フラン「っっ?!!ちぃぃっ!!ちょこまかとぉ!!」
あれから、数分の間フランから放たれる弾幕を捌いていた。
「しかし…便利だな!フラン様の弾幕は…よっ!」パキンッ
フラン「んあっ!!?またっ…!!むぅぅぅっ!!気に食わなぁァァい!!」
跳ね返る弾幕。そして、この戦いの中で分かった『弾幕と弾幕は相殺し合う』という事実。
どうやら、俺のこの能力は相手の使ってる弾幕を複製出来るらしい。ただ、闇雲にイメージするだけでは複製は成功してくれやしない。
その弾幕の特性、性質、速度や大きさ…一つ一つの情報を理解する事で初めて複製が完了する。
そして俺の持ち玉は今のところ最大3つが限界。それに、次に複製するにはクールタイムみたいなものが存在しており、5秒に1個複製出来る。
…普通、一つ一つの情報を正確に理解するのは無理だ。そもそもこの弾幕ってものを知ったのも、妹紅の火の玉ストレートを見てからだしな。逆に言っちゃえば、フランの跳ね返る弾幕を見てから、妹紅の火の玉ストレートが弾幕だってのも気付いたわけだしな。
まぁ…覚えるのは俺の十八番みたいなところあるしな。身体能力と洞察力だけなら、霊夢からのお墨付きだ。…まぁ、思考がまともじゃないがな。
それに…
「うおっ危なっっ!」パシッ
フラン「それそれ!それズルくない?!なんで素手で弾幕弾けるの?!」
「馬鹿野郎!!これ見た目の割にバカ痛いんだぞ?!骨に響きますよ!これわぁ!!」ドパンッッ
手の甲で眼前に迫る弾幕を弾く。ただ弾くだけじゃなく、次の手を潰すために、弾幕と弾幕同士をぶち当てて相殺する。
フラン「うひゃっ?!このっっ……!!?」
「っっかぁぁぁ!!こりゃいてぇ…なぁぁ!!」
フラン「うわぁぁぁっっ!!…なんて馬鹿みたいな力…!流石に空中じゃ静止に時間かかるなぁ…。」
手を伸ばせば届く距離にやっとフランが現れる。めいいっぱい下げた拳を正面に突き出すが、手に持っていた槍の塚で防御を取られてしまう。そんなとこよりバカ痛い。
「うおっとっと!…あっぶね…危うくお腹に穴がぽっかり空くとこだった…」
有り余る力で押し込んだ為、少しの間空中を利用して威力を消すフラン…そんでもって、追撃を無くすためにこちらに何個か弾幕を飛ばしてくる。
間一髪のところで俺は体を逸らして弾幕を全弾避ける。再び地上から、フランの事を見上げる。
「今のは…いい一撃だったろ?」ニッ
我ながら惚れ惚れする攻撃の転換だった。今までなら弾幕をどうこうする考えなんてなかった為、それこそ防戦一方だっただろう。だが、複製という能力が使えることによって、瞬時にカウンターや牽制ができるようになった。
裏拳返し?あれは出来ればやりたくない。手の甲死んじゃう。
フラン「っっ!ぜんっっぜんっっ!!全然だからっ!!ドヤ顔飛ばしてこないで!」
「またまたまたぁ♪予測不能だったからこそ一旦距離を置いてくれたんでしょ~?♪いやぁ!俺才能の塊だわ♪褒めてくれてもええんやで?」
フラン「っっ!うるさいうるさいうるさぁぁい!!」
「おわっと!…っ!…ちぃっ…!…流石にこの数は…無傷では捌けねぇーか…。今までがマグレだったかただ単純に運が良かったか…だなっ…。」
こちらに迫る無数の弾幕。俺は試しに何もせずに避けようとしてみたが、思考と動きが合わずに数箇所切り傷を作ってしまった。
なんなら頬を掠めてやがる。最悪失明だぞこれ…。
フラン「っっっ!!…!!…はぁぁっ!…癪だけど…本当に癪だけどっ!…お兄さんは強い。それは仮とはいえ一撃許してしまった。そこは褒めるっ!」
「おっ…?…あんがとなぁ♪」
フラン「…だけど、それはあくまで戦闘面…弾幕の返し方、交わした方…そこからの起点作りがってこと。…分からせてあげる…♪なんで、ただの人間であるお兄さんがそんな超パワー使えるようになったかは知らないけど…パワーだけじゃ、私達のような妖怪にはどうしようも出来ないって事♪」
意味ありげな言葉を言うと、何かフワリとした熱気のような何かが迫り来るのを肌身で感じる。
「あっ、ヤバい。」
彼女が持っている槍に、赤黒い禍々しい雰囲気のある空気が集まってるのがわかる。その雰囲気に、危険信号が鳴り止まない。
これは、俺がやばい。
フラン「この一撃をもって…お兄さんに絶望をあげるわ♪…全てはフランが楽しくなる為に…♪フランが笑顔になれるために…♪…お兄さんはフランの下じゃなきゃならない…♪コンテニュー?…させてあげない♪」
「こりゃあれだっ…。腹くくろう。」
とりあえず、次の一撃に全神経を集中させる。相殺なんて出来ると思っちゃいない。まぁ、最悪死ぬだろうが、いい人生だったと今のところ思えるので、そこは胸を貼ろう。
フラン「…禁忌『レーヴァテイン!!』」
音速の速度でこちらに飛翔してくる赤黒いオーラを纏った赤い槍。
「っ!!ここだぁぁぁぁぁ!!!!」ドパンッッッ
思いっきり、拳を槍に、ぶつける。ズキズキととんでもないほどの激痛が身体全身に伝播していく。プチプチと血が吹き出してるのがわかる。
すげぇーな。元の世界じゃ、こんな光景見たい瞬間気絶してたってのにな。
ここの世界の空気に当てられちまってか、俺がどんな性格で、どんな奴かだったかなんて、俺自身曖昧で思い出す事が出来ねぇ。
ただあの一瞬、そう、あの一瞬だけでも思い出せた。
「妹が…居たということを…」
一瞬にして脳に雷撃が走るような感覚がする。
その一瞬……身体が、全身が、宙に浮いて、その瞬間…シャッターが降りたようにプツリと意識が吹っ飛んだ。