チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


エドワードは悪魔です

夜。リオンの部屋にて。

 

『……まったく。急に王妃を口説き出すとは、正気を失ったかと思いましたよ。失礼。元からマスターは正気ではありませんでしたね』

「いや。あの人ならありかなしなら、ありだろ!」

『王妃ですよ。ありかなしならナシです』

 

ルクシオンとリオンの不毛なやり取りを無視しながら、オレは紅茶をカップに淹れる。

そして、二つの紅茶の内の一つをリオンに手渡し、オレは近くの椅子に腰掛けた。

 

「学園の存在理由なんて結婚以外にない!エドもそう思うだろ?」

「そうだな。本来は勉強する所だけど」

 

リオンの同意を求める声に、オレは若干遠い目となって皮肉混じりに頷く。

男子は結婚しないと肩身が狭くなるし、女子は玉の輿に乗ろうと選り好みしてるし。本当に結婚以外に学園の存在理由がない気がするよ。

 

『それは男子だけです』

『記録能力にバグがある人工知能だな。女子は玉の輿に乗ろうと選別しているのは既に知っている筈だからな』

『……屈辱です。こんなヤツに正論を指摘されるとは』

 

ハーツの返しにルクシオンは本当に怨嗟が籠っているように声を発した。いつもの淡々とした声色の筈なのにな。

ちなみにハーツは、腕輪からホログラムのように出ている半月マークの両目を三日月のように曲げてご機嫌アピールしている。これはルクシオンを煽る為に魔法を弄って作ったとの事。

 

『クハハハ。悔しければ、全部初期化して生まれ変わるがいい』

『お前は生まれ変わってもポンコツのままですがね』

『誰がポンコツだ!くぁwせdrftgyふじこlp!!』

『言いましたね!くぁwせdrftgyふじこlp!!』

 

あー、また始まったよ。本当に飽きないな、こいつら。

 

『マスター!このポンコツ腕輪の破壊命令を今すぐ私に!』

『キャプテン!自分を纏え!この目玉端末を一思いに握り潰すぞ!!』

「「やらねえよ」」

 

また互いの殺し合いを求める声に、オレとリオンはバッサリと否定して物理的に抑え込む。

もはやお約束となった展開に、両名ともしぶしぶといった雰囲気を隠すことなく引き下がった。

 

『……キャプテン。あの小娘に本当に力を貸すつもりか?』

『非常に不本意ながら私も同じ意見ですね。マスター。本当にあの女子に力を貸すのですか?』

「……学園祭が終われば連休に入る」

「そこで色々と片付けるさ」

 

本題に切り出したハーツとルクシオンの質問に、オレとリオンはそう答える。

 

『マスターが助ける理由はない筈です』

『仮に受けるにしても、キャプテンならネチネチと相手を責めるだろう。それもせずに受けるとはどういう了見だ?』

 

酷いなハーツ。確かにそれくらいは意趣返しでやるけど。

今回のカーラの依頼はウェイン家の領地内で横行している空賊退治。それを目的も内容も知らなかったリビアが引き受け、オレ達にとりなした形になってしまった。早い話が騙し討ちだ。

 

これを拒否すればオレ達はもちろん、リビアも周りから陰口を叩かれるようになる。それを見越してあのような方法で外堀を埋めたのだろう。

無論、それを加味しても普通なら突っぱねる。こんな手を使う相手を助ける義理はないからな。

 

だが、オレとリオンは敢えてその依頼を承諾した。おそらく別々の思惑で。少なくとも助ける気は更々ないのは確実だ。

 

「空賊退治を依頼したカーラの実家……ウェイン家はオフリー家の寄子だ。これだけ言えば十分だろ?」

『……あのヒステリックな小娘の罠、ということか』

「正解」

 

理解と話が早くて助かるよ。本当に。

 

「寄子は本来、寄親の顔を窺わなきゃいけないんだよ。なのに、カーラはオレ達に依頼した……喫茶店の態度と合わせれば、確実にオフリー嬢の罠だ」

『罠ならわざわざ飛び込む必要は……いえ、エドワードはやられたら倍返しで仕返しする腹黒でしたね』

 

ルクシオンがオレに対して呆れてるけど、このまま無視したり放置するのは得策じゃないんだよ。

 

「どうせ今回の依頼を蹴っても、あの屑女は別の手を使ってオレ達を潰そうとするだろうからな。なら、今の内に叩き潰しておいた方がずっとマシだ」

 

それに依頼を受ければ、少しの間は大人しくなる筈だし。見下した相手を陥れたんだから幾ばくか機嫌も良くなるしな。

 

『あのヒステリック小娘は何故こんな真似を?』

「……気にくわないんだろ。あっちも成り上がりだけど、その経緯から白い目が多いんだよ。対してオレ達は学生間はまだしも、貴族間としては期待の目が多いからな」

 

ハーツの質問に、オレは紅茶を一口飲んでから呆れ気味にそう答える。

なんせオフリー家は乗っ取りで貴族に成り上がった家だからな。そもそもの経緯から全然違うし、反感が多くなるのは当然だ。

 

対してオレやリオンは冒険者から成功した成り上がりだ。王国の貴族の経緯に乗っかってるし、真っ当な方法だから反感を抱いているであろう貴族はそこまで多くないしな。

 

『中々に説得力がありますね。行き当たりばったりなマスターとは大違いです』

「少しは擁護しろよ!」

 

ルクシオンの辛辣な評価にリオンは噛みつくが、オレの説明で納得した表情をした時点で説得力がないぞ。

どっちにしろ、リビアはオレ達の事情にまんまと巻き込まれたのだ。全部終わったら、謝らないとな。

次は、リオンの目的だ。

 

「それでリオンは?大方ゲーム的な理由だろうが」

「……主人公……リビアが聖女として能力を発揮するには三つのアイテムがいる。その内の一つをその空賊が持っているんだよ」

 

やっぱりゲーム的な理由からだったか。こうなるとその空賊とオフリー家が裏で繋がってるのは、ほぼ確定だな。

後、リビアが聖女?気にはなるが、今は聞かないで話を進めるか。

 

「で?そのアイテムはどんな形だ?」

「空賊が持っているそのアイテムは首飾りだが……回収に協力してくれるのか?」

「あくまでついでだ。一応の保険程度にな」

 

本当は何も起こさないのが一番だが、それが通用するほど現実は甘くない。国同士なら尚更だ。

その場合のタイミングはオレよりリオンの方が把握してるから、それに関しては任せるしかない。出来れば徒労で終わらせたいけど。

 

「ちなみに残りの二つは?」

「杖と腕輪。杖はこの国の一番大きな宗教……神殿が管理していて、腕輪の方は王都のダンジョンに隠されてる」

 

回収に動かないといけないのは腕輪と首飾りの二つか。ゲームらしい、お約束のような配置だけど。

しかし、そうなると権力争いが面倒になるぞ。リビアは平民でそういったものとは無縁だったから、権力に溺れた連中に良いように利用されそうだし。

 

てか、そのゲーム世界でリビアが外から見て悪女になったのは、本人が疎かったのとおバカファイブの花畑の酷さが原因の気がする。後、盲目に周りが担ぎ上げたからと言うのもあるかもしれん。

やっぱりこの国、色々とヤバいだろ。

 

「空賊退治は本来、二年になってからのイベントなんだけどな……」

「だから現実とゲームを混ぜるな。そもそもオレやリオン、マリエが掻き回した時点でもう乱れまくっているだろ」

「うぐっ」

 

オレの指摘にリオンが胸を押さえて俯く。もう現時点でそのシナリオは崩壊してるんだから、その通りに進むわけないだろ。

 

『至極真っ当な正論だな。話の流れからして、その空賊退治もあの五人が関わるものだな?』

「そうだよ。その空賊退治に誰が助けてくれるかで、物語のルートが固定されるんだ」

「やっぱり当てにできないだろ。その時系列の知識は」

 

しかも話の流れからして、あの決闘騒ぎはその空賊退治の後で起こる事だろ。なら、時期に関しては完全に役立たず、否、致命的な判断ミスの一因にしかならないだろ。

 

「そもそもそのゲームとは情勢が違うんだ。そのゲームでのパワーバランスはまだ公爵家の力が大きかっただろうが、今は発言力も落ちてるからな。オフリー家は敵対派閥の一員だし、オレ達の今後の為にも今の内に対処しないと面倒になる」

 

王国側に立つ以上はそうしないと足下掬われるからな。マジで。陰謀策謀は土台の時点で向こうが有利なんだし。

それにオフリー家はウチの利権も狙ってるだろうし。子爵閣下の件も合わせれば、墓穴を掘った今の内に潰しておいた方がいいだろ。

 

『実に現実的な意見ですね。それらを踏まえれば、確かに今の内に対処した方が効率的ですね。ゲーム的な利益を優先するマスターとは本当に大違いです』

「ゲーム的な利益優先で悪かったな!」

 

文句を言うくらいなら、もっと現実見ようぜリオン。

 

「でも実際、このまま戦争になると困るんだよ。リビアが聖女にならないと、ルクシオンがいる俺でも逃げるしかなくなるからな」

『随分と弱気な発言ですね。私が動けば、簡単に解決できると思いますが?』

「それやったら周りが一気に敵だらけになるから却下だ」

 

……リオンもリオンで一応は考えているのか。確かにルクシオンで大暴れしたらその場は解決するかもしれないが、その後の問題が凄まじく面倒になるだろうな。

 

「正直リビアを人柱にしようとしてるから、それに関してはあまり気乗りしないんだが」

 

ぶっちゃけ、カーラの騙し討ちの依頼と本質が同じ気がするし。

 

「…………」

 

リオンも自覚があるのか、思うところがあるのかオレから顔を逸らしている。その反応をするだけ、今は十分だよ。

 

『だが本当に良いのか?この場合、オリヴィア自身が解決しなければならないように思えるが?』

「アホ抜かせハーツ。今回のターゲットはリビアじゃなくてオレとリオン。むしろリビアは被害者だ。だから、これはオレやリオンが解決に動くべき案件なんだよ」

 

ハーツの疑問にオレはバッサリとそう返す。直接依頼しても断られる可能性が高いから、リビアからの紹介からという事で断りにくくしたんだ。

 

「この話は一旦終わり。学園祭が終わってすぐに動くんだから、段取りを早く決めないとな」

 

言っても確認程度だけどな。

 

「ウェイン家の領地へはパルトナーで向かう。オレはゼクトール本体にヘビーアーマーと【ファイターアーマー】の二つの装備一式を乗せて一緒に向かう。それでいいよな?」

「ああ。パルトナーで向かった方が早いし、空賊の制圧にも十分だからな」

 

パルトナーが出る以上、既存の船じゃ付いていくことすら出来ないからな。効率を考えれば一緒に乗せてもらった方が早く片付けられる。

 

「それと空賊は殺さず全員捕らえる。犯罪奴隷としてどこかに売れば多少は金になるからな」

 

犯罪奴隷なら、良心は全然痛まないしな。罰として重労働させられるだろうから、全く問題なしだ。

 

「ならそいつらは全員俺が貰うわ。姉貴の尻拭いに使えそうだし」

『良くも悪くも将来の観点で合理的ですね。まさに悪魔の所業ですよ』

『遺憾だが同意だな。キャプテンは本当に悪魔だな』

 

互いの相棒のオレへの評価が酷い気がするが、わりと普通じゃないのか?犯罪者に情をかけるのは稀なんだし。

 

「それと空賊とオフリー家が繋がってる証拠は押さえておきたいな。確実にあるだろうし」

『そういった繋がりの証明は残さぬと思うが?』

「オフリー家はそうだが空賊の方は絶対に残してるさ。安易に切られない為の保険としてな」

 

空賊は本来、犯罪者集団なのだ。いつ向こうの都合で切られてもおかしくないのだから、それを簡単に行わせない手札を用意するのは必然だ。間違いなく書面の証拠は残っているさ。

 

「空賊とオフリー家が繋がっている証拠が手に入ったら、それをレッドグレイブ家にやれば上手くやってくれるだろ」

『最後までやらないのか』

「政治のバランスに疎い俺が全部仕切れるわけないだろ。パワーバランスもあるだろうし」

 

王宮の大まかな事情は把握できても、事細かな事情は把握できていない。安易に崩せば揺れ戻しも当然あるから、下手したら第三勢力が生まれる可能性もある。

そうなったら、また面倒になること確実だ。

 

「リオンは明日、公爵閣下に会って今回の件を伝えておけよ。最悪、名前を借りることになるだろうからな」

「……やりたくないんだけど」

「オレよりリオンの方が自然に会えるんだから諦めろ。それとも力づくでオフリー家に喧嘩売るか?」

 

オレのその言葉を、リオンは全力で頭を振って却下するのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

学園祭二日目。

 

「……本当にお客が来ないね。面倒がなくていいけど」

「今日の来賓も全員帰られたし……これじゃ赤字だぞ」

 

ダニエルとレイモンドは店の収益を心配しているが、最初から稼ぐ気はゼロだったから問題ない。

 

「別に構わないさ。儲けが出ずに赤字が出たとなれば、周りの溜飲も少しは下がるだろうしな」

「……本当にエドワードはリオンとは別の意味で性格悪いよね」

「そうだな。お前は本当に腹黒い性格をしてるよ」

 

腹黒くて悪かったな二人とも。

 

「俺の方は最終日のアレで稼ぐから問題なし」

「問題ありだろ!?お前はもう少し周りからの評価を気にしろ!」

 

……リオンはどうやら最終日の賭け事で金を稼ぐつもりのようだ。まあ、ルクシオンがいるから確実に稼げるんだろうが。

にしても……一日経ってもリビアとアンジェ嬢はギクシャクしてるな。やっぱりすぐには割り切れないか。

 

「あの二人、大丈夫かな?」

「あんな奴らの言葉なんか、気にしなくていいのに」

 

ダニエルとレイモンドもリビアとアンジェを心配してくれているが、此ばかりは本人の気持ちだからな。

 

「二人を休憩に出そうか。お前らもいいよな?」

「ああ。来賓の方ももう来ないし、客も来ないだろうしな」

「それがいいだろうな」

「僕も異論はないよ」

 

リオンの提案に全員が頷き、リビアとアンジェ嬢を休憩へと行かせるのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

……気まずい。

リオン達が私とリビアに気を効かせて休憩へ行かせてくれたが、何を言えばいいのか分からない。

 

「このクレープは美味しいな」

「そ、そうですね……」

 

何とか会話の糸口を探ろうとしたが失敗。また気まずい沈黙が私達の間に訪れる。

本当にどうすればいいのかと内心で悩んでいると、掲示板の前に出来上がっている人だかりが目に入った。

 

「最終日の競技……エアバイクのレースだけ試合数が多いですね」

 

リビアが興味を持った。これはチャンスだ。

 

「ああ。毎年盛り上がる競技だからな。シンプルながら賭け事も面白いしな」

「詳しいですねアンジェ。そういえば、アンジェは実行委員でしたね」

 

よし!会話が続いたぞ!

 

「あぁ。主に競技担当だがな」

 

今年は優勝候補筆頭もいるが、ジルクも優勝候補だからな。個人的には敗けてほしいが。

 

「あ、ジルクさんの名前がありますね」

「アイツはエアバイクの扱いに長けているからな」

「あら。アンジェにリビアじゃない」

 

リビアにそう返していると、不意に背後から声を掛けられる。二人揃って後ろを振り向くと、クラリス先輩が笑みを浮かべて近寄って来ていた。

 

「二人は今、休憩中?ひょっとしてお邪魔だったかしら?」

「あ、いえ。大丈夫です。もしかしてクラリス先輩も?」

「ええ。明日のバイクレースのあれこれが一段落したからね」

 

リビアの質問にクラリス先輩は笑顔で答える。この人も徐々に立ち直れている事に少し安心したよ。

 

「クラリス先輩も実行委員だったのですか?」

「ええ。エアバイクレースの担当だけ、だけどね」

「そう言えばエドさんとリオンさんは出場しないのですか?」

「リオン君は知らないけど……エド君は色々と多忙だから競技の参加は見送ったそうよ」

「リオンの方はやる気がないだけだな。賭ける側で儲けると騒いでいたが」

 

アイツは本当に賭け事が好きで困る。あれではまた周りから恨みを買うぞ。

 

「ひょっとしてエドさんも賭けるのでしょうか?」

「いや。周りのガス抜き前提の赤字覚悟で店を開いたそうだから、今回の賭け事には参加しないだろうな」

「ふふ。エドさんらしい理由ですね」

「そうね。エド君は喧嘩を売らなきゃ何もしてこないけど、一度売ったら倍で仕返ししてくるからね」

「まったくだ」

 

昨日から続いたギクシャクした空気がある程度霧散することが出来た事に、私は内心でクラリス先輩に感謝するのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

学園祭最終日。

 

「いやー。勝つって楽しいね」

 

リオンは札束片手に周り聞こえるように告げる。周りの賭け事をしている連中は今にもぶちギレそうだ。

オレ?レース観戦してるだけだが?

 

「お前はもう少し、周りのガス抜きを意識した方がいいぞ」

「エドさんの言う通りだと思います。いつか痛い目に遭いますよ、リオンさん」

「大丈夫だいじょーぶ。一回二回負けても問題ない位勝ってるから」

 

オレの呆れとリビアの心配に対してもリオンはなにそれ?な態度。ついでに検討違いな言葉が飛び出る始末である。

 

「もうホント、笑いが止まらないね!」

「せめて人間の顔を保て」

 

右手で銭マークを作って笑うリオンの顔は本当に酷い。アンジェ嬢もあまりの酷さに指摘する始末である。

 

『次のレースは優勝候補の一人。ジルク選手の登場です』

 

あー、次はクズジルクが出るレースか。正直負ければいいと思う。

 

『三、二、一……スタート!!』

 

実況の号令で一斉にエアバイクが飛び出し、クズジルクがすぐにトップになる―――ことはなかった。

 

『おおっと!?ジルク選手急ブレーキ。どんどん抜かされていくぞぉおおーー!?』

 

開始早々、クズジルクはすぐ近くを走っていたエアバイクから妨害を受けていた。

 

(ハーツ。右手のみに魔装を展開しろ。使えるリソースは右目の視力と動体視力強化に全部ふれ)

『了解だ。キャプテン』

 

一瞬、クラリス先輩の取り巻きが暴走したかと思ったが何か違和感がある。

なので、右手を制服のポケットに突っ込んでから魔装を展開し、右目の視力と動体視力を引き上げる。

その右目で確認すると……走行妨害している奴らはクラリス先輩の取り巻きじゃなかった。というか、先を走っている取り巻き二人も困惑の表情を浮かべている。

 

『ああっと!?ジルク選手、今度は大きくコースから外れたあぁ!』

 

その妨害を掻い潜ってすぐ、クズジルクは別のエアバイク選手から体当たりを受けている。というか、ほぼ全員からマークされてないか?

 

「ほぼ全員からマークされてるなジルクの奴。一体何が起きているんだ?」

「一体どうして皆さんはあんなことを……?」

 

明らかに異常な光景にアンジェ嬢は首を傾げ、リビアは理由が分からずに困惑する。

今確実に分かっているのはこの妨害はクラリス先輩はもちろん、クラリス先輩の取り巻きとは無関係であること。まるで示し合わせたかのようにクズジルクに攻撃を仕掛けていることだ。

その後、クズジルクは妨害を受けながらも一位でレースに勝ったのだが……

 

『ジルク選手倒れてしまった。担架で運ばれて行きます』

 

クズジルクは妨害によって怪我を負ったのか、担架に乗せられて運ばれるのであった。

そんなクズジルクを誰もが心配する中……

 

「相変わらずのクズだな……当たり前のように不正してたぞ」

「だよね。違法改造したバイクでレースとか、全然反省してないよね」

 

オレとリオンはクズジルクの懲りないルール違反に辟易するのであった。

 

 

 




「アンジェパパに会いたくない。でも、エドの言ったような展開はマジで避けたいし……」
『本当にマスターはヘタレですね』
「うるせー!……そうだ!アンジェに言えば解決じゃね!?」
『それが可能なら、エドワードが既に提言してると思いますが?』
「……ですよねー」
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