これである程度保管できればいいんですが・・・
とりあえず行きます。
「お疲れ」
「おう、お疲れ」
クラス代表戦の後、万と一夏はピットに戻ってきてくつろいでいた。
「にしてもお前つええな」
「お前もだよ、一夏。まだまだだけど、筋がいい。伸びしろがあるぜ、お前」
「はは、ありがとな」
そこまで行ったところで管制にいた三人がやってきた。
「よくやった、黒川。さて、これでクラス代表は黒川になるわけだが、問題はないな」
それに対し三人はうなずくことで肯定した。
「よし、ならいいな。黒川、一年間頼むぞ」
それだけ言い残すと教師二人は去って行った。
そのあと機を見計らってセシリアが口を開いた。
「あの、ちょっとよろしくて?」
「なんだ?」
それに対し二人は顔を向ける。
「あの、お二人に謝っておきたいのです。・・・このたびはわたくしの不注意な発言で不愉快な思いをさせ、申し訳ありませんでした」
言いながらセシリアは二人に対し頭を下げた。
それに対し万はため息を一つつく。
「・・・なんだよ、それのことか」
「・・・え?」
あまりにも予想外な答えに思わずセシリアは驚きの声を小さく上げる。
「別に気にしちゃいねえよ。口を滑らせるのは誰でもあるだろ?今度から気を付けろってだけだ」
「俺もそこまで気にしてないし、そんなに気にやまなくていいって」
「・・・ありがとうございます、黒川さん、織斑さん」
「一夏でいいぜ、セシリア」
「・・・はい、一夏さん!」
二人はそのあとも何やら話していたらしいが、自分に話題が来ないことをいいことにさっさと万はそこから立ち去っていた。それに対し、一夏が何やらフォローをしていたようだが、気にせずそのままロッカーへ戻った。
ロッカーで着替えをして一服していると、一夏が追い付いてきた。
「おまえなあ、あのまま無言でどっかいっちゃうってよくないぞ?」
少し咎めるような声になっているのは気のせいではないだろう。それに対し万はどこかけだるそうな声で答える。
「仕方ねえだろ?俺、あーいうときの言葉のかけ方とか分かんねえんだからよ」
「だからってもなぁ・・・まあいいや」
そして自分も着替えに入る一夏を尻目に「んじゃまおさきー」と一言残して万は部屋に戻った。
そして、その夜。万は部屋でとある情報を見ていた。
その情報とは、セシリアのものだった。イギリスの代表候補生のプロフィールなどそうおいそれとのぞけるものではないが、彼のクラッキング技術にかかればたやすいことだった。
(セシリア・オルコット、イギリス代表候補生。幼いころに両親と死別、親戚から両親の遺した遺産を狙われるが、その幼い身で守り抜く努力家。見た目に反して苦労人なのな。にしても、こいつの出生も少し気になるな。ちと家族のほうも調べてみるか・・・)
そういってさらに別方面へのハッキングを別のコンピューターを使って進める。狙う先はセシリアの家族、親戚についてだ。ほどなくしてそのデータを入手することに成功した彼は一回二つの端末をオフライン作業に切り替え、入手したデータを精査する。そんなことをしながらここにいるのが一人でよかったと割と本気で思った。誰かに見られたら処罰どころの話ではない。なにせ、自分は犯罪行為を堂々としているのだから。
それを見つつ、思考を開始する。
(身分はイギリスの名門か、まああの口調からしてもそれは納得がいくな。分家か本家かはわからんが、どっちでも遺産も莫大な金額になってるはず。とにかく、気になるのは両親だな。これから察するに、父親が婿養子に入った形か。てことは、いわゆるかかあ天下で、父親が母親に頭が上がらなかった可能性も大きいな。・・・それなら、)
「あの性格も納得、か・・・」
誰にともなくつぶやいた。これである程度丸くなってくれれば楽なのだが、とこの場にいない―――といってもいたらそれはそれで困るのだが―――少女に向けてひそかな思いを抱く万だった。
あくまで書き足しなのでこの程度。
過去最低文字数更新です。(1557文字)
この後の流れは書いているのでしばしお待ちを。ではでは。