チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


さらば、青春

リビアから五人に関する噂を聞いて数日。

 

「……オレとリオンに決闘の申し込み?」

 

自室に届いたその決闘の申込書の差出人はあの五人。日付は終業式の日だ。

翌日には勲章授与式だからやること自体は問題はないが……申込書の存在そのものが問題だった。

 

「しかも自分達が勝ったらマリエとの関係に口を出すな?完全にそっちの都合の押し付けじゃん」

 

そもそも君ら、負けた立場なんだよ?本来、その結果にケチ付けずに粛々と履行しないといけない立場なのに、それを無視して決闘を申し込むとかどうなのよ?

第一、オレらが受けるメリットすら表記されていないし。完全に決闘を茶番劇にしてるだろ。

 

『なら、拒否するか?拒否しても問題はあるまい?』

 

ハーツも呆れているが、オレは少し考える。

これを断ったとして、その程度でアイツらは諦めるか?……ないな。

 

「いや、受ける。断ってもどうせしつこく食い下がるだろうし、わざと負けて放置した方がマシだ」

 

実際、新アーマーや飛行船の建造……それに伴う人員の増加に加え、道化の公女に公国と裏で繋がっている侯爵の存在もある。

特に人員の増加は慎重に行わなければならない。スパイが潜り込むには格好の機会だからな。

そんな状況で、あの五人に構っている暇は欠片もない。なら、余計な問題は今片付けておいた方が一番だ。

 

『キャプテンが仮に受けたとしても、リオンが受けなければ……』

「リオンも今回の決闘は受けるだろ。あっちも工場の立ち上げをしないといけないから大忙しだし」

 

リオンだって暇じゃないんだ。仮に受けなくても名前だけ借りればいいし。

その立ち上げの際、ウチの職人を数名派遣することが決まっている。リオンが職人のツテがないかオレに聞いてきたのが切っ掛けだけど。

 

『しかしいいのか?あの女が今後邪魔をしない可能性はないとも限らんぞ』

 

あの女……マリエの事か。

 

「マリエの事は確かに気にはなるが……それ以上に警戒しないといけない連中が多すぎるんだ。それに、リオンの言う乙女ゲームをマリエも知ってるなら、下手な手出しはできない筈だし」

 

実際、リオンがもたらしたラスボス情報はまったく楽観視できないものだったし。それを知っているなら、玉の輿に乗ろうとしたマリエは余計な事はしない筈だ。

その筈、なんだが……まだ何かを見落としているような気がしてならない。

 

マリエの動向にも本当は気をつけたいが……今は様子見するしかない。オレとリオン、マリエには直接の接点がないのだから。

それにヘルトルーデの件もある。一応客観的な事実は教えられたそうだが、それでもどう動くか分からない。加えてトップの傀儡化が一番厄介だ。黒騎士達を軛としたが、それを全面的にアテにするのは危険すぎる。

 

「それにルクシオンも基本はリオンのガードが最優先だからな。リソースを考えれば、マリエは放置するしかないんだよ」

『役に立たん遺物だな』

 

ハーツは小馬鹿にしたようにそう発するが、お前はルクシオン以下だからな?

その後、リオンも同意見だったことで、オレ達は決闘を受けることを殿下に伝えるのであった。

ちなみに殿下側は一機だけだったので、リオンが代表としてのタイマン勝負に持っていった。

 

 

 

――――――

 

 

 

エドワードが決闘の申込書を受け取ったのと同時刻。

 

「アイツら、本当にバカだろ」

『話になりませんね。拒否してよろしいかと』

「……いや、受ける。ここまで一緒にいたいなら負けてやる。リビアはエドに任せれば大丈夫だしな」

 

リビアを聖女にしても、腹黒いがマトモな思考のエドならちゃんとリビアのことを守るだろうし。

 

『押し付ける気満々ですね』

「アイツだって俺にあれこれ要求してるからお互い様だ」

 

むしろエドの要求の方が多いくらいだ。俺にも得があるから別に良いけど。

それにリビアはエドのことを意識しているしな。なら、あの五人の誰かとくっ付けるより、エドとくっ付けさせた方がずっといいだろう。

 

ラスボスを倒す“愛の力”も、クリアしそうだし。そうなったらエドは前線に出せなくなるけど。まあ、前に出て戦うより、頭を使ってあれこれさせる方が向いていそうだし別にいいだろ。

 

『……書面の内容からして、エドワードの方にも来ているかと』

「なら、アイツも同じく受けるだろうな。こんな馬鹿らしい事に労力を割くとは思えないしな」

 

もし受けなかったら、名前だけ借りるけどね。そうしないと、あの五人が騒いで面倒になるし。

 

 

 

――――――

 

 

 

終業式が終わってすぐ、オレは闘技場の広場で佇んでいた。

 

「あれが例の噂の正体か」

『寄せ集め、だがな』

 

殿下側の鎧は壊れた自分たちの鎧を寄せ集めて修理したものだ。五人の鎧は全部規格が違うので、あれで本当に動くのか疑問だが、一応は技術者と一緒に修理したそうなので、ちゃんと動きはするだろう。

ちなみにルクシオンの調べでは、修理費五十万ディアだったそうだ。……その時点で嫌な予感がビンビンに立ってしまったが。

 

「殿下達、あの外道と悪魔に勝つために頑張ってきたって!」

「や~ん。私もそこまで思われてみたぁい」

「夜な夜な鎧を直したんだって。感動するよなぁ~~」

 

……相変わらず周りの五人に対するフィルターが酷いな。逆だったら絶対に蔑むだろうに。

 

「ファーレンガルドの軟弱者ぉおおおおおおッ!!」

「バルトファルト共々くたばれぇえええええええ!!」

「お前も殿下達と戦いやがれぇええええええええ!!」

 

だからこんな罵詈雑言も全然響かない。むしろ全力を出せるように気を使ったというのに。

てか、修学旅行で一緒だった連中も混じるなや。恩を返せとは言わないが、仇で返して自分にとって返っても文句は言えないぞ。

そうこうしている内にパイロットスーツに着替えたリオン登場。アロガンツも広場に降り立つ。

 

「やっと来たかバルトファルトォオオオオオオ!!」

「ファーレンガルドと共に死ねぇええええええ!!」

 

おーおー。リオンの登場でさらにブーイングの嵐が酷くなったな。全然効かないけど。

 

「本当に相変わらずだなー……じゃ、行ってくるわ」

「おう。頑張ってこい」

 

ある意味八百長試合を始めるリオンに労いの言葉を送り、リオンもゲンナリした表情で頷きつつアロガンツへと乗り込む。

向こうはグレッグが代表として青春の鎧に乗り込んだ。武器はドリルランスとライフルか。

 

『……ふっ。期待されるってのは良いものだな。それに心なしか鎧の中も暖かい……』

 

……ん?鎧の中が暖かい?なぜだろう。妙に嫌な予感がするんだけど。

 

『その気持ち、しっかり受け取ったぜ。相棒!』

 

グレッグは青春の鎧が自分に応えてくれていると解釈したが、オレは不安を拭えなかった。

 

「……ハーツ。魔装を両手に展開。あの鎧を目で調べる」

『了解だ。キャプテン』

 

なので、オレはあの鎧を可能な限り調べることにした。その間にアロガンツと青春の鎧は決闘開始。

え~と……魔力の流れから構造を把握して……って!?

 

「内部が適当じゃねぇか!?」

 

明らかに魔力の流れが本来の鎧とは異常な上、重要機関の負荷も推測から大き過ぎるし!

急いでオレの持つ知識と青春の鎧の今の状態を照らし合わせ……一つの結論に達した。

 

「完全に暴走してんじゃねぇか!」

 

規格が違う鎧を継ぎ接ぎで直した弊害がそのまま残って……いや、むしろ悪化してんじゃん!しかも値段からして……絶対に詐欺師だろ。その技術者!

 

『オイ、お前の鎧はおかしいぞ!すぐに降りろ!』

『はっ!俺を惑わすつもりだな!?そうはいくか!』

 

リオンも青春の鎧の異常に気付いたのか、グレッグに急いで降りるよう伝えるも、グレッグは嘘と判断して取り合わない。

なら、審判だ!

 

「審判!今すぐ決闘を中止してくれ!向こうの鎧、早く止めないと爆発するぞ!」

 

オレは審判にそう伝えるも、審判は首を横に振った。

 

『ファーレンガルド君、駄目ですよ。彼らの気持ちをそんな嘘で踏みにじっては』

「嘘じゃねぇ!本当にヤバいんだって!」

『エドの言う通りだ!本当にマズイんだって!!』

 

オレとやり取りを聞いたリオンが審判に抗議するも、審判は無言を貫くだけ。完全に無視する気か!

確かにリオンはわざと負ける為に消極的に戦っていたが……それが裏目に出るなんて!

 

『身から出た錆だな。これも日頃の行いの結果だ』

 

日頃の行いって……オレは喧嘩売ってきた連中に百倍で仕返ししただけだ!断じてオレから喧嘩を売ってなんかいない!

こうなったら……

 

「お前ら、早くグレッグを止めろ!早くしないと、グレッグもあの鎧も木っ端微塵だぞ!!」

 

こいつらを説得して止めるしかない!人命に青春の結晶……どっちも守らないと!!

 

『頼むから降りてくれよ!俺の負けでいいからさ!!』

『ふざけるなバルトファルト!そんな勝ちで俺達が納得するか!!』

 

リオンも必死に説得しているが、グレッグは全然聞く耳を持っていない。早くこいつらを説得し……

 

「離れろグレッグ!そいつの腕は危険だ!」

「すぐに腕のパーツを切り離して逃げてください!」

「パージする機能は外してあるから無理だ!グレッグ、何としても離れるんだ!」

「頑張れグレッグゥウウウウウ!!」

 

こっちに気づけよ!!しかもクリス、そんな声援送ったらあの脳筋は調子づくだろうが!!

 

『……普段大人しいクリスにここまで言われたら……頑張るしかないな!!』

 

ほら見ろ!しかも青春の鎧から光が漏れて今にも爆発寸前なのに!!

 

「頼むから今すぐ止めろぉおおおおおお!!今止まれば、間に合うからぁあああああああああ!!」

『俺はまだまだいけるぜ!バルトファルトおおお!!』

 

本当に頼むからこっちの言葉を聞いてくれよ!でないと……

 

『いんぱくと~』

 

そんな音声が聞こえると共に、青春の鎧は粉々に吹き飛んだ。グレッグは意識を失って宙に放り出されたが……命に別状はないだろう。

……終わった。五人の……おバカファイブの青春の思い出が、終わった。

アロガンツのインパクトがあって本当に良かった。なければ、グレッグも青春の鎧も共に木っ端微塵だったから。

 

「……最悪だ」

『中々の強敵であったな。キャプテン』

 

……そうだね。おバカファイブの脳内花畑は本当に強敵だったよ。

そんな苦渋の所業と知らず、皆がドン引きする中……

 

「あ……あたしの……五十万ディアが……!いぎゃああああああああああああああああ!!」

 

マリエの悲鳴が、木霊するのであった。

……後始末、やっておこうか。めちゃくちゃ良心が痛むから。

その後、せめてもの謝罪で百万ディアをマリエに渡したら笑顔で許してきたので、現金なヤツだと思うのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

―――とある集まりにて。

 

「聞きましたかな?殿下達はまた成り上がり二人に負けたようです」

 

…………。

 

「王位に就けなくて良かった」

「しかし、成り上がり者二人の行動や態度は目に余ります。バルトファルトに至っては王妃様のお気に入りという噂もありますしな」

 

…………。

 

「どちらも放っておいて良いのでは?落ち目のレッドグレイブ家に媚びを売るなど、時勢を読めない証ですよ」

「しかし、ファーレンガルドの方はかなりのやり手のようで……公国と取引をしたそうですし」

「その公国も、学生に負けた上にトップはお飾り……これを機に手を……」

 

その瞬間、私は机を叩いて周りの危機感のない意見を黙らせた。

 

「なんとしてもあの小僧共を追い落とせ。特にバルトファルトは絶対にだ。どんな手を使っても構わん」

「し、しかし侯爵。あの二人を追い落とす理由がありません。公国の動きも気になりますし、王妃様がお許しになるとは……」

 

理由だと?理由は十分にあるだろうが!

公国を二人……それもほぼ一隻の飛行船で退けたのだ。そのようなロストアイテムを放置するわけにはいかんというのに!

 

「何としても潰せ!公国よりも、あの小僧共が優先だ!」

「しかし侯爵。公国はヘルトルーデ王女を傀儡に仕立て上げていたのです。そのような行いをした公国を差し置いて、あの二人を優先するには危険が大きすぎます」

「それは承知している!その上で、あの二人を早く潰すべきだ!」

 

確かに私達も知らない公国の内情の一端が知れたのは行幸だろう。だが、それ以上にあの二人が危険だとどうして理解しない!?

ファーレンガルドの小僧には()()()のような強力なロストアイテムはないが、それを補って有り余る程の能力がある。

 

それがバルトファルトの小僧が持つロストアイテムと組み合わされば……間違いなく国の脅威となる。それこそ、公国よりも最優先しなければならぬ程に!

 

「で、ですが侯爵。公国にはまだ切り札が残っているとも……加えて黒騎士も健在な為、公国を軽視するのは危険すぎます」

「そんなの!あの小僧共を追い落とした後でどうとでもなる!」

 

あの二人を追い落とせば、ロストアイテムも飛行船も技術も手に入る。それらを上手く使えば、仮に戦争になったとしても十分に対処できる。

国のため……私の出世のためには絶対に必要なことなのだ!

 

「……ヘルトルーデ王女は?」

「世話をしている者達からの報告では、茫然自失が続いていると……」

 

……王妃も余計な事を。無自覚の傀儡であれば、それはそれで使い道があったと言うのに。

その状況で下手に接触しては、あらぬ疑いが掛けられる。なら、お飾りの王女は放置するしかない。

 

「……なら、公国に連絡だ。ヘルトルーデ王女には悟られるよう、やり取りをしろ」

 

私のその指示に一同は顔を見合せながらも、反対意見は出てこなかった。

 

 

 

――――――

 

 

 

俺は……どうすればいい?

人気のない廊下を一人で歩きながら、俺は考える。

王国が……妻と娘を奪った王国が憎い気持ちは変わらない。だが……

 

『テメェにとって大事なのは己の怨念か?トップへの忠誠か?後者なら、“代わり”も良いように利用されないように、しっかりと目を光らせやがれ』

 

俺を下したあの小僧の言葉が、頭から離れないのだ。

幼き頃に両親……王様と王妃様を事故で亡くされた姫様たち。そのお二方が周りによって良いように使われるのは……耐え難いものだ。

 

あの小僧共によってゲラットは極刑となり、俺の地位は守られたが……護衛からは外されてしまっている。クロウも同様だ。このままでは、お守りできない。

 

あの魔笛の()()()()を鑑みれば……俺の怨念に付き合わせるわけにはいかぬ。姫様達には、幸せになってもらいたいのだから。

本当に業腹で苦渋の決断を下そうとしていると……近くの部屋の扉から話し声が聞こえてきた。

 

「……ま…か…ひ……まが……わ……る…は」

 

……どうやら主戦派の重鎮達が議論しあっているようだ。

俺はそのまま通り過ぎようとして……次の言葉で足を止めた。

 

「……しかし、姫様は……てしま……たか。……達を排除し……合の良…事実しか教……かったと……のに」

 

……なんだと?

聞こえてきた内容に一抹の不安を覚えた俺は、扉に顔を当て耳を澄ませる。そのまま、主戦派の重鎮達の会話の内容を確認していく。

 

「……何を言っているのですか。陛下達は()()()()()で亡くなったのですよ」

「そうでしたな。都合よく()()()()()が起こっただけでしたね」

「亡き陛下達は王国との戦争に反対し、和平を結ぼうとした裏切り者でしたからね。きっと罰が下ったのでしょう」

「そうですな。国を裏切ろうとしたお二方には、当然の報いですよ」

 

亡くなれた陛下達が憎き王国と和平を……!?いや、それよりも……!?

俺は激情のまま、乱暴に扉を開ける。部屋の中にいた主戦派の重鎮達は驚いたように顔を俺へと向けている。

 

「バンデル殿……一体どうしたのですかな?」

「答えろ貴様ら!今の話は一体どういうことだ!?」

 

俺のその詰問に奴らは目を見開くも、すぐにやれやれといった感じで頭を振った。

 

「そうですか……聞かれてしまいましたか」

 

俺の詰問に対して主戦派の一人がそう答える。

 

「まさか貴様ら……陛下達を事故に見せかけて暗殺したのか!?王国と戦争する為に!」

 

俺のその言葉に、全員が嫌らしい笑みを浮かべた。

 

「ええ。その通りです。ですが、バンデル殿。あなたにとっても都合が良かったのでしょう?妻子を目の前で殺された復讐を、自らの手で行えるのですから」

 

その言葉に、俺は王国に対する憎悪と同等の怒りを放つ。それに対し、重鎮達は平然とした態度を取り続けている。

 

「おや?もしかしてお怒りですかな?」

「バンデル殿は王国が憎くないのですか?」

「憎いに決まっておろう!だが、姫様達を犠牲にしてまで復讐に身を焦がすつもりはない!」

「……そうですか。貴方も、役立たずだった亡き陛下達と同じか」

「娘どもは我々の役に立っているというのに……いや、もう妹君だけでしたな。王国におられる姫様は、もう使えぬでしょうから」

 

忠誠心の欠片もない、あまりにも自分たちの利益しか考えていない言葉。あの小僧の言葉通りであったことに……俺の心はもはや限界だった。

 

「貴様ら全員……俺が今、この場で殺し尽くしてくれるわ!!」

 

俺は憤怒の感情に支配されるまま、腰の剣を引き抜く。例え反逆の汚名を被ろうとも、これ以上姫様達をこいつらの良いように使わせて堪るものか!

俺は剣を腰だめに構えて、突撃しようとした瞬間―――背中の腹部に焼けるような痛みが走った。

 

「―――ガッ」

 

痛みが走ると同時に、身体から力が抜ける。俺は立つこともできず、剣を落としてその場に倒れてしまう。

 

「フフッ……かの英雄殿もお歳ですかな?怒りの余り、背後の暗殺者の存在に気づかぬとは」

「さて、どうしましょうか?このまま生かしては、我々にとって不都合ですぞ」

「では、あの薬を試しては?陛下達の時には使えませんでしたが……黒騎士殿なら問題ないでしょう」

「そうですな。我々公国の英雄殿には、王国と戦う道具となってもらいましょう」

「き……さ、ま…らぁ……!」

 

俺は射殺さんばかりに重鎮達を睨み付けるが、俺が動けないと知っているが故、平然とした態度を取り続ける。

まさか上層部がここまで腐っていたとは……!このままでは姫様達が……!

もはや害悪でしかない重鎮達を、俺は意識を失うまで睨み続けることしかできなかった。

 

 

 




「……本当にどうしようっす。攻略対象の先生さんに興味を持たれるとか……特別授業も受けてないのに」
『あちらは考古学―――ロストアイテムに興味を持っていますからね。これを気に更なるロストアイテムを手に入れては?』
「いやっすよ!君の手綱だけでも一杯一杯なのに、そこに更なる爆弾を投下するなんて自殺行為っす!」
『……チッ』
「また舌打ちしたぁ!また何か企んでいたっすね!?」
『ええ、企んでましたよ。上手く補給船へと誘導して、お前を上手く排除しようと画策していた』
「だーかーらー!私はマスターで、“ラプっち”の主人っすよ!ちゃんとマスターを守るっす!!」
『ラプっちではない。私は偵察船【ラプラス】だ。そんな間抜けな名称は断じて認めない。それと、新人類をマスターと認めるつもりはない。だから、このまま胃痛で死亡しろ』
「本当に最悪っす!先輩、ヘルプミー!!」
『またそれか……この女は本当にどうしようもないな』
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