【完結】IS―二人目は万能の天才!?―   作:緑竜

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 はい、どうも。

 書いていたら書き溜めるだけして投稿していないことに気付いてひそかに慌てた緑竜です

 適当に書いて、そういえばどの辺まで落としたっけと思ったら今書いている分の2、3話前くらいのところまでしか投稿していなかったと知ったときは少なからず驚きました。

 とりあえず今回分どうぞ。


43.最終局面―小波―

 本丸へと万が切り込んでいったその頃、先鋒は一夏達の元へ向かって行った。

 

 

 雪片を振るい、敵の戦力を確実に削いでいく。その中で、一夏は疑問に思っていた。

 

(これだけの量を無人で動かすって、それって全部AIってことだろうけど・・・。本当に全部機械任せなのか?一機くらいは機械じゃないのがあっても・・・)

 

 これまでの攻撃も、もし人が乗っていたら確実に死ぬようなところには当てていない。が、本当にこれはすべて機械なのかと思い出していた。一瞬だけ動きが鈍った瞬間に、すぐ後ろに迫っていた敵が爆散した。ついで、地上でも爆発が発生する。誰が援護したのかはわからないし、地上での爆発は誰の仕業なのかもわからない。が、

 

「余計なこと考えてる時間はない、か」

 

 一言呟いて、一夏は目の前の航空機を撃墜しにかかった。

 

 

 ちょうど同じころ、セシリアと背中を預ける形で戦う凰は少々劣勢に追い込まれてきていた。

 

「どんだけいるのよこいつら!」

 

「ぼやいていても仕方ありませんわよ!」

 

 短くやり取りをしながら倒していく。二人のコンビネーションは格段に向上していて、以前のように醜態をさらすことはなかった。

 

「それもそうだけどさ、こんだけいるとぼやきたくもなるって」

 

「万さんもおっしゃっていたでしょう?敵は雲霞のごとく大群だと」

 

「ま、そうだけど。そっちはどんな感じ?」

 

「まったく終わりが見えませんわ。ですが」

 

「ここでくたばるわけにはいかない、でしょ?」

 

 その一言に笑みをかわし、再び二人は飛び立っていった。

 

 

 何とか本丸までたどり着いた万は、新型駆動鎧の相手を始めた。長剣を目の前の一機に突き刺す。瞬間、中から()()()()()()()()

 

(やっぱりか!)

 

 アイギスは目の前の機械類から確かに熱を感じ取っていた。しかし、それは機械の出す廃熱だけでないことも、見ただけで判断できるくらいには分析ができた。

 目の前の敵は間違いなく人間が乗っている。そして、この感覚は、

 

「ISコアなしでISを再現したってとこか」

 

 学園都市ならやりかねない。万はある意味納得していた。

金が動いたのか、それとも何か弱みを握られたか。どちらにせよ自分には関係ない。有人であるのが一体どれだけあるのかはわからないが、とにかく叩き潰すまでだった。

 

 

 それとほぼ同時刻、簪は打鉄弐式の補助も使って何とかEMPの解除を試みていた。万がお墨付きを得ていた三つ子の連携は完璧で、中でもセイリュウは状況に応じて武装を換装しつつ戦うというスタイルを用いていた。確かに万も頭が切れたし、その気になれば高速切替(ラピッドスイッチ)など余裕だろう。が、こうも簡単にぽんぽんと使って戦う様はまるで人間のようだった。さらにそばには庵もいる。強力なガードの下、解除のみに集中することができた。しかし。

 

「どうだ!?」

 

「だめ、全然。揺らぎすらしない。相当強力なやつを使ってるんだと思う」

 

 さすがの簪もここまで強力なものを解除できるほどのハードがなかった。彼女に与えられた追加武装はこのようなEMPを解除するようなものもあったが、出力がまるで足りなかった。

 

「学校の施設に接続して共振させないと難しいと思う。ついてきてくれる?」

 

「分かった」

 

 そういって二人は移動を開始した。それに伴って、三つ子も移動を開始する。その光景は明らかに目についた。

 

 

 

 その頃、奇しくもその接続する地点付近では一波乱が起きていた。

 

「なん、の・・・つもり、だ・・・」

 

「もう私は、使われるだけの人間じゃない。それに、私はこんなこと望んでない」

 

 その一言と共に一筋の光。同時に、無線も壊す。

 

「一応、ここには借りもあるしね」

 

 そういってつかつかと歩く。その行く先は本来向かうべき場所。しかし、目的は正反対だった。

 

 

 その頃、地下シェルター上空にはラウラと箒が戦闘を開始していた。互いに遠距離と近距離の短所と長所をうまく補いながら、即席とは言えどコンビネーションで切り抜けていた。

 だが、戦況が崩れる要因は唐突に訪れた。

 

「敵、高速で接近!高度がかなり高いぞ!」

 

「どこだ!」

 

 箒から入った報告にラウラが即座に反応した。

 

「直線距離で約10000だ」

 

 高度が高く、直線距離約10000。ということは、航空機の速度を考えると、どんなに遅くとも数分のうちに到達することになるだろう。

 

「分かった。とりあえずは殲滅を続けてくれ」

 

「了・・・解!」

 

 会話をしつつ敵の防衛をする。が、そのためにはとりあえず目の前の敵の一掃が要求される。

 

 

 

 その頃、一夏達はじり貧だった。数で押されているだけでなく、一夏達の“殺しへの忌避感”から攻撃の手が緩み、それが相手の反撃の隙になっていた。もっとも、近接で攻撃することが主である一夏は、その機動力をもってそのほとんどを避けたり、また引き寄せて斬ったりしているわけなのだが、それでもそれにより攻撃の芽を確かに摘まれているのである。

 

「くそっ・・・」

 

 思わず毒づくが、それはあくまで自分に対して。しかし、それで状況が変わるわけでもない。だが、その直後。自分たちを避けるようにして、光を伴うエネルギー弾が降り注いだ。思わずそちらを見ると、そこにはかつて見たシルエットが。

 

「まさか、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)・・・?」

 

 それは、かつて自分が大破撃墜させたはずの機体が佇んでいた。

 

「まったく、無事?織斑君」

 

 その声は、(自分たちにとっては)たまにしか教壇に上がらない教師の声だった。

 

「ナターシャ先生!?」

 

「ええ。迷ってたら死ぬわよ」

 

 そういって、手元に銃器を展開する。それは、一夏の雪片も含めたISの武装にしては異常に武骨だった。

 

「さて、行きましょう」

 

 そういって銀色の機体が突っ込んでいく。それに続く形で一夏も切り込んでいった。

 

 最初はナターシャが手に持っているものが何なのかを判断することができなかった。が、すぐにその正体が分かった。

 

「アサルトライフル・・・って、どこで?」

 

「万君よ。彼、このくらいの兵器開発はなんてことなかったみたいでね。この子を調整する過程で作ってたみたいよ。なかなかの使い心地で気に入ってるのよ」

 

 その言葉に思わず一夏は言葉を失った。自分たちの武器を作るだけでなく、さらに武器を作っていたとは。

 

「ぼーっとしてる暇なんてないわよ」

 

 そういいながら、ナターシャは三点バーストを何回か繰り返し、敵を倒す。その言葉にはっとした一夏は、後ろに迫ってきていた敵を一閃で倒す。それには、今まであった迷いがなかった。

 

「やればできるじゃない」

 

 そういいつつ、後ろに目を向けて銃を一連射。それにより、敵が地に落ちていく。その光景を見るナターシャの目は、完全にそういうものを見慣れた目だった。

 

 だが、その内心で、一夏は人を殺してしまったかもしれないという、得体の知れない不安に襲われていた。が、迫りくる敵が、その不安を強制的に吹き飛ばした。

 

 

 

 その頃、地上部隊は二人が獅子奮迅の活躍をしていた。そのうちの一人である麦野は、迫りくる敵をなぎ倒しながら疑問に思っていた。

 

(おかしい。いくらなんでも、これだけじゃないはず)

 

 いくら銃火器を持った歩兵より応用力という点で上回るとはいっても、たった二人でここまで抑え込める相手を送るほど敵も馬鹿ではないはずだ。ということは。

 

「やっぱり来たか」

 

 その後ろから見えるのは銃器を持った大人。数も半端ではない。それを確認して、麦野は三角形が集合したような板を取り出す。

 

「あいつが禁止していたのはただ一般人を巻き込まないこと。なら、巻き込まなければいいんだろうが・・・よ!」

 

 最後の一言と共に板に閃光が放たれる。瞬間、そこから拡散し、周りの兵士を何人も巻き込んだ。

 

「そういえば、あいつが言ってたっけな」

 

 

 

 

「それと、防衛戦がオープンスペースでの戦いになった場合とか、状況によってはISを部分展開するのも手。生徒会長の霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)はまあ、難しいところはありますけど、麦野は別。Oビットとか、ナガミツとか、その辺を使えば戦えるだろう。特に、背中への攻撃とか、その辺の対応もできるってことは大きなアドバンテージとなりえる。ただし、」

 

「周りを巻き込むな、だろ?」

 

「そーゆーこと。あんたならやりかねないからなー。前科あるし」

 

「そんな覚えはねえが?」

 

 青筋がたっているのは気のせいではないだろう。

 

「そうか?絶対能力者(レベル6シフト)計画絡みで研究所防衛した時に、散々研究所の壁やら管やら穴ぼこにしたって話は結構聞くぞ?」

 

 こういう仕事柄、そういった話もよく聞く。特に、施設防衛に失敗した挙句、その施設には明らかに侵入者ではなく防衛者側の能力による損傷が多数あった、という話はしばしばなされた。というのも、ある種笑い話のタネとしてなのだが。

 

「あれはあのションベン臭え第三位が逃げ回るから―――」

 

「はいはい、言い訳は結構。とにかく、地面を穴ぼこにするくらいならともかくとして、同士討ちとかはシャレになんないから避けること。OK?」

 

 

 

 

「なら、やるか!」

 

 そういって周りに8つのビットが出現する。それらは自在に動き、次々に敵を殲滅していった。

 

「んだよ、この程度かよ。質で劣る分を数で補うっていうのはもともとだけどよ、補いきれない差ってもんがあるっていうのが分からないのかねぇ。ま、どちらにせよ、―――てめえら、ここで全員ブチ殺し確定だクソ野郎ども!!」

 

 そういって、Oビットともども光がともる。その直後、数条の閃光が奔る。その光の奥で、麦野は獰猛に笑っていた。

 

 

 

 やがて、万は上空で戦いながら新型をどんどん後ろにそらしていることに気付いた。確かに撃墜数は着実に伸びている。が、相手がそれを越す数を一気に叩き込んできていたのだ。

 

「しゃーねーか。偽・銀の鐘(シルベルレプリカ)、起動」

 

 万だって、ただ銀の福音の調整をしていたわけではない。ちゃんとデータもとっていた。それに、そもそもこの機体の広域殲滅兵器は銀の鐘(シルバーベル)をもとにしたものだ。そのデータを応用し、さらに昇華させたものが、このアイギスに搭載されているものなのだ。さらにアップデートを続け、今日に至ったことにより、本家に勝るとも劣らないものとなっていた。それが、シルバーベル・レプリカ、略してシルベルレプリカだった。

 エネルギーは先ほどから飛んできている飛び道具などを吸収させているため申し分ない。

 

「―――蹂躙しろ」

 

 その一言ともに、ショルダーアーマーが放射状に開かれる。と、レーザーを極々短くしたような光の嵐があたりを包んだ。嵐が収まったころには、その周辺の敵の数が相当減っていた。

 

「悪魔め・・・」

 

 駆動鎧部隊の誰かが漏らした台詞に、万は薄く笑った。

 

「ああ、俺は悪魔だ。だから―――遠慮なくかかってきやがれ」

 

 その笑みは、酷く獰猛で、挑発的で、それでいてよく似合っていた。

 

 

 

 上空の様子を見ながら、楯無は考えていた。

 

(ナターシャ先生も援護に入った。あれは、確か銀の福音。大破していたって聞いてたけど。おそらく万君の仕業ね。まったくあの子は・・・。

 とにかく、あれは軍事ISだから、あっちは任せても大丈夫そうね。一夏君が足引っ張らないことを祈るけど・・・。とりあえずは・・・)

「ここを守り抜くことだけ考えましょうか」

 

 そういうと、霧纏の淑女のアクアクリスタルのみを展開した。右手には赤いしるしの付いた、そして左手には黄色いしるしの付いた、銃に似たものがそれぞれ握られていた。

 

「さて、じゃあ行きましょうか!」

 

 アクアクリスタルを稼働させる。発生した水滴に向けて左手の人差し指を動かす。直後に、右手の人差し指をほぼ同じところに向けて放った。直後、爆発が起きる。

 

「いったい何が!?」

 

 相手の子供が焦ったように叫ぶ。それに対し答える義理はない。実際、その叫んだ間に楯無は水の刃で相手を切り伏せていた。

 

「焦る気持ちはわからなくはないけど、こういう場では焦ったほうが負けよ?」

 

 余裕の笑みを絶やさずに相手に向けて言う。その顔には風格とも呼べるものが漂っていた。

 

「くそっ」

 

 その一言と共に放たれた炎。それは、彼女のアクアクリスタルによって生まれた水と彼女の能力によって容易く無効化された。

 

「いやぁねぇ。その程度だって思われてたの?私」

 

 笑みを絶やさないで広げられた扇子には“油断大敵”の文字。そのまま、炎を消した水を刃に変え、多数の敵を屠る。それに、得体の知れない恐怖を覚えた学園都市の歩兵の士気が下がったのを楯無は肌で感じていた。




 はい、というわけで。

 小波ということでね、そこまで激しい戦闘は繰り広げられておりません。激化していくのは次くらいかなー、と思ってます。

 そして小波があるということは・・・わかりますね?(ゲス顔

 ではまた次回。もしかしたら明日か明後日くらいかもしれませんがw
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