これはBOS時代に、ほんとうにあったおはなしです。

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第1話

かわいそうなイピリア

 

 

 

 お猿の山は花盛りです。派手に散る対面、超越が輝いている。その上でどっと顔面に押し寄せて、シャドバは平常運転です。先程からAFを叩きつけられ、ウィッチに煽り散らかされているクソ環境のプレイヤーの顔には、数えきれないほどの青筋です。その賑やかな環境から少し離れた墓場に、一つの小さなお墓があります。気がつく人はあまりいませんが、腹いせにナーフされて忘れ去られたカードを祭る墓です。いつも寂しそうにリストの隅で分解候補にいます。ある日、物好きなエルフ使いがその石のお墓をしみじみとなでながら、私に寂しいイピリアの話を聞かせてくれました。

 

 

 

 今、エルフには何枚ものぶっ壊れがいます。ずっと前にも、やはり何枚ものぶっ壊れがいました。名前を、対空、調べ、茨といいました。その頃エルフはミッドロと天狐ビショと戦争していました。戦争はだんだん激しくなって、アンリミにも天弧やアグロエルフが現れ、ナーフが囁かれ始めました。そのナーフが、主要なやつらにあたったらどうなることでしょうか。環境が壊されて、元々暴れていた教会やミッドロが暴れだしたら、前環境に元通りになってしまいます。それでも過去に、KMRの命令で、ミニゴブも、根元も、収穫祭も毒薬を飲まされて、殺されたのです。

 

 

 

 いよいよ壊れの3枚も殺されることになりました。まず対空から始めることになりました。対空は、ゴキブリが大好きでした。ですから、ドーピング剤を入れたゴキブリを普通のゴキブリに混ぜて、暴れすぎたゴキブリの勝率を理由に殺すことになりました。けれどもシャドバプレイヤーの一定数はゴキブリを上手く扱えないので、こいつがナーフされる必要はないと判断され、仕方なく処刑をとりやめました。

 

 

 

 次は茨と調べの番です。この二枚はフェアリーを途切れなく供給してくれる心の優しいぶっ壊れでした。エルフ厨たちは、この2頭を何とかして助けたいのです。そこで、「AFへの対抗手段だからセーフ。クラス茨だから茨なくなると戦えなくなる。」と色々言い訳を考えました。けれども聞き入れられなかったらどうなることでしょう。そこで、イピリアを生け贄として差し出すことにしました。

 

 

 

 毎日潜伏から7点パンチを続けました。ロイヤルもネメシスも、イピリアを処理する札がないためイライラしてきました。そのうちにげっそりと痩せこけた彼らは、「イピリアは壊れ、ナーフしろ」と考えるようになりました。今までどのカードもゴキブリのように可愛がってきたエルフ使いの人は、「何でイピリア?それより天狐ナーフしろ」と狼狽するばかりでした。

 

 

 

 あるとき、遂にナーフが発表されました。イピリアの狙い打ちです。法典や天弧、ワルツが妥当といわれる中エルフは最小の犠牲者で済んだかに思われました。にわかエルフ使いは人形に逃げました。エルフ使いも翠蘭ミッドへ移動しました。

 

 

 

 そんな中イピリアは変わり果てたコストで、いつものように潜伏7点パンチを決めようとしていました。芸をすれば元のように使ってもらえると思ったのでしょう。アグロエルフ使いはもう我慢できません。

 

「ああ、イピリアや、イピリアや」

 

といいながら、デッキ編成へ駆け込みました。急いで顔面を殴りました。6ターン目にイピリアを叩きつけました。

 

「さぁ、勝てる!まだ勝てるぞぉ!勝たせてくれぇ!」

 

画面のイピリアへ祈りました。まだ生き残っていた天狐がすぐに灰にしました。遂に、アグロエルフでは勝てなくなってしまいました。

 

「アグロは死んだぁ!アグロは死んだぁ!」

 

変わり果てたイピリアに、エルフ使いは抱きつきました。回復も処理も強すぎる環境では、中途半端な速度と補給が少なすぎるアグロエルフは生き残れなかったのです。

 

 

 

これまでがかわいそうなイピリアのお話です。実は、3枚のぶっ壊れも共に、このお墓の下に静かに眠っているのです。エルフ使いは目を潤ませて話し終わりました。そして、吹雪のようにアリサの顔面が弾けとぶ環境で、石のお墓をじっと見つめて、なでていました。

 

 

 

 

 

おしまい




あとがき

筆者はこの時代ナーフ前から翠蘭フェアドラエルフとかいうトチ狂った構築を使っていたエルフ使いです。今言うほどエルフ弱くないしむしろ強い方だけど普通のコンエルやりたい人間からすればつらい環境です。普段は威光解説BotをTwitterで書いているので気が向いたら見てください。

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