チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


決戦開始

ヴァイスの艦橋にて。

アンジェは、船員がいないにも関わらず動いているヴァイスに感心していた。

 

「驚いたな。まさかパルトナー同様、クルーもなしで動かせるとは」

『改修したからね。私がいれば大丈夫よ。そこの役立たずと違って』

『防御障壁は某によって大幅に強化しておるぞ』

 

アーレちゃんの自慢に、ソウ君が反論するように告げてくる。

 

『あら、そうだったの?大して働いてないからてっきりサボっているかと思ったわ』

『誰がサボりだ。使い魔(笑)二号』

『二人に言われるのは別に構わないけど、貴方には言われたくないわね。電灯モドキ』

『『…………ッ!!』』

「アーレちゃんもソウ君も、あんまり喧嘩したら『めっ!』ですよ!」

 

アーレちゃんとソウ君がまた喧嘩を始めたので叱ると、アーレちゃんとソウ君は揃って私の方へと身体を向けた。

 

『アーレちゃんか……親近感を覚える呼び名ね』

『ソウ君か……悪くない呼称であるな』

 

共に呼び名が気に入ったようで、揃って矛を収めてくれた。

その中で、アンジェは心残りのように呟いた。

 

「やはり、リオンに会えないだろうか?このままでは、気持ちを伝えられない」

「私も……エドさんと会いたいです」

『なら、映像越しにマスター達に会う?そこの魔石モドキも、ノイズの改善に手を貸しなさい』

『不倶戴天の存在に従うのは本当に癪だが、頭領達の面会なら手を貸してやる』

「「え?」」

 

私とアンジェが少し抜けた声を出すと、空中に映像が映し出される。

チラチラと仮面を被った人が見えるけど、エドさんとリオンさんの顔がはっきりと見えるので私もアンジェも気にしなかった。

 

「エドさん!」

「リオンその―――」

『む?何だこれは?』

 

私とアンジェが気持ちを伝えようとした矢先、仮面を被った人がエドさんとリオンさんを押しのけて画面一杯に映り込んだ。

本当に邪魔された私とアンジェは、大声で退いて欲しいと頼んだ。

 

「そこの変な人は退いてください!邪魔です!」

「何て格好だ。変な仮面とマントに加え、全身タイツ……新手の変態か?とにかく、さっさと退いてリオンとエドを出せ!」

 

仮面の変態さんが落ち込んだ様子で画面から消えると、エドさんとリオンさんは何とも言えない表情をしていた。

二人は気まずそうな顔をして、おもむろに口を開いた。

 

『あー……その……何かあったのか?』

『話があるなら手短でいいかな?打ち合わせがあるからさ』

 

二人とも話を聞こうとしてくれているので、私とアンジェは呼吸を整えて告げる。

 

「エドさん!私は―――」

「リオン。お前に―――」

『おい、あの仮面の騎士はどこだ?―――ん?お、何だ、これ!』

 

今度はグレッグさんに邪魔をされ、アンジェが額に青筋を浮かべる。私も、冷めた眼差しをグレッグさんに向ける。

そんな私達に構わず、ジルクさんにブラッドさん、挙げ句の果てにクリスさんまで画面の中に入ってくる。

 

『これは凄いですね。相手の顔が見えて声も聞こえますよ』

『僕達もそっちに行くから待っていてね』

『マリエも行くから準備を頼む』

 

みんなして手を振り、私達の邪魔をしたと全然気付いていない。おまけにマリエさんの為に準備するように頼んでくる始末だ。

そんな彼らに、アンジェは激怒して拳を画面に叩き込んだ。

 

「お前ら退け!私達はリオンとエドに話があるんだ!」

 

すると、映像はノイズが走って消え去った。

 

「あ!」

 

私はアーレちゃんとソウ君を見ると、二人は互いに睨み合っていた。

 

『貴方のせいで通信できなくなったじゃない』

『某のせいにするな。貴様の不手際であろうが』

 

互いに通信が途切れた原因を押し付けあう中、アンジェが不安そうに口を開いた。

 

「わ、私が殴ったせいなのか?」

『違うわよ。こいつの仕事が不十分だったせいよ』

『自身のミスを某に押し付けるな。音声だけなら某を通せば一分くらいは可能だぞ』

「ならすぐに頼む!」

 

アンジェのお願いに私も頷いてお願いすると、ソウ君は身体を縦に傾けて了承してくれた。

 

「エドさん!」

「リオン!」

『あれ?腕輪からリビアとアンジェ嬢の声が……』

『自分とソウルを介しての音声のみの通信だ』

『マジで?』

 

ソウ君からエドさんとリオンさんの声が聞こえてくる。

時間も短い。今度こそ、気持ちを伝えるんだ。

 

「エドさん―――」

「リオン―――」

『本当にロストアイテムは何でもアリなのですね』

『さっきの画面といい、こうも簡単にやり取りができるんだからな』

 

またしても邪魔が……どうして貴方達は邪魔ばかりするんですか!?

 

「お前ら本当にいい加減にしろ!何度私達の邪魔すれば気が済むんだ!?」

 

アンジェもあまりにも邪魔してくる皆さんに、激怒して怒鳴りつけている。

 

『邪魔って……僕達は邪魔なんて……』

『私もただ……』

「お願いですから本当に邪魔しないでください。私とアンジェはエドさんとリオンさんと話したいので皆さんは一切口を出さないでください。いいですね?」

『『『『『……ハイ』』』』』

 

私の言葉に皆さんは素直に頷いてくれた。今度こそ、邪魔は入らない筈だ。

 

「エドさん。あの時も言いましたが、私は―――貴方のことが好きです」

「リオン。私はお前のことが―――好きだ」

『……すまぬ』

 

……ソウ君?

 

『好きと伝える直前で限界がきて通信が切れてしまった』

『本当に肝心なところで役たたずね』

 

アーレちゃんの辛辣とも取れる言葉に、ソウ君は反論せずにどんよりとした雰囲気を発している。

 

「き、気にするな。悪いのはお前じゃなく、散々邪魔していたアイツらだ」

「そ、そうですよ。気持ちは必ず伝えますから」

 

私とアンジェがソウ君を慰めていると、アーレちゃんがからかう口調で話に加わってくる。

 

『ふふ、本当に仲が良いわね。互いに愛し合ってると言われるだけあるわ。そろそろ出発の時間よ』

 

私が前を向くと、大勢の飛行船が次々と移動を開始している光景が目に入る。

 

「凄い光景ですね」

「ほとんど寄せ集めで連携など取れない。数だけなら数日前に出撃した艦隊より多いが、本当にこれで勝てれば奇跡だな」

「エドさんとリオンさんなら、奇跡だって起こせますよ」

「そうだな。あの二人ならと、どうしても期待してしまう」

 

そう答えるアンジェは微笑みを浮かべている。

 

『決戦は大きな湖の上で行うそうだ』

『海水を引き上げている場所で、大地の裏側とも繋がっているわ。そこなら、落下しても生存の可能性があるからね』

 

湖の上で決戦……ですか。

 

「水が汚れてしまいますね」

「今回は生きるか死ぬかの戦いだ。悪いが、気にしている余裕はない。全てが終われば、復興作業で人手を出すさ」

 

少しして、パルトナーから出てきた小型の飛行船がヴァイスに近づいてくる。

そこには散々邪魔した皆さんとマリエさんがいたが、マリエさんにカイルくん、カーラさん以外には塩対応で対応しました。

 

 

 

――――――

 

 

 

パルトナーの甲板の上で、オレとリオンは話し合っていた。

 

「なんであれが殿下だと誰も気付かなかったんだろ」

「あれじゃないか?殿下はこんな馬鹿な真似はしないという考えから、無意識に除外してるからじゃないか?」

 

まさか四馬鹿だけでなく、リビアとアンジェ嬢も気付かなかったのには苦笑いするしかなかった。

それともあれか?オレとリオンと会話するのに頭がいっぱいだっただけで、他に頭を回していなかっただけというオチか?

そんなどうでもいいバカ話は切り上げ、現実へと思考を戻す。

 

「もう一日もしない内に、公国軍と激突するな」

「超大型を倒す切り札はこちらにあるけど……二人を戦場には出したくなかったな」

 

リオンのその言葉に、オレは同意するように頷く。

 

「もっとうまくやれていれば、こうはならなかったかな?」

「どうだろうな。そこかしこに隠れ地雷があったし、何が正解かはもう分からないだろ」

 

何せ、聖女装備が怨念籠った呪いの装備だったからな。もしそのシナリオ通りにリビアに渡していたら、どうなっていたのか分からない。

少なくとも、後の問題として浮上していたのは確実だ。

 

「その意味じゃ、最悪の中の最善と言えるな。ああすれば、こうすれば良かったという考えは尽きないけどな」

 

ルクシオンがいくら優秀でも、リオンの護衛をしながら公国の内情の調査まではできないし、オレも何でも予想できるわけじゃないからな。

 

「……それでも俺はやっぱり後悔しちまうよ。この艦隊だって、寄せ集めで実質突撃くらいしか出来ないし」

「一応は王国の船を基軸として部隊編成して、戦術も伝達してあるけどな」

 

それも、オレとリオンが売り飛ばした船があるからこそ出来る戦術だけどな。

 

「あ。そういえば、あの仮面、ゲームに出てきた正体不明の味方キャラが着けてたわ。割とポンコツだけど強かったんだよね」

「本当にどうでもいい情報だな。本物が出てこなくて幸いだけど」

「そうだね。本物の仮面の騎士の可能性が高い陛下が戦場に出るとか、怪我だけでも下手したら俺達の首が飛ぶよね」

 

本当にあの二人は親子なんだなと実感するよ。悪い意味でね。

 

「それじゃ、そろそろオレはウチの船に戻って準備するよ」

 

デーモンアーマーのゼクトールの整備がそろそろ終わっただろうと判断したオレはそう言って、リオンと分かれる。

小型の飛行船で自前の飛行船に戻ったオレは、格納庫でゼクトールを整備してくれていた職人達と最終チェックをしていた。

 

「細部までチェックしましたが、深刻な異常はなかったです」

「ただ、ゼクトール本体の内部パーツの幾つかは少し焼け爛れたような状態になっていました。丸々交換することで現状は凌ぎましたが」

 

その報告に、この戦争が終わったらゼクトール本体も改良しなければならないと思った。

少しとはいえ、本体の内部パーツが焼け爛れたのだ。つまり、機体そのものがデーモンアーマーが生み出す出力に耐えきれていない証だ。

 

「改良案は?」

「さすがに現時点では思い浮かばないですね。冷却と放熱……その両方を同時に解決しなければいけませんから」

 

やはりすぐには浮かばないか。

 

「とりあえず、この戦争までもてば十分か」

「ですね。負ければ、開発も何も出来ませんからね」

 

そんなやり取りを終え。

整備が終わったデーモンアーマーのゼクトールを甲板の上で膝立ちで座らせ、オレはコクピットの中でその時を待つ。

リオンもアロガンツに乗り込み、パルトナーの甲板の上で座らせている。

そして……その時は遂に来る。

 

「本当に大きいな」

 

初めて見る超大型モンスターの大きさにオレは呆れたように呟く。

これ程巨大で無限再生持ちなら、確かにリオンがかつて言った通り逃げるしか手がないんだろうな。

真下には公国軍の艦隊がいるし、通常なら打つ手はないだろう。

 

「ハーツ。やるぞ」

『サポートは可能な限り行ってやる。ビット兵器の操作は任せるがいい』

 

魔装を完全に展開したオレはゼクトールを立たせると、腰にマウントしてあったガンブレードを引き抜くように取り出して構える。

同時にハーツの魔力干渉によるビット兵器の操作により、展開された小型のビット二基がガンブレードに外側の側面に張り付く。背中の大型ビットは九十度回転してから射出されると、極太のワイヤー付きとなる。

 

「機関最大。先ずは鼻っ面を叩け!」

『了解です!機関最大!あのバカデカイモンスターに近づいて、一撃を叩き込んでやれ!』

『『『『『了解です!若頭に艦長!!』』』』』

 

オレの指示に船長が改めて指示を飛ばし、船員達も了承する。

それに合わせて船の加速が強まっていき、パルトナーよりも前に出て超大型モンスターへと突っ込んでいく。

当然、超大型モンスターは多腕の内の一つを伸ばしてくるが……

 

『艦首砲、撃てーーッ!!』

 

船首からスライドするように中から展開された大砲が艦長の指示と共に発射され、命中すると共に爆発して僅かに怯ませる。

その隙に船は進路を変えて離脱。オレは甲板から降り立って超大型モンスターに突撃している。

 

「それじゃあ、ジャイアントキリングと行こうか!」

 

オレは小型ビットが張り付いたガンブレードから光の刃を展開し、()()()()()()()()()()()()近くの大きな手に切れ込みを入れる。

 

ワイヤーが付いた大型ビットから極太の光線を、向きと角度だけを変えた小型ビットの光線で雲をまとった多眼を次々と撃ち抜いていく。

 

ビット兵器の欠点は内蔵できる魔力に限りがあることだが、本体との接続されたままのビット兵器なら直接供給されるから問題ない。

パルトナーからも大砲とミサイルが飛び、超大型モンスターの多腕を吹き飛ばして黒い霧へと変えていく。

 

『敵艦隊が慌てて隊列を変えてきたな』

「頼みの切り札が抑えられたからな。それ抜きにしても遅いけどな」

 

向こうは通信状況が悪いせいで動きがモタモタしている。

こちらも通信状況は悪いが、ジェスチャーによる意思疎通案は事前に艦隊に通達してあるからな。それも指示を出すのは鎧だ。

つまり……動きはそっちよりもスムーズだ。

 

何せパルトナーは超大型モンスターの相手がメインだからな。それ以外は艦隊が相手すると決めている。

そして、オレとリオンが売った船には船首にも大砲があり、側面を向けなくても撃ち込める。

対して敵の艦隊は主流の側面だけに大砲がある作りだ。側面を向けるというロスタイムがある。

 

その間に契約組とレンタル組、商売組の船が船首の大砲を放ってモンスターの大群と公国の艦艇にダメージを与えていく。それも一斉ではなく順番に撃って絶え間ない状態でな。

その間もオレはガンブレードとビット兵器で超大型モンスターを撃ち抜いていく。それにより、超大型モンスターの動きに変化が現れる。

 

『巨腕の動きに迷いが出ているな。多眼の方もパルトナーとゼクトール、向こうのモンスターに背負われた船を行き来しておるぞ』

「例の契約破棄状態に近づいているんだな。このまま攻撃して繋がりを断ち切るぞ」

 

オレがそう返していると、船から出撃した公国の鎧がこちらに向かってきた。

 

『貴様が悪魔騎士だな!その非道、自身の命で償え!!』

「非道?鏡見て出直してこい」

 

敵の恨み節にオレはそう返して、ガンブレードから展開された光の刃で切り裂く。

 

『ォオオオオオオオオオオッ!!』

 

そんな咆哮が辺りに響いた瞬間、猛烈な勢いで多眼の黒い鎧が大剣を掲げて突撃してきた。

オレは咄嗟にガンブレードを交差させ、無理に逆らわずに吹き飛ばされることで横ぶりに振るわれた大剣の一撃を凌ぐ。

その多眼の黒い鎧は……例の魔装だった。

 

「ここで面倒な敵さんのお出ましかよ……」

『グゥゥ……』

 

まるで獣の呻きだ。制御コア無しだと、ここまで侵食されるものなのか?

 

『いや。あれは侵食の影響だけではないな。言葉すら出ないのはおかしい』

「そうなのか?」

 

だとしたら、一体何が原因なんだ?

 

『妻ヲ……娘ヲ殺シタ、王国ノ外道ドモニ……報ィヲ……!』

 

この声、まさか!?

 

「アンタ、黒騎士のジジイか!?」

『グォオオオオオオオオオオオッ!!』

 

オレの質問に答えず、魔装を纏った人間は雄叫びを上げて無数の炎の球を放つ。その何れもが、オレに向かってきている。

 

「クッ!火と風魔法の同時発動だ!」

『了解だ。キャプテン』

 

オレはすぐさま二属性の魔法を同時に使い、炎嵐として放ち炎の球を相殺する。

魔装を纏った人間はその炎嵐を突き破り、掲げた大剣を垂直に振り下ろす。

 

「ヤベッ!」

 

オレは咄嗟に風魔法を放ち、強引に距離を取って大剣から逃れる。

 

『キャプテン。魔力パターンが以前相対した黒騎士と一致した。ほぼ間違いなく本人だ』

「マジで黒騎士のジジイなのかよ!?」

 

本当に黒騎士のジジイだったことにオレは頭を抱えたくなる。

抑止力になるどころか危険極まりない兵器まで使うとか……忠誠より怨念を取ったと言うことかよ!?

しかし、その考えはすぐに否定された。

 

『ヒメ様……タチヲ、守ラレバ……利用、サセハ……ガ……ガァアアアアアアアアアッ!!』

 

黒騎士のジジイは叫びながら突撃して大剣を振り回す。オレは何とか受け止めて耐えるが、完全な防戦一方となっていた。

 

「今のセリフは……」

『どうやら本人は忠誠の方を取っていたようだな。状況からして薬を盛られた可能性が高いな』

「どんだけ頭は腐ってるんだよ!?」

 

まさか国の英雄を薬漬けにして戦争の道具にしたのか!?まさか魔装を使ったのも、本人の意思じゃなく利用していた連中の判断か!?

もしそうだとしたら……本当に胸糞が悪すぎる!

 

「ハーツ!お前はビット兵器を使って超大型と使用者の繋がりの切断を続行しろ!ジジイの方はオレだけで何とか引き付ける!」

『本気かキャプテン?そこまでする義理は……』

「こんな胸糞放っておけるか!いいからやれ!」

『……本当にキャプテンは甘いな』

 

ハーツは呆れながらも、ビット兵器を全部展開して超大型へと飛ばしていった。

 

「……頼んだぞ」

 

オレは相棒にそう言うと、ガンブレードを構えて黒騎士のジジイと激突するのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

『反応が遅れてます』

「そうだね!」

 

俺は淡々とした音声のルクシオンにそう返しながら、近づいてきていた鎧をライフルで撃ち抜く。

そこで、双剣を構えた鎧が姿を現した。

 

「げっ」

 

俺は心底嫌な声を出してしまう。あの双剣は宝物庫から奪われたもの―――アダマンティス製の武器だ。

当然、誰が乗っているのかも予想が出来る。

 

『外道騎士!今日こそはお前を仕留める!』

「やっぱりお前かよ!」

 

鎧から発せられた黒騎士の弟子の言葉に、俺は面倒と思いながら斧とライフルを構える。

 

「ミサイル、発射!」

『発射します』

 

アロガンツのコンテナから小さなミサイルを放つも、黒騎士の弟子は火球を放って小さなミサイルにぶつけ、生じた穴に強引に潜り込ませて突破する。

俺はそこをライフルで狙い撃つも、黒騎士の弟子は双剣を盾代わりにして防いでしまう。

 

「剣で銃弾をリアルで防ぐなよ!マンガやゲームの中だけでやれよ!」

 

リアルに剣で銃弾を弾く行為をやってのけた事実に俺はツッコミを入れながら、俺は斧で何とか向こうの斬撃を受け止める。

……か、軽く食い込んでやがる。やっぱりマトモに打ち合ったら此方がもたない。

 

『外道騎士。その命、今度こそ頂くぞ』

「誰がやるか!そもそも俺が外道なら、お前らはそれ以上の屑だろうが!」

『……ッ』

 

俺がそう返すと、黒騎士の弟子は言葉に詰まる。

次に出てきた言葉は、苦渋に満ちたものだった。

 

『……例え屑と罵られようとも、俺は姫様たちの為に戦う。それが、命を捧げたラウダ様に対する、俺に唯一できる忠義だ』

「立派な忠義だね!真似したいとは思わないけど!」

 

何せ、王国の騎士道は女の子を守る為にあるらしいからね。守るってことは死なせないのと同義だろ?

だから、その忠義を倣いはしないよ。俺は死なせないように守る派だからね。

 

『……やはり外道には理解出来ないか』

「理解したいとも思わないね!」

 

そう言ってお互いに距離を取る。

黒騎士の弟子が再度突撃するのに対し、俺はライフルとミサイル、ドローンを駆使して相対するのであった。

 

 

 




「空の守護神の動きがおかしくなってきている……?なら……!?」
「……ラウダ様?どうなされました?」
「……何でもない。気にするな」
「左様で」
(どうして魔笛に幾つものヒビが……?二体の守護神様を呼び出した私の命はもう、尽きようとしているの……?お姉様にもう一度会えないまま……?)
「……姉上は?」
「まだ休まれておられます。精神的に疲れていたようなので」
「……そうか」
(本当に馬鹿な妹君だ。我々に利用されていることにまだ気付かれていないのだからな)
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