チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


崩れる友好

あの後、カーラは観念してすべてを白状した。

屑女の指示でオレ達を騙して空賊達の餌食にしようとした事。その動機も成り上がりなのに持ち上げられているオレとリオンが気に食わなかったという、予想通りのものであった事。ブラッドを巻き込んだのは、自身をコケにしたからという幼稚な理由からであること。空賊達の襲撃が失敗に終わり、屑女の制裁が怖くてリビアに全責任を擦り付けようとした事をすべて話した。

 

その空賊―――《ウィングシャーク》はオフリー家と確かに繋がっているが、カーラが知る限りでは明確な証拠は残していないとのこと。あくまで屑女の指示に従って動いただけで、カーラ自身はウィングシャークと関係は持ってないそうだ。

すべてを白状したカーラは泣いて土下座して、実家とウィングシャークは無関係だから見逃して欲しいと必死に嘆願した。公爵家に判断を委ねているからと突っぱねたが。

 

ついでに、屑女から渡された通信装置は不調を来して使えなかったとも話した。実際はルクシオンが妨害して使えなくしてただけだが。

取り敢えず、その通信装置はこっちで回収して利用してやった。空賊への偽情報を流すのに。

 

最初はこの手に滅法強いルクシオンに魔改造してもらおうとした。だが、対抗意識を燃やしたハーツが魔装で装置に干渉したことで、酷いノイズで声色の判別が不可能な状態で空賊本隊との通信が可能となった。

そこで通信相手にオッサンの口調で、空賊側の船が大破しながらも襲撃が成功したと嘘の朗報を伝えやった。明日以降には強奪したロストアイテムの飛行船で帰還するともな。

 

いやあ、ロストアイテムという言葉はホント便利。辻褄合わせの嘘をそれっぽく伝えても、ロストアイテムだからと言えば疑わずにあっさり信じたからな。

向こうは思惑通りに行ったと思ってご満悦だろうな。その先が地獄とも知らずに。

 

騙し討ちの警戒は必要だが、そこはルクシオンが罠か油断かは判断してくれるので大丈夫だろう。どの道、相対したら挨拶代わりのパルトナー砲で先制攻撃するけど。

騙した上に不意討ちして卑怯?犯罪者相手に正道なんざクソくらえだ。そもそも、先に嵌めようとしたのは向こうだ。同じように嵌められても文句は言えないだろ。

 

「そんな訳で悪かったな。オレ達のゴタゴタに巻き込んでしまって」

 

一通りの準備を終えて段取りも整えたオレは、リオンと一緒に一連の流れを改めて説明してリビアに謝った。

 

「…………」

「……大丈夫か?リビア」

 

オレが謝っても表情一つ変えずに無言を貫くリビアに、リオンが心配げに言葉をかける。

 

「……本当にエドさんとリオンさんは凄いですよね。何でも解決して……何でも出来て……何でも見抜いて……」

 

ようやく口を開いたリビアはオレとリオンを誉めるが、リビアはオレ達を見ていない。まるで、自己嫌悪のように呟いているようだ。

 

「リビア、本当にだい―――」

 

そんなリビアの態度にオレは不安を感じて近寄ろうとするも、伸ばした手はリビア自身によって払われた。

その拒絶とも取れる行動に、オレは思わず固まってしまう。リオンでさえ、息を呑んで固まっている。

その中で、リビアは涙を浮かべながら言葉を紡いだ。

 

「……どうして、私にそこまで優しいんですか?」

「どうしてって……さっき説明しただろ?」

 

今にも泣きそうな声でのリビアの質問に、オレはそう言葉を返す。

 

「エ、エドの言う通りだ。これは俺らの……」

「じゃあ、何でこれまでも優しくしてたんですか?私、平民ですよ?そうする理由が、二人にはあるんですか?」

 

リオンも少し吃りながらも、オレの言葉に同意するように言葉を紡ごうとするも、リビアはそれを遮って質問を繰り返す。

噛み合っているようで噛み合っていない会話。何か、嫌な予感がする。

 

「何でって……」

「私……本当に何もありませんよ。お二人の期待に何も答えられないのに……どうして私なんかを助けるんですか?」

 

今回の件に対してではなく、今までの行動に対しての質問。何でリビアはそんな質問をしてきたんだ?

その質問をしてきたリビアの意図が分からずにオレは困惑していると、リビアは衝撃的な言葉を口にした。

 

「……体が目的ですか?」

「なっ……!?」

「いきなり何を言ってるんだ、お前は!?」

 

リビアのその言葉にリオンは絶句し、オレは反射的に怒鳴ってしまう。

それに対しリビアは……諦感を漂わせたような泣き笑いの笑みを浮かべた。

 

「……そうですよね。私なんて可愛くないですし……」

「可愛い可愛いくない以前の問題だろ!?本当に何があったんだ!?」

「それ以前の問題……私は……平民は、人間じゃないから……?」

 

……平民は人間じゃない?……まさか。

 

「まさか……あの伯爵令嬢にまた何か言われたのか?」

「…………」

 

オレの半ば確信に近い質問にリビアは沈黙を貫く。それで、オレはリビアが暗かった理由が分かってしまった。

流石に二度も醜態を晒したから、少しの間大人しくなると思っていた。だが、あの屑女は悪い意味でオレの予想を越えてきていた。

鬱憤を晴らす為にリビアに狙いを定めたとは……完全に見誤った。

だが、今は自責の念に駆られている場合じゃない。今はリビアと話し合わないと。

 

「なら、あんな屑の言葉をもう真に受けるな。オレらと違って、あんな友達がいない屑の戯れ言は流して……」

「……本当に私達は友達なんですか?友達って対等なんですよね?私とエドさん達は、本当に対等なんですか?」

「対等って……ただ普通に話して笑って、呆れて怒ってじゃダメなのか?」

「それ、ペットと変わらないですよね?迷惑ばかりかけても、ペットだから大丈夫なんですか?」

「お前はペットじゃない!第一、オレらの事情にお前を……」

「じゃあ私は何なんです!?友達でもない!ペットでもない!なら、私は一体何なのですか!?都合の良い人形ですか!?私より優秀な特待生だから、自身を飾っているですか!?」

 

何を言っても届かない。伝わらない。そんな状態のリビアに、オレはかける言葉がついに見つからなくなる。

ここまでリビアが精神的に追い詰められていた事実に、オレは自身の見通しの甘さを痛感させられた。

 

「……もう、何も言わないんですね」

 

リビアはそう言い残して、部屋を飛び出していった。

残されたオレと、終始無言だったリオンは……うちひしがれたようにその場に佇むのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

『……エドワードが言い返している間、マスターは何も言いませんでしたね。オリヴィアの言葉は、マスターにとっては図星だったと』

「……そうだよ」

 

パルトナーの甲板で夜風に吹かれ、ルクシオンの厳しい指摘に俺は不貞腐れた態度で肯定する。

あの後しばらくして、お互いに何も言わずに部屋を後にした。エドが何処に行ったかは知らないが、俺は夜風を求めるように外へと出た。気分は少しも晴れなかったが。

 

『エドワードの忠告……現実とゲームを混同したらいつか間違いを犯す。まさにその通りとなりましたね』

「まったくだよ。アイツ、実はエスパーなんじゃないか?」

 

エドのあの言葉には本当に考えさせられた。アンジェにリビア、ユリウス達のことをちゃんと見ていたのかと気付かされ、考えさせられもした。

それに対して俺は明確な答えを出さずに、ズルズルと引き伸ばした結果……ああなった。

エドが必死にリビアに話しかけたのに、俺は何も言えずに黙ってるだけだった。本当に最低な野郎だよ、俺は。

 

「……なあ、俺の何が駄目だったと思う?」

『オリヴィアに関してであれば、彼女の精神的な成長をマスターとエドワードが阻害したのが原因ですね。あくまでゲームとしての視点ですが』

 

精神的な成長の阻害?俺とエドが?

 

『もっとも、その阻害の度合いはマスターが九、エドワードが一の割合ですが』

「それ、ほぼ俺のせいだよな?何処でそんなに差が開いたんだよ?」

「マスターはご自身の都合だけでオリヴィアの手助けをしたでしょう。対してエドワードは自身の都合だけでなく、彼女自身の事を思って手助けしました」

 

ルクシオンのその指摘に確かにと納得してしまったよ。俺がリビアを姉貴から庇った後、同じような事が起きる可能性を示唆していたし。

 

『マスター自身に関しては、向き合うべき問題から逃げ続けたからです。子どものように、都合の悪いことから目を背けたのですから。ちゃんと結論を出していれば、一つくらいは言い返せた筈ですので』

「そーだね。俺は逃げ続けてるよ。こうなった今でもな」

 

俺の中では、この世界と乙女ゲームを切り離して考えることができない。あのパーティーでのユリウス達の台詞は、逆ハーレムルートの内容そのものだったし。惹かれる切っ掛けも、相手がマリエだった点を除けばゲームのまんまだったし。

 

「でも、結果的には良かったかもな。モブが調子に乗って主人公や悪役令嬢と関わったからこうなったんだ。良い勉強になったよ」

『そうやってまた逃げるのですか?ゲームの世界と考えて、自分と周りは違うと意識するのですか?本当に何も学んでませんね』

 

俺はその瞬間、鉄格子を反射的に蹴り飛ばした。本当はルクシオンを殴り飛ばしたかったが、此ばかりは完全に俺が悪いからな。

ちくしょう。爪先が地味に痛い。

 

『気が済みましたか?』

「そうだね。イラつきは多少は収まったね」

『答えが出るまで、私は言い続けますよ。これはマスターにとって必要な事です。エドワードとあの諸悪の腕輪を物理的に排除しないなら、しっかりと答えを出すべきです』

「だから物理的に排除しないって」

 

その後、ブラッドが甲板に来て、俺はブラッドの野郎と剣で勝負する羽目になるのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

パルトナーの格納庫にて。

 

「…………」

『随分と暗いな、キャプテン。オリヴィアの件が余程堪えたか?』

「……そうだよ」

 

ゼクトールに乗り、空賊退治の準備の為にヘビーアーマーから近接戦闘装甲【ファイターアーマー】へと付け替えているオレは、ハーツの質問におざなりで返す。

ファイターアーマーのカラーリングは青。追加装甲は薄くなっているが、その分機動力がある。

 

基本装備は大剣くらいの大きさがあるチェーンソーモドキと、左腕に取り付ける小型の複合シールドだ。

複合シールドには牽制目的の銃と、高熱によって焼き斬るヒートナイフがセットとなっている。どちらもアダマンティアスを採用しているので、強度と切れ味は抜群だ。

 

明日は乱戦となる以上、近接戦闘能力が低いヘビーアーマーでは苦戦してしまう可能性が高いだろう。リオンのアロガンツとパルトナーが強力とはいえ、おんぶに抱っこは本意じゃないからな。

本当は朝一でも良かったが、今は何かしていないと精神的にキツかった。

 

「完全にあの女の愚劣さを計り損ねたよ。リビアにまで目を付けていたとは、予想外だった」

『予想外……か。腹黒のキャプテンらしからぬセリフだな』

「腹黒だからって何でも見抜けると思うな」

 

全部予想できていたら、事前に全部潰している。オレはエスパーじゃないんだぞ。

 

「……都合の良い人形、か。オレの行動はリビアに対してはそう見えていたのか」

『見方によってはそう捉えられるだろう。特待生同士であれば、自然と比較されるだろうからな』

 

正直、特待生の肩書きなんてもう飾り同然だと思っていた。だが、その肩書きが最悪の形で働いてしまった。

それによくよく考えれば、特待生として上級クラスに入学したオレが目立てば、同じ特待生の肩書きを持つリビアも注目されるのは当然だ。

それで仲良くしていれば……悪意ある奴のターゲットにされるのは、必然だった。

 

「……オレはこれからどうすればいい?」

『知らん。キャプテン自身が考えろ』

「相変わらず手厳しい腕輪だな」

 

まあ、確かにオレ自身が考えて答えを出さなきゃいけないけど。色々と精神的に堪えた今のオレじゃ、すぐに結論を出せそうにないが。

そうして、ゼクトールをファイターアーマーへと換装し終えたオレは、コクピットから降りて借りてる部屋に帰ろうとするも……

 

「グレッグ……お前、何してる?」

 

空賊達から接収した鎧達を物色しているグレッグを見つけたことで、オレは半目で問い質した。

 

「ファーレンガルド……お前は何故ここに?」

「自分の鎧の装備の変更してた。それで?お前はここで何してた?」

 

グレッグの質問に答えてから改めて問いかけると、グレッグは少し顔を逸らして口を開いた。

 

「……使えそうな鎧を探してた。お前とバルトファルトは空賊本隊と戦うんだろ?俺も、一緒に戦いたいんだ」

 

どうやらグレッグは空賊本隊との戦いに参戦したいようだ。一応、生身で挑もうと考えなかった辺り、少しはマトモだが……

 

「……押収した鎧は全部、何処かしら損傷してる。そんな不良品で戦場に出せるわけないだろ」

「分かってる……仮に出てもお前達の足手まといになることもな」

 

そこまで理解しておいて何故参戦したいのかと、オレは疑問に思う中でグレッグは言葉を続けていく。

 

「俺は……実戦重視と謳いながら、あの状況で何をすればいいのか分からなかった。いつも家臣が近くにいて……あいつらがいないと何もできない、何も知らないガキだったと思い知らされた」

「そうだな。実戦のじすら知らない、自惚れが酷いガキだよ。お前は」

 

グレッグの自嘲に、オレは傷口に辛子を塗るような言葉で返す。グレッグがめっちゃ顔を顰めているが、構わずに話を続けていく。

 

「そもそも実戦を謳うなら、装備の大切さをもっと学べ。剣が銃には勝てないように、武器の良し悪しで勝敗が違ってくるんだ」

「だが、俺は一流の騎士を……」

「一流に拘るなら、尚更武器に気を使え。オレ達がやろうとするのは遊びじゃなくて殺し合い。死ねばそこで終わりなんだ」

 

オレやリオン、おそらくマリエも何の因果か二度目の人生をすすんでいるが、本来は人生は一度切り。二度目はない。

それにこの世界では人の命も軽い。今は避けられているが、何れは他人の命を奪うことを覚悟しなければならない時がくるだろう。

 

その時、迷わず銃を心臓目掛けて引けるかは分からない。良くも悪くも前世の価値観が根強いからな。安易に人殺しができる精神にはなっていない。

そういう意味では、オレやリオンよりおバカファイブの方が上だな。押し付ける気は更々ないが。

 

「それでも、このまま見ているなんてできない……いや、したくないんだ。だから、頼む」

 

グレッグはそう言って深々と頭を下げる。この分だと、梃子でも動かないだろうな。

 

「……なら、条件があるぞ。鎧の補修を手伝え」

「……お前、直せるのか?」

「一通りはな」

 

過去に公国から技術も職人も奪われたが、全てではない。辛うじて残った技術を何とか残し続け、僅かながらでも発展させてきた。技術自体はもう向こうが上だが。

そんな経緯から、ファーレンガルド家の生まれの人間は全員、鎧の補修と整備が一通りできる。精々二流程度だが。

 

「なら、恩に着る!」

「礼を言う暇があるなら、さっさと始めるぞ。日が変わる直前には終わらせたいからな」

 

幸い、今ある鎧の規格は全部同じだからな。多少の調整は入ってるだろうが、そこまで苦労はしない筈だ。

 

『随分と甘い対応だな、キャプテン。いや、作業してとにかく気を紛らわせたいからか?』

(そうだよ)

 

実際、もう少し気を紛らわしたいし。一応、頭数が増えれば多少は楽になるかもしれないからな。

その後、ブラッドも同様の理由で来たことで鎧を二機も補修する羽目となり、終わった頃には日を跨いでしまったのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

朝の食堂にて。

 

「お前、本当に良く食うな」

「んぐっ……当たり前だ!今度こそ役に立ってみせるんだからな!」

 

グレッグはオレの呆れにそう返して、再び豪快にベーコンとレタスを挟んだコッペパンを次々と頬張っていく。隣のブラッドは上品に食ってるのにな。

 

「なあエド。マジでこいつらも戦わせるの?」

「一応、認識の甘さを自覚したんだ。本気で頭を下げた以上、最低限の筋は通すさ」

「……別にいいけど。迷惑かけなきゃ好きにしていいさ」

 

二人の参戦を今朝聞いたリオンは少し呆れながらも、特に反対することなく二人の参加を認めていた。リオンもリオンで思うところがあったんだろうな。

 

「それで?空賊とはどう戦うんだい?今回戦うのは本隊なんだろ?」

「その本隊には、襲撃が成功してパルトナーで帰還すると嘘を伝えてある。罠に気付いている可能性は考慮すべきだがな」

「どっちにしろやる事は変わらないけどな。油断してたら主導権は握れるけど」

「……本当にお前達は恐ろしいな」

「まったくだよ。思わず空賊に同情しそうになったよ」

 

グレッグとブラッドは恐れ戦いた表情で呟くが、この程度は子供騙しだぞ。

王国の正規軍が同じことをやっても通用しないだろうし、オレ達は学生だ。最初に捕まえた空賊達もオレ達のことを学生だからと舐めていたしな。

 

「空賊達のアジトには後数時間で着く。しっかり準備しとけよ」

 

オレの言葉にブラッドとグレッグは文句を言うことなく頷く。ウィングシャークの拠点は捕らえた連中から吐かせたし、ゲーム知識として把握しているリオンからも裏付けはとったし。

リビアの方は……今はそっとしておくしかない。オレ自身、何を言えばいいのか分からないからな。

そして、数時間後。

 

「おお。盛大にお出迎えしてるな」

『飛行船を出しているが、何の躊躇いもなく正面から近づいて来ているな』

 

パルトナーの甲板で全員が鎧に乗った状態でウィングシャークの拠点に着くと、連中は船を出して迎え入れてきたよ。ハーツの言う通り、躊躇いなくパルトナーの射程圏内へと。

 

『完全に油断してるな。それじゃ、盛大に挨拶するとするか』

 

リオンが確信の籠った声でそう告げると、パルトナーの主砲が火を噴いた。パルトナーから放たれた砲撃は無警戒に近づいた二隻にあっさり命中。向こうの船の主砲らしき大砲を見事に破壊した。

 

『お、お前達!?一体どういうつもりだ!?』

 

パルトナーから攻撃を受け、拡張した音声でこちらの意図をはかり損ねているウィングシャークのメンバー達。どうやら、本気でオレの嘘を信じていたようだな。

 

「それじゃ、混乱してる内に叩くぞ」

『ブラッドとグレッグは鎧の相手だけしてろ。間違っても、飛行船を相手にするなよ』

『言われなくても、分かってるよ!』

『今度こそ役に立ってみせるさ。愛するマリエの為に!!』

 

オレとリオンの指示にグレッグとブラッドはそう返す。

そして、オレ達はウィングシャークを退治する為にパルトナーの甲板から飛び立つのであった。

 

 

 




「母上から余計な手出しは不要と言われたが、やはりじっとしてはいられない!」
「ですがどうやって抜け出します?間違いなく、ミレーヌ様の指示で見張りが多いでしょうから」
「俺に良い考えがある」

――――――

「王宮に仮面とマントの予算申請……?あの二人、ここまで馬鹿だったのかしら……?リオン君とエドワード君の今回の狙いにも気付いていない上に、本当にこんな手段で王宮を抜け出すつもりなの……?そもそもジルクは罠と予想してたのよね?リオン君がレッドグレイブ公爵に会っていたのも知っているのに、どうして気が付かないのかしら……?」

――――――

「予算申請が却下されました」
「「!?」」
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