何気に箒さんこれ初登場。
なんか箒さんが空気になってる気が・・・wけしてディスっているわけではない。
そして、その次の日の夜。
「黒川君、クラス代表就任おめでとー!」
万のクラス代表就任祝福パーティが催されていた。
だが、当の本人はというと。
「・・・こーいうのは柄じゃねぇんだがな・・・」
どこか浮かない顔をしていた。
「まあそういうなって。みんな祝福してくれてんだからさ」
「俺は気持ちだけでいいって口なんだよ。特に、こういう大人数でつるむっていうのは、なんていうか・・・気疲れする」
隣でフォローする一夏に万はあっさりと答える。
「まあまあ、そうおっしゃらずに。こういったところに愛想よく振る舞うのも上に立つ者の務めというものでありますのよ」
「それはわかってるんだがな・・・。俺は人の上に立つ人間じゃねえと思ってる」
「ならば努力をすればいいだけですの。万さんも、あのIS技能は簡単に身につけたものではないのでしょう?それと同じですわ」
セシリアも口添えをするが、万は「はたしてどうかねえ・・・」というだけだった。そして、ふと呼称が変わっているのに気付き、それについて聞こうとしたときにフラッシュが光り、思わず万は目を細めた。その眼で光の方向ににらみを飛ばすと、その先にいた少女はその眼の鋭さに驚きながら言った。
「あ、突然ごめんなさいね。新聞部の二年、黛薫子です。一応、クラス代表決定したので取材に来ましたー。それで、一組はクラス代表決定戦をやったって聞いてるんだけど、どんな風に行ったの?」
それに対し細めた目を元に戻し、無表情で淡々と万は答える。
「まず自分とオルコットが戦い、その後くじ引きの結果不戦勝だった織斑と勝った自分が戦いました」
「へえ、三人だったのにトーナメントにしたのはなんで?」
「時間の都合上です。アリーナを長々と使うわけにはいきませんでしたから」
「なるほどなるほど。で、オルコットさん。黒川君のIS操縦技術は代表候補生の目から見てどう映ったの?」
突然話を振られて驚いた様子のセシリアだったが、そこは彼女なだけありすぐに冷静さを取り戻して答える。
「正直言って、かなり高いレベルでしたわ。わたくしの放つ銃弾をことごとくかわし、必要な攻撃を叩き込んで終わらせる。わたくしの体験したことのないレベルでしたわ」
「それはすごいなぁ。で、この評価に対して当の黒川君はどう思うの?」
「んー・・・。単に自分の育った環境下では銃と相対したことも多かったですからね、その経験が生かされただけだと思います」
銃と相対することの多い環境とはどういう環境だ、と三人は思ったが、セシリアはそういえば、と話題を切り替えにかかった。
「銃といえば、あなた、あのレーザーはどういう仕組みでしたの?」
「レーザー?」
その言葉に黛も反応する。
「あぁ、あれ。レーザーっていうのは彼女の武器で、自分の武器でもあります。両方とも光学兵器を持ってますから」
「それで、戦闘中に突然死角からレーザーが飛んできたり、無数のレーザーが四方八方から飛んできたりということがありまして。結局、どうしてそんな現象が起こったのかをいまだに教えてもらっていませんでしたから」
「で、それに対しての質問でいいんだよな?オルコット」
「無論ですわ」
「ん。で、それについては実演したほうが早いですね」
そういうと彼は軽く腕を振る。すると、パチンコ玉くらいの大きさの金属玉がいくつか空中に散った。そして、彼の手にはレーザーポインターが握られていた。
「これをレーザー銃だと思ってください」
そういって空中の玉の一つにレーザーを当てる。すると、肩の前に出した左手に赤いレーザーの点が浮かんだ。
それに周囲の顔が驚きに染まったのを確認すると、レーザーポインターとパチンコ玉を量子変換した。
「金属が光をよく反射するのはご存知ですよね?それはレーザーも同じで、その特性はレーザーポインターだろうが光学兵器だろうが変わりません。それを利用し、・・・」
「金属球でレーザーを反射させて違う角度から射出した・・・」
言葉の後を引き継いだ一夏に万はうなずいた。
「その通りだ、一夏。加えて、球体なら平面とは違って反射光の推測がしにくい。それを大量にばらまいたのならなおさらだ。それを利用して攪乱に利用したわけです」
「・・・ということは、あなたはあの時・・・」
「ええ、自分の撃った光やそっちのビットから出た光がどのような角度で当たって、それがどの球にどういう風に当ってどのように反射するのか。なら、次はどのように反射させればどういう方向に飛んでいくのか。それを一発一発に対し計算し、推測し、反射および射出をしていました。正直、ハイパーセンサーとISの思考補助がなければできない芸当でした」
その言葉に三人は絶句する。ならば、目の前の男は戦いながら尋常じゃないレベルで思考し、そのうえで勝利をおさめていたのだ。異常なほどのクレバーさである。
「じゃあ、織斑君の実力は?注目のもう一人の男子操縦者なわけだけど?」
とにかく話題を変えようと黛は話題をそらす。それに対し、万は変わらず答える。
「彼のほうに関してはまだまだ未熟という印象ですね。ただ・・・」
「ただ?」
「彼のIS、何か切り札があるように思えるんです。致命傷を受けたわけでもないのは二戦とも同じですけど、彼のほうが一撃のダメージが大きかった。その代り、倒すまでの時間を考えると、彼のシールド残量は早かった。大方、燃費が悪いか、防御が甘いかってところなんでしょうけど.。それと、彼の装備は近接しかない。ということは裏を返せば一つを極めることができるということ。そして、彼の太刀筋は悪くない。これは、自分が近接にも精通してるからいえることですけどね。彼は伸びますよ」
冷静に分析する万に黛は相槌を打つ。
「てことは、織斑君が今後実力者になる目は・・・」
「大いにありますね」
「では、最後にクラス代表として一言!」
「正直、自分はリーダーに向いていないと思います。自分勝手だし、気に入らなかったら即刻切り捨てるし。ですけど、やるからには自分の最善を尽くしたいと思います」
そのコメントに黛は満足したような笑みを表情を浮かべた。
「はい、ありがとうね。じゃあ、最後に写真でもとろうか。配置とかどうしよう・・・?」
「普通に自分が中心でその周りにみんなが入る形でいいのではないですか?」
「よし、その案いただき!じゃあ、みんな入って入って」
黛の声で周りにいた生徒が集まってくる。そのあと、はいチーズというお決まりの掛け声とともにシャッターは切られた。
その次の日。
「・・・ここがIS学園ね・・・」
にやりと笑う小さな影があった。
そのまた数日後、クラス代表戦が数日後に迫っていることもあり、自主的な朝練をこなして教室に戻り、例によって新たな武器の構想を練っていた時に、クラスの女子たちが話しかけてきた。
「ねえねえ黒川君、そろそろだよねクラス代表戦」
「ああ、そうだな」
「勝算とかある?」
「向こうの情報がない以上何とも言えんな・・・。せめて機体スペックがわかればいいんだが・・・」
「ならなおさら。訓練機の装備なんて見当がつくし、専用機持ちは1組と4組だけだから楽勝じゃん」
「その情報古いよ!」
それに対し言い返そうと思ったところで違う声が割り込んだ。声の方向に目を向けると背が低いツインテールの一般的に見ればかわいらしい女生徒がいた。
「2組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には勝たせないから!」
それに対し万が反応する前に一夏が反応した。
「鈴?もしかして鈴か!?」
「ええ、そうよ。中国の代表候補生
そういってビシと音がする勢いで人差し指を一夏へ突きつける。それに対し一夏はおかしくてたまらないといった風情で吹きだした。
「何かっこつけてんだ、鈴。全然似合ってないぞ」
「う、うっさいわね!」
(中国の代表候補生、凰っていうと・・・ああ、あの無類の努力家で驚異的なスピードで代表候補生まで上り詰めたってやつか)
知り合いだからこそのテンポでの一夏と凰の応酬の合間に万は凰についての情報を脳から引き出していた。
その時、凰の脳天にげんこつが落ちた。
「何すんの!?って、千冬さん・・・」
思わず非難の声を上げながら振り向いた凰だったがそこにいたのは1組担任の千冬だった。凰は千冬が苦手なのか、少し逃げ腰だ。
「もうSHRの時間だぞ、とっととクラスに戻れ。それと、学校では織斑先生だ」
「はい、織斑先生・・・。じゃあ、昼学食に来なさいよね!話したいこともあるんだから」
そういってつかつかと凰は去って行った。
「やれやれ、全く困ったやつだ。・・・黒川、号令を」
その声で万が号令をかけ、また1日が始まった。
その次の放課、万は一夏に声をかけた。
「ん?どうした?」
「いや、あの中国代表候補生とどういう関係なんだろうか、って思ってな。どうやら、勝手知りたる仲っていうか、とりあえず親しそうだったからな」
「ああ、鈴のことか。あいつとは親友であり幼馴染ってとこかな」
「・・・なるほど、それで」
「まあ、な。で、あいつどういう評判だったんだ?お前なら知ってるだろ?」
「そういう聞き方よくないぜ?・・・凰に関しては、かなりの努力家で、なかなか類を見ない驚異的なスピードで代表候補生、専用機持ちとなった人物として有名だったぞ」
「そうか、鈴のやつ・・・。らしいな」
「で、お前の目から見た凰鈴音はどういう人物なんだ?」
「まず、悪いやつじゃないな。で、言うことはよくも悪くもさばさばしててストレートで、裏表がない。ボーイッシュって言ってもいいかな。気性は結構荒いほうで、どう考えても気が長いほうではない。あと、努力家で負けず嫌い」
「なるほどな、面白そうだ。是非お手合わせ願いたいね」
「お前は遅かれ早かれ戦うだろ。クラス代表同士なんだから」
「・・・それもそうか」
そんなところで始業のチャイムが鳴り、万は席に戻った。
そして、昼休み。学食で一夏の近くに座り、いつもはいつの間にか習慣になっているように武器の構想を一夏、セシリア、そして一夏のルームメイトであり幼馴染の篠ノ之箒と話しているのだが、今回は別客がいた。
まず、口火を切ったのは新たな一人だった。
「さて、改めて初めまして。2組で中国代表候補生の凰鈴音よ」
「イギリス代表候補生、セシリア・オルコットですわ」
「篠ノ之箒だ」
「1組クラス代表、黒川万だ。名前は漢数字の万で『よろず』って読む。よろしく」
「こちらこそよろしく!さて、何から話そうか・・・」
「一夏とはどういう関係なんだ!?」
「こら、気持ちはわかるが乗り出しすぎだ。凰が引いてるだろうが」
凰の言葉に即座に身を乗り出し問いかけた箒に万はいさめるように声をかけた。その疑問に答えたのは一夏だった。
「ただ幼馴染で親友なだけだぞ?」
「幼馴染は私だけじゃなかったのか?」
「お前とは入れ違いだったんだよ。いうなれば、箒がファースト幼馴染、鈴がセカンド幼馴染だな」
「そうでしたの・・・」
「じゃあ今度は私から。この中で専用機持ちってどのくらいいるの?」
「篠ノ之以外全員だ。つっても3人だが」
それにさすがの凰も驚く。
「・・・え、マジ?」
「こんなところで嘘つくと思うか?ちなみに名前はそれぞれ一夏が白色の『白式』、オルコットが明るい青色の『ブルー・ティアーズ』、あんたの暗い赤色の『甲龍』に俺の藍色の『セイリュウ』だ」
「あら、あなたの機体名称はもっとやたら長ったらしかったのではなくて?」
それぞれの紹介に口を挟んだのはセシリアだ。
「確かに正式名称は『JPマルチテストγ型』っていう無駄に長い名前だが、一般的にはγ型とか、あとコードネームのセイリュウとかって呼んでる。で、俺はセイリュウって呼び名を気に入っててな。だからセイリュウ」
「ちょっとまって、セイリュウって四神の?」
「四神・・・?」
凰からでた聞きなれない単語に3人が首をかしげる。
「四神っていうのは神話における東西南北を守護するといわれる神様の名前だよ。確か、南方の朱雀、北方の玄武、西方の白虎に東方の青龍、だったよな?」
「ええ。さすがね」
「いやまあ、そういう意味もあるからな。もう一つは『清流』だ。何にも染まらない、って意味でな」
「なるほど、そんな由来があるんだ・・・」
万の説明に全員が納得した。
「・・・ってか、なんであんたが私の専用機を知ってるのよ」
「あんたは有名だからな、調べたら出てきた。ただそれだけだ」
もうすでに自分の分を食べきった万は淡々と答えていく。ついで自分の分を食べ終わった一夏が思い出したように言った。
「そういえば、お前の超能力ってなんなのか聞いてなかったよな?」
「超能力?」
それに事情を知らない凰が反応する。
「ああ、俺は学園都市の出身でな。それで、俺の能力は
そういって万は食べ終わり空になった容器を手で触れずに持ち上げていく。容器がひとりでに浮かんでいく光景は一抹の恐怖すら覚えるが、それを目の前の青年が起こしていると思うと不思議と安心できた。
「ま、こういうことができるわけだ。で、これを自分にかけるとそのまま空を飛ぶこともできる。飛ぶというより浮遊だけどな」
「なるほど、それで生身で飛べてましたのね」
「ま、そういうことだ。ところでよ、今度はこんな武器を考えたんだが・・・」
そういってまた万はいつものように自分の考えた武器を投影し、意見を聞いていった。
そして後日、クラス代表リーグマッチの日。初戦は凰鈴音対黒川万とアナウンスされた。
「よりによって、初戦から凰とはな・・・」
「愚痴っても仕方ねえだろ、お前らしくない」
思わずこぼした万に一夏が言う。
「まあ、そうなんだけどよ・・・。できれば4組と2組以外のやつとあたりたかった・・・」
「え、なんで?」
「4組のクラス代表も代表候補生なんだと。てことは、おそらくその二人はかなり強敵のはず。だからできれば他と先にあたってもらって実力を確かめたかった、ってわけだ。実際に飛び出す前から
「あー、そういう。だからセシリアに対して迷いなくボールを?」
「そういうこと。一応情報の入手くらいはできたし、そっから分析もできたからな。でも、今回はそういった準備は一切ない」
話しながらちらと時計を見ると、そろそろ出る時間だった。わずかに残っていたカタパルトの準備を終わらせ、いう。
「織斑先生に話は通してあるから、お前は管制で見てろ。もしかしたら参考になるかもしれない」
「わかった。勝って来いよ」
「おう。・・・ゴー!」
不敵に笑った後、藍色が勢いよく飛び出していった。
カウントダウン前に規定の位置についた二人はそれぞれの獲物を持って相対する。
相手の得物を見て、万は分析を開始する。
(かなりでかいが、あれは柳葉刀ってところか。ありゃあ食らうと痛いな・・・。ということは近接格闘型、でも所詮は一本、なら・・・)
そう考え彼は右手に両手棍を展開する。相手が実力者で近接を得意とするなら一番自信のあるこの武器が一番だ。
カウントダウンが始まり、あえて通信をつないで万は言う。
「いやはや、初戦から代表候補生とは、俺もついてねえなあ」
「仕方ないじゃないの。ところで、ちょっとは楽しませてもらえるんでしょうね?」
「ま、努力はするよ。俺もあっさり負けるつもりはない。せいぜい足掻かせてもらうさ」
そこまで言ったところでカウントはラスト十秒に突入する。
「じゃあ、いざ尋常に・・・」
「勝負!」
そして、カウントが尽きた。
はい、ここまで。
一応鈴に最初だけフリガナ振っておきましたが・・・いらないような気がしなくもない。
箒さん出てきたとはいえどマジチョイ役。だってあくまで主役は万ですから。と一応言い訳をしておきます。
てかそろそろ設定集上げます。はい。
ではでは。