ……。」ガクッ

 

安堵でか、強ばった全身から一気に力が抜けた。最後に重く口にしたのは

 

美鈴「…これは…門番失格…アルかね…。」

 

それから

 

美鈴「…本当に面接しに来ただけっぽい…けど…。ちゃんと正規のやり方で来て欲しいアル…。こんな想いは…もう…二度と……ごめん…アル…」ガクッッ

 

次会える機会に…謝ろう。全身全霊で…謝ろう…。そうしよう…

 

 

 

 

 

 

 

「お邪魔しまー…すっ…?」ガチャッ

 

門から離れた屋敷の真ん中…そこからやっと中に入れたかと思ったら、何やらバカ広いエントランスホール…そこから、一段一段階段をおりてくる人の姿。

 

?「…あのバカ門番…仕事の1つも出来ないのですか…。これは…後でみっちり説教する必要がありそうね……。」

 

フルフルと頭を抱えたご様子でおりてくる銀髪のメイド服のようなものを着込んだ女性。…見るからにメイド長ですとオーラが物語ってるのだが…。

 

?「私はここ紅魔館のメイド長を務めてる十六夜 咲夜よ。…それで、不審者さん?要件は何かしら…?」チャキッ

 

思った通りメイド長だ!リアルメイドや!!…と、喜んでる暇はなく、話を聞く人の態度ではなく、聞くやいな、太ももからすっとナイフを取り出してきた。てかえっちぃっすねその取り出し方。見えた!白の糸!!

 

「チラシを見て来たんですけどぉ…って言っても…どうせ信じて貰えないですよね…」

 

はぁっとため息を吐きながらそういう。

 

咲夜「そりゃ…うちの門番が居ないってことは…そういうことでしょう…ねっ!!」スパンッ

 

2連チャンとかキッツ…

 

 




やっぱね、戦闘苦手だァ…。状況説明が…精神状態が…ぁぁぁぁぁっっ!!(絶命する音)
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