会議室から応接間に移動してから数時間。学院からの呼び出しでアインホルンで好き勝手していたピエールが入って来る。
呼び出されて若干不機嫌そうだったピエールはオレとリオンの顔を見た瞬間、不快感を隠そうともせずに表情を更に歪めたけど。
「……おい。何で三流国家の犬二匹が此処にいるんだ?」
「その犬二匹が、お前に用があるんだよ」
リオンはそう言って、プランターに入った聖樹の苗木をピエールへと見せるように掲げる。それを見たピエールは露骨に反応した。
「……聖樹の苗木、だと?おい、それは本物か?本物なら今すぐ俺に寄越せ。三下共」
本当に上から目線だな。自分達が優位だから、何をしても許されるとでも思っているのかね?むしろ、優位な立場だからこそ、それを維持する為に奔走するんだけどな。こいつは単に甘い蜜を吸いたいだけのカスだから、気にも止めないだろうけど。
「話し合いがしたいなら、先ずは俺から奪った物を返してもらおうか。苗木の所有権の話についてはそれからだ」
「あれは俺の船だ。第一、聖樹に誓った神聖な決闘で俺の物になったんだ。三下は本当に頭が悪いな」
リオンが提示した交渉の前提条件を、ピエールは心底馬鹿にするように突っぱねる。分かりきっていたことだけど、念のために確認しておくか。
「つまり、此方の要求に応じる気は一切ないと?」
「当たり前だろ。三流国家の主張なんざ、全くの無価値なんだよ。分かったら、さっさと苗木を俺に寄越せ」
ホント、こっちの予想通りの反応と対応だな。おかげで予定通りに進められるけど。
「寝言は寝てから言え。聖樹の苗木の価値を考えれば、見つけてすぐに外に持ち出してもおかしくないんだぞ?それを、こうして隠すことなく伝えてやったんだ。俺達のことを頭が悪いと言うが、お前の方がよっぽど頭が悪いだろ。いや、頭が悪いからあんな真似が出来たんだよな。じゃあ、しょうがないね!」
リオンが此れでもかと馬鹿にして煽ると、ピエールは顔を真っ赤にして右手の甲をオレ達に見せつけるように構える。《紋章》の力を使う気だろうが、それをして困るのはお前達だからな?
「ここで暴れるのか?下手したら苗木がダメになるかもしれないぞ」
オレが親切にそう言ってやると、ピエールは舌打ちをして右手を下げる。
それを確認したリオンは、地獄への片道切符となる提案を口にする。
「それでも俺は寛大だからね。お前が俺から奪った物を賭けた決闘に乗るなら、俺もこの聖樹の苗木を賭けてやる。勿論、偽物にすり替えたり、屁理屈を捏ねて渡すのを渋る真似はしないよ。お前と違ってね!」
本当にリオンは煽るな。ピエールに対してかなり頭にキテいるみたいだし、このくらいの意趣返しはやっておきたいんだろうな。
そんなあからさまな挑発に、ピエールは額に青筋を浮かべて今にも飛びかかりそうだ。苗木がこっちにあるから強行策に出られないけど。
「……絶対に殺してやる」
「それは同意ってことでいいのか?」
完全に相手を殺す気満々、決闘にも乗ってきそうなピエールにオレがそう聞くと、同席していたナルシス先生が口を挟む。
「待つんだ。お互い、この場合の決闘の意味を分かっているのかい?決闘ではなく話し合いで解決した方が、お互いの為になると思うよ?」
予定にない仲裁だけど、これは仕方ないかな。ナルシス先生もピエールが受ける最悪な方の制裁を知っているし、それを考えれば同情の方が勝ってしまうんだろうな。この提案も、内情を知る者からすればピエールへの助け舟だし、同じく同席しているクレマン先生も頷いているしな。
そんなナルシス先生の救いの手とも呼べる仲裁に対し、ピエールは鼻で笑い飛ばした。
「ハッ。こんな三下共と話し合いで解決なんてあり得ないな、ナルシス。むしろこんな三流国家の肩を持って、売国奴と疑われていいのか?そうしたら、お前の家の立場が危うくなるぞ?」
せっかくのナルシス先生の庇いを売国奴呼ばわりか……むしろ国の為に仲裁しようとしてるんだから、綺麗な方の愛国者だぞ。
「で?結局受けるの?受けないの?」
「いいぜ、受けてやる……そこのキモいのとナルシスが見届け人だ」
ピエールが決闘を受け入れたことで、地獄への片道切符が決まったな。
ナルシス先生とクレマン先生はどこか憐れむ目をしながら、話を進めようと口を開く。
「……分かった。肝心の決闘は聖樹に誓うか、互いの取り決めに従うかのどちらにする?」
「聖樹に誓った決闘だ。コイツらは信用できないからな」
「奇遇だね。俺もお前のような屑野郎は欠片も信用できないからね。約束を破れないようにしたら、俺も安心だしね」
ピエールが《聖樹の誓い》を介した決闘にすると告げ、リオンもピエールを煽りながら反対することなく受け入れる。
本当にナルシス先生はピエールへの最悪を避けようと必死だな。共和国の貴族からしたら、何としても避けたいことだからな。明確に口にしないだけ、ありがたいけど。
それとピエールは本当に阿呆だな。わざわざ二択を用意している時点で訝しむべきなのに、欠片も疑問に思っていない……むしろ、オレ達を庇っているとでも思っているんだろうな。実際は真逆なのにね。
「……分かった。なら、決闘の方法はどうする?私が立ち会う以上、一方が不利な条件での誓いは認めさせないよ」
「鎧を使った決闘だ。ソイツと一対一のな」
ピエールは即答しつつ、苗木を持つリオンを指差す。リオンの煽りが随分効いたようだな。思惑通りに事が運んでくれて助かるけど。
自分から鎧を使った決闘を提案してきたのも、こっちの狙い通り。ピエールが奪ったアロガンツは先の戦闘によるダメージで性能ダウンした(実際は誤魔化す為の出力セーブで抑えているだけ)とはいえ、貴重なロストアイテムだからな。性能面だけでなく、リオンに絶望を与えたいとも考えているんだろうな。ルクシオンが上手く誘導したのもありそうだけど。
ちなみにパルトナーは自動操縦が以前ほど出来なくなっている……という設定にしているそうだ。ロストアイテムの修理は本来であれば不可能だから誤魔化さないと大変だからね。アインホルンもパルトナーの性能の再現も兼ねた船ということにしているし。
おかげで、仮に暴れ回っても誤魔化しが利くようになったしね!
「それなら……俺からは聖樹の力の使用を禁止にしてもらおうかな。公平を謳うなら、それくらいはいいだろ?それとも、聖樹の力がないと三流国家の騎士に勝てないのかな?」
……本当にリオンはピエールを煽るな。後、完全に思考を誘導しているよな?オレが言えたことじゃないけど。
「ああ、構わない。賭けるのは、お前の持つ聖樹の苗木とお前から奪った物だな?」
「そうだ。必ず俺に“返せ”よ。必ず、俺の前に“持ってこい”。アロガンツにアインホルン―――その中にあるもの“全て”をな。俺が勝ったら、全部ちゃんと俺に返せよ?土下座して誠心誠意を込めて謝罪すれば、俺が“納得”すれば特別に“許してやる”よ」
お?意外にもリオンが逃げ道を用意したな。形だけの情けかもしれないけど。
「勝ってから言えよ。これで俺は兄貴を出し抜いて次期当主だな」
……本当に自分が勝つ前提でしか考えていないな。オレらも勝つ前提で話を進めているけど。
「……決闘の場所は学院が用意しよう。それでは両者、聖樹に誓いの言葉を」
ナルシス先生が声に憐れみを乗せて、最後の言葉を口にする。同時にピエールの右手の甲が光り、オレ達の足下に魔法陣が展開される。
「聖樹に誓う」
「聖樹に誓おう」
これでピエールはもう後戻りできなくなったな。尊厳とプライドがズタズタにされるか……全部失うかの別れ道からな。
《聖樹の誓い》が終わり、ピエールが捨て台詞を吐いてから応接間を後にして……ナルシス先生とクレマン先生は深い溜め息を吐き、オレとリオンに顔を向けた。
「……本当にやるつもりなの?もしそうなったら、国際問題になりかねないわよ?」
「前にも言いましたが、ユリウス殿下に危害を加えた時点から国際問題です」
「エドの言う通りですよ。それに俺はエドと違って慈悲の心もあるからね。アイツの対応次第では、少しは情けを掛けて上げますよ」
リオンは恩着せがましく口にするけど、最悪に持っていく気満々だろ?本当に情けを掛けても良いけどね。それを盾にすることも出来るし、どっちに転んでも不利になることはないからな。
――――――
リオンとエドワードからの手紙の内容に、アンジェリカは笑顔で怒りを露にし、オリヴィアは能面の如く表情を消していた。
その理由は……
「リオンの奴……随分とノエルという女にデレデレしているみたいだな」
「エドさんも……ワンコのノエルさんと仲良しなんですね……」
老犬のノエルとの戯れを記した内容を、完全に勘違いしていたからである。
リオンの手紙の内容は明確に“犬”と書いていない上、十七歳という年齢もあって誤解を招きかねない内容だ。それでも、エドワードの方は“ワンコのノエル”と記載しており、普通であれば手紙にある【ノエル】は犬であることが伝わっていただろう。
だが、アンジェリカとオリヴィアにはそれが全く通じることなく、女性とイチャイチャしているのだと解釈してしまっていた。
何故なら……
『ルクシオンからの通信だと、向こうでマスターは二人の女性に言い寄られていたみたいだしね』
『頭領も、それを見て何もしなかったからな。上司の情報では、頭領自身も異性との仲が良好であるそうだ』
クレアーレとソウルが、意図的に二人の異性との関係に関する情報を伝えていたからだ。もっと言えば、ルクシオンとハーツが二人にとって都合が悪そうな事実を切り抜いて伝えたのが元凶である。
アンンジェリカとオリヴィエは二人の力になる為に、今出来ることを頑張っているのに、その当人二人は異国の地で女性とイチャイチャ……普通にぶちギレる案件である。
「ワンコ……そのノエルとやらは犬のフリをして、リオンを誘惑しているのか……」
「仲良し……どんな意味で仲良しなんでしょうね……?」
一度浮気で手酷く裏切られたアンジェリカと、ヤンデレ気質の疑いがあるオリヴィア。この二人を怒らせたらどうなるか……少なくとも肩身が狭くなるのは確実だろう。
事実、二人が共和国と揉めていることを心配するより、愛する人の浮気疑惑にキレているのだから。
―――正妻二人の、怒りと疑惑に満ちた突撃訪問の日は近い。
――――――
……本当に予想通りの展開だよ。それで平然といられるかは別問題だけど。
オレはコーヒー、リオンは紅茶片手に寛いでいるが、ヘルトラウダ以外は慌てているんだよな。何も知らなきゃ、慌てるのが普通だけど。
「何を呑気にしている、バルトファルト!」
「ファーレンガルドもですよ。君達は、今の状況を理解していないのですか?」
ユリウスとジルクがオレとリオンに詰め寄っているが、別に慌てる事でもないから丁寧に説明する。
「決闘の日までに、リオンは自前で鎧を用意しなきゃいけない。でも、共和国の商人は誰も鎧を売ろうとせず、王国から鎧を乗せた船も、共和国の警備隊から露骨に入国を制限されて届けることもできない、だろ?本当に、よく此処まで手を回せたもんだ」
その方法が、共和国からしたらアウトみたいだけど。あくまで噂程度で、確証も証拠もないものだけど。情報を集めた限り、十中八九黒だろうけど。
そんな危機感ゼロのオレとリオンに、大分回復したグレッグが問い掛ける。
「本当にどうするつもりなんだ?あの戦いで以前ほどの性能がないとはいえ、アロガンツはロストアイテムなんだぞ?向こうは確実にアロガンツを出すのに、バルトファルトは鎧も無しで戦うことになるんだぞ。生身で鎧に勝てないのは、ファーレンガルドも理解しているだろ」
グレッグの指摘は正論だ。普通であれば生身でアロガンツに勝つことはできないだろう。普通なら……ね。
「大丈夫だって。他の鎧ならまだしも、アロガンツを出すなら勝算の一つくらいあるから」
「むしろ、リオンならアロガンツの弱点も理解しているからな。上手くいけば百回に一回は勝てるって」
「……その一回すら怪しいのだが?」
クリスが疑惑の目を向けているが、本当に大丈夫んだからな。だって、八百長みたいになるんだから。
「マリエだって、鎧を売って欲しいと商人のところを回れるだけ回ったんだぞ。カーラも他に方法がないか探したんだ。なのにお前達がそんな態度では、口出ししたくもなるだろ」
マリエとカーラは本当に必死だな。オレからの制裁を恐れてだけど。何とか許しを得ようと死に物狂いだし。
「ま、そんなに心配しなくていいよ。しっかり落とし前は着けるから」
「逆にそっちの方が心配なんだ。お前もバルトファルトも、やり過ぎるんだからな」
心外だな。確かにやり過ぎるかもしれないけど、基本的に必要だからやっているだけだぞ。それくらい痛い目を見ないと、相手は理解しないんだし。
「仮にやり過ぎでも問題ないぞ。向こうが先にやり過ぎてるからね」
「そうだね。俺の物を騙し討ちして奪っただけじゃなく、ユリウスにも危害を加えようとしたからね。だから、それを引き合いに出せば問題なし!」
そーそー。しかも、グレッグとブラッドの二人も暴行で大怪我を負わされたしな。だから多少酷い目に合わせても、こっちは強気に出られるからね!
「……お前達は本当に何処までやるつもりなんだ?」
「フェーヴェル家に業腹な負債を背負わせるまで。ちゃーんと個人的ないさかいに収まるよう、持っていくからさ」
「本当にそれで国際問題にならないと、君は考えているのですか?フェーヴェル家は六大貴族……この国の重鎮の一族の一つですよ。間違いなく、彼らは王国に抗議しますよ」
ジルクの言い分も間違っていない。国の重役の息子に喧嘩を吹っ掛けた時点で、普通なら大問題だからな。けど、それを黙らせられるカードは今も集めているからな。証拠として認められるかどうかは別だけど。
「だから大丈夫だって。戦いは始まる前から始まっている。向こうはつまらない手で潰しに来るだろうが……それが読まれていることすら、想像できていないだろうし」
「全くだ。こっちには百倍返しの反撃で報復する、腹黒のエドがいるんだ。素直に奪った物を返せば、ストレスで禿げる程度で済んだのにな」
「……本当に大丈夫なのか?お前達でなく、王国が」
「ちゃんと上手く調整するって」
その損害はピエール次第だけど。万が一にもないだろうが、アイツがプライドをかなぐり捨てて本気で謝罪したら、リオンは多少情けを掛けるだろうな。あの取り決めにリオンの匙加減で“逃げられる”しね。
後は決闘当日までのんびり過ごすだけ。ルイーゼさんが訪問して決闘に介入できないと告げられたりしたけど、何とかすると言って煙に撒かせてもらった。ルイーゼさんはリオンに肩入れし過ぎているから、話したらよりリオンが有利になるように動くかもしれないし。そうなったらルイーゼさんの立場も危うくなるし。
何にせよ、後は当日で片を付ける……つもりだったのだが、ある手紙からまた頭を使わないといけなくなった。
「おい、エド。完全に狙いが彼女になっているんだけど?」
「挑発が過ぎたか。後の祭りだけど」
リオンが持つ手紙―――ラプラスが伝えてきた内容は、ピエールがワンコのノエルとオレとリオンの使用人―――ヘルトラウダを人質として確保して、一方的に痛め付けて殺す計画を立てているというものだった。
これがラプラスとティアへのちょっとしたお願い―――ピエールの動向の監視だ。予想はできても確定じゃないから、向こうの動きを把握できていた方が動きやすいし。
ワンコのノエルとヘルトラウダだけでなく、ノエルとティアもターゲットにすることも案にあったそうだが、ルイーゼさんがノエルに絡んでいるから面倒になるという理由で白紙になっているそうだ。仮にターゲットに入っていても、上手に逃げ回れるみたいだけど。
カイルとカーラならマリエ達に最悪丸投げしても問題はないのだが、ヘルトラウダはそうはいかない。今は公爵領の令嬢の一人とはいえ、元公国のお姫様なのだ。そんなヘルトラウダに何かあれば、領内の民は黙っちゃいない。王国に再び憎悪の焔が灯りかねないし、王国の情勢からもそれは避けないといけない。
だから……マリエには一足先に早くネタバラシして、今回の計画に本格的に参加してもらうことにした。そろそろ違和感にも気付く頃だろうし。
それでマリエを呼び出してネタバラシをしてやったら……案の定、マリエは激昂した。
「何よそれ!?兄貴も悪魔も、全部分かっていながら敢えて放置したってこと!?こっちは罰が怖くて必死に動いていたのに!!」
意外と違和感を覚えてなかった?いや、本当に罰が怖くてそれを回避するのに頭を回していたから気付かなかっただけ?ま、どっちでもいいか。
「いや、何もしなかったら現状維持だったからな?」
「ちゃーんとお前も働いてたし、この件が片付いたらゆとりのある生活が送れるように交渉してやるから。ここでサボったらそれも無しだからな?」
マリエは納得いかない!とムッスリしているが、成果がなかったら罰なしだけだったんだからな?何もしない奴に施しを与える趣味もないし。
「何にせよ、当日は向こうの人質作戦を潰さないといけないんだ。リオンの身云々じゃなく、公国関係で」
「それにヘルトルーデさんからの制裁も恐いしね」
「……ホンッと、兄貴も悪魔もドン引きする計画立てて起きながら、他人からの制裁を恐れるなんて滑稽よね」
そりゃそうだ。増長して図に乗ったら、痛い目を見るのは自分達なんだからな。誠実には誠実に、不誠実には徹底制裁がモットーだ。
「その割にあんまり引いてないだろ、お前」
「当たり前じゃない!あの糞野郎のせいで嫌な思いしたんだから!それに、二人に対するお礼もしたかったし!!後、ぶんどった分け前も私に頂戴!!」
マリエも意外とノリノリだった。しかも自分にも分け前を寄越せと要求してきたよ。
「いや、分け前なんてないよ?」
「はぁっ!?本当に最あ―――」
「それと、奴の取り巻き達にもジャンの治療費と慰謝料を請求するから。合計三百万ディア」
「グレッグとブラッドの分も請求するから、その六百万はお前に渡すからそれで我慢しろ」
「しゃああああああっ!これで毎日ちゃんとご飯が食べられる!!罰金も少しは返せるし、当日はやってやるわよ!」
現金だなぁ、本当に。それだけ苦労しているんだろうけど。
「ヘルトラウダ。君はどうしてそんなに落ち着いていられるんだ?」
「一度命を捧げた身ですし、臣下に裏切られていた身でもありますので。それらと比べたら大したことではありません」
「そのような問題でしょうか……?」