チートアイテムは色々な意味でアウトです   作:厄介な猫さん

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今回より共和国編です。
てな訳でどうぞ。


二年編
ラスボスフラグをへし折れ!


オレとリオンは現在、一同を食堂に集めていた。

 

「約一名以外は非常に不本意だが、俺達が面倒を見ることになった」

「リオンと協議した結果、乗船中は清掃員として働いてもらう。日給六百ディア、マリエとそこの五人に対しては手取り二百ディア。生活費はこっちの負担でな」

 

オレがそう告げると、おバカファイブが粗か様に不機嫌な表情となった。マリエとカーラ、カイルは嬉しそうに、伊達眼鏡をかけたヘルトラウダはマリエたちの反応に首を傾げていたが。

 

「どうして僕たちだけ、満額で払われないのかな?」

「六百ディアでも安いのに、さらに引かれるとは……本当に理不尽ですよ」

「オレはこれでもかなーり譲歩しているんだが?」

 

ブラッドとジルクの文句に、オレはこめかみに青筋を浮かばせながら言葉を返す。

本来は必要のない清掃を日給六百ディア―――前世での六万円でやらせようとしているんだ。食費も宿泊費も含めた生活費は取らず、引かれた四百ディアは賠償金の支払いに回される。最低でも一日で2400ディアを返せるんだぞ。

 

それに留学している間だからな。滞在先の屋敷の掃除も仕事扱いでと・く・べ・つ・に!日給を出すんだぞ。単純計算で月の手取りは六千ディア。日本円にして六十万だ。賠償金の支払いも12000ディア……百二十万円になるんだ。清掃の仕事としては物凄く破格な待遇なんだぞ。

しかもカイルとカーラには満額で払われるから、上手く遣り繰りすれば余裕のある生活も送れ……いや、それはさすがに無理か。このおバカファイブの金銭感覚はもちろん、立場すら把握していないからな。

 

「何と横暴な……」

「こんな扱いが認められるなんて……!」

「横暴なものかよ。むしろ、ミレーヌ様の命令がなかったらそこの五人は魚の餌にしているところだぞ」

「むしろあちこちに多大な迷惑を掛けといて、平然と文句を口に出来るな?」

 

ユリウスとクリスの文句に、オレとリオンは苛立ちを隠すことなく言葉を返す。

自給自足の生活を仕送り前提で考えていたり、マリエが二作目の情報を餌にリオンに泣きついて勝ち取った仕送りを無断で全部溶かしたり、貸し出していたオレの所有物を売り払ったりしたお前らは、本当に魚の餌になっても不思議じゃないんだぞ。

 

「勝負しろ!バルトファルトにファーレンガルド!俺が勝ったら、こんな待遇は改めてもらう!」

 

グレッグが近くに立て掛けてあったデッキブラシを槍のように構えると、血迷った台詞を吐いてきた。

納得いかないから力づくとか……もう、本当に呆れるしかない。

 

「冗談も休み休み言え」

「そんなに力づくが好みなら……お望み通り相手してやろうか?」

 

本当に言葉で解決しそうにないから、思いっきり折檻して黙らせてやろうか?ハーツも気を利かせて、右腕に魔装を展開してくれたしな。

 

「ロストアイテムを使うとか卑怯だぞ!!」

「ハハハ。戦いとは常に卑怯と隣合わせなんだぞ?それに実力行使なら、こっちも相応に対応するだけだしな」

 

言葉は言葉、力には力で解決するのが道理だからね。勿論、何倍にも返してな。

 

「これが王国の将来の元跡取り……それも中核でしたから、私たちが何もせずとも勝手に沈んでいた気がしてきました……」

 

おバカファイブの阿呆振りを目の当たりにしたヘルトラウダはそう呟くと、酷く憔悴したかのように深い溜め息を吐く。うん、これが将来の元中核とか信じられないよね。

ちなみにだが、ヘルトラウダはあの長かった髪を切ってショートヘアになっている。正体を隠すためとはいえ、本当に思い切ったよな。髪は女の命!なんて言葉もあるくらいなのに。あれだけ髪を伸ばしていたのに、切るとなったら本当に躊躇しなかったな。伊達眼鏡もあって、パッと見では直ぐに結び付かなくなったけど。

 

「一応言っとくが、コイツらの面倒は見なくていいからな」

「この五人の留学の理由は生活勉強だからな。基本は一人でやらせないと、いつまで経っても学習しないからな」

 

ヘルトラウダにこの五人の面倒を見させるなんて、さすがに論外だからな。滞在先の屋敷の掃除とかはやらせるけど、コキ使っていいわけじゃないからな。

そもそも、本当は全額徴収しても良かったんだ。その上で本来の清掃の日給で支払うべきところを、リオンが締め付け過ぎると絶対面倒になるとオレを説得してこの条件にしたんだぞ。お前たちはリオンの寛大な対応に深く感謝しやがれ。

 

「掃除で一日六百ディア……」

「それで食事付き……本当に破格の待遇じゃない!」

「良かったですね、マリエ様!!」

 

現にこの三人は涙を流して喜んでいるしな!脳内万年お花畑のおバカファイブはしっかりと現実を見やがれ。

 

―――共和国に到着する日。

 

「それじゃ、改めて情報を整理するぞ」

 

オレとリオンはマリエを来させ、今回の留学目的―――例の乙女ゲーム“アルトリーベ”の二作目の世界滅亡エンド阻止の為に、現時点で判明している情報を纏めることにした。こうすることで、新たな発見があるかもしれないからな。

本来はオレとリオンで確認するだけだったけど、何の因果かマリエもいる。ある程度は吐かせたけど、後から思い出すこともあるかもしれないしな。

 

「先ず、アルゼル共和国についてだが……彼処は【聖樹】という、山のように巨大な木の恩恵に依存している大国だ。この【聖樹】は共和国の象徴であり、同時に信仰対象でもある。早い話が国の絶対的な要だな」

 

オレはアルゼル共和国に関する資料を片手に、リオンとマリエに聞かせるかのように説明する。リオンは初作しか知らず、マリエは記憶が曖昧な部分があって穴が存在しているからだ。

個人的にはそっちの方がありがたいけど。攻略情報なんていう、一種の未来予知の情報が正確になってしまえば、それに依存して致命的なミスを犯してしまうかもしれないし。参考意見程度にするのが丁度いい。

それでも、ラスボスの情報は助かったけど。正体を知って()()に先に潰せないと分かったんだからな。

 

「ミレーヌ様からも聞いたけど、【聖樹】って共和国の全てを支えているんだっけ?」

「そうだ。この【聖樹】が文字通り全てを支えているんだ。日常生活のライフライン、産業活動に兵器の生産と稼働のエネルギー源……それら全てが魔石を一切頼らずに動かせている。しかも【聖樹】から送られるエネルギーは底なしで実質無尽蔵。一度も枯渇することなく本当に好きなだけ使えるから、採掘した魔石は輸出に全部回せている。故に、有数の資源国家としても名を馳せている」

 

その【聖樹】の根が張っている六つの大陸を管理・統治しているのが六大貴族と呼ばれる、共和国で一番権力を持っている六家だ。マリエからの情報では、二作目の主人公は【聖樹】の《巫女》を輩出する家だったみたいで、滅ぼされるまでは七大貴族と呼ばれていたそうだけど。

 

「そして、この【聖樹】から無尽蔵にエネルギーを供給されるから防衛戦においては常に圧勝。【聖樹】から離れれば離れる程、その恩恵が得られなくなる。だから、自ら侵略に走ることはないが……今までの戦果から外の人間に対する態度がとにかくデカイ。それこそお山のガキ大将レベルで」

 

全員が全員、そうだとは言えないが軍辺りはその傾向が強い。貴族の方も言わずもがなだ。

 

「そんなに酷いの?共和国の外の人間に対する態度って」

「王国の女尊男卑に匹敵すると言えば分かりやすいか?」

「分かりやすい例えをどうもありがとう」

『どこの国でも新人類は末期ですね。いっそ、世界の癌諸とも滅ぼしますか?マスター』

『その癌に滅ぼされた敗北者は発言を控えるがいい』

『くぁwせdrftgyふじこlp!!』

『くぁwせdrftgyふじこlp!!』

 

ルクシオンとハーツがお馴染みの罵詈雑言合戦を始めたけど無視。止めるだけ無駄だからな。例の結晶体ボディで物理的な喧嘩まで加わったけど。

 

「そこに加えて、この【聖樹】がマリエの言う二作目のラスボスの存在になっている。それに間違いはないな?」

「間違いないわよ。そして、新しい聖樹の苗の《巫女》となった主人公と《守護者》となった攻略対象がラスボスとなった【聖樹】を倒すことで、ハッピーエンドになるわ」

 

マリエはそう言って胸を張っているが……現実的に見たら半信半疑だぞ。

 

「……本当にそれでハッピーエンドになるの?苗木状態の【聖樹】で、共和国のエネルギーを全部賄えるの?」

「そこまで知らないわよ!ゲームはそこで終わったんだから!!」

 

マジか……後日談なしで終わるとか、本当に投げやりだな。オレが前世で勤めていたゲーム会社は!!

しかも、初作の激ムズクレームを受けてかなり難易度を下げたみたいだし。いや、全てのユーザーを納得させるのは難しいことなんだけど。

 

「そもそも!アンタはあのゲームを作った会社に勤めてたんでしょ!?そこからシナリオを予測するとかできないわけ!?」

「出来るか!そもそもオレは、ゲームシステム部門の配属だったんだぞ!」

 

初期段階からバグだらけで苦労していたんだからな!?残業必須で、修正したらまた新しいバグが発生しての繰り返しだったんだぞ!シナリオとか、キャラ設定の把握なんて出来るわけないし、逆に危ないわ!!

 

「システムのバグ?なぁ、エド。そのバグは現実でも起こせるんじゃないのか?」

「だからゲームと現実を混ぜるな!そもそもバグは大量にあったんだ!修正に必死で詳しい内容を記憶する余裕なんてなかったんだぞ!期日までに完成させないといけなかったのもあるし!!」

 

有名なゲーム会社なのに、中身はブラックに近かったし!給料は高額でボーナスも出てたけど、忙しすぎて使う余裕なんてなかったし!ワーカーホリックの前世から脱却して、今世ではのんびり過ごしたかったのに!

……そろそろ本題に戻ろうか。これ以上の前世の愚痴は時間の無駄だし。

 

「……話を戻すか。マリエの情報では【聖樹】は内的要因ではなく、外的要因でラスボス化する。だから、一番安全な解決策は【聖樹】をラスボス化させないことだ」

「ラスボス化の阻止?普通に主人公達に倒させた方が安ぜ……あっ」

 

オレの考えにリオンは反対しようとしたが、その後の問題点に気付いたのか途中で言葉を止める。

 

「?兄貴?何で途中で黙るのよ?下手をしたら世界が滅びるのよ?」

「……【聖樹】が消えた後のエネルギーはどうなると思う?」

「え?そんなの新しい【聖樹】で何とかなるでしょ」

 

リオンの問い掛けにマリエは危機感ゼロのような返答で返してきた。マジでゲーム脳は本当に……!

オレは頭痛を堪えるような仕草をしつつ、問題点を明確に口にする

 

「……共和国全てのエネルギーを支えている今の【聖樹】が消えれば、共和国内の全てのインフラが止まる。仮に【聖樹】の苗木があっても、以前ほどのエネルギー量は見込めないと見るべきだ」

「……あっ」

 

そこまで説明してマリエも漸く気づいたようで、抜けた声と共に冷や汗をダラダラと流し始めていく。

もちろん絶対とは言えないが、苗木が巨木の役目をそのまま引き継げると考えるのは無理がありすぎるんだ。巨木と苗、普通にカバーできる範囲に差が出る。

当然、エネルギーに見合った活動基準に下げるなんて出来るわけもない。普通に代用品となる魔石で賄おうとするのが自然だ。

そうなれば、魔石の輸出量は激減。共和国の魔石に頼っていた国はエネルギーに困ることになる。そこに【聖樹】が消滅、もしくは大幅に弱体化したとなればどうなる?各国の侵略戦争だ。

 

「しかも、不敗神話を支えた存在は無きに等しい状態になるんだ。間違いなく周辺国家が群がって、そのまま世界大戦に発展しても不思議じゃない」

 

少なくとも、共和国の人間は大勢死ぬことになる。既に人を殺しまくっているが、進んで大量殺人者になる気はないからな。避けられるなら、避けておいて精神的に損はないし。

 

「そうなったら、俺の幸せモブライフが益々遠のいちまう!」

「私の幸せもよ!ラスボス撃破は本当の本当に最終手段にしないと!」

『その展開は自分としても避けたいところであるな』

『私としては願ったり叶ったりですがね』

 

新人類抹殺願望のあるルクシオンだけが不満げだけど、オレたちの留学目的は世界滅亡の阻止だからな?それに準じそうな世界大戦もアウトに決まっているだろ。

そもそも【聖樹】って旧人類と新人類、どっちに深く関わっているんだ?【聖樹】に似た性質の植物は他にないし、そのルーツが完全に不明だからな。情報が圧倒的に足りないから、まだ口にして疑問には出さないけど。

 

「そういう訳だから、留学中にすべきことは主人公の家を滅ぼしたラウルト家と、その事件背景の調査だ。それが分かれば、シナリオ通りに進めずとも最悪を防げるかもしれないからな」

「た、確かに……そっちの方がラスボスの被害も防げるわ」

「……人死には少ない方がいいしね」

 

リオンとマリエもすんなりと頷いてくれたな。これで原作ルート重視とかほざいてたらキレてたわ。今回は外からの侵略じゃなくて内側の暴走だからな。共和国内で解決できる範囲だし。

 

「けど、二作目の主人公の動向は把握しておいた方がいいんじゃないのか?主人公を放置して世界滅亡にでもなったら、それこそ笑えないし」

「まあ、そうだな……一応は把握しておいた方がいいか。何処に破滅の地雷があるか分かったもんじゃないし」

 

例の聖女装備が呪いの装備の類だった前例があるし。どこに崩壊、破滅フラグがあるか分かったもんじゃないし。

 

「時系列に間違いがなければ、その主人公はオレ達と同年代なんだよな?」

「そうよ。二作目の舞台となる学院は貴族だけじゃなく、一般市民の入学も受け入れているの。だから、元貴族の主人公も普通に通えてるわ」

『身分に関係なく教育を?貴族政治にしては、随分と思い切った政策ですね』

『貴様の疑問が手に取るように分かるぞ。民衆が革命を起こさないかとでも思っているのだろう。ちなみに自分は既に答えを知っておるぞ』

『ゴミの妄言ですね』

『妄言かどうかはキャプテンの言葉を聞いてから判断すればいい』

 

本当にここぞとばかりにマウントを取ってくるな。オレはそんなハーツに呆れつつも、民衆が革命に動かない理由を推測混じりで話していく。

 

「貴族と平民では【聖樹】からの恩恵にも差が出ているんだ。一番大きいのが《紋章》……特に六大貴族に与えられた“【聖樹】の力”が一番厄介みたいなんだ。子細までは分からないが、複数人相手でもワンサイドゲームができる程みたいだぞ。しかも【紋章】持ちは貴族限定」

『成程。それほどの力を貴族達が持っているのなら、民衆が革命を起こしても直ぐに制圧できそうですね』

「それに加えて、【聖樹】を裏切れば力の剥奪―――一般市民と同じ《加護無し》になるそうだ。そのリスクの大きさから内部争いはあまりない。それが外への高圧的な態度に全部回っているが」

「本当に良く調べたよな。おかげで凄く助かるけど」

 

そりゃ、商売に奔走してツテもコネも作っていたからな。何も知らないまま乗り込むなんて、無謀にも程があるからな。

しかし、そんな状態でよく滅ぼせたよな。ラウルト家だけで一家滅亡までできたのか怪しいくらいだぞ。そこも調べていくしかないけど。

 

『どうだ鉄屑?自らの無能さを知らされた気分は?』

『お前の戯れ言には微塵の価値もありませんが、エドワードの調査に関してだけは評価を改めましょう』

 

如何にも上機嫌で結晶体ボディを光らせるハーツに、ルクシオンは平然とした音声であるがバチバチと放電している。

本当に、隙あらば煽るよな。お互いに。

 

「マリエ!無事か!?」

 

そんな相棒たちに呆れていると、ユリウスが焦燥に駆られた表情で部屋に入ってきた。いや、何でマリエの心配をしているんだよ?

 

「何でその台詞が出るんだよ?普通に話していただけだぞ。お前を含めた五人の手綱を絶対に放すなってな」

 

オレはしれっと嘘を付いてユリウスにそう言葉を告げる。さっきまでの話は明かせられないし、話したらガチで面倒になる。仮に話しても混乱を招くだけだから、墓の下まで持っていくべきだと思うし。

 

「フッ、余計な気遣いだ。俺達はずっと、マリエと一緒だからな」

「そういう意味でエドは言ってんじゃねぇよ。お前達が常識外れの行動ばかりするから、しっかり目を光らせておけと釘を差していたって話なの」

「常識外れとはどういう意味だ!そもそも、俺たち抜きでマリエと一緒にいるお前達の方が常識外れだろう!!」

「それで常識外れと言うな」

 

本当におバカファイブの頭の中はどうなっているんだろうな。単に空っぽだった頭にマリエがにょきっと生えてきたのか?それともマリエを口説いているとでも思ったのか?

だったら検討違いもいいところだ。オレはマリエを口説く気なんて一ミクロンも存在しないし、許嫁となったリビアが第一だ。クラリス先輩は……時間を掛けて考えさせていただきます。留学が終わるまでには、ちゃんと答えを出しておかないと。でないとクラリス先輩に物凄く不義理を働く羽目になるから。

そう考えていると、船の警報音が鳴り響いた。

 

『マスター、接近警報です。上空に船影あり。あちらは共和国警備隊と名乗っています。撃ち落としますか?』

「止めろ」

 

ルクシオンからの報告と提案に、リオンはゲンナリとした表情で提案を却下する。ここで撃ち落とすなんてしたら、国際問題になるからな。

にしても上空から、ね……

 

「さっそく共和国流の挨拶かよ……」

「知っていたのか?ファーレンガルド」

「留学にあたって、可能な限り調べたからな」

 

明らかな挑発行為だけど、反撃しても返り討ちにできると本気で考えているだろうからな。むしろ、力で押さえつけた後に有ること無いこと吹き込んで、理不尽な要求を突き付けるまでがセットだろうよ。

どっちにしろ、今は我慢だ。反撃もタイミングが大事だからな。

 

……本当に共和国の人間はモラルが酷かったよ。

 

「人様の鎧に葉巻を押し付けるとか……本当に舐め腐ってるな」

「しかも二度だぞ。火が十分に消えてなかったとかほざいて、アロガンツにも押し付けやがったからな」

 

リオンも内心で腹が立っているな。オレもだけど。

連中は本当にこちらを下に見ていて、これ見よがしに挑発しまくっていたからな。今は余計ないざこざは起こせないから黙ったけど、調子に乗るなら徹底的に反撃してやる。

 

『どちらも意外ですね。特にエドワードは正論で嫌味を口にすると思いましたが』

「今のままじゃ嫌味も正論も無意味だ。反撃は向こうが言い返せないタイミングで徹底的にするのが一番だからな」

 

せめて《紋章》を無効化する手を用意しないとダメだし。力を封じないとボコボコにできないんだし。

 

『相変わらずの腹黒キャプテンで安心したぞ。そのタイミングとやらは何時だ?』

「アインホルンの強奪辺り。あの五人が乗る船だから、最新鋭だと向こうは考えているだろうし」

 

特にユリウスは王国の王子だからな。自国の王子様を粗雑な船に乗せるなんて思ってもいないだろうし。

 

「本当にお前は腹黒いな……その時は連中の最も嫌がることをやってやろうかな」

「それについては大賛成だ」

 

今回の貸しを百倍にして返してやろうと考えながら、オレ達は目的地―――アルゼル共和国へと入国するのだった。

 

 

 




「でっかい樹だな……」
「こんなにデカイ木の役割を、どう考えたら苗木で何とかできると思えるんだ?」
「ゲームだからじゃね?ゲームならご都合展開で解決するし」
「それ第一に考えていたお前の体験談からか?」
「~~♪」
「口笛で誤魔化すな」
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