パルトナーの甲板にて。
「……俺はモブというカルマからは逃れられないのか」
「カルマって確か業だろ。この場合は宿命だと思うが?」
リオンの黄昏たような呟きに、隣で空を眺めているオレはツッコミを入れる。
まあ、それも合っていないだろうが。
『業は因果―――行為があって結果があるという意味で、宿命は生まれる前から定まっている運命という意味なので、確かに宿命の方がまだマシですね』
『モブに拘るが、お前の行動は全然モブらしくない。むしろ、モブでいられない宿命ではないか?』
ルクシオンが意味を丁寧に説明して添削し、ハーツはオレの考えを代弁したように修正してきた。
「……今の台詞は聞かなかったことにして」
『分かりました』
リオンも相棒達のダブルパンチを食らって発言を撤回した。
ちなみに現在、パルトナーの隣には公爵家の飛行船が並ぶように飛んでおり、共に帰路に着いている。既に証拠の書類は渡してあるので、今オフリー家の船が来たところで手遅れである。
その引き渡しの際、オリヴィアさんの件でアンジェ……アンジェリカ嬢から平手打ちを貰う羽目となったが……
『良いのかキャプテン。最後までやらなくて』
「元からそのつもりだったから良いんだよ。公爵の名前を借りたのだって、公爵家を通した交渉へと持っていく為の仕込みだったし」
そういう意味ではアンジェリカ嬢が来たことはラッキーだった。向こうが形振り構わず空賊達を奪い返すことが出来なくなったからな。
『そうではなくオリヴィアの件だ。アンジェリカに理由を言わなくて良いのか?』
……オリヴィアさんの件、か。
「それもいいんだよ。下手に理由を話したらもっと面倒な事になるからな。それを考えれば、平手打ち一発で済んで良かったくらいだよ」
「そうだね。俺も叩かれて嫌われちゃったけど」
『『アンジェリカとも距離を……』』
見事にハモったルクシオンとハーツ。その瞬間、互いに睨み合った。
『私の台詞に被せないで欲しいですね。大きくなれない欠陥兵器』
『それは自分の台詞だ。過剰搭載の宇宙船』
『私は未知の宇宙を旅する移民船ですので、乗せた民を守る為に強力な兵器を搭載するのは当然です』
『なら、その目的すら果たせなかったお前は惨めな船だな』
『黙れ忌まわしき新人類の遺物。今すぐ破壊するぞ』
『それはこちらの台詞だ。旧人類の遺産』
『マスター。今すぐこの腕輪を始末しましょう。至急、本体の使用許可を』
『キャプテン。こやつの本体に乗り込んで、内部から破壊しまくるぞ』
「「だからやらないって」」
相変わらずの相棒達に、オレは何故か微笑ましく感じながらリオンと共に宥めるのであった。
――――――
王宮にて。
「一体どういうことだ!?」
ブラッドが怒りを露に机を叩き付ける。相変わらずの軟弱ですぐに傷が傷んで情けない声を上げるが、ブラッドの意見には俺も同じだった。
「俺達が正式な騎士になるのはまだ分かる。だが、空賊退治は俺達の手柄じゃない。なのに何故、報酬が支払われるんだ?」
そう告げる俺とまだ痛がっているブラッドの前の机の上には、今回の空賊退治の報酬が置かれている。
空賊を退治したのはバルトファルトとファーレンガルド……特にファーレンガルドは俺とブラッド二人でも歯が立たなかった空賊の頭領を倒したのだ。手伝い程度しか出来なかった俺達には、あまりにも不釣り合いな報酬だ。
「受け取って貰われば困ります。バルトファルト男爵とファーレンガルド男爵からの報告で、自分達は二人を助け、事後処理をしただけだと……」
アイツらの言う事後処理は間違いなく今回裏を引いていたオフリー家の件だな。
王都に帰還して間もなく、学園にいたオフリーの令嬢とその関係者はすぐに学園から姿を消した。詳細はまだ分からないが、相応の処罰が下されるのは確定だろう。
「それにお二人は、現在は騎士でもなければ爵位も階位もありません。故に、階位と爵位を持つお二方の報告が優先されまして」
「だから報酬を受け取れと?功績らしい功績がない僕達に!?」
困り顔の役人の言葉にブラッドは納得せずに食い付いていく。俺も拒絶の意味を込めて睨んでいると、役人は観念したように口を開いた。
「……口止めをされていましたが、お二方はお二人の実家に働きかけています。今回の手柄で廃嫡を考え直してくれないかと」
役人が話した事実に、俺とブラッドは信じられずに役人を見る。
「アイツらが、何で……」
「そうだ……僕達の為になぜそこまで……」
「お二方はご自身の都合と呟いておられました。その言葉の真意は図りかねますが」
自身の都合……俺達に手柄を譲ることで、アイツらに利益があると?
……駄目だ。全然分からねえ。ブラッドも俺と同じなのか、眉間にシワを寄せて考え込む表情をしてるし。
「もう王宮とお二人のご実家には、相応の資金が流れています。ここは素直に受け取ってはいかがでしょうか?」
「「…………」」
役人のその言葉に、俺とブラッドは何も言えなかった。
結局、報酬は受け取らざるを得ず、複雑な気持ちで外のベンチに座っていると……
「二人とも、此処にいたのな!」
ユリウスとジルクが、喜色を浮かべた表情で俺達に駆け寄って来た。
「殿下……」
「聞いたぞ。無事に空賊を退治したらしいな!しかもあの二人の目の前で!」
ユリウスはもちろん、後ろにいるジルクも自分のことのように喜ぶが、実際は何も出来ていない。むしろ、全部が全部、おんぶに抱っこだった。
「これはもう俺達の勝ちじゃないか?」
「ええ。それに今回の事でお二人の実家も見直したと聞いています。もしかしたら、嫡男復帰―――」
「違う」
ユリウスは浮かれ、ジルクも笑みを浮かべて俺達の実家の話をしたが、ブラッドはそれを遮って否定した。
「ブラッド……?」
「ああ……ブラッドの言う通りだ。俺達は何一つ勝てなかった……強さも、心意気も……器量と度量でさえも」
何せ、空賊退治そのものに浮かれて俺達は罠だと気付かなかったんだ。最初から罠と気付いた上で、勝利への道筋を見据えていたあの二人には全然及ばない。今だって、俺達に手柄を譲り、嫡男復帰を働きかけた理由すら検討がつかないのだから。
だからこそ……あの二人にちゃんと勝ちたい。
「殿下。僕達、決めたんです」
「決めた?何をだ?」
「僕達はバルトファルトとファーレンガルドに勝ちたい!男として!」
「ああ。アイツらは本当に凄い騎士だ。今のままじゃ勝負にもならない。でも、いつかは追いついてみせる」
あの二人の背中はでかく、遠いのだと今回の件で思い知った。それでも、俺は……俺達は必ずアイツらに追いついてみせる!
だが、その前に……
「殿下。王妃様に面会は可能でしょうか?」
「母上に?」
どうやらブラッドも同じ考えようだな。俺ももちろん、追従させてもらうぜ。
「これだけしてもらったんだ。アイツらに恩を返せないなんて……男じゃないだろ?」
――――――
自室にて。
「グレッグにブラッド……アイツら、本当に余計なことを……!」
オレは一枚の書面を手に、わなわなと震えている。
その書面の内容は……
『六位下から六位上への昇進。そして、卒業後には五位下への昇進の約束……またしても注目の的となったな。キャプテン』
「あのバカ二人!何の為に手柄を譲ったと思っているんだ!?しかも、二階級昇進とかふざけんな!」
そりゃオフリー家の後始末で色々と動いたから、昇進する可能性はあったんだけどさ!二階級も昇進が確定したら、ますます敵が増えるだろうが!これから味方を徐々に増やさないといけないってのに!
『この分だと、リオンの方も昇進が確約されているだろうな』
「だろうな!後始末に関しては、オレとリオンの共同だからな!」
実際、アンジェリカ嬢がオフリー家を徹底的に叩き潰すと決めたからな。それで関係者は極一部を除いて軒並み排除されたし、空賊と関係があった貴族は調査が入ってるし!
ちなみにオフリー家は敵対派閥―――フランプトン侯爵からあっさり切り捨てられた。爵位はもちろん、財産も領地もすべて没収される流れとなっており、当主と跡取りもそう遠くない内に処刑される動きとなっている。
実際の判決はまだ先ではあるが、間違いなく口封じも兼ねて処刑するだろうな。取り調べもフランプトン侯爵の息がかかった人間が行っているみたいだし。
そういった経緯からあの屑女は実質の退学扱い。二度と学園に戻ってくることはないだろう。実際、今回の主犯ということで牢屋の中に閉じ込められたし。
一度、リオンと一緒に見に行ったけど……ああなっても屑女は醜態露に喚き叫んでいたよ。こうなったのはお前達のせいだ。絶対に許さないってね。此処まで現実を理解できないその姿は、本当に憐れで惨めだったよ。
そんな彼女の末路は……表向きには野に放逐されたとされ、実際は毒酒による処刑となる可能性が高いらしい。既に男爵位を持つオレとリオンだけでなく、ブラッドとグレッグの二人も嵌めようとしたのが致命的だった。二人の実家に嫡男復帰を働きかけたから、それも合わさって罪状が重くなったそうだ。
その事実にリオンはかなり複雑そうにしていたが、こればっかりは割り切るしかない。カーラにも言ったが、男爵二人と名門の元跡取り二人を嵌めて無事に済むわけがないのだから。
そのカーラは、他の取り巻きと違って空賊と実家は無関係であることが証明され、排除の網から逃れていた。もっとも、それは幸運でも何でもないが。
これから彼女は学園で見せしめのような生活を送る羽目となるだろう。もし彼女が誤魔化しに走らずに最初から白状していれば、見せしめ回避の根回しをするつもりであった。
実際、カーラは屑女に逆らえない立場だったし実家も人質に取られていたしな。それを少し誇張して周りに流してやれば、同情が勝ってある程度はマシとなった筈だ。それも、彼女自身の選択で不意となったが。
そんなこんなで見せしめの意味を込めた後始末に奔走したからな。空賊との繋がりがあった貴族がオフリー家以外にもいたから、フランプトン侯爵派閥も予想外のダメージを受けた。少なくとも、周りからの信用が下がっただろう。クラリス先輩経由の話じゃ、侯爵寄りになっていた貴族が距離を取ったようだし。
おもいっきり国政に関わった上に膿の一部を排除したから、昇進される可能性はなきにしもあらずだったが……
「ファーレンガルド男爵。手紙と贈り物が届きました」
本当に予想の斜め上となった事態に頭を痛めていると、そんな声と共に扉がノックされた。一応扉を開けると、そこに立っていたのは一通の手紙を持った宿舎の使用人だった。贈り物らしきものは見当たらない。
「えっと……手紙だけしか見えないのですが……?」
「はい。贈り物の方は届けられないので外にご用意してあります」
外?つまり、結構大きな贈り物なのか?
オレは疑問に思いながらも手紙を受け取り、使用人は一礼してその場を去っていく。
手紙の差出人は……アトリー家?
ひょっとしてオリヴィアさん達との件だろうか。一応、クラリス先輩には理由を話して頭下げて黙っているようにお願いしたけど、仲直りしろという意思表示なのか?だとしたら、さすがに答えられないな。
一応、部屋に戻ってから手紙の内容を確認すると、オレの予想と違った内容だった。
差出人はクラリス先輩ではなく父親である大臣。手紙にはクラリス先輩の件で感謝を伝えることが遅れたことの謝罪から始まり、改めて感謝の意を込めてエアバイクをプレゼントすると書かれていたのだ。
『エアバイクは二台送ったから、一つはバルトファルト男爵に渡して欲しい。彼にも、少なからず感謝しているからね』
……大臣の感謝って決闘騒ぎの件だよな?確かにリオンが最初に代理人を引き受けなければ、オレも代理人に立候補したかも怪しいし。
取り敢えず、リオンにこの事伝えに行くか。
「リオン。いる―――」
「エドォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
オレがリオンの扉をノックして声を出した瞬間、猛烈な勢いで扉が開く。そこから般若も引きそうな怒りと悲しみがごちゃ混ぜとなった表情のリオンがオレの胸ぐらを掴み上げた。
「ぐおっ!?」
「お前のせいで!お前のせいで!!俺は二階級も出世する羽目になったじゃないかぁあああああああ!!」
「オレに文句言うな!文句なら脳筋とナルシストに言え!!」
実際、オレもあの二人に文句言いたいし!
『本当にマスターとエドワードは私の予想の斜め上を行きますね。感心してしまいますよ』
『嫌味だな。まあ、自分も本当に不本意ながら同意見だが』
ルクシオンとハーツはお互いを睨みながら呆れるという珍妙な行動を取っており、面倒くささを隠す気配もない。
その後、何とかリオンを落ち着かせて外へ向かうと……
「これがお前の言っていたエアバイクか。これだけなら、普通に喜べたんだけどな」
庭に二台、綺麗に並べられた同じデザインのエアバイクにリオンが沁々と呟く。
「一応手紙には、ウチの新素材を使ったエアバイクだが……」
『学園祭で使用したエアバイクとはエンジンも違いますね。パーツも丁寧に作られている上、装甲の素材も非常に軽いながら強度も文句なしですからとても良いものですよ』
そりゃそうだろうな。何たって、例の浮遊石絡みの素材を使ってるんだし。
『では、早速―――』
ルクシオンはそう呟くと、触手のような管を展開して片方のエアバイクを弄り始めた。
「お前、何してるの?」
『改造と掌握を行っています』
リオンの質問にそう返すルクシオンは、心なしか楽しそうだ。意外と今の生活を気に入っているのか?
「てか改造していいの?一応、贈り物なんだけど」
「別にいいだろ。大抵のエアバイクは自分好みにチューンアップしてるんだし」
ジルクのような違法改造する輩もいるけどな。
ちなみにもう殿下とジルクに罵倒付きで呼称することは止めている。もう、オレ自身が女を泣かせるクズになってしまったからな。
「……エド。本当にこのままでいいのか?」
少し耽っていると、リオンが唐突にそんな言葉を投げ掛けてきた。
「このままでって、何がだ?」
「いや……悪い。今の言葉は忘れてくれ」
リオンはそう言って話を打ち切る。大方、オリヴィアさんの件だろうが、余計な気遣いは不要だ。
もう、オリヴィアさんとは最低限でしか関わる気しかない。距離が近ければ、またターゲットにされる可能性があるのだから。
にしても、意外だな。ゲーム展開重視のお前がそんな事を口にするとはな。
――――――
『随分マスターらしからぬ発言でしたね。あの五人の内の誰かをオリヴィアとくっ付ける気ではなかったのですか?』
「そう考えたんだけどさ……この昇進の件でブラッドとグレッグは期待外れと証明されちまったし、ユリウスとジルクの二人は既に論外となってるしな。クリスは……この分だと望み薄な気がするし」
『本当にマスターは愚か者ですね。五股を容認してる時点で、あの五人は愚かしい馬鹿だというのに』
ルクシオンの圧が辛い。そりゃあ、確かにオリヴィアさんなら逆ハーレムもありとは思ってたんだけど、客観的に見たら大問題なんだよね。特に跡継ぎ問題が。
前までの俺なら、乙女ゲームだから大丈夫だろうと流してたけど、エドの影響で良くも悪くも考えさせられたんだよね。
五人で一人の女を侍らすとか、その場はともかく将来的にマズイじゃん。子供を授かった時、誰の子なのかが分からないんだし。特に王国の立場からしたら頭を抱える案件だし。むしろ認めないといけなくなった方に同情が湧いてくる始末だし。
「そういえば、エドはオリヴィアさんが悪女になったのはあの五人のせいって言ってたよな……」
『その意見は的を得てますね。オリヴィアは平民で貴族や権力事情に疎いところがありますからね。そこにあの五人のお花畑が混ざれば……』
「それが常識って誤認する……か。あの五人、マリエに関係なく駄目なんじゃね?」
『だからそう言っているでしょう。マスターは本当に、頭の回転が悪いですね。少しはエドワードを見習ってください』
「一々俺とエドを比較するなよ!」
けど、実際問題、そうなるとこの先の展開がどうなるのかが分からなくなる。エドはもう俺が知るシナリオは崩れているから、時系列の展開は宛に出来ないと言っているが……そうだとしたら、かなりマズイ。
今回の空賊退治のイベントがかなり早い段階で起きたように、今後も同じように繰り上げで早くイベントが起きれば……確実に後手に回ってしまう。
「せめて、修学旅行が終わるまでは何も起きないでくれよ……」
そこでしか手に入らないアイテムを手に入れるまでは、本当に何も起きないで欲しい。切実に。
『ひょっとしてまたゲーム的な理由からですか?本当に懲りないですね』
「懲りなくて悪かったな!」
――――――
連休明けの学園にて。
「本当に酷い顔だな」
「二人とも、もっと喜んだら?昇進したんだし」
ダニエルとレイモンドは机に突っ伏しているオレとリオンにそう言って慰めるが、逆に塩を塗ってるぞ。
「下手に出世なんてしたくなかった」
「将来五位下だから、やらなきゃいけない事が増えたし」
実際、五位くらいの領主貴族は艦隊を指揮しなきゃいけないし。それ相応の飛行船と戦力も用意しないといけないし。
おかげで改造中の飛行船は急ピッチに行われてるよ。幸いにも資金も問題ないし、ジェットエンジンモドキは大きな失敗もなく順調に出来上がってるし。修学旅行が終わる頃には、完成してるだろうな。
「でも、結婚相手には困らないんじゃない?ほら、女子達が見てるよ……」
「その割には怯えているけどな」
何せ、もうオフリーの一件が知れ渡っているからな。下手にちょっかいを出して痛い目を見たくないと思う奴が圧倒的に増えただろうしな。
「そりゃ怯えるだろ。あれだけの事をやらかしたんだから」
「事後処理をしただけだけどな」
「その事後処理が酷いっていう話だよ。もう二度と、お前達への嫌がらせに加担しないと決めたくらいだし」
「それ、完全に巻き添え食らってるよね!?」
ダニエルのその言葉に、リオンが泣きながら食いついた。もう、セットで見られてるから諦めろ。
「それにそろそろ修学旅行だし!運が良ければ誰かと進展する可能性があるかもよ」
修学旅行……か。
この世界では三学年合同で、三ヵ所ある目的地の中から一ヵ所だけ行くんだよな。
ちなみにその修学旅行でリオン同様に裏金を回した。オレは日本文化目的で。リオンはゲーム目的だろうが。
「リオンとエドワードはあの二人と一緒の飛行船でしょ?この際、謝って仲直りすれば?」
レイモンドがそう言ってきたが、オレの答えは決まっている。
「別にいいよ。ここまま疎遠となるのがお互いの為だし」
オレのその言葉にダニエルとレイモンドはもちろん、何故かリオンにまで複雑な表情をされるのであった。
「本当にエドは面倒くさい性格だよな……あの五人とは別の意味で面倒だぞ」
『マスターの性格も十分に面倒くさいと思いますが?』
「うるせーっ。俺よりエドの方が面倒だろうが」
『私としては、どちらも同じように見えますけどね』