【完結】IS―二人目は万能の天才!?―   作:緑竜

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通算UA10000突破しました。
書いている身としてはうれしい限りです。

今回なんですが、いやー、ネタが思い浮かばな過ぎて焦りましたw
なんとか書き上げれたはいいものの、今度はタイトルが思いつかない始末・・・。w
まあ次からはたぶんネタが思いつくでしょう(適当

それでは今回分どうぞ


12.つかの間の休息

そのまた数日後。万はしばらく後に迫った臨海学校のために水着を買いに来ていた。なにせ、今までそんなものと縁のない生活をしていた彼にとって水着など必要のないものだったため持っていなかったからだ。

外出許可を得て、出先のトイレで珍しく私服に着替えたうえで街を歩いていると、何やら物陰から誰かを見ている凰とそれに半ば付き合わされている風情のセシリアがいた。

あきれ半分で何をしているのかと思っていると、突然何を血迷ったのか凰が甲龍を右腕だけ部分展開した。さすがに止めようと声をかけようとしたとき、別のところから声をかけた人がいた。

 

「ほう、楽しそうだな?」

 

(どこがだ)

 

即座に気配を消し別の物陰に隠れた万はその言葉に声には出さず突っ込む。思わぬ人物の登場に二人は警戒を露わにする。

 

「安心しろ、今のところお前たちに危害を加えるつもりはない」

 

「・・・信用できると思って?」

 

ラウラの言葉に低く抑えた声でセシリアは言う。その言葉を聞いて「そうか」と一言いうとラウラは歩き出す。それを凰が止めた。

 

「何するつもり?」

 

「決まっているだろう、あの二人に混ざる」

 

「未知数の敵と戦うにはまず情報収集が先決でしょ?」

 

「・・・なるほど、一理あるな」

 

そういって三人は二人を尾行しだした。が、その後ろで気配を消し追跡する人間がにやりと人の悪い笑みを浮かべているのには気づかなかったが。

 

 

そしてしばらくののち、追跡組は目標の二人を見失っていた。それを見て万は考える。

 

(あの様子だと尾行に気づいたな。ま、あんだけ気配殺してなければ当たり前か。気づいたのはおそらくデュノアだな、一夏が気づくとは思えないし。さて、・・・ん?)

 

そこまで考えて遠くに自分の担任と副担任がいるのに気付く。それを見てさらに思考したところで、ほぼ確実に追っ手を撒け、しかも周りからもさして不自然に思われない場所が一つあることに気づく。そこまで考えて、にたりと笑った口元をひっこめて偶然を装いつつ万はいったん店をでた三人に声をかけた。

 

「あれ、何してんだお前ら」

 

その声にびくりと身を震わせて三人は振り向いた。そして、声の主を見てほっと一息つく。

 

「なんだ、あんたか」

 

「驚かさないでほしいですわ・・・」

 

「ん、今まずかったか?」

 

「いや、尾行していた以外にやましいことなどない」

 

「ちょっとぉ!?」

 

その返答に人の悪い笑みを浮かべた。そして、後ろを携帯で確認してから一言、

 

「どうでもいいけど、ほどほどにしとけよ?鬼がいるから」

 

そういって後ろを親指で示す。そちらに視線を向け誰がいるかを知ると、三人とも表情を変えた。もっとも、ラウラはかすかにしか変わらなかったが。

 

「・・・もしばれてたら・・・」

 

「もう一発巨大ハリセンの刑じゃね?」

 

その言葉にげ、と声をもらす。

 

「・・・あれもう一発は痛いわー・・・」

 

「ま、痛いように作ったんだしな」

 

そこまでしゃべったところでセシリアが話題を変えた。

 

「そういえば、万さんはどうしてこちらに?」

 

「俺?水着買いに来ただけ。で、その途中であんたらに気づいて声かけた、ってだけ」

 

「ふーん、で、まだ買ってないの?」

 

「まあな。買う前に見かけたから」

 

「なら、こちらの買い物にも付き合ってもらえませんこと?男性からの意見も聞きたいですし」

 

それに対し少し万は逡巡した。が、間もなく結論は出た。

 

「・・・まあ、時間はあるしな」

 

こうして三人と一人の奇妙な休日が始まった。

 

 

 

なんとか三人の水着を買い終え、一夏とシャルロットが入って行ったと思われる店まで行くと、二人は膝づめで説教を受けていた。

 

「・・・しばらく様子を見たほうがいいわね」

 

「そうですわね・・・」

 

「で、どうする?」

 

「待て待て、俺水着買ってないんだが」

 

「そんなの後でいいでしょ」

 

万の提案は凰にさっさと却下される。だが特筆してやることもない。どうしようか、と考えていると、万の頭に一つの案が浮かんだ。

 

「・・・そういえばラウラ、お前私服持ってる?」

 

「服なら軍の指定のものが・・・」

 

「いや、軍服じゃなくてだな。普通に出かけるための服だ。俺だとこれだし」

 

そういって今着ている服の襟元をつまむ。

 

「・・・そういった服なら、持っていない」

 

その返答に万は満足気に笑んだ。

 

「よし、じゃあ決まりだ。ラウラの服を買いに行くぞ」

 

「え、なにそれ決定事項?」

 

「まあ、な。それにだ」

 

そういって凰とセシリアの頭を自分の口元に寄せ耳打ちをする。

 

「ラウラは一般的に言えば美少女だ。そんなやつを着せ替え人形にできる機会なんてなかなかないと思わないか?」

 

その発言に二人はあきれが多少混じった人の悪い笑みを浮かべた。そんな様子を見てラウラは軽く首をかしげる。

 

「なるほど、それはいいわ」

 

「だろ?じゃ、行くか」

 

そういって四人は別の店へ繰り出した。

その店で軽くふざけつつラウラにさまざまな服を着せ、その中で似合っていた普通の服を数着買うと、三人は近くの喫茶店で一服していた。

 

「・・・本当に金を出さなくてよかったのか?」

 

「いいんだよ、もとより俺が言い出したことだし。気にすんなって」

 

そう、服の代金は万が全額支払っていた。それなりに上等な服を買ったのでラウラとしては少し申し訳ない気持ちがある。

 

「それにしても、よくそんな金があったわね?」

 

「まあ、学園都市で仕事してたし、研究所で働いてた時の金もあるし。それに、俺無駄遣いはしない口だからな、金はそこそこあったんだよ」

 

「研究所?」

 

「あの後、ISの研究所に勤めてたんだよ」

 

ラウラの疑問に万はすんなりと答える。そのやり取りを見て、他の二人に一つの疑問が思い浮かぶ。

 

「そういえば、二人は知り合いなの?」

 

「まあ、知り合いというほどのものでもないがな。一時期師事していたんだ」

 

「おい、ちょっと語弊があるぞ。・・・俺の昔やってた仕事の技術を教えていた、ってとこかな」

 

「仕事の技術?」

 

「身ごなしの音を消すとか、気配を殺すとか」

 

「・・・いったいどんな仕事をしていましたの?」

 

「ま、それはおいおいいうさ」

 

その言葉にちょっと煮えきらないところもあるが二人は納得した。

 

「ところで、その研究所ってどんなことなのよ?」

 

「俺のいたところは、ISの装備―――具体的に言えば、ISの兵装とか、スラスターとか―――そういったものの研究をするところだったぞ。ま、今でも武器の構想を練ってたりするのはその時の習慣が抜けないからっていう理由だったりする」

 

「なるほど・・・。ということは、万さん自身も何かしらで兵装を手掛けたりしましたの?」

 

「まあな。たとえば、セシリア戦で使ったボール。あれ、表面のメッキ部分に金が少し混ぜてあってな、レーザーをよく反射するようになってる。あと、中に存在するナノマシンを使って微妙な位置調整ができるんだ。結果、数えるのが面倒な数のレーザーをすべて任意の方向に反射させることができるってわけだ。もっとも、あの数を反射するのは俺でも骨だったけどな」

 

「へえ、あれ万さんが・・・」

 

「もっとも、俺が発案するのはたいていはじかれてたぜ?」

 

「どうしてだ?」

 

「理由は簡単、コストがかかりすぎる。これにしてもそうだがな」

 

そういって量子変換ボックスを見せた。それに三人は疑問を呈する。

 

「・・・何それ」

 

「あれ、言ってなかった?」

 

「聞いてませんわ」

 

それを聞き三人に量子変換ボックスの説明をする。それに三人とも驚いていた。

 

「・・・ISコアは完全なブラックボックスではありませんでしたの?」

 

「そうだ。まだ根幹に関することは何一つわかっちゃいない。だけど一部だけなら何とか俺の能力も併用してわかった。その一部をフル活用して作ったのがこれってわけだ」

 

「・・・すごいな」

 

「おう、あがめていいぞ」

 

「なわけないでしょ。ところで、研究所で働くって家族の反対とかはなかったの?」

 

それに対し、手元のコーヒーに軽く目線を落とした。

 

「・・・兄弟とかはいたとしても知らないし、両親は俺がチビの時にもう他界してるからな・・・」

 

その眼には一瞬だが昏く深い炎がともった。

だが、それではなく帰ってきた返答に凰はばつが悪いように黙った。

 

「・・・ごめん」

 

「いいよべつに。ずいぶん前のことだし、それがなけりゃラウラとは会えてないし」

 

にこりと笑いながら言う万の目にその色は一切なく、三人がそれに気づくことはなかった。

 

「どういうことですの?」

 

「両親が亡くなったことをきっかけに俺は学園都市に送られたんだよ。学園都市に送られてなければ俺はラウラに会えてないだろうからな」

 

「そういうことですの・・・」

 

そういって三人は飲み物に口をつけた。

 

「そういえば、お前の専用機はどうやって手に入れたのだ?」

 

一口飲み物を飲んだラウラの問いかけに万はこともなげに答えた。

 

「企業のほうが融通を聞かせてくれてな、データ収集もかねて研究機のうちの一機を俺の専用機にカスタムさせてくれたんだよ」

 

「へえ、そうなんだ」

 

「でも、あくまでデータ収集も目的の一つだから、あんまりこっぴどく扱ったりぶっ壊したりしたらそれはもう大目玉どころの話じゃねえだろうな。報告も必要だし。そのかわりっていったらなんだけど、装備に関してはある程度こっちの要求も通してもらってるみたいだけどな」

 

思わぬ舞台裏にほかの三人は驚きつつ納得した表情を見せた。

 

四人はそのまま店内でしばらく雑談をしてまた買い物に戻った。後は特に何事もなく、万の水着も無事買い終え、学園へのモノレールに乗ろうとしたところで、万が足を止めた。

 

「どうしましたの?」

 

その言葉にすぐに反応せず、しばらく万は考え込む。

 

「・・・悪い、買い忘れ思い出した」

 

そういって量子変換ボックスから買ったラウラの服を出して渡した。

 

「ほい、買った服。お前のだから」

 

そういわれ渡された本人が動揺しているのも知らずに続ける。

 

「じゃあ、俺もう少しこっちいるから、先帰ってくれ」

 

その様子に少々不審がりながら三人はモノレールに乗って行った。

それを確認すると軽く振り向いて声をかける。

 

「・・・いつまでそこに隠れてる気だ?」

 

その声に含まれた殺気をものともせず、物陰から水色の髪の少女が出てきた。

 

「いやいや、今の尾行に気づくとは、さすがだね」

 

「・・・てめえ、何者だ?」

 

相手の姿を確認すると殺気をさらに強める。それでも相手は猫を思わせる飄飄とした態度で言った。

 

「まあまあそんなに殺気立たないで、“タスカー”君?」

 

その言葉に一瞬で拳銃を取り出すとすると迷わず発砲した。消音ピストル独特の空気の抜けるような音とともに火を噴いて出た弾丸にすら彼女はおびえなかった。

 

「だからそんなに殺気立たない。血の気の多い子はお姉さん嫌いよ?」

 

「・・・何が狙いだ」

 

「何も狙いはないわよ。ただ君を知りたかっただけ」

 

その言葉を聞いてから相手の目を見ると、銃をしまって背を向ける。

 

「・・・とりあえずは信用してやる」

 

「そう、ありがと」

 

その言葉を背に聞きながら万はモノレールに乗りにかかった。

その後、ホームで先行していた三人に見つかって面倒くさいことになる、ということはこの時点で万は知らなかった。

 




これが休息といえるのかというツッコミは置いといて。

さてさて、次からは本格的に臨海学校です。
つっても俺海水浴行ったことないんだがな・・・海がある県に住んでるのに。まあアニメ見てほどほどに適当に仕上げますけど。

ではでは
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