なんというか、予想的中でワロス。
だって学校にパソコン持っていく日に限って書く暇あるんですもん。俺は悪くねえ。
しかも、一つイベントすっぽかしてて一話まるまるともいっていい量を書き直してこのペース。クソワロ。
では今回どそー。
万は学園に戻ると違和感を覚えた。
具体的には、少々学園全体の空気が浮ついているような気がしたのだ。それはまるで、お祭りが近くなって浮かれているような・・・
と、そこまで考えて万はふと疑問を覚えた。
(ん・・・?まてよ、
その単語に嫌な予感を覚えつつ自分の席に座ると、たちまちクラスメイトから声をかけられた。
「黒川君はやっぱり麦野さんと組むの?」
「組むってなんだよ。全く持って状況が読めねえんだけど?」
「えー、知らないの?」
「知るも何も、数日とはいえ学校来てなかったんだからわかるわけないだろ。もっと詳しく説明してくれ、頼むから」
「あ、そういえばそうだったっけ」
「ところでどこに行ってたの? 旅行?」
「ちとこっちにも用事があってな」
「どんな用事?」
故意なのでは、と思うレベルで話を脱線させたがるクラスメイトに辟易しつつ、万は誰にともなく言った。
「んなことはどうでもいいだろ。なんかあったのか、俺がいない間に」
「あれ、本当に知らない?」
どこからか聞こえてきたその声に軽くため息をつき、いらだちまぎれに少し大きな声を出そうとしたとき、高く澄んだ声でそれをいさめる声が聞こえた。
「あなたたち、数日ぶりに学校に来た生徒に事情説明くらいなさいな。自分の身に置き換えて今の万さんの状態を考えてみなさいな」
「あ、オルコットさん・・・」
「それに、そろそろ時間ですわよ?」
そこには、セシリアが軽く腰に手を当てて立っていた。
あくまで風のうわさに過ぎないが、彼女は学年でも10本に入る実力と美貌、そして他を慮る性格により、かなり周囲からの人望も厚いと聞いていた。
それはそれとして。
彼女の言葉と、間もなく朝のSHRが始まるということもあり、クラスメイトが席に着くのを見つつ、セシリアは万に向かって口を動かした。その口の動きから、万は何を言っているのかを予測した。
(“次の休み時間に説明いたします”、か)
それに対してこちらも口の動きのみで“わかった、頼む”と伝えると、彼女はにこりと微笑んで自分の席に戻って行った。
その行動の端々にも育ちの良さが現れていて、やはり本物のお嬢様は違うな、と全く関係のないことを思い浮かべたのは、おそらく今頃学園都市の学校で過ごしている少女と一緒に行動した時間があったせいだろう、と推測したところで前の扉が開き、担任が入ってきたのを見て、万は思考を途切れさせた。
そしてその直後の休み時間、約束通りセシリアが万の机のところに来た。
「とりあえず、簡単に事情を説明いたしますわね」
「おう、頼む」
彼の性格を知ってか否か、セシリアは直球で切り出した。
曰く、なんでも専用機持ちのトーナメントが行われるらしい。そのトーナメントはペアで行われることから、一夏が一体誰と組むのか、というのが注目されていたが、どうやら一夏は4組の更識簪に猛アタックを敢行しては無視されたり断られたりというのを繰り返しているらしい。
今のところ、ペアを組んでいないのは、シャルロット、ラウラ、鈴音、セシリア、麦野、そして一夏と簪らしい。
「・・・なーる。でも、一夏は内部事情を知っているのかねぇ・・・」
「内部事情、と申しますと?」
そのセシリアの言葉に、一瞬で周囲に目を配り、こちらを注視している目がないことを確認すると、万は意図的に声量を落としていった。
「最初に言っておく。この件は他言無用だぞ」
「・・・わかりましたわ」
「んじゃあつづけるけど、更識簪ってのは今の日本の代表候補生なんだが、これの専用機の開発をしていたのが倉持技研ってとこ。白式と同じとこだな。で、春先に白式を急ピッチで作ることになって、その結果、更識簪のほうの専用機が開発半ばでほぼ打ち切りになったんだと」
「・・・無責任と言いますか、なんといいますか・・・」
「全くだ、元技術屋としてはアホかとしか言えねえ。でだ、その結果、その開発半ばの機体を、彼女が一人で完成させようとしてる。俺が知ってるのはここまでだ」
「・・・なるほど、それで強固なまでに拒否している、と」
「おそらくな。といっても、それが八つ当たりなだけっていうのもわかってるから、余計フラストレーションがたまるんだろうな・・・」
そんな風に独り言ちつつ腕時計に目を落とすと、また目線を戻した。その時に、セシリアが問いかけた。
「そういば、その腕時計はどうしたのですか?確か、一学期にはつけていませんでしたわよね?」
「ああ、夏休みに買ったんだよ。ちょっとしたアクセントっていうか、なんていうか・・・。まあ、俺も多少は身なりに気を遣うんだよ」
その質問に用意してあった答えを言うと、セシリアもそれ以上は深く追求はしなかった。
それ以外にもいなかった時の学校の様子を聞きおえたときには授業開始数分前で、万は軽い謝礼の言葉とともに席に戻った。
そんなことがあった朝からは特に何事もなく、万は昼休みに食事をとろうと食堂に行き、席に座って食事を食べようとした。ちょうどその時に、すと影が差した。
「隣、空いてるかしら?」
「・・・どうぞ」
顔を上げずにした返答の後に、その人物が座ったことを確認すると、万はいまだに目線を変えずにそのまま言った。
「・・・で、何の用件ですか、更識楯無生徒会長?」
「いやだなぁ、そんなに警戒しないでよ。おねえさんこわいわぁ」
「そのわざとらしいしゃべり方やめてもらえませんか。あそこでああいう表情ができる人間にとってみればこの程度今更でしょう」
あくまで警戒を解かない万に対して楯無は一枚の紙を静かにおいた。その置き方などは、それなりに注視していないと気づかないほどだった当たり、やはり目の前のこの人物は食えないと万は思った。
そして、その紙には“放課後、生徒会室”とのみ書かれていた。それを見て、万は胸ポケットにしまってあったペンを左手で持つと、さらにその紙に“なぜ?”と書き足し、ペンを紙に置いた。それを見てか、楯無も右手でペンを持ち、“それも含めてその時話す”と書き足した。それを見て軽くため息をつくと、短く“了”の一文字を書いた。
その後は特に会話もなく昼食は終了し、放課後、万は約束通り生徒会室へ向かった。ノックをして中から了承の返事をもらうと、中に入る。
中には楯無しかいなかった。おそらく、彼女が人払いをしているのだろう。
「さて、応じてくれてありがとうね、黒川君」
「いえ、こっちとしても断る理由がありませんでしたから。・・・で、一体どういう用件です?」
「一夏君が簪ちゃんに対して猛アタックをしてる、って話は聞いてる?」
「ええ。なぜそんなことをしているのかは知りませんけど」
「実はそれ、私の手引きなの。簪ちゃんが一夏君に対して厳しいのは・・・」
「機体のせい、でしょう?元技術屋としては二つの機体を仕上げる苦労もわからずに無茶なオーダー出した上層部の気がしれませんけど」
実際に過去にプロジェクトチームの一員として作った試作機の一つは、今彼が専用機として使っているわけなのだが、これはコンセプト決定から安定稼働ができるようになるまで半年弱の時間をを要したと聞いている。白式の場合、大方完成しかかったか、欠陥機として放置されていた機体をブラッシュアップしたのだろうが、それでも一月かそこらで開発まで終了させろというのは無理な話である。
「まあ、そんなのはこの際おいておくとして。それを知っていてなぜわざわざ?」
「むしろ、だからこそ、かなあ。それに、簪ちゃんの機体―――打鉄弐式っていうんだけど、これは高速軌道からの遠距離狙撃がコンセプトだから、接近戦特化の白式とは相性がいいと思うし」
「・・・ま、それは一理ありますね。で、俺に何をしろと?」
「うん・・・。一夏君が弐式の開発を手伝おうって言ってるそうなんだけど、こっちもやっぱりダメっぽいんだよね。そこで・・・」
「俺に協力をしろ、と。まあ確かにこの学校の中では俺ほどの適任はなかなかいないでしょうけど・・・」
「そういうこと。協力、してくれる?できれば、私の名前を出さずに」
そういう楯無の目を、万はじっと見つめた。その中に宿る光には、昼に見せたおどけたような、ふざけたようなものは一切なく、ひたすら衷心から頼みをする目が合った。
「・・・わかりました。できるだけ自然に接触してみます」
静かに返答すると、楯無はほっとしたように肩の力を抜いた。
「ありがとう。それじゃ、よろしくお願いします」
いつもの人を食ったような態度とは打って変わった神妙な態度で、彼女はゆっくりと頭を下げた。
その足でいつも使われている整備室に足を運び、その中にひっそりと入ってみた。
その中には水色の髪をした少女がある機体の前でディスプレイとにらめっこをしつつあれこれ調整していた。おそらく、あの機体が更識簪の専用機である“打鉄弐式”なのだろう。しかし、どうやら出力の調整がうまくいっていないようだ、というのは遠目から見ていてもわかった。
そこで、彼はセイリュウのステルス機能と自身の身ごなしを併用して近くまでより、彼女が一体どのようなことをしているのかを見た。あくまで横から見ただけに過ぎないが、そのプログラムは本格的だ。メカの方面に通じていた身としては、代表候補生よりプロのエンジニアのほうが向いているのではないか、と思ったほどだ。
だがしかし、直後にエラーメッセージが発生する。その原因はわからないが、おそらくは。
「脚部スラスターの排熱プログラムがちょいと甘い、とかか・・・?」
あえてセイリュウの光学迷彩を解いたうえでわざとぼそりといったセリフは、思いのほか整備室に響いた。ぎょっとしたように少女が振り返る。その反応に驚きと謝辞の入り混じったような表情を浮かべ、万は言った。
「ああ、邪魔しちゃったらごめんなさい。少し興味があったもので」
「・・・興味って、この子に?」
「両方に」
短く要点のみで問いかける少女にこちらも同じく要点のみで答える。
「日本の代表候補生とその専用機、そして専用機のほうは搭乗者本人が調整する・・・こんなレアケースそうそうないし。あと、思いのほかプログラムとかがハイレベルみたいだしね」
「・・・へえ。でも、あなたには関係ないじゃない」
「うんにゃ、関係ある。俺も専用機持ちだからな。あんたがいないと、おそらく俺があぶれる。聞いた話では、一夏が猛アタックかけてるみたいだし、もしあんたと一夏が・・・」
「ありえない」
「うん、だからあくまで仮定の話」
説明する万の声をぶった切ってかたくなな声で否定した彼女を軽くなだめて万は続ける。
「もしあんたと一夏がペアを組んでくれるのなら、俺だってあぶれなくて済む。ほかの女子は適当に組むだろうしな。それに、元技術屋として、未完成のままっていうのは気になることなんだよな。っつーわけで」
手伝わせてくんない?
そういって軽く笑いながら言う万に簪はひとつ言った。
「いやだ。この子は、私が一人で仕上げる」
「現実問題、無理だ」
あくまで頑なな態度をとる簪に対し、万はあまり切りたくないと思っていたカードを切ることにした。
「あんたのお姉さんだってある程度の手助けは借りたと思うぞ。すべての助力を断って、そのうえで一人で仕上げるなんて無茶だとしか思えない。あんたには技術があるかもしれない。っていうより、あるって言ったほうがいいかな。それでも、一人でやることには限度っていうものがある。それに、もしパーツ交換等が必要ってことになったら、その時の費用はどうする?専用機持ちのトーナメントまで、あとひと月もない。その間に、この機体を完成させるなんて無理だ。少なくとも、俺には無理だ」
彼の切ったカード。それは、現実を突きつけるということだ。できれば、こんなに序盤に切るようなことは避けたかったのだが、こうなってしまっては仕方がない。
「そんなの、やってみなくちゃわからない。それに、間に合わなくても・・・」
「一人で仕上げることに意味がある、ってか?折角、姉貴を打倒できるチャンスがあるかもしれないのに、それを潰す意味があるのか?」
その言葉に、簪は黙り込んだ。どうやら彼女は自分の姉が有能であることにコンプレックスを抱いているようだ。なら、それをどうにかして解消するような道筋にすればどうにかなるかもしれない。そう思った万の作戦はどうやら功を奏したようだ。
「・・・わかった。じゃあ、手伝いをお願いできる?」
「もとよりそのつもりだ。んじゃま、プログラムとか見させてもらえる?話はそれからだ」
その言葉に、簪はおとなしく画面の前を万に空け、万は軽く礼を言いつつプログラムの精査にかかった。
ようやく標準文字数。
というか、知人もここで小説書いておりまして。
で、その知人はだいたい毎回一万字超えるらしいんですけど。いったいどういうことなんでしょう。
まあ、俺も二話まとめればだいたいそのくらいになるんですけど。
活動報告のほうもよろしくお願いします。
ではまた次回。
できればGEのアニメ始めるまでに完結させたいなー、と思っていたり。