チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


愛は数値にするべきではない

最低限の部隊編成と、どうしても従いたくない連中に避難誘導の命令書を叩き付けたオレとリオンは、関係者を連れて王宮の地下深くに作られた格納庫に来ていた。

 

「大きいな」

『約四百メートルですね。パルトナーよりも小さいです』

 

リオンとルクシオンのやり取りを無視しつつ、オレは切り札であるその船を眺める。

形は流線型。デザインもかなり凝っている。武装は……一応はあるな

 

「迫力はあるな」

『ガワだけが立派の飛行船だろう。こんな船では、すぐに落とされると思うが?』

 

めっちゃ辛辣な評価だな。思わず同意しそうになったけど。

この場には、王家の船を管理していた整備士たちと、不満そうなローランド陛下に呆れ顔のミレーヌ様。

さらに無言を貫く五馬鹿と、気まずそうにしているマリエ。後はリビアとアンジェ嬢だ。

ちなみにソウルとクレアーレはステルス化してこの場にいる。

 

「随分と失礼な使い魔たちだな」

「申し訳ありません陛下。これはいつもこんな感じなので」

「ルクシオンは負けず嫌いなだけでして。と、とにかく中に入りましょうか。こいつが修理すれば、動かせるかもしれませんし」

 

ローランド陛下の棘のある言葉にオレとリオンはそう返す。

そして、ルクシオンなら動かせるかもと言ったリオンの言葉をローランド陛下は首を横に振って否定した。

 

「無理だな」

 

ローランド陛下はそう言って、飛行船前にあるシートで隠れてある装置を指差す。

ローランド陛下の指示でそのシートが剥がされると―――ハート型の台座、それもハート型の背景となるセットが姿を現した。

 

「真に愛し合う者同士があそこに立った時、王家の船が持ち主と認め、その力を発揮する。所有者がいなければドアも開かず中には入れない」

 

……そういえば、リオンは愛の力云々と言っていたな。まさか……これで愛の力を測るのか?

その装置にオレは内心でドン引きする中、ローランド陛下は感慨深そうにしていた。

 

「王家のホルファート、そして分家とはいえマーモリア家。更にフィールド家、アークライト家、セバーグ家―――かつて、パーティーを組んでいた英雄たちの末裔が揃うとは運命なのだろうな」

 

運命……ね。オレ個人としてはリオンとマリエの前世の件があるから、皮肉にしか聞こえないけど。

 

「王家の船に認められるのは、王家と残りの四家。そして、失われた最後の仲間の一族だけが資格を持つ―――と、されている」

 

ローランド陛下は自信満々に告げ、オレとリオンを見てくる。

たぶん、その言い伝えは悪用防止策だろうな。かつての冒険者パーティーにそこまでの技術力があるとは思えないし、その船は自分達の一族しか動かせないとなれば、無駄な労力と判断するだろうし。

 

実際はどうかは知らんが。

だって、ハート型の台座とか神秘性の欠片もないじゃん。むしろ、悪ふざけの類いにしか見えない。

 

「覚悟はいいですね?これは生易しい装置ではありませんよ」

 

妙に緊張したミレーヌ様の言葉に、ローランド陛下は急に黙ってしまう。

そういえば、ミレーヌ様達は一度動かそうとしてたんだよな。結果は失敗だったそうだが。

 

「う、うむ。今度こそ動くはずだ!」

 

ローランド陛下はどこか怯えたように告げ、ミレーヌ様と共にハート型のステージに乗る。

線を挟んで二人が立つと、ハート型のステージが光り、ローランド陛下がいる場所は青に、ミレーヌ様がいる場所は赤?となる。

 

『男性―――二十五点!女性―――五十八点!残念!』

 

―――え?

ステージから聞こえた電子音声にオレも含めた全員が顔を見合わせていると、ミレーヌ様がローランド陛下をポコポコと叩いていた。

 

「嘘つき!二十五点、って何よ!それって他人か顔見知り程度じゃない!」

「う、五月蝿い!お前だって五十八点じゃないか!お前だって私のことをもう愛していないだろうが!」

 

ミレーヌ様とローランド陛下が言い争っている姿を見て、オレはこの装置のことを何となく理解できた。

 

「愛情を数値にして伝えたのかよ……」

「これ、ジョークグッズじゃね?」

 

リオンの言葉に、ルクシオンが頷く。

 

『確かにこれはジョークグッズに近い装置ですね。先程、この船にアクセスして調べましたが、どうやら資産家が道楽で作った飛行船のようです』

『製造されたのはルクシオンよりも随分前ね。それも一度しか使ってないみたいだけど』

 

この船、旧人類関係の道楽船かよ。なんか情けないぞ。王家の切り札なのに。

 

『つまり、改修、後付けした船か。旧人類は暇だな』

『こんな道楽の船に、特級のモンスターを一方的に倒す機能があるとは思えないであるからな。合理的な某らと違って』

 

魔装二名の評価が酷い。旧人類大嫌いだから仕方ないとはいえ。

 

『少なくとも“愛の力”とやらは確実に後付けですね。そのような装置の情報はありませんでしたので……ガラクタ』

『ちなみに、新婚旅行でこの船を使った夫婦は二年で離婚してるわよ……石ころ』

 

二年って……絶対にこの装置が原因だろ。この装置は、夫婦の絆にヒビを入れる不幸の装置だろ。

後、ガン飛ばすように牽制するの止めろ。特に部下二名。ステルスモードが解けかかってるから。

 

「と、とにかくさっさと終わらせるぞ。やり方は分かったんだから、エド、お前がいけ」

「断る」

 

リオンのゴーサインに、オレは速攻で拒否した。ぶっちゃけ、今すぐこの装置を壊したい気分だ。

そんな中―――

 

「マリエ、来い!」

「え?え!?」

 

バカ殿下がマリエの手を握って引っ張り、喧嘩している自分の両親を無理矢理下ろして装置の上に立つ。

そして装置が動き、マリエとバカ殿下の愛を数値化していく。

 

『男性―――九十点!女性―――十七点。非常に残念な結果に終わってしまいました』

 

うわぁ……これは本当に酷い。

電子音声も、決められた台詞を数値に合わせて再生してるだけだし、破局させる為の装置と言ったら信じるぞ。

そんな結果にマリエは俯いているのに対し、バカ殿下は笑みを浮かべていた。

 

「これが結果なら受け入れるさ。マリエ、俺はここで宣言する。いつかお前を振り向かせてみせる」

 

あれだけ本性を暴露した上、皮肉にも裏付けされたにも関わらず、バカ殿下はマリエを振り向かせると宣言しやがった。

実際、リビアとアンジェ嬢も呆れた顔をしてるし。

マリエをその場に残し、今度はバカジルクが装置の上に立つ。

 

『男性八十九点。女性十二点。悲しい結末に終わってしまいました』

 

電子音声なのに悪意マックスだろ!?

 

「殿下に負けたのは悔しいですが、私も負けていられません。私も絶対に、マリエさんを振り向かせてみせますよ」

 

バカジルクは困惑するマリエにそう優しく告げると、グレッグと交代する。

 

「マリエ、これが俺の気持ちだ!」

『男性九十一点。女性―――二十二点。片思いです、諦めましょう』

 

ひ、ひでぇ……!これは本当に酷すぎる!リオンも顔を逸らしてるし!

 

「きっついな。だが、これでスッキリした。マリエ、俺の気持ちは分かったな?―――俺はお前を諦めないぞ」

 

グレッグは屈託のない笑顔で装置から飛び降り、ブラッドがステージに上がる。

 

『男性九十八点!女性―――九点。見事にすれ違いました』

 

さ……最高と最低を同時に更新しやがった。

 

「一番低いね。けど―――ここからだ。僕はここからマリエの一番を目指す。マリエ、僕たちは気が付いたよ。あの時、マリエは僕たちを突き放したんじゃないか、って」

 

ブラッドは勘違い発言を残し、クリスと交代する。

 

「確かに私達は頼りない。だが―――私達にはマリエしかいないんだ」

『男性八十七点。女性―――三十一点!この女冷たすぎない?』

 

散々な結果にも関わらず、五馬鹿の表情は清々しいものだ。それに対し、マリエは涙目だ。

 

「み、みんな、あ、あのね!」

「言わなくとも分かっている。マリエが一番側にいて欲しい時に、俺たちはいなかったばかりか守ることさえできなかったからな。マリエがそんな俺たちに呆れるのは当然だ」

 

な……なんという勘違い。いや、自棄に近い状態だったから見方次第ではそう捉えられるけど。

 

「だが、安心してくれ、マリエ―――もう、絶対に放さない」

「違うの!お願いだから、私の話を聞いてよ!」

 

マリエは必死に何かを伝えようとするも、五馬鹿は優しげな表情と態度で接している。

……やっぱり五馬鹿の頭は一部が残念のようだ。盲目もここまでくれば逆に凄いし。

 

「やっぱり全滅か……そういうわけだから、エド、行け」

「だからお断りだ馬鹿野郎。むしろお前が行け」

 

互いに装置の生け贄にしようとする中、ミレーヌ様がローランド陛下を責めていた。

 

「ユリウス達はあんなに高い数値を出したのに。貴方は四十点もなかったわね」

「政略結婚に愛を求めるのか?だったら私も好きな相手と結婚したかった」

「必ず数値を上げようって約束したじゃない!一緒に王家の船で空を旅しようね、って!」

「そんなの嘘に決まっているだろうが!」

「そうやって雰囲気だけなのよね。貴方は何でもそう。自分さえ気持ちよく役者のように振る舞って、悦に入って―――本当に口だけなんだから!」

 

……完全に夫婦の絆に亀裂が入ったな。確かにこれは生易しい装置じゃない。下手したら関係崩壊待ったなしだ。

しかし、陛下はいい格好しいね……まさか、この危機的状況でもいい格好しいしようとしてたわけじゃないよな?それを邪魔されて、怒気を発していたわけじゃないよな?

それより―――

 

「もう、力づくで扉を開けよう。それなら万事解決だ」

「そうだね。後はルクシオンに任せればいいよね」

 

互いに妥協案を出して、そのまま退散―――しようとして、ガシッと腕を掴まれた。

 

「「え?」」

 

互いに間抜けな声を出し、後ろを振り返ると……リビアがオレの腕を、アンジェ嬢がリオンの腕を掴んでいた。

 

「リビア……?」

「アンジェ……?」

 

何となく嫌な予感を覚えたオレとリオンの前で―――リビアとアンジェ嬢は無言で装置に向かって引っ張り始めた。

 

「え?いや、ちょっ!?冗談だろ!?」

「待って、お願いだから待って!あんなジョークグッズには乗りたくないよ!」

 

オレとリオンは必死に抵抗するも、リビアとアンジェ嬢はどこからそんな力があるのかと問いかけたいくらいの強い力で装置へと引っ張っていく。

 

「エドさん、乗ってください!」

「せっかくの機会だ。この装置で、お前らの気持ちを確かめてやる!」

「待て待て待て!本当に待て!!」

「本当に嫌だ!こんな装置で暴露されるなんて、本当に嫌だ!」

 

あんな散々な結果の後で参加しようという度胸はオレにはない!だって、どんな結果でも、どんな顔して接すればいいのか分からなくなるだろ!

特に、リビアに対しての答えを明確に出していないんだから!!

 

「頼むから考え直してくれ!!」

「そうだよ。愛を数値で測るのは間違ってるよ!!」

『これを機に肚を決めろ。キャプテン』

『そうですね。マスターの今後の為にも、これは必要なことです』

 

お前ら、絶対に楽しんでるだろ!ソウルもクレアーレもどこか愉快そうな雰囲気を発してるし!!

普段いがみ合ってるくせに、こんな所で結託すんな!!

 

「後生の頼みだから止めてくれ!」

「嫌な結果が出たら俺は受け止められないよ!お願いだから止めて!」

 

オレとリオンが必死に叫ぶと、五馬鹿とマリエがユラユラと集まってくる。

 

「貴様らだけ何もなしではつまらないよな?そのまま難を逃れるのを許すわけがないよな?だから、さっさと乗れ!」

 

誰が乗るか、ボケェ!!

五馬鹿達に背中を物理的に押され、リビアとアンジェ嬢に腕を引っ張られながらも、オレとリオンは絶対に装置に乗るまいと抵抗する。

 

「エドさん!」

「リオン!」

 

オレとリオンが必死に抵抗するせいで、二人はどっちが先に測るのかすっかり失念している。

それは五馬鹿とマリエもだ。

 

「二人とも、覚悟を決めろ!」

「あんた達も乗れぇええええ!!」

「「嫌に決まってるだろ!?」」

 

ハモってそう返した瞬間―――バランスを崩した。

 

「「「「「「「「「「「「あ」」」」」」」」」」」」

 

その他にいた全員が揃って間抜けな声を出す。

ドミノ形式でオレ達はその場に倒れ……先頭にいたリビアとアンジェ嬢がステージの上で尻餅をついてしまった。

途端、ステージがピンク一色に輝きファンファーレを周囲に響かせる。ついでに飛行船のエンジン音も唸っている。

 

『互いに九十九点!おめでとうございます。貴女たちは見事に愛し合っています!!』

 

…………。

五馬鹿とマリエがすごく微妙な表情で立ち上がり、オレとリオンも何とも言えぬ表情で立ち上がる。

 

「―――アンジェ」

「リビア―――お前」

 

装置によって互いに愛していると証明してしまったリビアとアンジェ嬢は、互いに顔を赤く染めている。

 

「そ、その嬉しいです」

「わ、私も同じ気持ちだ」

 

……やっぱり、この装置は最悪だ!

 

「……逃げるぞ」

「……応」

 

リオンの言葉にオレは頷き―――脱兎のごとく、その場から逃げ去るのだった。

 

 

 

――――――

 

 

 

「最悪だ。本当に最悪だ」

「リオンに激しく同意だ」

『これは自業自得だと思いますが』

『ヘタレてなければ、このような展開にはならなかった筈だ』

「「五月蝿い!!」」

 

現実逃避の如く書類と格闘しながら愚痴るオレとリオンに相棒たちのツッコミが厳しい。

そりゃヘタレたオレらも悪いけどさ!知り合いが百合だったと知ったら色々とショックなんだよ!

 

「それよりルクシオン!避難民の誘導はどうなっている!?」

『……やはり避難する住民が多くて混乱してますね。少なくとも早朝までに終わることはないでしょう』

 

やはり、避難は早朝までには終わらないか。

 

「なら、迎撃部隊の人員は今のうちに休ませる。日が昇る二時間前に起こし、何時でも動けるようにする為にな」

 

可能な限り、王都の被害を最小限に抑える為にな。

それから少しして、ウチの船が入港したと報告が入ったので急いでオレはそちらへと向かう。

 

「大変でしたね若頭。反逆者に仕立て上げられて」

「もう済んだことだ。それよりシオンさん―――ゼクトールは?」

「持って来ています。装甲も例の燃費無視の性能、出力重視のやつです」

 

シオンさんに案内され、飛行船内の格納庫で佇む、新たなアーマーに身を包んだゼクトールを視界に収める。

紫で染まった、鎧武者のような重装甲。前後の肩と膝には小型のビット兵器が、背中には大型のビット兵器がマウントされている。

 

「若頭の指示通り、魔力の消費量を考えずに作りましたが……こいつは下手したら数分で燃料切れを起こしますよ」

「そこは大丈夫だ。これがあるからな」

 

オレはそう言ってハーツが装着されている腕を掲げる。このアーマーは魔装の使用を前提として作らせたんだ。だから、運用自体は問題ないさ。

 

「ところで、このアーマーの名称はどうします?まだ、名前がないんですよね」

 

……そういえば、作ることばかりに頭を回して名前を考えていなかったな。

魔力攻撃重視だからウィザードアーマーにするか?いや、ナルシストと被った気がして微妙だな。

……そうだ。ピッタリの名前があるじゃないか。

 

「……デーモン。このアーマーの名称は【デーモンアーマー】だ」

 

前世含めて、散々悪魔呼ばわりされていたからな。正規の魔装はコウモリのような翼と獣の尻尾があって悪魔感があるし、ピッタリだろ。

その後、船員たちにも迎撃部隊に参加するよう要請し、戻ったオレは一度仮眠を取る。

そして―――

 

『エドワードの予想通り来ましたね。数は三十隻です』

『王都への到着は?』

『約十五分後ですね。かなり高度な位置なので、上昇しきる前に気付かれるでしょう』

『お前のレーダーも大したことないな』

『通信状況が悪いだけです。パルトナー、発進します』

「並びに迎撃部隊第一陣、発進。第二陣は五分後に発進。第三陣も第二陣の五分後。防衛隊は住民の避難を優先しつつ、三陣の討ち洩らしを素早く叩け」

 

オレ達の乗っているパルトナーの出撃に続くように、ウチの船も含めた十隻の飛行船が出撃する。地上には十三隻の飛行船が何時でも出撃できるように待機している。

防衛戦は攻めるより、守る方が難しいからな。一点に戦力を集中させれば、そこを抜かれた時点で戦列は瓦解する。

だから、迎撃の『壁』を複数作り、段階的に処理していく。これが、現状考えられる最適な防衛方法だ。

 

「いよいよ、戦争か……」

 

オレは魔装を完全に展開した状態で、覚悟を決めるように呟く。

……ぼんやりと飛行船の陰が見えてきたな。

オレは操縦棍を握りしめ、示し合わせたようにリオンのアロガンツと共に飛び上がる。

 

ゼクトールの両腰にマウントしていた武器―――柄が銃のグリップとなっている片刃の剣―――ガンブレードを両手に構え、速度をどんどん上げていく。

その状態で、オレはゼクトールの小型のビット兵器を展開。ゼクトールを囲うように配置する。

姿形がはっきりと見える距離になると、向こうの飛行船は慌てたようにように爆弾を投下していく。

 

「やるぞ、ハーツ」

『魔装の真の力、しかと見るがいい』

 

ガンブレードと小型のビット兵器からバチバチと電気が走る。次の瞬間、ゼクトールを中心に無数の細長い雷撃が広範囲かつ縦横無尽に炸裂し、投下された爆弾をすべて無意味な形で爆発させた。

爆発によって大量の煙が出来上がり、視界が一気に悪くなる中、その煙の中から公国軍の鎧が次々と飛び出てくる。

 

『死ねぇえええ!王国の外道ども!!』

『母国を蹂躙した非道、その命を持って償え!!』

 

本当にうんざりする恨み節だ。

 

「その言葉、そっくり返すぞ―――盗人ども」

 

オレはそう返して銃を構えるように両手のガンブレードを構え―――高威力の光魔法の光線を放ち、二体の鎧の腹部を撃ち抜いた。

リオンの方も……ライフルで鎧の腹部を撃ち抜き、爆散させた。

 

『た、隊長ぉおおおお!!』

『外道騎士がいるという事は……あの紫は悪魔騎士なのか!?』

『あいつらは不殺の騎士じゃなかったのかよ!?』

『この外道と悪魔め!お前たちには、騎士としての意地はないのか!?』

 

―――騎士としての意地だって?

本当にふざけるなよ。殺さなかったら臆病者と罵り、殺したら意地のない奴と罵る。

お前たちの言い分は―――本当に自分勝手な、近所の悪ガキそのものだ。

 

「いい歳した大人が、十にも満たないガキみてぇなことほざくんじゃねーよ!!」

 

オレはそう叫び、接近していた鎧を赤熱化したガンブレードで容赦なく斜めに切り裂く。

迫り来る吐き気を我慢しつつ、オレは迎撃戦を続けるのであった。

 

 

 




『互いにゼロ点。非常に残念極まりない結果となりました』
『これは素晴らしい結果であるな』
『そうね。その意見には全面的に同意するわ』
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