チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


マリエの幸せはない

五馬鹿とマリエの処刑回避の為、オレとリオンはローランド陛下に会っていた。

 

「あの六人を助けるという意味が分かっていないようだな」

 

五馬鹿とマリエの助命に対してローランド陛下は冷たい言葉で返し、周りにいるヴィンスさんやバーナードさん達も難色を示している。

 

「今回の報酬との交換でも構いません」

「それだけでは足りないでしょうから、オレが今回得た鎧と飛行船も全て差し出します」

 

オレとリオンが交換条件を提示するも、ローランド陛下は鼻で笑って返した。

 

「我々は王家の船を失っているんだが?それに、鎧と飛行船は製造技術を手に入れたから、差し出されても大した旨味もないのだがね?せめて、バルトファルト子爵のロストアイテムに釣り合うものでないと難しいんだが?」

 

足元を見てきたよ。パルトナーを貸すじゃなくて寄越せと暗に要求してきてるよ。

 

「パルトナーに関しては、すでにミレーヌ様にお貸しすると決められております」

「その件に関しましては、ミレーヌ様に意見を通してからでないと筋が通らないのでは?」

 

そう返すと、ローランド陛下が不機嫌そうに表情を歪めた。

今の王宮はかなり不安定だからな。それを加味しても献上するしかないと思っていたが、リオンのミレーヌ様個人への貸出は本当にナイスアイデアだと思ったよ。

 

貸出なら回収も容易だし、聡明なミレーヌ様なら周りに流されたり調子に乗って動く心配もないしな。

そんな中で、バーナードさんが口を開いた。

 

「命だけを救うのは簡単だ。だけどね、あの六人を放置できないのを分かって欲しい」

「分かってます。それを承知の上でお願いしているのです」

 

何せ、王族に名門貴族の元跡取り。そして、偽物とされた聖女だからな。そのまま野放しにすれば、良からぬ連中に利用される可能性がある以上、目の届く範囲に置いておきたい筈だ。

なので、謁見前に事前に決めていた事をリオンが告げた。

 

「俺の持つ浮島を献上します。あの島なら手頃ですし、監視するには十分の筈です」

「……確かにそれが無難で願ったり叶ったりだが、本当に良いのかね?」

 

ヴィンスさんの確認にリオンが無言で頷く。ローランド陛下がヴィンスさんを恨めしそうに見ているが無視されている。

ヴァイスの件を陛下以外は、やむを得ないと思ってくれているみたいだな。そこは本当にありがたいね。

ともかく、これでリオンの表向きに残ったのはアロガンツだけとなったな。実際はすぐに取り戻せるけど。

 

「そこまでして殿下達を守りたい理由は何かね?良ければ、聞かせてもらえないかな?」

 

バーナードさんの問いかけにオレは考える。

助ける理由は二作目の情報を持っているマリエのついでだが、ばか正直に言える筈もない。

なので、建前で答えることにした。

 

「せっかく綺麗に終わりかけていたのに、ここであの六人が死ぬと後味が悪いじゃないですか」

「俺、本当は準男爵辺りでノンビリすごしたかったんです。見合わない地位と立場に疲れましたので、腐れ縁のアイツらを助けてスッキリしたいんです」

 

建前で返したオレと違い、リオンは本音で返した。あの時と完全に真逆だな。

でも、地位と立場に疲れたのはオレも同じだな。前世は仕事漬けだったから、今世はノンビリしたかったよ。

それも、厳しいんだけどね。

 

「まあ、さすがに何のお咎めなしというのも駄目でしょうから、罰はオレが考えても構わないでしょうか?心配せずとも、そんな無茶苦茶なものにはしませんから」

「……本当に君は優秀だな。その罰は内容にもよるが、任せても良さそうだな」

「君たちには本当に世話になってしまったからな。その程度なら受け入れるさ。陛下もよろしいでしょうか?」

「え?あ、あぁ」

 

……ローランド陛下は何を考えていたんだ?どこか上の空だったし。

 

「君たちには本当に苦労をかけた。―――必ずお礼はする」

 

ヴィンスさんのお礼か……期待していいかな?

 

「さて、あの六人の罰を決めるか」

『腹黒キャプテンのことだから、もう決めているのではないか?』

 

部屋に戻ったオレの言葉にハーツが呆れている。いや、確かに罰の内容は決まっているけど。

 

『しかし、賠償代わりで得た鎧と飛行船は全部献上か……修理費も考えれば少なくない損害だな』

「必要経費だ」

 

その辺りは必要経費と割り切り、六人の罰の内容に関する書面を書いていく。

この罰ならベターだし、騒いでいる周りも大人しくなるだろう。処遇にも大した影響もないしな。

そう考えていると、部屋の扉が開く。オレは誰かと思って振り返ると、そこにいたのはリビアだった。

 

「エドさん、リオンさんを止めてください!」

 

息を切らしたリビアのお願いに、オレは理解できずに目が点になる。

 

「リオンを止めてくれって……一体何がどうなっているんだ?」

「実は……」

 

 

 

――――――

 

 

 

「放せぇえええ!!俺は、コイツの首を取らないといけないんだぁああああ!!」

 

地下牢からリオンの怒りの叫びが響いている。その理由も分かるし、オレも許せん。

オレはリビアと途中で合流したアンジェ嬢と共に地下牢に降りると、そこには刀片手に憎きマリエがいる牢屋に騎士や兵士を引きずって近づくリオンがいた。

 

「リオンさん、待って。落ち着いて!」

「お前、いったい何を考えているんだ!」

「―――こいつの首が欲しい」

 

二人の言葉にリオンは顔だけこちらに向け、牢屋の中にいるマリエを指さしてそう答える。

そうかそうかー。首を欲しがる程許せないのか。まあ、当然だな。

そんな怒り心頭のリオンの返答に二人がドン引きする中、オレは笑顔でリオンに近づく。

 

「リオン、落ち着け。ここでマリエを斬首にしても意味がないぞ」

「お前……二人を土下座させたコイツが憎くないのか?」

「何を言っているんだ?―――憎いに決まっているだろ」

 

リオンの怨嗟が籠った声に、オレは底冷えする声でそう返す。

いやぁ、まさかリビアとアンジェ嬢を公衆の前で土下座させていたとはなぁ。オレも本当に予想外だったよ。うん。

 

「だから―――罰はきっちり受けてもらう」

「へ?」

 

オレはとびきりの笑顔でリオンに告げ、鉄格子の前に立つ。

 

「ば、罰って何よ?私の処遇は決まったんじゃないの?」

「もちろん決まってるさ。不平不満を抑える為の罰も与えることも、土下座の件を知る前に決めていたことだからな」

 

いやー、本当に素晴らしい偶然だったよ。おかげで……コイツに地獄を見せられるのだから。

後ろからミレーヌ様と先に牢屋から出された五馬鹿も来たみたいだが、オレは構わずに話を続けていく。

 

「当然、こんな事をやらかしたお前達に灸を据える程度に収めるつもりだったが……容赦なく厳罰を与えてやる」

 

オレのその宣告に、マリエは冷や汗を流しながらも気丈に振るおうとする。

 

「げ、厳罰って本当にそんな事できると思ってるの?処遇に影響を与える罰は―――」

「その辺も大丈夫だ。何せ―――お前が泣くほど大好きな罰金刑だからな」

「ばっ!?」

 

そう。罰金刑なら処遇に大きな影響を与えず、十分なお灸となる。

今回の件で五馬鹿の実家は手助けしないだろうし、支払いの為に奔走すれば多少はマシになると考えた。

なにより―――借金がトラウマになっているマリエなら、効果は絶大だからな。

当然、その金額は低めにするつもりだったが……それは白紙となった。相当高くしてやるよ。

 

「その罰金の金額は……一人あたり、一千万ディアだ」

「いっ……!?」

 

日本円で十億の罰金の支払いにマリエの表情が引き攣って言葉を失う。もちろん、これは序の口だ。

 

「で、でも、みんなで頑張れば何とか……」

「話はちゃんと聞こうね?オレは()()()()()と言ったよね?それは先に牢屋から出た五人にも適用されるんだよ」

 

マリエは顔を青くしながらもまだ希望にすがっていたが、オレは容赦なくへし折る。

その希望をへし折られたマリエはガクガク震える中、オレは絶望を叩きつけた。

 

「つまり、合計六千万ディアの支払いだ。期限は設けないが……頑張って支払うんだぞ?」

「ひぎゃあああああああああああああっ!?」

 

日本円で合計六十億の支払いにマリエ絶叫。あの五人を抱えてだから、相当苦労する事となるだろう。

 

「その意味では良かったねー。観光業としても、農業としても働いてお金を稼げる領地に押し込められて。ちゃんと支払う為の基盤があるんだから」

「――――」

 

マリエはすでに真っ白となっており、哀愁が漂っている。きっと、二人を土下座させたことを心底後悔しているだろうな。

だが、リビアを土下座させた罪は重い。例の借金もチャラにしたのにここまで仇で返されて許せる程、オレはお人好しじゃないぞ。

後、マリエの取り巻きしていた連中にも仕返ししてやる。二人を足蹴した報いをしっかり受けさせてやる。

 

「……マリエの首はもういいかな」

 

リオンも溜飲が下がったのか、刀を下ろしてスゴスゴと下がる。

 

「六千万ディア程度なら、すぐに払えるのではないのか?」

 

殿下のその呟きに、四人が同意するように頷く。

そのあまりにも阿呆な思考に、リビアとアンジェ嬢、ミレーヌ様が冷めた目を向けている。

 

「……その金はどこから出すつもりなんだ?」

「?実家に頼めばすぐに出るのではないのか?」

 

本当に酷すぎる殿下の返答に、質問したリオンが頭痛を堪えるように顔を手で覆う。

当然、ミレーヌ様も冷たい声でその考えをバッサリとぶった切った。

 

「ユリウス。この件でお金を出すことはありません。それは他の四家も同じです」

「「「「「!?」」」」」

 

殿下だけでなく、同意した四人も『嘘だろ!?』と言いたげな表情で驚いている。

いやいや、どこをどう考えたら実家が罰金を肩代わりしてくれると思ったわけ?少しは現実を理解しろよ。このお馬鹿ファイブ。

 

 

 

――――――

 

 

 

「……最悪。本当に最悪。六千万とか、本当に最悪なんですけど」

 

地下牢から客室に移されたマリエは、生気が失った表情でぶつぶつ呟いている。

 

「しかも田舎に押し込められるし……どうしてこうなるのよ……私は都会で輝く女なのに……」

「全部自業自得だろうが。それと、俺の丹精込めて整備した領地に文句を言うな」

 

マリエの文句にリオンがイラッとした表情で反論すると、マリエは急に涙目となった。

 

「私は幸せになりたかっただけなの!この通り謝りますので、どうかお慈悲を!!」

「却下」

 

マリエはオレに向かって土下座してきたが、速攻で却下する。減額する気は一切ないし、もう正式に決まったことだからな。

 

「諦めろマリエ。こうなったエドは絶対に動かない。今世の姉貴にも罰を与えたしな」

 

リオンはどこか悟った表情でそう告げる。

そう。オレはジェナさんにも罰金刑を与えた。十万ディアのな。

あの人の専属使用人であるミオルがフランプトン元侯爵に手を貸し、王国を危機に陥れたからな。

 

管理責任を問い、実家の肩代わりを封じた上で支払うように命令を下した。当然、本人の名義で借金して返すしか方法がないようにしてね。

リオンは金の力で責任追及をかわそうとしていたが……オレが阻止した。だって、本人に反省の様子がなかったからな。

 

実際、実の弟のリオンにすら謝っていないからな。むしろ今後を考えれば罰を与えないとマズイだろ。

もちろん、協力した他の専属使用人の主である女子も同様の罰金刑に処した。罰は平等じゃないとダメだからね。

 

「十万ディアの罰金って……私と比べたら軽いじゃない」

「一見すれば、な。今後の結婚事情を鑑みれば、結構な地獄だぞ」

 

これからは男性が相手を選べる立場だからな。借金持ちの女なんて余程素晴らしい女性じゃないと貰われないぞ。

後、ミオル達はフランプトン元侯爵達同様、公開処刑されることが決まった。国家反逆罪が適用されたからね。

そして、この一件で専属使用人制度は完全廃止の流れとなった。その専属使用人のせいで王国が存亡の危機になったし、証拠もバッチリあるからね。

 

その際、男性陣はオレとリオンに感謝していたよ。英雄様たちのおかげで、徹底的に潰せたとね。

閑話休題。

オレはそろそろ、マリエを生かした目的を果たすことにした。

 

「マリエ。お前は乙女ゲームの二作目の知識を持っているな?それをオレ達に教えろ」

「へ?何で二作目のことを……あ、いや、そうか」

 

オレの質問にマリエは目が点になるも、すぐに自身の言葉を思い出してか納得したように頷く。

 

「教えてもいいけど、タダで教えるのは……」

「あ゛?」

「二作目の舞台はアルゼル共和国です」

 

オレが睨んで凄むと、マリエはビビってすぐに情報を吐いた。

アルゼル共和国……留学の話が出ていた国か。

 

「え?つまり外国ってこと?ひょっとして……」

「二作目のラスボスは健在よ、兄貴。しかも、世界滅亡エンドありよ」

「最悪だぁああああああ!!」

 

問題が予想の斜め上であったことに、リオンは頭を抱えて嘆く。オレも同じ気持ちだ。

世界滅亡って……完全に放置できない案件じゃないか。規模次第では放置することも視野に入れていたが……スケールのデカさからそれは出来なくなった。

 

「そのラスボスは先に潰せるか?」

「それは無理ね。そのラスボスは共和国にとってかなり重要な存在なのよ。どちらかと言うと、暴走してラスボス化するタイプだから」

 

一番手っ取り早い方法を聞いてみるが、マリエは首を振って否定した。

公国の魔笛は最悪破壊すれば封じられるのに対し、二作目のラスボスは安易に手が出せない存在……つまり、強引な力押しは使えない。

いや、そもそも外国なんだ。下手したら国際問題……戦争の火種に成りかねない。それでは本末転倒だ。

 

「こうなると、留学を利用して入り込むしかないか。マリエ、二作目の主人公と攻略対象の情報を吐け」

「……これ以上はタダで言いたくないわ」

「あ゛あ゛!?」

 

また情報を出し渋ったマリエに凄みを効かせるも、今度は頑と首を振って拒絶した。

 

「嫌よ!これ以上は仕送りをくれるまで、絶対に言わないんだから!生活費が必要なのよ!!」

 

……仕送り?生活費?

 

「何でいるの?必要なものは全部揃えた筈だし、エドんとこの耕運機や稲刈り機も貸し出されてるだろ」

「その際に少しは苦労を知りなさいって、自給自足の生活になったのよ!あの五人を抱えた上で六千万の支払いもあるのよ!?カイルやカーラはともかく、あの五人がお金を稼げると思うの?断言するわ。絶対に失敗する」

 

リオンの至極真っ当な疑問に、マリエは危機感を露にそう返す。

カイルはともかく、カーラもマリエに付いていくのか。

 

「第一、あの五人は自給自足も悪くないって呑気に言ったのよ!?罰金の事が全然頭に入っていないの!相当キツい生活になるのに、あの五人は全然現実を見ていないのよ!あの五人に任せていたら、絶対に失敗する!だから、お米とかちゃんと送るから生活費をください!」

 

マリエはそう言って、土下座した。

罰だから甘やかしたくないのが本音だが……

 

「……仕送りは俺が出してやるから、情報を出せ」

「ありがとう、兄貴!」

 

リオンから仕送りが貰える事となったマリエは立ち上がり、喜びを露に小躍りしていた。

リオンが視線で早く話せと訴えると、マリエは咳払いしてから話し始めた。

 

「主人公は潰えた筈の大貴族の血を引く娘よ。名前は……覚えてません」

「「は?」」

 

いきなり役立たず情報にオレとリオンが睨むと、マリエはビビって弁明する。

 

「だ、だって名前は変更できる仕様だったもん!それに何十年も前の記憶なのよ!?どうしても忘れちゃうのよ!だけど姓は“ベルトレ”で髪型はツインテールだから、すぐに分かると思うわ!」

 

姓はベルトレで髪型はツインテール……ね。

 

「実質、姓しかあてに出来ないだろ。髪型なんて、その気になれば変えられるんだからな」

 

あんまりゲーム情報を前提にし過ぎると、致命的なミスに繋がりかねないからな。

 

「攻略対象は?」

「全員、大貴族出身よ。その内の一つがラスボスに深く関係してるのよ」

「その大貴族の名は?」

「ラウルト家よ。二作目の悪役令嬢もその家の出身よ」

 

ラウルト家という大貴族がラスボスと深く関わる……ね。

 

「そのラウルト家は、主人公の家を潰した諸悪の根源なのよ。だから、ラスボスと一緒に倒すことになるわ」

「……そのラウルト家は調べる必要があるな。どうしてそうなったのか……可能な限り調べないと、思わぬ落とし穴に成りかねないからな」

 

オレのその言葉にリオンが同意するように頷く。そんなオレとリオンにマリエが首を傾げた。

 

「?何で調べる必要があるのよ?」

 

……そういえば、まだ言ってなかったな。

 

「実はな……」

 

オレはそう言って、例の聖女装備が怨念が籠った呪いの装備であった事を説明する。もちろん、マリエには全然効いていなかった事実と共に。

 

「ちょっ!?知ってて私に使わせたの!?本当に最低なんだけど!!」

「実害ゼロなんだから、もういいだろ」

「いいわけないでしょ、クソ兄貴!」

 

リオンとマリエがギャーギャー言い始めたが、オレは構わずに話を続けていく。

 

「そんな訳だから、ゲーム知識だけを頼りに動くのは危険なんだ。それに、オレ達のような転生者の存在もある。その二作目の開始時点が何時からかは不明だが、それ以前から問題が起きてないとも限らないからな」

 

今回は上手いこと運ぶことが出来たが、次もそうだとは限らない。ましてや外国なのだ。既に何かしらの問題が起きていてもおかしくはない。

 

「あ、二作目の開始は初作と同じタイミングよ」

 

……もう、問題が起きていても不思議じゃないな。

 

「それはそうと、兄貴は本当に駄目よね!早死にしたんだし!」

「その原因はお前にあるだろうが!」

「アレくらいで死ぬなんてあり得ないわよ!」

「お前はヒモ彼氏の暴力だけどな!」

 

リオンとマリエはそのまま兄妹喧嘩を始めてしまう。

ま、最低限の情報は聞けたからいいか。

 

「そもそも逆ハーレム目指して、最悪の結末を迎えそうにしたお前が言うな!」

「兄貴だって悪役令嬢を側に置いているじゃない!そっちのメガネは主人公の側にいるし!」

 

ん?こっちに飛び火してないか?

 

「俺とエドは清い付き合いだ!」

「どっちもチキンでヘタレなだけじゃない!」

 

グフッ!?その言葉が胸に刺さる!

 

『確かにキャプテンはチキンでヘタレだな。オリヴィアの二度目の告白を、何だかんだ理由を付けて逃げたからな』

「いやいやいや!こういうのはノリと勢いで答えちゃ駄目だろ!」

 

ハーツの厳しい言葉に、オレは弁明する。

地下牢から出た後、リビアから再度告白された。それに対し、オレは好きや愛は別とやら、もっと時間をかけて考えるべきだと言って全力で逃げ出してしまった。

 

『オリヴィアのことは好きではないのか?』

「確かにリビアのことはす……好きだが……だからこそ、安易に決めたら駄目だろうが……」

 

オレは観念したようにそう返す。

 

『それは一人の女性としてか?』

「……そうだよ。だからこそ、慎重に行かないといけないだろうが」

 

何せ、オレは将来子爵になるんだ。嫁も相応の家の人間を迎えないと周りの反感を買ってしまうし。

 

「側室なんて、下手したらリビアを傷つけるだろうし……嫁いだ相手にも失礼だろ……」

『本当に面倒くさいキャプテンだな。いつもの腹黒さを駆使して、オリヴィアを正妻に迎えられるように持っていけばいいだけだろう』

「さすがに無理だ。どれだけの貴族を黙らせないといけないと思っているんだ?」

 

一気に全員黙らせるなら、別だけどさ。

それに、好きだからこそ幸せになって欲しいしな。腹黒なオレより相応しい相手がきっといるだろうし。

 

『つまり、全貴族を黙らせればいいんだな?』

「確かにそうだが……何でお前がそんな事を聞くんだ?」

『さあな』

 

そんなハーツの返しに、オレは首を傾げるしかなかった。

 

 

 




「……第一作目のシナリオが三作目を巻き込んで崩壊してるんすけど」
『どうやら私の同胞が活動しているようですね』
「それってラプっちと同じ戦艦すか?」
『いえ。私のデータにはないので、最新鋭の移民船かと』
「移民船すか……もしかして、超強力な武装がてんこ盛りっすか?」
『……本当に無駄に鋭いな』
「その反応!今度は何を企んでいたんすか!?」
『ミスリードで喧嘩を売って、返り討ちに合うことを期待していた。だから、私の同胞に殺られて死ね』
「絶対に嫌っすよ!!」
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