チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


腹黒喫茶店

―――学園祭当日。

 

「よし!学園祭初日だ。気合い入れていけよ野郎ども!お嬢様達は休憩しつつ学園祭を楽しむのも忘れないように!」

「「扱いの差が酷い!」」

 

リオンの気合い注入の言葉に、ダニエルとレイモンドが早速文句を言ってくる。

 

「いやこれが普通だろ。逆に扱いが同じか逆の時の周りの反応を想像してみろ」

 

ほぼ間違いなく、学園女子は見下すぞ。情けないやら、やはり貧乏貴族とやらな。

 

「……うん。確かにこの扱いが妥当だった」

「むしろ女子より頑張らないと、今後の婚活に響いてしまうね」

 

ダニエルとレイモンドは消沈気味に納得した。

ウンウン。オレの言葉でちゃんと立場を理解できたようで何よりだ。

 

「それじゃレイモンド。さっそく学園の入り口に向かってくれ。もうそろそろ伯爵閣下達が来る頃だからな」

「分かったよ」

 

レイモンドはオレの指示に特に不満を洩らすことなく、伯爵閣下達を迎えに喫茶店から出ていく。ダニエルが悔しそうに睨んでいるが、ジャンケンに負けたんだから諦めろ。次に来る子爵閣下は一人で来るから出会いがないとはいえ。

 

「にしても燕尾服か……野郎の衣装に金はあまりかけたくなかったけど、エドの出費だし別にいいかな」

 

如何にも格式が高いと一目で分かる燕尾服に身を包んだリオンは、愚痴を溢しながらも燕尾服の襟を整える。

まあ、リオンの言い分も分かる。来賓が来なかったら、オレもそこそこの制服で済ませただろうし。

 

「伯爵や子爵を迎え入れるんだ。適当な装いでは足下を見られるぞ」

「分かってるよ」

 

アンジェ嬢の小言に対し、リオンは肩を竦めてそう返す。

 

「リオンさん達もそうですけど、エドさんも似合ってますね!」

 

これ、本心から言ってるんだろうな。他の女子なら絶対に嘲笑するだろうに。仮に世辞だったとしてもリビアの反応が天使に感じてしまう。泣きそう。

ちなみに普段巻いてあるバンダナは外してある。さすがに体裁が悪いからな。

そろそろ開店時間も近づいてきたので、部屋の隅に置いてある蓄音機を起動。心地よい音色を流していく。

 

「蓄音機まで用意してるとは……だが、悪くない音色だ」

 

当然だ。オレとリオンが選びに選び抜いたクラシック調の音楽だからな。紅茶を飲んでゆったりするにはピッタリだ。

 

「これ、学園祭の喫茶店という範疇じゃないな。普通に店を開いている域だぞ」

 

あまりの徹底ぶりダニエルが軽く引いているが、その域には全然届いてないぞ。お茶の出来は学生の範疇を越えていないんだし。

 

「な、なんだか緊張してきました……」

「私も喫茶店で働くなど初めてだが、楽しいと……」

 

開店間近になって緊張してきたリビアに、アンジェ嬢が緊張を解そうとした矢先に喫茶店の扉が開いた。

 

「アンジェリカさん。呼び出しかかっていますよ」

 

学園祭の見回りをしているらしい先生はアンジェ嬢に顔を向けてそう告げてくる。

 

「……!私ですか?」

「ええ。急用だとか。すぐに本部に向かってください」

 

どうやら本部はアンジェ嬢に何か用事があるようだ。

一瞬嫌がらせの一環かとも思ったが、その可能性はないとすぐに結論付けた。

だって、本部にはウチの喫茶店には来賓が来ることを伝えてあるのだ。今さらアンジェ嬢を遠ざけたところで意味がないのだから。

 

「すまない……これからという時に……」

「大丈夫ですっ。アンジェが謝る事じゃないですし、アンジェが来るまで私が頑張りますから」

 

アンジェ嬢は申し訳なさそうに謝るも、リビアは大丈夫だとアンジェ嬢を気遣う。

本当にリビアは良い子ちゃんだよな。良い子ちゃん過ぎな気がしなくもないが。

 

「早く戻れるように私も頑張るよ。リオンとエドも程々にな」

 

程々にって……

 

「それって悪い意味の方で?」

「だとしたら俺達、信用なさすぎじゃね?」

「お前達はすぐやり過ぎるだろ。特にリオンはすぐに調子に乗るからな」

 

そう口にするアンジェ嬢は呆れたような表情だ。本当に信用ないな。事実だから否定できないけど。

 

「じゃあ、行ってくる」

 

アンジェ嬢はそう言って喫茶店を出て、本部へと向かっていった。

開かれた扉の先には女子の行列が出来てたけど。

 

「エドさん……行列が見えるのですが……」

「あっちはお茶より殿下達の近くにいられる方が重要だからな。そういう女子が学園には多いから、自然と行列になる」

 

おバカファイブに接待され、露骨に近寄れるのだ。そのチャンスを逃す女子はまずいないだろうな。

後、名門、王族は重婚も不可能じゃないし。今は元で実家から勘当されていてもその辺りはどうでも良いのか、もしくは返り咲くのを期待しているからなのか。たぶん後者だと思うが。

 

普通は実家から縁切りされたら周りは離れるか距離を取られるのにな。やはり周りのイケメンフィルターはおかしい。

お、レイモンドが来賓である伯爵閣下達を連れて戻ってきたよ。

 

「此度はお越しいただき、誠にありがとうございます。伯爵閣下」

「いえいえこちらこそ。例の新しい鋼材の取引相手の一人に選んでくれたからな」

 

互いに社交辞令の挨拶を交わし、握手して友好の意を示す。形式とはいえ、大事なことだからな。

 

「既に資料で確認したが、この鋼材の魔導伝導率は従来のものより五倍も高いとか」

「ええ。製造法は明かせませんがね」

「構わぬよ。噂では君の領土でしか取れない鉱石が必要のようだからね」

 

伯爵閣下はそう口にするが、内心ではそれらも欲しいんだろうなー。手に入れば作り放題だし。

 

「立ち話もなんですので、あちらの席にご案内いたします。令嬢とご子息様はこちらでおくつろぎ下さい」

 

オレはそう言って伯爵閣下とその息子と娘さんをそれぞれのテーブルへと案内する。

 

「では早速、私はこのお茶とお菓子を」

「僕はお茶だけで」

 

メニュー表を見た伯爵閣下の娘と息子さんが早速注文すると、リオンが慣れた手つきでお茶を淹れていく。この中ではお茶淹れはリオンが一番上手いからな。もちろん、案内したレイモンドも娘さんにお茶を淹れている。絶好のアピールチャンスだから。

 

「では。此度の鋼材についてですが、既にご存知の通り……」

 

オレは早速伯爵閣下と鋼材の売買について話を詰めていく。伯爵閣下の購入目的は自らが所有する鎧と武装の強化。つまりは戦力の増強である。

 

「この量は少々少ないのではないか?値段の方は適切だと思うが」

「新しい素材はあまり広めるとパワーバランスの崩壊を招きますからね。王国に献上した鋼材が王国軍へと普及するまでは、こちらも慎重に進めなければならないのですよ」

「その年でそこまで考えているのか。若くして昇進したのは伊達ではないということか」

 

伯爵閣下は感心したようにオレに世辞を送る。魔導伝導率の高さは鎧の動きに直結するからな。それを闇雲にばら蒔けば、調子に乗った貴族が反乱を起こすかもしれない。下手したら他国への横流しもあり得るしな。

過去、ファーレンガルド家が没落した経緯を考えれば、この判断は妥当なのだ。

 

伯爵閣下と交渉している間、最初から嫌がらせ目的で来たらしい女子生徒数名は伯爵閣下達の姿を見た途端、そそくさと喫茶店から出ていっているので、嫌がらせは今のところ起きていない。

ここで暴れたら印象が悪くなるからな。玉の輿に乗るには外聞を保たないといけないし。

 

「あ、あの。宜しければ一緒にお茶でも……」

「構いませんよ。代わりに学園について教えて下さいね」

「「「はい!喜んで!!」」」

 

同じく仕返しに来た男子の方は速攻で放り投げて、伯爵閣下の娘さんとの距離を縮めようと躍起になっているしな。

まさに、計画通り。

 

「うう……僕も彼女とお話したい」

「俺も……せっかくの機会なのに……」

 

その光景をレイモンドとダニエルが嘆いているが、執事として頑張ってアピールしとけ。

そうして伯爵閣下との交渉が無事に終わり、次は子爵閣下との交渉に励むのだが……

 

「紅茶がぬるいのよ!!さっさと淹れなおしなさい!!」

 

その最中に来店した典型的な学園女子の一人が、子爵閣下がいる前で見事に品性がない態度でクレームを付けていた。ご丁寧に対応しているリオンにカップを投げつけて。

 

「申し訳ありません子爵閣下。このような場に招待してしまって……」

 

オレが子爵閣下に形式的に謝るが、子爵閣下は困ったように苦笑いするだけ。まさか子爵閣下がいる前でここまでの暴挙を犯すとは……

いや、この子爵閣下だからここまでの暴挙に出ている可能性もある。後で知ったが、この子爵閣下はある貴族に弱みを握られているようだからな。

 

「そっちのアンタ!そこのオッサンに媚び売ってないでこっちに来なさいよ!」

 

うわ。直接の使命を受けてしまったよ。しかも子爵閣下をオッサン呼ばわりか。弱みの件は本当の可能性が高いな。

 

「度々申し訳ありません子爵閣下。呼び出しを受けてしまわれたので、あちらへの対応に行って参ります」

 

オレは子爵閣下に頭を下げると、すぐにリオンの下へと向かう。そして、怒り心頭の女子の前で慇懃に頭を垂れた。

 

「申し訳ありませんお嬢様。紅茶の件に関しては不快な思いを―――」

 

マニュアルのような対応でそのクレームを付けた女子に謝っていると、その女子から頭を踏みつけられた。

地味に痛いな。しかもかなり図に乗ってるし。

 

「紅茶だけ!?アンタ達は既に存在自体が不快なのよ!アンタ達のせいで借金返せなくて奴隷を売った子もいるのよ!それがわかってるの!?」

 

それは借金してまで賭けをしたソイツらの自業自得だろ。逆恨みも良いところだ。

 

「お嬢様。この場には子爵閣下も居られます。あまり品性がない態度は控えるべきかと」

「あ?このオッサンに気を使う必要はないわよ!このオッサンは今、お父様に頭が上がらないからね!」

 

……やっぱりか。そうなると、今回の交渉は白紙だな。

 

「……子爵閣下。今回の鋼材に関する件は白紙とさせて頂きます。黒い噂が絶えないオフリー家に横流しされるわけにはいかないので」

 

オレが女子……オフリー家の令嬢に構わずに冷たい声で子爵閣下に向けて言い放つと、子爵閣下が座っているテーブル辺りから物音が響いた。

 

「アンタ、オフリー家を―――」

 

その瞬間、オレの頭を踏みつけていた足がなくなる。

踏みつけから解放されたオレは顔を上げると……アンジェ嬢がオフリー嬢に近寄っているところだった。

 

「態度の悪い客人だ。これ以上騒ぐなら、お引き取り願おうか」

 

アンジェ嬢はあくまで冷静な口調でオフリー嬢に警告する。それに対しオフリー嬢は強気を保ったままだった。

 

「はっ。ユリウス殿下に捨てられたアンタが何言ってるのよ?誰が落ち目のアンタなんかに怖がるもんですか!」

 

オフリー嬢の強気の態度にアンジェ嬢は苦虫を噛み潰したような表情となる。そんなアンジェ嬢を庇うように、リビアが割って入った。

 

「止めて下さい。リオンさんとエドさんに酷いことしてアンジェにまで……もう帰ってください!」

「図に乗るんじゃないわよ。平民風情が」

 

あまりにも冷たい声と見下した視線。それらを前にリビアは気圧され、そんなリビアにオフリー嬢は更なる追い討ちをかけた。

 

「お前如きが私に意見?貴族にでもなったつもりかしら?アンジェリカの可愛いペットだからって、私達と同じ地位に立てるとでも思ったの?」

「ペット……?」

 

ペット呼ばわりしてきたオフリー嬢の言葉を反芻するリビアの姿に、オレの頭の血が昇っていくのを感じる。

だが、ここで今暴れるのは得策じゃない。何とかして強制退去を……

 

「そこまでにしろ!これ以上は本気で許さないぞ!!」

「友達が減ったから平民にすり寄ったの?平民なんて数字だって言った公爵令嬢が情けないわね!」

 

……ん?扉の前にいるあのご婦人は、まさか……

オレは扉の前にいた女性に気付きリオンを手招きで呼び寄せ、直ぐ様コソコソと今しがた思いついた解決策を小声でリオンに伝える。幸い、周りの目はアンジェ嬢達に向いているからな。

 

「……お前、本当に黒いな。けど、その策に乗ってやる」

 

その策を伝えたリオンはゲンナリしつつも、すぐに悪魔のような笑顔となって賛同。

 

「いい加減にしなさい!これ以上は見てられません!」

 

そのタイミングでこの解決策の最大のキーマン―――ミレーヌ王妃殿下様が介入。それじゃあ、作戦開始だ。

 

「……何よ、おばさん」

「お、おば……っ」

 

いきなりこのお方をおばさん呼ばわりか。いきなり不敬罪をやらかしてるな。

もうこの時点で対処していいけど、今回はきっとお忍び。あまり騒ぎを大きくするわけにはいかないからな。

ま、それも利用するけど。

 

「……今の発言は聞かなかったことにします。貴方たち、支払いを済ませて出ていきなさい。王国の貴族として恥ずかしくないのですか!」

「はあ!?私はオフリー家の娘よ!身の程を知りなさいよ。誰かこのババアを摘まみだして!」

 

オフリー嬢がそう告げた直後、彼女の後ろにいた奴隷達がミレーヌ様を囲う。更に不敬罪を働いたな。本当にオフリー嬢の記憶力は鶏だな。

ここでオレ、介入。ここからはオレのターンだ。

 

「オフリーお嬢様。代金はもう結構ですので、早々にお帰りください」

「はあ!?成り上がりの男爵風情が私に意見する気!?」

 

オフリー嬢が凄く噛みついてくるが、オレは無視して言葉を続けていく。

 

「はっきり申し上げますと、これ以上の騒ぎはあなた様が不利となります。このご婦人様も、先の発言は不問にとすると御慈悲をかけられています。なので、ここは素直に従うべきかと」

 

オレのその言葉にオフリー嬢は醜いほどに顔を歪めている。アンジェ嬢はオレの魂胆を察してか引いており、ミレーヌ様は目をぱちくりさせている。

 

「なんでこのババアに気を使わなきゃいけないのよ!誰でもいいから早くそのババアを追い出しなさい!」

 

オフリー嬢の言葉に従ったエルフの奴隷がミレーヌ様の肩を掴んだ瞬間、待ってました!と言わんばかりにリオンが全力でソイツを殴り飛ばした。

その光景にミレーヌ様唖然。ダニエルとレイモンドはこの世の終わりかのように悲鳴を上げている。

普通なら女子の使用人に手を出したらアウトだ。だが、今回は例外。むしろ手を出さないとアウトだ。

 

「リオン。ソイツは徹底的にボコれ。この国の王妃であるミレーヌ様に直接手を上げたんだ。相応の措置でないと格好が付かないからな」

「オーケーエド!コイツは半殺しじゃあっ!!」

 

我が意を得たと言わんばかりにリオンは殴り飛ばしたエルフの奴隷に馬乗りになると、そのままオラオラァッ!と殴り続けていく。顔も凄く悪い笑顔だ。

 

「というわけで、ダニエルとレイモンドは残りを取り押さえろ」

「そうだな。取り押さえないといけないよな」

「だね。王妃様に手を出したんだから、取り押さえないといけないよね」

 

ダニエルとレイモンドも状況が一気にこちら側が圧倒的に有利だと理解したことで、まだミレーヌ様を囲っていた獣人二人を速攻で取り押さえ、床に抑え込む。

 

「さて、そちらはどうしましょうか?」

「……っ」

 

オレが営業スマイルでオフリー嬢に顔を向けると、今までニヤニヤと成行を見守っていた取り巻き共々ビビったように畏縮する。

何せミレーヌ様を侮辱した挙げ句、手まで上げたんだ。それも穏便に解決しようとしたのを棒に振ってな。どんな罰でも文句は言えないぞ。

そんなオレに、ミレーヌ様が待ったを掛けた。

 

「ま、待って、エドワード君。私は今、お忍びで来てるの。だからこんな所で騒ぎは……」

「ミレーヌ様。あなた様の御慈悲は本当に素晴らしい。ですが、この者達はミレーヌ様を侮辱した挙げ句、直接手を上げたのです」

 

クソ殿下の時と違い、今回は百パーセント向こうが悪いのだ。なあなあで済ませてはいけない。

 

「エドワードの言う通りです。ここまで王妃様が侮辱されて黙っているとあっては貴族の名折れ!王妃様のご命令あれば、族滅でも値切りでも、このリオン・フォウ・バルトファルトが実行して見せましょう!」

「お願いだから落ち着いてぇええええええ!!」

 

エルフへの制裁を終えてミレーヌ様の前に馳せ参じたリオンの宣言に、ミレーヌ様は涙目で宥めようとしている。

チラリとエルフの方に視線を向ければ、ソイツは原型を維持できない程に殴られて気を失っていた。

それじゃ、そろそろ収拾に入るか。

 

「しかし、ミレーヌ様の御慈悲を無下にするのもまた、貴族の名折れ……よって今回の件は互いにこれで手打ち。他言無用としましょう。そこの愚かしい下手人の怪我は、粗相をした際の主人の罰ということで」

 

オレがとびきりの笑顔でオフリー嬢にそう提案すると、オフリー嬢は苦虫を何十匹も噛み潰したような酷い表情となる。

だが、この提案を呑む以外にお前が生き残る道はないんだよ。今回の件は圧倒的にソッチに非があるんだからな。

 

「嫌なら騒いでも構いませんよ?そちらが有利になるなら、ですけど」

「ぐっ……わかったわよ」

「では、お帰りはあちらですよ。平民より心に品がないお嬢様方」

 

オレが嫌みたっぷりにそう言って扉へと腕を向けると、オフリー嬢達は怒り心頭といった表情となりながらも逃げるように部屋から出ていった。リオンにボコられたエルフは獣人二人に肩を担がれて連れていったので、問題はない。

その際、リオンは意地の悪い笑みで親指と人差し指で掴んだ白いハンカチを軽く振って見送ったが。

 

「いやースッキリした!散々威張り散らしていたアイツらの悔しがる顔が見れて傑作だったわ!!」

 

本当に心底スッキリした表情をするリオンにオレは構うことなく、改めて今回の立役者であるミレーヌ様へと向き直った。

 

「ミレーヌ様……」

 

オレはミレーヌ様の前で膝を付き……

 

「あなた様を迷惑客の追い出しに利用してしまい、誠に申し訳ありませんでしたぁあああああっ!!」

「ええええええええええっ!?」

 

全力で土下座して利用したことを謝った。ミレーヌ様はめっちゃ驚いているけど。

いくら穏便に解決する為とは言え、王妃様をダシにするのは本当はご法度だからね。ちゃんと謝っておかないと後でマズイでしょ。

ちなみに子爵閣下は最後まで空気であった。

 

 

 




「これは駄目。内装と雰囲気が合わん」
「次はコイツか……悪くないけど微妙だな」
『キャプテンの行動が理解できん。音になぜそこまで拘るのやら……』
『非常に不本意ですが同意ですね。マスターも時折理解に苦しむ行動をするので』
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