この辺うまくアニメを生かせるから打つのが楽です。余裕があればですけど。精神的にも時間的にも。
では今回どうぞ。
そしてその翌朝。例によって早起きして縁側を歩いていた万は何かを見ている様子の一夏を見かけた。彼の視線の先を見るとそこにはウサギの耳のような形のものと「引っ張ってください」という張り紙。
「・・・なんだこれ」
「・・・だいたい誰かはわかってるがな・・・」
思わず漏らした万に一夏はため息を一つついて答える。
「で、引っこ抜いたほうがいいのか、これ」
「引っこ抜くって・・・野菜じゃあるまいし。でもそうしたほうがいいんだろうな・・・」
そういいつついったん庭に下りてそれを引っ張る。が、出てきたのはウサギの耳のカチューシャであった。何事も起こらないと思った二人だったが、上空から何かが落ちてくるのを見てそれを改めた。前と同じように能力でそれの動きを停止させようとするが、相手がなかなかに早く、停止させるには至らなかった。だがそれでも落下音が穏やかなものであったのは彼の能力のたまものだろう。
降ってきたのは人参型のものだった。
「いやーいっくん引っかかったねブイブイ!」
それの中から出てきた女性はそういいながら両手でピースをする。いつの間にか拳銃を取り出し構える万など見えないかのように一夏にそのまましゃべりかけた。
「ところでいっくん、箒ちゃんは? まあ、この箒ちゃん探知機ですぐ見つけるけどねー。じゃあ、またあとでねー」
そういってどこかへと走って去っていく。その光景を見送って万は隣の一夏に言った。
「なあ、あの嵐のようなお人はどちら様?」
それに対しまたもや大きくため息をつくと返答した。
「篠ノ之束さん。箒の姉さんだ」
それに対し万が数秒固まったのは言うまでもない。
そしてその日の昼。専用機持ちと箒が集まったところを見て千冬が言った。
「よし、専用機持ちは集まったな」
「・・・あの先生、篠ノ之は専用機を持っていませんが」
「ああ、それについては―――」
「・・・ちぃーちゃーん!!」
万の質問に対して説明しようとした千冬を別方向からの声が遮った。声のした方向を向くとそこにはドドドと擬音がつくような勢いで砂埃を上げながらこちらへ来る人影があった。その人影はそのまま千冬に飛びかかろうと―――否、飛びつこうとしたがそれを流れるような動きで千冬が止めてアイアンクローをかます。
「やあやあ会いたかったよちーちゃん! さあハグハグしよう、愛を確かめ合おう!」
「うるさいぞ束」
「相変わらず容赦のないアイアンクローだねー」
そういって彼女の包囲網を抜けると今度は岩陰に隠れている箒に声をかける。もっとも、声をかけられた本人は心底煙たそうだったが。そんな様子を見て千冬が声をかける。
「束、自己紹介くらいしろ」
その言葉に従って束は万たちに向き合った。
「私が天才の束さんだよー。ハロー。終わり」
その言葉に万以外の専用機持ちがそれぞれ声を上げた。
「束って・・・」
「まさか、ISの開発者の・・・」
「篠ノ之束・・・!?」
そんな様子などいざ知らず、といったハイテンションでさらに束は宣言する。
「まあ自己紹介はこんなところで。みなさん空にご注目!」
その言葉に従って上を見ると空から何か落ちてきた。今度は能力を発動させずそのままだ。何を送ってきたのかは知らないが、よもや地面に墜落させて木端微塵にはすまいと考えたからだ。
降ってきた物の中から出てきたのは紅いISだった。
「これが箒ちゃん専用機こと『紅椿』。現行最高スペックの束さんお手製、第四世代型ISだよー」
その言葉にその場にいる全員が絶句した。
「第四世代型・・・だと・・・」
「まだ各国で第三世代型の試験機ができたって段階なのに・・・」
そんな様子などいざ知らずというような風情で篠ノ之姉妹はパーソナライズを始めた。その作業速度の速さに驚いていると、パーソナライズは完了していた。その速度は万ですら驚くレベルだった。
「じゃあ、試運転もかねて飛んでみようかー!」
相変わらずのハイテンションで束は箒に言った。その言葉に反応して紅椿が飛翔する。その速度にその場にいた全員が驚愕した。そのうちに武器特性のデータが送られ、武器である刀の試し振りをする。箒が右手の雨月を天に向かって突くとそこから数条のレーザーが奔った。
それを確認してか束はどこからかミサイル砲台を出して箒に向かって射出して言った。
「次はこれ撃ち落としてみてねー」
箒はミサイルを自慢の高機動でひきつけると今度は左手の空裂を薙ぐ。すると、そこからエネルギーの刃が射出され、迫りくるミサイルを一掃した。その様子を見て専用機持ちはさらに驚いた。その様子を見て、束はからからと笑った。
「織斑先生ー!」
そんな時、副担任の山田先生が端末をもってこちらに走ってきた。息を整えることもせず、持ってきた端末をそのまま千冬に渡す。それを見た瞬間、千冬の顔が一気に険しくなった。一通り読み終えたところで周りの生徒に声をかける。
「テスト稼働は中止だ。お前たちにやってもらいたいことがある。ついて来い」
そういって自分はすたすたと歩き出した。
千冬が生徒を連れてきた場所はすでに多数のコンピューター、大型の仮想、実体ディスプレイ、通信装置などが存在し、さながら管制室と化していた。実際そういう場所なのだろう。それを見て万は本格的にただならぬ状況が発生したことを知った。
全員が聞く態勢に入ったところで千冬が話し出した。
「今から二時間ほど前、ハワイ沖にて実験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型IS、
その言葉を聞いても全員が異常事態を察知していたからか驚きはない。それを確認してか千冬は続けた。
「情報によれば無人のISとのことだ。衛星による監視の結果、福音はここから2km先の空域を通過するということが分かった」
それを聞いて万は問いかける。
「時間換算で何分後くらいですか?」
「40分前後、といったところだ。学園上層部の判断により、我々がこの状況に対処することとなった。教員は学園の訓練機を使い海域、空域の封鎖を行う。よって本作戦の要となる福音の対処は専用機持ちに担当してもらう」
「マジかよ!?」
「そんなに驚かないの」
ややオーバーリアクションをした一夏を凰がたしなめる。場が静かになったことを確認して千冬が言った。
「それでは作戦会議を始める。意見があるものは挙手するように」
その言葉に反応しさっそくセシリアが挙手した。
「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」
「・・・絶対に口外するな。情報漏えいがあった場合、諸君には査問委員会による裁判と、最低でも2年の監視がつけられる」
「了解しました」
その反応を見て千冬は生徒が囲む形で見ている仮想ディスプレイに情報を投影した。
それを見てそれぞれは思考を始める。
「広域殲滅を目的とした特殊射撃型、ねぇ・・・」
「わたくしの機体と同じように、オールレンジ攻撃が行えるようですわね・・・」
「攻撃と機動の両方に特化した機体ね・・・厄介だわ」
「この特殊武装が曲者だね・・・。連続しての防御は難しい気がするよ・・・」
「・・・このデータでは格闘性能が未知数・・・。偵察は行えないのですか?」
ラウラの問いかけに千冬も軽く首を横に振る。
「それは無理だ。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回しかできないだろう」
「・・・てことは、一発で仕留めるしかない、ということですか」
万のつぶやきに近い確認に千冬はうなずいた。その言葉に今まで相槌を打っていただけの一夏に視線が集まる。当の本人は心当たりが全く内容でただ驚いていた。
「あんたの零落白夜で落とすってことよ」
「それしかないですわね。ただ、問題は・・・」
「ああ。バリア無効化攻撃は恐ろしく燃費が悪い。誰がこのアホを戦闘空域まで連れていくか、だな」
「そうだね・・・。エネルギーはすべて攻撃に回したいから、移動をどうするか」
「目的に追いつける速度を出せる機体でなくてはいけないな・・・。超高感度ハイパーセンサーも必要だろう」
そんな話の流れに挟まる形で一夏が口をはさんだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺が行くのか?」
「「「「「「当然(だ)(ですわ)」」」」」」
その言葉に全員が異口同音で何をいまさらといった体で言った。その言葉に一夏はずっこける。
「・・・織斑、これは訓練ではない。実戦だ。覚悟がないなら無理強いはしない」
千冬の言葉に一夏は姿勢を正していった。
「・・・やります。俺がやって見せます」
その言葉に千冬はうなずいた。
「よし。それでは現在、専用機持ちの中で最高速度が出せる機体は―――」
「待ったまーった! その作戦はちょっと待ったなんだよー!」
千冬の言葉の途中で天井裏から束が出てくる。その瞬間千冬は片手で顔を押さえた。束はすたりと一回転して着地を決めるとそのまま千冬に近寄って言う。
「ちーちゃんちーちゃん、もっといい作戦が私の頭の中にナウプリンティングー!」
「さっさと出ていけ」
「聞いて聞いて、ここは断然紅椿の出番なんだよ!」
「・・・何?」
そういって指を一本立てる束を千冬は手を放して見た。
その後、千冬と専用機持ちは渓流にいた。
箒が紅椿を展開したのを見て束がさらにいう。
「それじゃ、展開装甲オープン」
そういうと紅椿の装甲の一部が開き、その間からエネルギーの装甲が飛び出した。
「展開装甲は第四世代型の特殊武装で、一言で言っちゃえば雪片弐型が進化したものなんだよねー。なんと、全身のアーマーを展開装甲にしちゃいましたーブイブイ!」
そういいながら両手でダブルピースを作る束にほかの面々はただ驚いていた。
「それにしてもあれだねー、海で暴走っていうと白騎士事件を思い出すねー」
その言葉に反応したのは千冬だった。それを見てか束はしつこく白騎士の話題を千冬に言うが、少しすると千冬に出席簿でたたかれていた。その直後の反応で抱き付いてきた束をはがすと千冬は言った。
「で、紅椿の調整にはどれくらいかかる?」
「織斑先生」
束が答える前に万が口を挟んだ。
「なんだ?」
「俺のセイリュウのスピードパッケージなら、数値上最速でマッハ2の速度を出せます」
「それは実戦で投入したことはあるのか?換装時間は?」
「ありません。が、二人のサポートくらいはできるかと。換装時間は10分あれば細かいシステムチェックも含め完了できます」
「ちなみに紅椿の調整は7分あれば余裕だねー」
万と束の言葉を受けて千冬は周りに宣言する。
「本作戦は織斑、篠ノ之、黒川の三名による目標の追跡、および撃墜を目的とする。作戦開始は30分後、各員作業にかかれ!」
そういって自身は作戦に直接参加しないメンバーを集めて何やら話をしていた。そして、万も自身のIS、セイリュウを展開、スピードパッケージに換装してシステムチェックを行っていた。それを行いつつ、横目で箒を見て、万は一抹の不安を感じるのだった。
はい、今回は以上です。
万の能力がいまいちわかりにくい、との指摘がありましたのでこの場を借りて捕捉を。
万の能力は文字通り「森羅万象を操れる能力」ではありますが、某ちっさい錬金術師よろしく固体の形状を派手に変形することはできないd(殴
もちろん、赤い外套の弓兵さんみたいに何もないところから武器を作るなんていう荒業も無理です。
素材と時間があれば武器を作るのは可能ですが、それはやはり莫大な時間がかかります。
あくまで固体はその形のまま操る、ということです。ただし、ゴムや紙のように手で変形できるようなものは変形させることもできますし、ガラスのようなものでも割ることができます。
まあ、こんなところでよろしいでしょうか?
ではでは。